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クレバー・ハンス

伝説

クレバー・ハンスとは、1891年、デンマークでドイツ人のウィリアム・フォン・オステンが飼っていた馬のことで、高度な知性を持つとして有名になった。

ハンスは、質問者が問題を出すと正解の数だけ床を脚で叩くという方法で、見事に数学の問題を解いたり、和音に関する音楽の問題にも答えることができた。また1904年には、哲学者であり心理学者でもあったカール・シュトゥンフ教授を委員長とする調査委員会によって調べられ、トリックの可能性は全くないという結論も出されている。

その後の調査

アルバート・モール博士による調査で、ハンスは飼い主であるウィリアム・フォン・オステンの動きを追って正解を出していることが指摘され、1907年には、シュテゥンフ教授の学生であった心理学者のオスカー・フングストによる再調査で、ハンスは自分で問題を解いているのではなく、質問者の動きを読んで正解を出しているということが判明している。[1]

ちなみにフングストは、この「人の動きを読んでいる」という説を確かめるため、質問を出す際に意図的に微細な動きを出して、ハンスから任意の答えを引き出すことにも成功している。
 やはりハンスは、自分で正解を考えていたのではなく、人の動きを読んでいたのである。


  • [1]この件をキッカケに、「クレバー・ハンス効果」(Clever Hans Effect)と名付けられる心理現象が発見された。これは動物を用いた実験で人間の関係者または研究者が、潜在意識下で仮説を立証することが望まれていた場合、振舞いを動物に伝えてしまう現象である。ハンスの事件を戒めに、研究者はこの「クレバー・ハンス効果」を注意するようになった。(全く注意されていないケースもあるが)

参考文献