グリセリンの結晶化
20世紀初頭グリセリンは種結晶がないと結晶化できない物質だった。グリセリンの種結晶を用いた結晶化の実験をしていた研究者のところで、グリセリンが結晶化すると、それに共鳴するかのように、種結晶を入れていないグリセリンまで自然発生的に結晶化を始めた。
この事が起きて以来、世界中で種結晶を用いなくとも、グリセリンを摂氏18度にするだけで、簡単に結晶化するようになったのである。[1]
このような伝説を持つグリセリンの結晶化のソースを調べていくと、ライアル・ワトソンの『生命潮流』に行き当たる。『生命潮流』の参考文献で、該当の論文がカリフォルニア大学のGibsonとGiauqueのものであると判明した。
実際に二人の論文を確認すると、グリセリンの結晶化には温度管理のコツが存在すると言っているに過ぎないことが分かる。
グリセリン結晶化の伝説も「百匹目のサル」と同じく、ライアル・ワトソンの「創作」でしかなかった。
参考情報
【kikulog】