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その他の被害例(VK事件)

ホメオパシー


代替療法ホメオパシーを利用している人の中で、病気が悪化して死亡する例が相次いでいる。通常の医療は末期になるまで受けていなかった。東京では5月、国立市の女性(当時43)が、がんで死亡した。埼玉でも昨年5月、男児(同生後6カ月)が死亡した。女性の遺族らは先月、「憂慮する会」を設立し、ホメオパシー療法家らに真相解明を求めて運動を始めた。

 

 5月16日、東京都東大和市内の病院の集中治療室。女性は、悪性リンパ腫が悪化して人工呼吸器を付け、声も出せない状態だった。親交のあった荒瀬牧彦牧師=めぐみ教会(東大和市)=が見舞うと、手話で3回、「ごめんなさい」と訴えた。ホメオパシーに頼り、前日に救急搬送されたばかり。入院から11日後に死亡した。

 

 荒瀬牧師は「最後の最後になり、自分の誤りに気づいたのかもしれない」と話す。

 

 両親によると、女性がホメオパシーを始めたのは3年前。離婚直後で精神的に不安定な時に友人に紹介された。昨春から体調を崩し、全身の痛み、強い肌荒れを訴え始めた。荒瀬牧師は何度も病院受診を勧めた。だが女性は「今までのホメオパシーの努力が無駄になる」と拒み続けたという。

 

 5月には外出も困難に。激しい胸の痛みに母親(69)が救急車を呼ぼうとすると、「西洋医学はダメ」と最後まで拒んだ。気を失いかけたすきに、母親が救急車を要請。搬送先で、初めて悪性リンパ腫と診断された。

 

 さいたま市では昨年5月、生後6カ月の男児が体重5千グラム前後の低体重のまま死亡した。両親は助産師の勧めでホメオパシーに傾倒。市によると、病院での男児のアトピー性皮膚炎の治療や予防接種も拒否していたという。

 

 市児童相談所は、病院の受診拒否などを虐待と判断。保健師の指導で男児が4月に入院した際、両親が連れ戻さないよう病院に要請していた。男児は5月2日に死亡した。

 

 ホメオパシーでは、病気の症状が重くなっても、自然治癒力が増した証拠の「好転反応」ととらえる。これが患者を病院から遠ざけているとの指摘がある。

 

 女性や男児の両親が頼った療法家を認定した日本ホメオパシー医学協会は取材に「現代医療を否定してはいない。(女性が死亡した)案件は調査中」と回答した。(長野剛、岡崎明子)

この記事では、ビタミンk不投与事件とは別の「日本ホメオパシー医学協会」が関連した2つの事例を取り上げている。

2010年5月、国立市の女性(当時43)が、ホメオパシーを理由に治療を拒否し、悪性リンパ腫が悪化して死亡した。埼玉でも2009年5月、男児(同生後6カ月)が体重5千グラム前後の低体重のまま死亡した。男児のアトピー性皮膚炎の治療や予防接種を、両親が拒否していたらしい。さいたま市児童相談所は、病院の受診拒否などを虐待と判断し、男児が4月に入院した際、両親が連れ戻さないよう病院に要請していたが、男児は5月2日に死亡した。

記事では、女性や男児の両親が頼った療法家を認定したのは日本ホメオパシー医学協会だとされている。女性の遺族らは「憂慮する会」を設立し、真相解明を求める運動を始めたそうだ。

この件については、「「あかつき」問題を憂慮する会」を参照。 

めぐみ教会 牧師の日記

日本ホメオパシー医学協会の反応

その他

週刊新潮の記事

朝日新聞の8月11日の報道を受けて、週刊新潮(8月26日号)に『死亡者複数という奇妙な「ホメオパシー」にハマっている有名人』(p.48)という1ページに満たないゴシップ記事が掲載された。

この記事では、ジャーナリストの藤倉善郎なる人物の以下のような解説が掲載されている。

病気の原因となる物質を分子すら残らないほど希釈して服用することで、自然治癒力が向上し、さまざまな病気に対応できると言われています。当然、飲んでも毒にも薬にもなりませんが、問題点は病状が悪化しても本来必要な医療を拒否する人がいることです。西洋医療を否定する傾向があり、治療を受け入れずに手遅れとなるケースもあるんです。

さらに、JPHMAが提携しているという山崎クリニック(佐賀県唐津市)の山崎実好院長の以下のような見解も掲載されている。

私は西洋医学の医者ですが、現段階ではアトピー性皮膚炎も喘息もアレルギー性鼻炎も治せない。でもホメオパシーによって、そうした慢性的な病状に苦しむ患者さんの状態が明らかに改善されたんですよ。

この医者は、アトピー性皮膚炎も喘息もアレルギー性鼻炎も治せないらしいので、そういう病気にかかった人は、この病院には行かないほうがいいだろう。なお、アトピー性皮膚炎は、俗に「アトピービジネス」と呼ばれる悪徳商法のターゲットとされる場合があるので、注意が必要である。

JPHMAの反応

この見解では、ホメオパシーを利用しているという、俳優、芸術家、音楽家、文豪、企業家、ヨーロッパ諸国の君主など、多数の「世界の有名人」の名前が挙がっている。

しかし、当然のことかもしれないが、この中に「有名な科学者」のリストは含まれていない。

ジャーナリストの藤倉善郎氏

JPHMAの見解に対して、週刊新潮の記事に登場していた藤倉善郎氏が反論している。

ガリレオはいったい何を唱えたのか?

JPHMAの見解について、「Not so open minded ...」がおもしろい解説をしている。

由井寅子会長の「天動説を唱えたガリレオ」という変な解説がついたホメオパシー出版の新刊「ホメオパシック・レボリューション--世界の有名人・文化人がホメオパシーを選ぶ理由--<仮題>」は9月下旬頃に発売らしいが、そのときには訂正されていることを期待する。

なお、地動説を唱えたのは、コペルニクスである。ガリレオは、自身の天体観測の結果をもとに、地動説を支持していた。また、ケプラーの法則をもとに、ニュートンが万有引力の法則を導出したことにより、ようやく地動説の正しさが説明できるようになった。

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