トップ 差分 一覧 ソース 検索 ヘルプ PDF RSS ログイン

イエティ(雪男)

ヒマラヤの雪男(yeti)。

イエティの正体はクマ

 このほど、イエティの毛、歯、毛皮、排泄物などとされている「証拠」のDNA分析により、イエティ伝説の謎が解き明かされた。11月29日付けの「英国王立協会紀要B(Proceedings of the Royal Society B)」に発表された分析結果は、イエティの正体がこの地域に生息するヒグマとクロクマ(ツキノワグマ)であることを強く示唆している。

 

 研究チームを率いた米ニューヨーク州立大学バッファロー校のシャーロット・リンドクビスト氏らは、博物館や個人のコレクターが所有するイエティの試料9点を調べた。その中には、イタリアのラインホルト・メスナー山岳博物館の「イエティの剥製」の歯や、修道院の宗教遺物になっている「イエティの手」の皮膚も含まれていた。

[ワシントン 28日 ロイター] - 米科学者らの研究チームが、ヒマラヤに住む雪男との伝説のある「イエティ」から採取したとされる標本の遺伝子を調べたところ、クマや犬のものだったことが分かった。調査結果は、英学術専門誌「英国王立協会紀要」に掲載された。

【AFP=時事】「雪男」の正体はやはりクマだった──。ネパール・チベット間のヒマラヤ(Himalaya)一帯に住むと言い伝えられ、雪男とも称されてきた未確認動物「イエティ、Yeti」。米研究者らがこれまでイエティのものとされてきた遺物の広範な遺伝学的調査を行い、それらが実は複数のクマのものだったことを突き止め、29日、学術誌に発表した。長らく信じられてきたイエティ神話を打ち砕く研究成果となった。

雪男は古代ホッキョクグマの子孫?

 日本では雪男、海外ではビッグフット・イエティ・サスカッチなどと呼ばれている、降雪の多い地方にいると言われているUMA(未確認動物)だが、この度英オックスフォード大学の遺伝学者、ブライアン・サイクス氏率いる研究チームが調査した結果、雪男のものとされるサンプル毛髪をDNA鑑定した結果、その全てがクマ、イヌ、ウマ、人間の毛髪などであったことが判明したという。

これはかなり決定的だろう。以下がその論文。

 英オックスフォード大学(Oxford University)のブライアン・サイクス(Bryan Sykes)名誉教授によると、ヒマラヤ山脈(Himalayas)で採取された雪男のものとされる2体の動物の試料と古代のホッキョクグマとの間で、完全な遺伝子の一致が確認されたという。

Bryan Sykes教授は、2014年春、「Yeti Enigma: A DNA Detective Story」という本を出版予定とのこと。

雪男をめぐる日本人同士の論争

 ヒマラヤの山岳地帯で現地調査を行ってきた、青森県弘前市の登山家、根深誠さん(65)が、ヒマラヤ雪男(イエティ)の正体を、チベットヒグマとする調査結果をまとめた本「イエティ」を出版した。

 

 1951年、英国の探検隊は、撮影した未確認の動物の足跡から雪男の存在を発表。別の探検隊が、現地の言い伝えを基に想像図を描いた。東洋の神秘的なイメージも手伝い、爆発的に世界へと広まった。

 

 現地の民族はヒグマの存在を知らず、雪男の存在を信じていた。ヒグマが雪男の正体だと気付いていた登山家もいたが、「信仰を壊したくない」と公表しなかったという。根深さんは「これで伝説に終止符を打った」。

雪男(イエティ、もしくはメテ)といえば、現在もヒマラヤ山脈などで目撃情報が出るUMA(謎の未確認動物)だ。その姿は大型類人猿とされたが、登山家の根深誠さんが近著で、イエティの正体は、日本の動物園でも飼育されている熊の仲間の「チベットヒグマ」だと明かした。

そもそもイエティはチベット語でメテと呼ばれているが、メテの英語のスペルはmi dredで、「mi」は「人」、「dred」は馬熊。馬熊というのはヒグマの仲間で日本ではチベットヒグマと呼ばれているという。

こうした研究から根深さんはイエティが日本の動物園でも飼育されているチベットヒグマだという結論に達した。

以下の文献を参照。

しかし、以下の記事のように、「音は似ているが意味の異なる言葉」だけを根拠に、イエティの存在を否定することはできないという批判もある。

この記事によると、日本人登山家同士の争いも関連しているかもしれないとのこと。根深氏の記者会見は、(根深氏のライバルである)高橋 好輝氏らのイエティ探索隊が日本を出発してから数週間後のことだったらしい。

イエティ捜索隊2008

 前回2003年の捜索の際、高橋隊長らはイエティと思われる生物を目撃し、足跡を撮影した。「200メートルくらい先にシルエットが見えた。人間のように2足歩行で、背は150センチくらいだった。私も、他の隊員もヒマラヤには何度も来ており、クマやシカ、オオカミやユキヒョウの足跡は分かる。あの足跡はそのどれとも違っていた」(高橋隊長)

 

 今回は、前回の目撃地点付近に自動カメラ9台を設置したが、残念ながら撮影には至らなかった。しかし、足跡はイエティが存在する強力な証拠だと高橋隊長は言う。

2008年、日本のイエティ捜索隊がイエティの足跡を発見したと報告した。足跡は9月26日、ネパール北部ダウラギリ山の標高4400メートル付近の山中で発見された。しかし、それは長さ18〜20センチ、幅4〜5センチ程度の細長いもので、かかとの部分に深い穴が開いていた。これは従来の雪男の足跡とされるものとは似ても似つかないものである。しかし、捜索隊のサイトによると、なんでもイエティは2種類いるそうだ。そのうち大型のものはズウティと呼ばれ、その正体はチベット産の赤熊らしい。小さいほうはミイティと呼ばれるもので、これはヒトを連想する形態の獣であり、クマではなく、その正体はわからないとのこと。

以下の文献も参照。

著者の角幡唯介氏は、イエティ捜索隊に加わったにもかかわらず、その存在に懐疑的であり、p.322で「わたしの雪男に対する認識は、捜索に参加する以前の、雪男がいるとは考えにくいという常識的なものに再び戻りつつある」と述べており、中立的な立場で書かれた良書である。

興味深いのは、日本人登山家もけっこう雪男を目撃しているということ。しかも、フィリピン・ルバング島の残留日本兵小野田寛郎氏を発見した鈴木紀夫氏に至っては、6回も雪男探索でヒマラヤ遠征をした挙句、グルジャヒマール南東稜コーナボン谷源流部で雪崩により死亡している。

ところが、その誰もが決定的な写真撮影には成功していない。また、著者が現地の村人にインタビューすると、きっぱり「雪男なんていない」と否定されてしまうエピソードも紹介されている。

また、捜索隊が撮影した足跡については、なぜそれが雪男のものだといえるのか、検証が不足しているように思える。ヒマラヤに住む他の動物の足跡の写真と比較するなどして、きちんと根拠を示して欲しかった。

2003イエティ捜索隊

シベリア・ケメロボの雪男騒動

どうもこの騒動は観光客誘致が目的だったようだ。詳しくは「ヒマラヤの雪男」(超常現象の謎解き)を参照。

【10月11日 AFP】ロシア・シベリア(Siberia)地方南部のケメロボ(Kemerovo)州当局は10日、同州の山岳地帯に雪男(イエティ、Yeti)が生息していると自信を持って断言した。

 

 同州政府がウェブサイトに発表した声明文によると、探検隊はこのほどショリア(Shoria)山脈のAzasskaya洞窟で、雪男のものと見られる足跡や毛髪、寝床のほか、縄張りを示すマーカーらしきものを発見した。同山脈に雪男が住んでいる「動かぬ証拠」だと主張している。

 【モスクワ時事】猿のような大型の未確認生物「イエティ」(雪男)をめぐり、ロシア西シベリアのケメロボ州南部で10日までに、専門家による国際会議と大規模捜索が行われ、調査団は「イエティが生息する確率は95%」と主張している。

 イエティ(雪男)と呼ばれる謎の生き物の捜索が、ロシアや米国、中国など7カ国の研究者が参加してロシアの西シベリア・ケメロボ州で6日から3日間行われる。これほど大規模な取り組みは、1958年にソ連科学アカデミーが捜索して以来初めてという。

 ケメロボ州では、イエティの記念碑や土産品が登場し、イエティを連れてきた人には知事が懸賞金を約束するなど、町おこしに活用している側面も強い。

その他

参考文献とリンク

  1. ウィキペディアの「イエティ」の項目
  2. 英語版Wikipediaの「Yeti」の項目
  3. Skeptic's Dictionaryの「Bigfoot」の項目
  4. ヒマラヤの雪男」 超常現象の謎解き
  5. イエティの足跡」 イーコラム_地球と生物の不思議 > UMAコラム