トップ 差分 一覧 ソース 検索 ヘルプ PDF RSS ログイン

がれき問題 (東日本大震災)

東日本大震災・デマ・風評被害・陰謀論


ここは2012年5月初旬までの記事を集めています。

よくあるご質問」 広域処理情報サイト 【環境省】 -津波による災害廃棄物処理を全国で-


 東日本大震災で発生した岩手、宮城両県の災害廃棄物(がれき)の広域処理で、最大の受け入れ先である東京都に向けた最後の搬出作業が31日、岩手県陸前高田市で行われた。総量は両県8市町の計16万6700トンに上った。

 

 都は2011年9月、全国の都道府県で初めて、両県とがれき受け入れの協定を締結。同11月に作業が始まり、宮城の搬出は昨年3月に終了した。

 

 この日は陸前高田市に隣接する岩手県大船渡市のがれき約9トンを、2台のトラックに積み込んで運び出した。松本実・県災害廃棄物対策課長は「いち早く受け入れに手を挙げてくれて、処理が進んだ」と都に感謝した。

 

 両県のがれき総量は2406万トン。県内での処理のほか、山形、静岡両県なども受け入れている。昨年12月現在で未処理は3%余り。国が指定した処理期限の3月末までに全て終わる見込みだ。【宮崎隆】

 東日本大震災で発生したがれきなどを被災地から東京へ運んでいた専用列車が13日、がれきの減少に伴い、運行を終えた。震災発生から間もなく3年。岩手、宮城両県はがれき処理を終えつつあるが、東京電力福島第1原発事故の影響が強い福島県では当面続く見通しだ。

 岩手県陸前高田市と釜石市のがれきを積んだ21両編成の最終列車は東京都品川区の貨物ターミナルに到着し、13日午前、「がんばろう!東北」と書かれた白い専用コンテナが、トラックに積み替えられた。

 東日本大震災で発生した本県のがれき処理が加速、県が中間目標としている「9月末までに処理率72%」の達成がほぼ確実となっている。県によると、最新データの8月末までの処理率は68・8%。3月末時点は39%にすぎなかったが、この5カ月間で30ポイント上昇と急速にペースアップした。処理期限である来年3月末までの完了も視界に入ってきたが、冬期間の処理効率低下などの懸念もあり、県は残り半年の追い込みに全力を挙げる方針だ。

 

 これまで処理スピードが上がらなかったのは、放置すると腐敗などの恐れがある可燃物を先行してきたことが背景にある。これらは県内外の施設で焼却処理を進めてきたが、比重が軽いため、重量ベースの処理率では数字が上がりづらかった。

 

 これに対し、4月以降は可燃物の処理がある程度片付き、不燃物など比重の重い廃棄物に移行したことでペースアップ。さらに、県内で最も多く津波堆積土が発生した陸前高田市で5月から、大量の水を使って細かいがれきと土砂に分別する高精度の専用処理プラントが稼働したことも処理を加速させている。

 

 ただ、今後は季節も冬へと向かい、作業効率が落ちる可能性は高い。漁具・漁網のように破砕が容易ではなく処理に手間の掛かる廃棄物も残っている。

 3日午前4時50分ごろ、秋田県大館市役所の外壁2カ所に「赤い塗料で何か書かれている」と通行人から大館署に通報があった。署員や市職員が現場に向かい「放射能ガレキを受け入れたら私は自殺する」と書かれているのを確認、大館署は建造物損壊容疑で捜査している。

 

 市によると、3日午前0時に警備員が巡回したときには落書きはなかった。

 

 大館市は東日本大震災で発生した岩手県のがれきの受け入れを検討中。小畑元市長は「今回の落書きは暴力行為にも等しい。市は厳正に対処していく」とのコメントを出した。

 神奈川県真鶴町議会は27日、放射性セシウムが検出された焼却灰処理を奈良県の業者に委託したことをめぐり、「西日本にまで汚染を広げてはならない」などと短文投稿サイト「ツイッター」に書き込んだとして、村田知章町議(37)への辞職勧告決議案を賛成多数で可決した。

 

 村田町議は「表現の自由を阻害された。弁明の機会を与えられておらず、辞任するつもりはない」と話している。

 

 奈良県の業者は、書き込みがあった3月に焼却灰の受け入れを中止。決議は「配信後の影響を考慮しない行為で、社会的、道義的責任がある」としている。

 

 真鶴、湯河原両町でつくる衛生組合は1月から家庭ごみの焼却灰処理を奈良県御所市の業者に依頼。2月の測定で、国の基準値(1キログラム当たり8千ベクレル)を大幅に下回る最大490ベクレルの放射性セシウムが検出された。

 宮城県は24日、東日本大震災で発生したがれきについて、県内の全市町村長らを集めた会議を仙台市内で開き、村井嘉浩知事が「他県にお願いする以上はまずは最大限、宮城県で汗をかかなければいけない」と述べ、がれき受け入れを市町村長に要請した。

 

 県側は「東京電力福島第1原発事故の影響で、広域処理の調整が円滑に進んでいない」と指摘、市町村が管理する一般廃棄物処理場での受け入れや、民間処理施設を活用するための協力を求めた。

 

 県は現在、県内のがれきの処理量を圧縮できるとして、5月の大型連休明けをめどに見直し作業中。

 野田佳彦首相は23日のTBS番組「ニュース23クロス」収録で、東日本大震災で発生したがれきを再利用し、青森県から千葉県までの東日本の太平洋側海岸線約140キロにわたり防災林を整備する方針を表明した。今年度中に50キロ分の事業に着手する。首相は「防災林の盛り土にがれきを使う。再利用も含めてがれき処理が進むように努力する」と述べ、がれき処理の促進と今後の津波対策の両面で効果が期待できることを強調した。

 防災林構想は3月のがれき処理に関する関係閣僚会合で示され、政府内で具体化を進めていた。震災と津波で出たコンクリート片や堆積(たいせき)物、瓦などのがれきを分別し、放射線量や有害物質の安全性が確認されたものを活用する。海沿いに高さ3〜10メートルの盛り土を行って防潮堤の役割を持たせるとともに、その内陸側にも幅50〜200メートルの盛り土をして防災林を整備。海寄りは潮風に耐性があるマツなど、内陸寄りはカシワやタブノキなど各地域の自生種を植栽する。

 東日本大震災で発生したがれきの処理を巡り、札幌市の上田文雄市長は12日の定例記者会見で、改めて受け入れ拒否を表明した。

 

 がれきの安全性を否定する自らの発言の影響については、「事実に基づいて言っている。風評被害を起こすとは思わない」との認識を示した。

 

 上田市長はこれまで同様、国が安全だとする放射性物質の基準やがれきの処理方法を疑問視した上で、「(原子力発電所事故による)放射性物質が付着したがれきは、どんなレベルでも国の責任で管理すべきだ」と主張。「放射性物質は30年、100年先まで管理しなければならず、地方自治体に押しつけるのは無理がある」と語った。

 

 こうした発言が被災地への風評被害を招いたり、被災者の心情を傷つけたりする可能性を指摘する質問に、「そうなるとは思わない。批判はいくらでも受けるが、事実に基づいており、全く根拠がないことを言っているのではない」と述べた。安全性を否定する理由は「内部被曝の問題がある」とした。

 

 政府からの受け入れ要請に対し、道は「積極的に協力する」と回答している。上田市長は会見で「意見が違うと受け止めている」とコメント。高橋はるみ知事が札幌市の対応を「残念だが、市長の信念」と発言したことの感想を問われると、「私の個人的な見解や生き方と受け止めているのなら心外に思う。あまり詳しく言うと、それ自体が風評被害だと言われるので申し上げない」と述べた。

東日本大震災の被災3県で発生し、最終処分されたがれき181万トンのうち、企業が再利用した量は7・7%の14万トンにとどまることが経済産業省のまとめで分かった。

 

 阪神大震災では約50%が再利用されたといい、一般廃棄物のリサイクル率でも20・8%(2010年度)に上る。放射能の風評被害に対する企業の不安に加え、政府内でも、環境省と経産省に温度差があり、がれき処理の遅れに影響する可能性もある。

 

 2246万トンに上る震災がれきは通常、仮置き場で木材やコンクリートなどに分別され、その後、自治体が埋め立てるか、企業が再利用することで最終処分される。企業は木くずなどを高温で焼き、セメントの原料に使うなどしている。

 富山県の石井隆一知事は9日、岩手県山田町を訪れ、東日本大震災で発生したがれきの仮置き場を視察した。その後、盛岡市の岩手県庁で達増拓也知事と会談し、周辺住民の同意を得ることなどを条件に、岩手のがれきを富山県内で処理するとの覚書を交わした。

 

 視察で石井知事は破砕選別設備を見学し、がれきから金属などを取り除き、可燃物だけにする工程の説明を受けた。自ら測定した空間放射線量は毎時0・04マイクロシーベルトで「思ったより低く、富山県庁周辺と変わらない。(安全性は)全く問題ない」と述べた。視察後、石井知事は富山県特産チューリップを山田町の佐藤勝一副町長に手渡した。

 東日本大震災で発生した岩手、宮城両県のがれきの受け入れについて、札幌市の上田文雄市長は4日、「国から示されている(放射性物質の)基準や指針では安全の確証が得られる状況にない」として、拒否する回答文書を細野豪志環境相に郵送した。

 政府は3月、すでに受け入れ表明をしている自治体を除く道や札幌市など35道府県と10政令市に協力を要請、6日までの回答を求めていた。

 上田市長は回答文書で受け入れを拒否する一方、「安全に処理することが可能な災害廃棄物は受け入れの用意がある」とし、国に情報提供を求めている。しかし、市は「通常処理している廃棄物相当の安全性」を受け入れ条件に挙げていることから、がれきを受け入れる余地は事実上ないと見られる。

 東日本大震災で発生したがれきの受け入れを表明した自治体の中で唯一、最終処分場などの新設を検討している愛知県が、財政負担を巡る国の方針に反発している。野田佳彦首相は3月上旬、「国が財政支援をする」と表明したが、環境省は3月下旬、県に「費用は出せない。既存施設の活用を優先してほしい」と伝えてきたためだ。県は「住宅のない場所に新設した方が理解を得やすく、早く処分が始められる。国は被災地のことを考えているとは思えない」などと批判している。【駒木智一】

 東日本大震災のがれき受け入れを巡り、金沢市の山野之義市長宛てに3通の脅迫文が届いていた問題で、山野市長は3日の定例記者会見で、「こういうものは単なるヒステリックで、一方的なものだ。相手にはしない」と述べ、がれきの受け入れ検討に影響はないことを強調した。

 

 山野市長は3日、金沢中署に被害届を提出。同署は脅迫の疑いで捜査している。同署によると、脅迫文は3月7日に市役所、4月2日に市役所と山野市長の自宅に1通ずつ届いた。いずれも、「震災がれきを受け入れたら殺す」という内容が書かれていた。

 

 山野市長は「電話やメールなどで、賛否について意見はもらっていたが、脅迫もどきのようなものはなかった。日本国民の良識だと思っていたので、大変残念だ」と述べた。

 

 市は今年度予算に、がれき受け入れの調査費として100万円を計上。近く、放射線や廃棄物処理の専門家を集めた「震災がれき受け入れ可能性検討会」(仮称)を設置する方針。

 

 山野市長は「夏までに、検討結果を出すべきではないかと思っている。できるだけ早く次の段階に行きたい」と話した。

 

 また、メールやツイッターなどで市民から意見が寄せられていることに触れ、「直感としては、賛否は7対3くらい。賛成が多いのではないか」と感想を述べた。

 東日本大震災のがれき受け入れを巡り、金沢市の山野之義市長宛てに脅迫文が届いていたことが、市への取材でわかった。

 

 市から届け出を受けた石川県警金沢中署が脅迫の疑いで捜査している。

 

 市によると、脅迫文は、2日午前、郵送で市役所に届いた。はがきに手書きで「がれきを受け入れたら殺す」という内容が書かれ、一部は、切り取った印刷物が貼られていたという。

 

 山野市長はこれまで「私個人としては、受け入れるべきだと思っている」「オールジャパンで取り組むべきだ」と発言。市は今年度の予算に、がれき受け入れの調査費として100万円を計上し、4月中にも受け入れに向けた検討会を設置する予定。

 東京電力福島第一原発事故の影響でがれき処理が問題になる中、製材で発生する木くずでも、受け入れを巡り業者が苦境に立たされている。

 

 一部で高い濃度の放射性セシウムが検出されたこともあって、行き場を失った木くずは福島、栃木両県で計約2万5000トンに上る。業者は東電の火力発電所で燃料として使ってほしいと要請したが、東電は拒否。林野庁などは「風評被害をあおりかねない行為」として、近く東電に受け入れを要請する。

 

 「このままでは工場の操業がストップしてしまう。廃業に追い込まれる業者も出るだろう」。福島県内の製材業者など約200社で作る県木材協同組合連合会(福島市)の幹部は頭を抱える。

 

 悩みの種は、木を切り出し、製材する過程で剥がす樹皮。通常は、堆肥や家畜の寝床用に1トン1000円前後で引き取られる。

 

 だが、原発事故後の昨年8月、林野庁の調査で一部の樹皮から1キロ・グラム当たり最大約2700ベクレルの放射性セシウムを検出。その後は同200〜300ベクレル程度に下がり、国の定める堆肥の基準(同400ベクレル)より低くなったが、それでも、毎月4000トン発生する樹皮のうち、引き取ってもらえるのは4分の1程度だ。

 

 連合会によると、現時点で計2万トンが業者の敷地内などに仮置きされている。圧縮しても高さ4〜5メートルほどに積み上がり、発酵して発火する恐れもあるという。同様の問題は隣接する栃木県にも及び、3月時点で十数業者の抱える計約5000トンが処理できない状態だ。

 愛知県の大村秀章知事は24日記者会見し、東日本大震災で発生したがれきの一貫処理施設を知多市緑浜町の埋め立て地「名古屋港南5区」に整備すると正式発表した。すでに知多市長の内諾を得ているといい、知事が県内受け入れを表明していた震災がれきの処理施設建設が具体化した。

 

 名港南5区は、10年3月まで一般、産業廃棄物を埋め立て処分していた。

 

 県はこのほか、中部電力碧南火力発電所(碧南市)やトヨタ自動車田原工場(田原市)などに処分場や焼却灰の埋め立て施設建設の可否を打診し、市町村にも意向を確認している。【加藤潔】

 東日本大震災で発生した災害廃棄物(がれき)を被災地以外で処理する広域処理を進めるため、政府は23日、がれきの受け入れを表明している群馬、神奈川、静岡の3県と域内の5政令市に処理の要請文を送付した。今回は岩手県のがれきが対象で、木くずと可燃物計28万1000トンの処理を依頼した。

 

 要請したのは▽群馬県に対して宮古、大船渡、陸前高田3市と山田、大槌2町の可燃物・木くず8万3000トン▽神奈川県内では横浜、川崎、相模原3市に対して大船渡、陸前高田2市などの木くず12万1000トン▽静岡県では県と静岡、浜松市に対して山田、大槌2町の木くず7万7000トン。調整が付けば追加の要請も行う。

 

 このほかに受け入れを表明している6都府県と域内の3政令市にも、来週中に要請文を送る方針。

 

 一方、受け入れを表明していない35道府県と域内の10政令市に対して政府は今月16日、要請文を送り、検討状況を4月6日までに伝えるよう求めている。環境省によると、岩手、宮城両県で発生したがれきの量は計2044万6000トン。政府はこのうち約400万トンを広域処理に回す方針だ。【藤野基文】

 秋田市の穂積志市長は22日、東日本大震災による災害廃棄物(震災がれき)受け入れについて、「(5月に市が行う)燃焼試験で安全性が確認されれば受け入れる」と表明した。これまでは「受け入れを前提に燃焼試験を行う」とし、試験結果が出てから判断するという慎重な姿勢だったが、3回の住民説明会や、市議会の早期受け入れを求める決議採択などを受け、積極姿勢に転じた。安全性が確認されれば、周知のための住民説明会を開き、受け入れに向けて手続きを進める。

 

 市は岩手県野田村の震災がれきを想定。同村からの報告では、今月に震災がれきの放射性セシウム濃度を測定したところ、検出下限値を下回る「不検出」だった。

 

 燃焼試験は市総合環境センターで5月中旬に4日間実施。当日の様子は希望者を募り公開する予定。結果は7月上旬にも判明する見通しで、8月に受け入れを開始する予定。また、4月から週1回、同センターから半径3キロ以内にある小学校や幼稚園の計12カ所で、空間放射線量を測定する。近くの岩見川の上・下流や川底の汚泥の放射性物質の濃度も測定して公表する。

 

 穂積市長は「野田村の震災がれきは放射性物質が不検出だったことを理解してもらいたい。万が一に備え、燃焼試験をして安全に処理できるかどうか確認する」と述べた。【小林洋子】

 さて、私は、FBはやっていますがツイッターは利用しません。

 ツイッターは匿名性が高く、誹謗中傷というか、いずれ建設的な意見が少ないように思うからです。

 

 本題に入りますが、ツイッターの中で私の書いた本の内容を引用?し、それを違った解釈をされた方々がいて、私が『瓦礫の広域処理を望まない』と言っている旨の書き込みが氾濫しているようです。

 

 陸前高田市の瓦礫については、大船渡市のセメント工場で瓦礫の処理をしていただいているので、今のところ他の自治体にお願いする予定はありません。

 

 しかしながら、瓦礫の問題は陸前高田市の問題ではなく、被災地全体の問題だと思っています。

 

 被災地瓦礫の全体量が減少していくことで、復興のスピードは速まりますし、何よりも被災者の方々に元気を与えることになると思います。

 

 したがって、私個人としても瓦礫の引き受けをしていただけるところがあるのであれば、どこの被災地の瓦礫でも構いませんの処理をお願いをしたいと考えています。

 北九州市議会は12日、東日本大震災で発生したがれきの受け入れを市に要請する決議を全会一致で可決した。九州の自治体でがれきの受け入れを決めたケースはなく、北橋健治市長の判断が注目される。

 

 北橋市長は可決後、報道陣に対し「すべての議員が賛成したことを真摯に受け止めたい。国の説明会に職員を派遣するなどして情報収集を急ぎ、受け入れの可否を考えたい」と慎重に検討する考えを示した。

 

 決議案は自民、民主・社民系など4会派が共同で佐々木健五議長に提出。決議文はがれき受け入れについて「全国の自治体の協力がなければ、数十年そのままの状態となる。がれき処理なくして被災地の真の復興はあり得ない」と強調。

 

 市に対し「科学的な知見で放射性物質の影響を検証し、通常の廃棄物相当と判断されるものの受け入れを表明するよう要請する」とした。

 

 可決後には、がれき受け入れに反対する市民らが「絶対反対。市民の声を聞け」などと抗議の声を上げ、警備員に制止される一幕もあった。

 

 傍聴席から抗議した市民団体代表の白水弘美さん(38)は「一つ一つのがれきを測定することはできない。市民に説明もないままの採決はおかしい」と話した。

 富山県の石井隆一知事は十一日に開いた記者会見で、県内の複数の自治体が震災がれきの受け入れへ向けて検討する意向であることを明らかにした。これを受け「被災県との間で、がれきを受け入れる際のルールをつくりたい」として、がれきの種類や量、放射線検査体制などをめぐる実務者レベルの協議を、十二日以降のなるべく早い時期に始める考えを示した。

 県は県内十五市町村と三つの広域圏事務組合に対し、がれきを受け入れる考えがあるかどうか意向調査をし、九日までに回答を得た。結果について知事は、自治体名や事務組合名には触れずに「受け入れる方向で検討したいとするところが複数あった」と述べた。

 石井知事は「安全の確保と県民の理解が前提」と強調した上で、受け入れを検討する県内自治体に可能な量や時期などをあらためて確認後、被災県側と具体的な検査体制などの話し合いを始める考えを示した。 (山田晃史)

 野田佳彦首相は11日、東日本大震災1年を受けて首相官邸で記者会見し、震災により岩手、宮城両県で出たがれきを被災地以外で受け入れる広域処理について、「昨年8月に成立した災害廃棄物処理特別措置法に基づき、被災3県を除く全都道府県にがれき受け入れを文書で正式に要請する」と表明した。セメントや製紙会社など、がれきを焼却したり原材料として活用できる民間企業に協力拡大を要請する考えも示し、政府の取り組みを強化する方針を示した。(2面に記者会見要旨)

 

 首相は「あの日を忘れないことが最大のご供養だ。震災の記憶と教訓は絶対に風化をさせてはならない」と強調。「問われるのは、国民同士の連帯感の持続だ。すべての国民が復興の当事者と自覚してほしい」と訴えた。

 

 その上で「がれき広域処理はその象徴的な課題」との認識を示し、「国は一歩も二歩も前に出る」と語った。具体的には、(1)法律に基づき全都道府県にがれき受け入れを文書で正式要請するとともに、放射性物質の濃度などの受け入れ基準や処理方法を定める(2)民間企業への協力拡大を要請(3)週内に関係閣僚会議を設置−−との三つの追加対応策を表明。さらに受け入れを表明した市町村に対して、がれきの種類や量を明示して協力要請する考えも示した。

 

 復興庁の対応に被災自治体から批判が出ていることについては「速やかに対応するよう平野達男復興相に指示する」と述べた。

 

 また、定期検査で停止中の原発の再稼働について「私を含め4閣僚で集まり、安全性や地元の理解をどう進めていくかという議論をし、地元に説明に入る。私もその先頭に立つ」と語った。【新垣和也】

 高橋はるみ知事は9日の定例記者会見で、東日本大震災の被災地で発生したがれきを受け入れないとした上田文雄札幌市長の発言について「残念だという思いはある」と述べた。一方、工藤広稚内市長が新たに受け入れ表明したことを「大変心強く思う。ただちに道職員を派遣し議論を深める」と歓迎し、こうした自治体と連携して受け入れに向けた検討を進める考えを示した。<北海道新聞3月10日朝刊掲載>

東日本大震災で発生したがれきの受け入れについて、処理施設などを持つ自治体の首長の60%以上が前向きに検討していることが、日本青年会議所の調査で分かりました。

一方で、受け入れには処理施設の不足や、住民の反対が課題となっていることが改めて浮き彫りになっています。

この調査は全国各地に支部がある日本青年会議所が行ったもので、独自の廃棄物処理施設を持っている全国の市町村の首長590人から回答を得ました。

それによりますと、「がれきを受け入れてもよい」と回答したのは20%で、「受け入れに向けて検討中」と回答した41%を加えると、全体の60%以上に当たる360人の首長が、がれきの受け入れを前向きに検討していることが分かりました。

また、受け入れる条件として、▽がれきの安全性の保証、▽住民や議会の理解、▽国による予算措置などを挙げています。

一方で、27%の首長は「受け入れたくない」と回答しており、理由については「処理施設が不足している」が53%と最も多く、「住民の反対」が11%などとなっていて、受け入れに向けた課題も改めて浮き彫りになっています。

また、今回の調査では被災地から遠い自治体ほど、がれきの放射性物質の基準などについて正しく理解されていない傾向もみられました。

環境省は調査結果の提供を受けて、今後のがれき処理に生かしたいとしています。

民主党の有志の議員が、震災復興の障害となっているがれきを被災地以外で受け入れる広域処理を進めるため、近く議員連盟を発足させ、全国の自治体に協力を働きかけていくことになりました。

東日本大震災で発生したがれきについて、環境省は、被災地以外の自治体で受け入れる広域処理を呼びかけていますが、放射性物質に対する不安などから、東北地方以外で受け入れたり、受け入れの検討を表明しているのは、一部の自治体にとどまっており、野田総理大臣は、4日、こうした自治体が放射能検査や処分場の拡充や新設を行う場合、国が財政支援を行う考えを示しました。

こうしたなか、民主党の高木元文部科学大臣や伴野前外務副大臣ら有志の議員は、がれきの広域処理を進めるため、党所属の議員に参加を呼びかけて、近く議員連盟を発足させることになりました。

高木氏らは、環境省に対し、がれきに含まれる放射性物質の詳細な情報を全国の自治体に積極的に提供するよう求めるとともに、各議員の地元自治体などに対し、焼却施設の処理能力に応じて、がれきを受け入れるよう働きかけていくことにしています。

 東日本大震災をめぐり共同通信が実施した全国自治体アンケートで、岩手、宮城両県のがれきの受け入れについて、回答した市区町村の33%が「現時点では困難」、53%が「まったく考えていない」とし、全体の86%が難色を示していることが3日分かった。11日で震災1年を迎える中、放射性物質が拡散するとの懸念がくすぶり、広域処理は進んでいない。2014年3月末までに処理を終える政府目標の達成は困難な情勢だ。

 

 調査は2月、都道府県と市区町村の計1789自治体を対象に実施。がれき処理関連は、1742市区町村のうち1422市区町村(82%)が回答した結果を集計した。

 災害廃棄物(がれき)の広域処理を巡って、県は1日、新たに青森県八戸市と埼玉県の3市町で、今月中旬から本格的な受け入れに向けた試験焼却が始まると発表した。4市町とも、セメント工場が受け入れ施設となり、焼却灰を原料にリサイクルして効率の良い処理が可能という。

 

 県資源循環推進課によると、新たに試験焼却が始まるのは、埼玉県熊谷市の太平洋セメント熊谷工場▽同県日高市の太平洋セメント埼玉工場▽同県横瀬町の三菱マテリアル横瀬工場▽青森県八戸市の八戸セメント−−の4施設。いずれも野田村で発生したがれきを受け入れる。

 

 埼玉県内の3施設では、25日に柱材や角材などを試験焼却後、本格的な受け入れ量を検討。八戸市では、今月中旬以降に試験焼却し、13年度末までに野田村と周辺市町村から約2万トンのがれきを受け入れる方針という。

 

 セメント工場でのがれき処理は、県内でも太平洋セメント大船渡工場で始まっているほか、一関市の三菱マテリアル岩手工場でも、近く処理を始める予定だ。同課の担当者は「リサイクルを基調にするという県の処理方針とも一致する」と、セメント工場の役割に期待する。【宮崎隆】

 東日本大震災で生じた宮城県女川町のがれきを東京都へ搬出する作業が1日午前、同町石浜の仮置き場で始まった。都が震災がれきの広域処理を受け入れるのは、岩手県宮古市に続き2例目。2012年度末まで同町の可燃性廃棄物約10万トンを受け入れる予定だ。

 同町の須田善明町長は「町には100年分以上の震災廃棄物が発生し、復興のハードルになっている。協力してもらい処理のスピードを上げたい」と述べた。

 1日は、木くずなど48トンをコンテナで搬出。がれきの放射線量を3回測定し、安全性を確認した上でトラックに積み込み、仙台市内の貨物ターミナルまで運ぶ。その後、貨物列車に載せ替え、東京には2日に到着する予定。

 運ばれたがれきは都内の清掃工場で焼却され、都の最終処分場に埋め立てられる。都は女川町と宮古市の分も含め、13年度末までに約50万トンの震災がれきを受け入れる計画。

 沖縄・仲井真県知事は、26日に野田首相と会談した際、東日本大震災で生じたがれきについて、沖縄県での受け入れを検討する考えを伝えていたことを明らかにした。

 

 仲井真知事「これから調べる、(受け入れが)できるかできないかを。皆、苦労しているから、沖縄でも、ささやかでも」

これはさすがに、わざわざ沖縄まで運ぶメリットはどれだけあるのだろう?

 東日本大震災では、福島県で年間一般廃棄物の6年分に相当する438万トン、岩手県で同11年分に相当する476万トン、宮城県では最も多い同19年分の1569万トンのがれきが発生した。

 環境省は、このうち放射能の汚染レベルが高いと考えられる福島県だけは県内での処理を決定。ほかの2県分のがれきに関しては、昨年4月に全国の自治体に協力を打診し、一旦は42都道府県の572市町村から受け入れ合意をとりつけた。

 ところが、6月下旬、受け入れムードが一変する。東京都江戸川区や千葉県柏市などの焼却施設で、ごみの焼却灰から高濃度のセシウムが相次ぎ検出されたのだ。東京や千葉のごみが放射能に汚染されているなら、宮城や岩手のがれきも同じか、それ以上のレベルで汚染されているかもしれない――という認識が広まった。

 特にセシウムがほとんど検出されていなかった西日本に与えた衝撃は大きく、大阪以外は受け入れ“全滅”状態となった。

 また、アンケート結果からはある「誤解」も浮かび上がった。

 前述の通り、各市町村が受け入れる震災がれきに、福島県内のがれきは含まれない。しかし回答者のうち、その事実を知っていたのはわずか13.7%で、9割近い人は誤解していた。

 震災がれきの受け入れは岩手・宮城からに限るという条件を解説した後、もう一度アンケートをとると、受け入れ賛成派は28.0→42.3%と飛躍的にアップした。

 住民への受け入れを問う前に、そもそもがれきの受け入れ内容についての周知を徹底する必要があるだろう。

 東日本大震災で発生したがれきについて、敦賀市の河瀬一治市長は23日の定例記者会見で、「全国で協力しないと片付かない。できる限りの協力をしたい」などと述べ、受け入れに前向きな姿勢を示した。

 

 同市の焼却施設の処理能力には、年間約600トンの余裕があり、放射性物質を含まず、分別した可燃ごみを徐々に運び込むという条件に合えば検討するという。高浜町の野瀬豊町長も昨年12月、受け入れ検討の意向を示している。

道は22日、東日本大震災で発生したがれきについて、条件付きで受け入れを表明している道内の11市町・一部事務組合の処理可能量が、3年間で計約4万トンになるとの試算を明らかにした。

 

 道は昨年10月、がれき受け入れに関する調査を行い、11市町・一部事務組合が「放射能汚染なし」などの条件付きで受け入れの意向を回答。焼却後に埋め立てる処理方法を前提に、道は廃棄物の焼却施設などの余力を探った昨年4月の別の調査データを基に、処理可能量を計算した。

 

 山谷吉宏環境生活部長は「安全性をしっかり説明できれば、(11市町・事務組合以外からも)それなりの理解をいただけるのでは。そのための努力をしなければ」と述べた。

 環境省が21日発表した統計では、3県で約2253万トンのがれきのうち、処分できたのは5%にとどまっている。全国の自治体が引き受ける「広域処理」が、放射能を恐れる住民の反対などで進まないからだ。このままでは被災地の復興全体も遅れてしまうと、危機感を募らせた同省は、異例のキャンペーンに打って出た。

 大阪府の松井一郎知事は21日、就任後、初めて東日本大震災の被災地を視察した。西日本で唯一、がれきの受け入れ指針を策定し平成24年度予算案に処理費用を計上したものの、府内の市町村で受け入れを前向きに検討しているのは大阪市の橋下徹市長のみ。放射性物質への懸念から、府民の反発は根強く、ほとんどの市町村は慎重姿勢で、焼却灰の最終処分場も定まっていない。

 環境省は21日、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島各県のがれき2253万トンのうち、埋め立てやリサイクルなど最終処理が済んだのは全体の5%にあたる118万トンにとどまることを明らかにした。被災地外にがれきを運ぶ広域処理の遅れなどが背景にある。2014年3月末までに処理を終える政府目標について、細野豪志環境相は「このままでは難しい」との見方を示した。

 

 県ごとのがれき推計量と処理状況は、岩手が476万トンのうち37万トン(8%)、宮城が1569万トンのうち72万トン(5%)、福島が208万トンのうち9万トン(4%)だった。同省ががれきの最終処理状況を公表したのは初めて。

 

 福島では、がれきが放射性物質に汚染されている恐れがあるため県内で処理する。仮置き場への搬入率は6割にとどまっており、特に東京電力福島第一原発から20キロ圏内などでは作業が進んでいない。岩手・宮城両県では、住宅周辺などから仮置き場へのがれき搬入はほぼ完了した。だが、その先は難航している。

 東日本大震災の被災地で出たがれきの受け入れについて、大分県の広瀬勝貞知事は20日の記者会見で「積極的に考えてもいいのではないか」と述べ、前向きな姿勢を示した。ただ、放射性物質による汚染が懸念される地域のがれきについては「確認する必要がある」とも語り、国の検査に加えて搬入時に県や市町村がチェックする必要があるとの考えを示した。

 

 広瀬知事は「市町村で検討してもらっているが、受け入れる余裕がなかったり住民の心配があったり、まだ前へ進める状態になっていない」とする一方、「被災地だけで対処できない問題だ。全国的に受け入れるということで考える必要がある」と説明した。

 

 県廃棄物対策課によると県内にごみ焼却場は13施設ある。放射性物質の懸念が広がり、当初受け入れに前向きだった自治体も消極姿勢に転じ、現段階で受け入れを表明している自治体や団体はない。

いわき市は16日から同市泉町の市南部清掃センターで東日本大震災のがれきの試験焼却を始めた。

同市は同センターと市北部清掃センターの2施設でがれきを焼却する方針だが、住民の理解が得られず実現していない。

市は試験焼却で得られる放射線量などのデータを基に、焼却への理解を求める。

市によると試験焼却は16日から1週間実施する予定。

通常の生活ごみに対し、10%の割合で災害がれきを混ぜて焼却している。

16、17の両日で計約20トンの災害がれきを燃やしたという。

その上で、周辺の空間線量をはじめ、排ガス、主灰、飛灰の放射線量などを測定し、データを集めている。

今後はデータを分析し、結果を公表して理解を得た上で、本格的な焼却を実施したい考えだ

 宮城県は17日、東日本大震災で発生した同県気仙沼市のがれきの一部を、青森県東北町が受け入れて処理すると発表した。同日付で両県と関係市町が合意書を取り交わした。

 

 宮城県によると、対象となるのは放射性物質が検出されない木くず。気仙沼市が事前に放射性物質の有無を調べ、気仙沼港から青森県六ケ所村のむつ小川原港まで海上輸送。同県東北町内の中間処理業者が破砕処理する。

 

 20日から搬出を始め、11年度内に約3960トンを搬出予定。合意書に搬出の期限は明記されず、宮城県は来年度以降も搬出を続けたい考えだ。【宇多川はるか】

 東日本大震災で発生した岩手、宮城両県の震災がれきの一部を両県外で受け入れるよう環境省が呼びかけている広域処理について、処理に必要な焼却施設を持つ自治体などに受け入れ要請をしているのは10都府県にとどまり、13県は要請の検討もしていないことが毎日新聞の全都道府県調査で分かった。広域処理には窓口となる都道府県の協力が欠かせないが、受け入れが進まない背景には、がれき処理後の焼却灰の放射性物質濃度に関する国の「二重基準」などを巡る戸惑いがあることも明らかになった。

 

 調査は、東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城、岩手、福島の3県と、国からがれき受け入れを求められていない沖縄を除く43都道府県を対象に、1月下旬〜2月上旬にかけ実施した。

 

 自治体や業者に対する震災がれき受け入れ要請について、「要請している」「検討中」「検討していない」の選択肢のうち、「している」と回答したのは10都府県だった。うち青森、山形、東京が実際に受け入れ済み。

 

 また、独自に放射性物質濃度などの受け入れ基準を定めるなど具体的な対応をとっていたのは秋田、埼玉、神奈川、静岡、大阪の5府県。「検討中」としたのは7府県だった。

 

 「国の文書を自治体に流すなどして協力しているが、それ以上積極的な要請はしていない」と答えた鹿児島県のように選択肢以外の回答をした13道県を、「検討していない」とした13県に加えると、現状では26道県が広域処理に消極的だった。

 

 原子炉等規制法では放射性物質として扱わないごみの基準を1キロあたり100ベクレル以下と定めているが、震災後に国が示した指針では焼却灰の埋め立て基準は同8000ベクレル以下。

 

 がれきの受け入れ要請に消極的な県からは、「国の(放射能の)基準で本当に安全なのか。住民の理解が得られず受け入れの障害となっている」(長野県)、「放射性物質の取り扱いについて国に異なる基準が存在する理由を明確に説明してほしい」(福井県)など、「8000ベクレル以下」の安全性を疑問視する意見が目立った。

 広域処理は岩手、宮城の震災がれき約2000万トンを14年までに処理するため、うち395万トンを被災地外で処理してほしいと環境省が昨年10月に都道府県によびかけたもの。今回の調査で、受け入れ中の3都県に加え、具体的計画があると回答した神奈川、埼玉を加えた5都県の処理予定量は、処理済み分を含め計約71万トンで、国の目標の約18%だった。

 

    ◇

 

 静岡県では16日、島田市の処理施設で、岩手県山田町のがれきの試験焼却が始まった。【まとめ・平林由梨】

しかしその処理はなかなか進まない。野田総理の発言のように、受け入れを決めたのは東京都と山形県のみ。前向きな姿勢を示している自治体は、神奈川県、埼玉県、千葉県、石川県、静岡県、秋田県などにすぎない。環境省が2月に公表した資料によると、今回被災地域で臨時に発生した震災がれきの発生量は2600万トン。2009年度の全国のごみ処理実績は4625万トンだから、膨大な量だ。

 

岩手県のがれき推定量は約476万トン、宮城県は約1569万トンに上る。これは宮城県の一般廃棄物の19年分、岩手県でも11年分に相当する。福島県は約260万トンと推定されているが、原発事故による立ち入りの制限区域が3月まで設定されているために、当面は県内で処理をする予定だ。環境省は2014年3月末までをめどにがれき処理を完了するとしているが、遅れる可能性もある。

 東日本大震災の被災地で処理しきれないがれきを巡り、全国の自治体で、いったん受け入れを表明しながら、住民の反対で交渉が難航するケースが相次いでいる。

 

 野田首相は「全国で分かち合う広域処理が不可欠」として、自治体へ協力を呼びかける方針だが、がれきの放射能を懸念する住民の説得が大きな課題だ。

 

 「安全と言われた原発がこうなった。国の安全基準など信用できない」「何かあったら責任を取れるのか」。神奈川県の黒岩祐治知事が1月から3回開催した住民説明会。横須賀市にある県の最終処分場の周辺住民らに理解を求める知事に、会場の反対派から怒号が飛んだ。昨年12月に受け入れを表明して以来、がれきの安全性を強調してきたが、話はかみ合わないままだ。

 

 静岡県島田市は昨年12月、岩手県の山田、大槌両町からの受け入れを明らかにした。しかし、健康不安や特産の茶への風評被害を懸念する声も大きく、正式表明を延期。桜井勝郎市長は「市の責任でやる」と、安全性を確認する試験溶融を2月16、17日に実施する。

 

 受け入れは、少しずつだが進んでいる。東京都は昨年5月、石原慎太郎知事が受け入れを表明し、民間業者などが計約2400トンを搬入し、13年度までに岩手、宮城両県の約50万トンを処理する計画だ。山形県は計4万8520トンを処理した。

 

 環境省は、がれき焼却灰を埋めた処分場の横で生活しても、住民が受ける放射線量は年0・01ミリ・シーベルト(一般公衆の年間線量限度の100分の1)以下と強調したパンフレットを作成。同省幹部は「客観的データを示して納得してもらうしかない」と話している。

 東日本大震災で発生したがれきを被災地以外が受け入れる広域処理をめぐり、JR貨物の小林正明社長は13日、細野豪志環境相と会談し「量がまとまれば、災害廃棄物専用の貨物列車を仕立て、ダイヤを整備したい」と述べ、がれき輸送に全力を挙げる考えを示した。細野氏の協力要請に応じた。

 

 小林社長は「神奈川、埼玉、群馬、新潟各県の自治体からも(広域処理の)相談を受けている。中長距離の大量輸送は得意分野。社会的使命を果たすため、社を挙げて取り組む」と強調。細野氏は「鍵になるのは安全な運搬。安全ながれきだけを広域処理するという点は責任を持つ」と述べた。

 林野庁は7日、東日本大震災で発生したがれきを燃料に使うバイオマス発電の支援対象として、製材業者など民間事業者が岩手県宮古市と宮城県の気仙沼、石巻、多賀城の3市に建設する計4施設を決定した。計画では、4施設の合計で年間20万トンを燃やし、1万6千キロワット(一般家庭約3万戸分に相当)を発電する。

 

 復興の妨げとなるがれきの処理の加速と再生可能エネルギーの普及が狙い。施設整備費の最大半額を補助するため、2011年度第3次補正予算に95億円を計上した。

 東日本大震災で発生した岩手県宮古市のがれき(災害廃棄物)を東京都が受け入れたことに抗議や苦情が相次いでいることについて、石原慎太郎都知事は4日の定例記者会見で「何もせずにどうするのか。力のあるところが手伝わなかったらしょうがない。みんな自分のことしか考えない。日本人がだめになった証拠の一つだ」と痛烈に批判した。

 

 都によると、2日現在、「がれきを持ち込まないでほしい」などと苦情や抗議の電話とメールが2868件寄せられる一方で、賛成は199件にとどまった。石原知事は「がれきから放射能が、がんがん出ているものを持ってくるのではない。(放射線量を)測って何でもないから持ってきている。東京だってばかじゃありませんよ」と話した。【武内亮】

上記の記事によると、愛知県の大村秀章知事が、東日本大震災で発生した大量のがれき処理の受け入れを表明したところ、市民から愛知県資源循環推進課へ「放射能ごみを持ち込むな」「農産物への風評被害が広がるじゃないか」といった苦情が殺到した。

そもそも、県は放射能に汚染されたがれきの受け入れを想定していない。廃棄物処理法では放射能汚染物は対象外で、処理が許されていない。

環境省の推計では岩手、宮城、福島3県のがれきの総量は2千万〜2500万トン(3県内で出るゴミの数十年分に相当)に上り、復興にはその処分が欠かせないのだが。

その他

Togetter