はしか(MMRワクチン・自閉症捏造論文)
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はしか
- 麻疹、欧州全体で流行の恐れ WHOが警告 低いワクチン接種率 AFP=時事 2017/3/29(水) 8:40配信
【AFP=時事】世界保健機関(WHO)は28日、非常に伝染性の高い感染症の麻疹(はしか)の感染患者が1月に欧州全体で500人以上報告されたのを受け、ワクチン接種率が低下している国々で、麻疹の大規模な流行が発生する恐れがあると警告した。
- 「アメリカの「はしか」大流行の一因となった「反ワクチン」派を論破する」 The Huffington Post | 執筆者: Jacqueline Howard, 投稿日: 2015年02月18日 14時41分 JST 更新: 2015年02月19日 11時06分 JST
2014年12月、ディズニーランドで発生した「はしか」が2015年1月から2月にかけてアメリカで15年ぶりに大流行している。この大流行の背景には、アメリカの親たちに根強く残る「ワクチンへの不信」がある。「ワクチンが原因で自閉症になる」といった、根拠のない医師の論文やデマがひとり歩きしているためだ。ハフポストUS版では、そういったワクチンにまつわるデマについて紹介している。
反ワクチン派の6つの見当違いの主張と、その真実を見ていこう。
間違った主張1:ワクチンが自閉症の原因になっている。
たしかに「ワクチンが自閉症の原因ではない」とは証明されていない。ないことを証明するのは困難だ。しかしアメリカ小児医学会は、ワクチンと自閉症の間にいかなる関連もみられなかったとする、40以上の研究のリストを公表している。
間違った主張2:イギリスの研究でワクチンと自閉症の関連が示された。
たしかに、1998年に医学雑誌「ランセット」に掲載されたある研究論文で、関連性を指摘された。しかしこの論文は撤回されている。研究を主導した内科医のアンドリュー・ウェイクフィールド博士は、データを改竄したことが明らかになり、医師免許を剥奪されている。
間違った主張3:予防接種を受けたあと自閉症を発症した子供の事例がたくさんある。
しかしこうした事例は証明にはならない。ワクチンのせいで子供たちが自閉症になったと信じる理由にはならない。科学者たちが端的に言う通り、相関関係と因果関係は別物だ。多くの親たちがどんな思い込みをしようとも。
アメリカの匿名投稿サイト「Reddit」ユーザーJasonp55は、こうした思い込みが見当違いであることを指摘している。彼の調べでは、オーガニック食品の売上と自閉症の診断患者数は、同時期に同じペースで増加している。相関関係があるからといって予防接種が原因だと言うのは、自閉症の増加はオーガニック食品のせいだと言うようなものだと述べている。
間違った主張4:うちの子が予防接種を受けようが受けまいが勝手だ。
実際には、子供に予防接種を受けさせない親は、接種年齢に達していないなどの理由で接種を受けられない子供たちの健康を危険に晒す可能性がある。未接種の子供の割合が一定の閾値を越えると、いわゆる「集団免疫」が損なわれ、予防可能な病気がコミュニティへの侵入の足がかりを得ることになる。
間違った主張5:ワクチンは子供の免疫系に「過剰な負荷」を与える。
これは真っ赤な嘘だ。赤ちゃんは生まれた瞬間から、あらゆる病原性ウイルスに曝されている。だから、医師、それにアメリカ予防管理センター(CDC)やアメリカ医学研究所の共通見解として、子供の免疫系は複数のワクチンの中の免疫反応を刺激する抗原に十分対処できる。それどころか、サンフランシスコの小児科医ローレル・シュルツ博士による最近の記事によれば、子供たちは日常の環境の中で、すべての予防接種を合わせたよりも多くの抗原に接触している。
間違った主張6:予防接種で得られる免疫よりも「自然の」免疫の方が優れている。
いわゆる「自然の」免疫は、人体が伝染病に感染し打ち勝った結果だが、研究によれば、各種予防接種を受けた人たちの免疫反応は感染によって免疫を得た人たちのものと同等だ。それにもちろん、ワクチンによって免疫を獲得する方が、重篤になるかもしれない感染を経るよりも望ましい。
- 「ワクチン不要論の医師を当局が調査、はしか流行で 米」 2015.02.06 Fri posted at 11:42 JST, CNN.co.jp
(CNN) 米国各地ではしかが流行しているなか、予防接種不要論を説いていた医師が、州医事当局の調査対象になっている。
ジャック・ウルフソン医師はこれまで、予防接種は自然に反しており、子どもたちには感染症にかかる「権利がある」と説いていた。
しばしば予防接種不要論の「顔」としてテレビにも登場していたウルフソン医師だが、今週に入り突然、沈黙するようになった。直接の取材にもノーコメントだ。
理由の1つとして考えられるのが、アリゾナ州医事当局が同医師に対する調査を開始したことだ。
今回はしかに感染したのは、主にワクチン未接種の子どもたちだ。つまり流行の中心には、ウルフソン医師らの予防接種不要論に従った親たちの存在がある。
また一部の医師らからは、同医師の医師免許を取り消すべきだとの声も上がっている。
- 「米加州で「はしか」15年ぶりに流行、ディズニーランドが発生源」 By MICHELLE COFFEY、2015 年 1 月 22 日 19:19 JST, WSJJapan
オレンジ・カウンティ・レジスター紙によると、ハンティントン・ビーチ高校の生徒1人が麻疹にかかったため、保健当局は予防接種を受けていない生徒に3週間の自宅待機を命じたという。オレンジ郡にある学区の多くでは幼児のワクチン接種率が低下している。予防接種の安全性を疑問視する保護者が子どもへの予防接種を避けたがるからだ。
この命令は、ディズニーランドで複数の従業員が麻疹と診断されたことを受けて出された。
カリフォルニア州の公衆衛生局によると、州内の感染者数は少なくとも36人で、他州とメキシコでは6人が感染した。これは過去15年で最悪の事態。ロサンゼルス・タイムズ紙は感染症例の数が合計53件に上ったと報じた。患者の大部分は予防接種を受けていなかった。
- 「米で強まるはしかワクチン懐疑論」 By BETSY MCKAY AND JEANNE WHALEN, 2015 年 1 月 27 日 15:37 JST, WSJJapan
これは健全な懐疑論ではなくて、言うなれば「ワクチン不要論」という現代医学の忌避。
同時に、ワクチンに懐疑的な親を説得して子供に接種させることはますます難しくなったとワクチン専門家や医師らは話す。ワクチンと自閉症に関係があるのではないかという懸念(今では誤りであることが科学により証明されている)が、より一般的かつ根拠のない不安、つまり、ワクチン接種が子供の免疫システムにもたらす影響に関する不安へと拡大したためだという。
- 「Measles Outbreak Traces To Vaccine-Refusing Megachurch」 PHARMA & HEALTHCARE, 8/24/2013 @ 2:54午後, Forbes
- 「2013 年 7 月 22 日 00:21 JST」 By JEANNE WHALEN AND BETSY MCKAY, WSJJapan
「予防接種は人間が発明した健康対策の中で最も優れたもののひとつなのに、予防接種そのものに反対する人が少数ながらまだ残っているようだ」とウェールズの医師で最近はしかにかかった患者の多くを治療しているダイ・ロイド氏は指摘している。「墓地を一周してみれば、予防接種がなかった時代にいかに多くの子どもが亡くなったかがわかる」
- 「Measles surges in UK years after vaccine scare」 By MARIA CHENG, Associated Press; Mon, May 20, 2013, Yahoo News
- 「子供に麻疹の予防接種を受けさせず、子供が感染・昏睡状態に陥った事例」 2012/03/28, 忘却からの帰還
MMRワクチン・自閉症捏造論文事件
- おたふく風邪ワクチンは必要ない? 2016年9月12日,松永正訓の小児医療〜常識のウソ、 yomiDr. / ヨミドクター
最後におたふく風邪ワクチンに関するデマについて触れておきましょう。1998年のイギリスで、自閉症と腸炎を合併する病気が見つかったと有名な医学雑誌に論文が発表されました。この子どもたちは病気の発症前にMMRワクチンを打っていたことから、おたふく風邪ワクチンを打つと自閉症になると大騒ぎになりました。ところが何とこれはデータの 捏造ねつぞう だったのです。この論文を発表した医者は、MMRからおたふく風邪(M)を抜いたMRワクチンを製造する会社の顧問だったのです。偽の論文を発表することで莫大な利益を得ていたのです。世界中で、おたふく風邪ワクチンと自閉症の関連が調査されましたが、その結果、事実無根と判明したのです。
ついでにもう一つ。インフルエンザワクチンには防腐剤としてエチル水銀(チメロサール)が添加されています。この物質と自閉症の関連が1990年代に指摘されたことがあります。しかしこれも多くの施設の研究から無関係であることがわかっています。世界保健機関(WHO)も、両者の関係を否定する声明を出しています。
おたふく風邪ワクチンや、チメロサール入りのワクチンを打つと自閉症になるという言説はひどいデマです。デマに振り回されて不利益を被るのはあなたのお子さんです。何が真実かわからなくなったら、主治医の先生とよく相談してくださいね。
- 「麻疹感染者を増加させた「捏造論文」の罪」 谷口恭 / 太融寺町谷口医院院長, 2016年3月27日, 毎日新聞「医療プレミア」
一方、ウェイクフィールド氏の論文は、正式に取り下げられるまでに、すでに後戻りできないレベルにまで社会に広く流布してしまいました。冷静に考えれば、執筆者13人のうち10人が虚偽だと認めた04年の時点で、ウェイクフィールド氏が糾弾されるべきだったと思いますが、この時点で既にウェイクフィールド氏を支持する意見が大きくなりすぎていたのです。
論文捏造の実態を暴くべくマスコミも動きました。ジャーナリストのブライアン・ディアー氏は、論文の対象となった子供たちの親への聞き取りや診療記録の調査を実施し、ワクチン接種後に自閉症などの症状が出たとされる12人のうち5人は以前から症状があり、3人は自閉症ではなかったとの結論を04年に発表しました。しかし、対象の子供の親の中に一度もディアー氏の取材を受けていないと証言する人がいる、などという報道も出てきて、ウェイクフィールド氏支持の声は続いたのです。
前述のように10年には「Lancet」が正式に論文は捏造だと発表し、ウェイクフィールド氏は医師免許を剥奪されています。ここまでくれば、論文が正しくなかったことは自明だと思われますが、現在でもなお、MMRワクチンが自閉症の原因と信じている人が少なくないと聞きます。
- 「ロバート・デニーロが反ワクチン映画上映を断念」 高橋真理子, 2016年03月31日, Web Ronza
2001年の米同時多発テロ後のニューヨークの再活性化を目指して始まったトライベッカ映画祭に、創設者の一人であるロバート・デニーロ氏が「反ワクチン映画」の上映を企画したが、翻意した。MMRワクチンが自閉症を引き起こすという主張をし、研究不正が明らかになって英国での医師免許を剥奪(はくだつ)されたアンドリュー・ウェイクフィールド博士が作った映画だ。デニーロ氏は先週金曜に「私には自閉症の子どもがおり、この問題について話す機会を提供したいと思った」とコメントを発表。しかし、翌日、上映取りやめを表明した。上映予定が明らかになった月曜から1週間たたないうちに方針撤回となった。
おそらく「表現の自由」がどこよりも尊重される国での上映中止に、正直に言って驚いた。映画の制作者側は「言論、芸術への弾圧」と非難声明を出したが、デニーロ氏は賢明な判断をしたと思う。事実に基づかない論文を書き、英国医学界から追放された当人が「ワクチンは悪」と主張し続けることに正当性は見いだせないからだ。
- 「Robert De Niro pulls anti-vaccination film from Tribeca film festival」 Sunday 27 March 2016 00.45 GMT, theguardian
- 「はしかの流行が暴露したアメリカの予防接種の実態」 2015年02月04日(水)13時34分, 冷泉彰彦, コラム&ブログ, ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
2007年の日本での「麻疹(はしか)」の流行に際しては、日本の子供たちへの麻疹予防接種の接種率低下が大きな問題になりました。低下の原因は、予防接種による副反応が過剰にメディアで取り上げられる中で、厚生労働省が一斉接種を一時期断念させられていたことにあります。
流行が深刻になるにつれて、こうした経緯がようやく反省され、高校生への追加接種を含む対策が実施されるようになりました。日本での流行はまだ続いていますが、現在では散発的で小規模なものとなっています。
その当時、例えば日本からアメリカの少年スポーツ大会に遠征したチームの中に麻疹の感染者がいたために、アメリカでの感染を広めたとして一部で問題になる事態も起こりました。
この頃のアメリカでは、MMRという麻疹を含む三種混合ワクチンの接種は強制的に行われており、麻疹に関しては事実上の収束状態にあるとされていたのです。ですから、余計に日本での流行という現象はアメリカをはじめとした国際的な批判を受けることになりました。
ですが、そのアメリカで昨年から急速に麻疹が流行しています。アメリカの中央官庁であるCDC(米疾病予防管理センター)の最新の発表によれば、13年までのアメリカにおける麻疹の感染者数は「年間100人以内」で推移していたものが、14年には急速に拡大して「年間644人」というハイペースになっています。
特に昨年12月には、テーマパークの集団感染が発生したカリフォルニアで50人の感染が確認されています。更に年が明けて今年になると、1月の1カ月で「感染数が105人」と感染が加速し、一気に社会問題化しました。
現在のところ、CDCの発表によれば、直接の要因は「海外から感染した旅行者が継続的に流入」していることであり、この流れは「ゼロにはできない」一方で、「国内においてワクチン未接種の人口が増えていることが流行拡大の原因」だという問題提起をしています。
というのは、07年に日本での流行が問題視された際には、アメリカでのMMRの接種率はほぼ100%であるという前提で議論がされていたわけですが、実際の接種率は低下してきていることが調査の結果として判明したからです。
- 「自閉症と予防接種にまつわる迷信」 Susan Brink for National Geographic News, July 18, 2013
すべての間違いの始まりは、アンドリュー・ウェイクフィールド医師を主要執筆者とする13人の研究者が、1998年に医学雑誌「Lancet」で発表した論文だった。自閉症の原因を、幼児期に受ける一般的な予防接種に求めた研究結果は結局、ねつ造と判明。同氏は2010年にイギリス政府から医師免許を剥奪されている。
しかしこの誤った論文が発表されてから10年以上、アメリカの多くの親たちは不安を募らせ、子どもの予防接種を拒むようになった。1994年に「Play Boy」誌の年間プレイメイトに選出され、モデルや女優として活躍する傍ら、人気トーク番組「The View」の進行役に今年抜擢される予定のジェニー・マッカーシーさんも、親たちの不安を煽る発言や活動を行っている。自閉症の息子を持つ彼女は、著書『言葉よりずっと大切なもの〜自閉症と闘いぬいた母の手記〜』の中で、世界中で増加する自閉症は幼児期の予防接種が原因であると指摘した。
「もちろん彼女には自分の考えを口に出す権利がある。だが、根拠のない説を事実であると述べるのは間違っている」と、ロサンゼルスのシダーズ・サイナイ医療センターで臨床革新部門の副部門長を務めるグレン・ブラウンシュタイン(Glenn Braunstein)氏は話す。「火の手が上がっていない映画館で、“火事だ”と叫ぶような行為だ。いたずらに恐怖を煽ることとなんら変わりない」。
- 「Toronto Public Health wants Jenny McCarthy fired from The View for anti-vaccine remarks」 July 22, 2013 Updated: July 22, 2013, 8:48 pm, metro
- 「自閉症ワクチン原因説:Andrew WakefieldがPigasus賞を受賞」 ベムのメモ帳, 2011-04-04
- warblerの日記
- 「今年もジェイムズ・ランディ教育財団の「Pigasus賞」が発表されました。」 2011-04-05
- 「予防接種で自閉症になるという恐怖の拡大に加担したマスコミ側の問題について」 2011-01-20
- 「MMRワクチンと自閉症の捏造論文事件に関する歴史」 2011-01-14
- 「予防接種で自閉症になるってホント?」 warblerの日記, 2011-01-11
- 忘却からの帰還
- 「子供に麻疹の予防接種を受けさせず、子供が感染・昏睡状態に陥った事例」 2012年03月28日
- 「ワクチンと自閉症をめぐるSalonとRolling Stone」 2011年02月09日
- 「Andrew Wakefieldが一歩も引かなくても」 2011年01月14日
- 「MMRワクチンで自閉症にはならない」 kikulog, 2011/1/12
- 「How the case against the MMR vaccine was fixed」 Brian Deer, BMJ 2011; 342:c5347
- 「How the vaccine crisis was meant to make money」 BMJ 2011; 342:c5258 doi: 10.1136/bmj.c5258 (Published 11 January 2011)
- 「Retraction―Ileal-lymphoid-nodular hyperplasia, non-specific colitis, and pervasive developmental disorder in children」 The Editors of The Lancet, The Lancet, Volume 375, Issue 9713, 6 February 2010-12 February 2010, Page 445
- 「RETRACTED: Ileal-lymphoid-nodular hyperplasia, non-specific colitis, and pervasive developmental disorder in children」 AJ Wakefield, SH Murch, A Anthony, J Linnell, DM Casso, M Malik, M Berelowitz, AP Dhillon, MA Thomson, P Harvey, A Valentine, SE Davies and JA Walker-Smith, The Lancet, Volume 351, Issue 9103, 28 February 1998, Pages 637-641