シルビア・ブラウン(Sylvia Browne)
シルビア・ブラウンはインチキ超能力者と断定してもいいだろう。
- 「失踪女性3人を約10年ぶり無事発見、米オハイオ州の住宅で」 2013年 05月 7日 12:11 JST, ロイター
[クリーブランド 6日 ロイター] 米オハイオ州クリーブランドの住宅で6日、約10年前に誘拐されたとみられていた女性3人が無事発見された。地元警察は、女性の失踪事件に関与した疑いで男1人を逮捕したと発表した。
警察によると、叫び声を聞いた隣人が発見現場となった住宅に駆け付け、女性の1人が隣人の携帯電話で警察に通報した。女性3人は病院に運ばれたが、健康状態は良好だという。現場付近には知らせを聞いた住民らが大勢集まり、女性たちの無事を喜んでいた。
発見されたのは、アマンダ・ベリーさん(26)、ジーナ・デヘスースさん(23)、ミシェル・ナイトさんの3人。地元メディアなどによると、ベリーさんとデヘスースさんは2003年と04年にそれぞれ失踪し、ナイトさんは20歳だった2000年に姿を消していた。
- 「Sylvia Browne's Failed Amanda Berry Prediction Returns To Haunt Her」 Posted: 05/09/2013 6:09 pm EDT | Updated: 05/10/2013 11:49 am EDT, Huffington Post
- 「Investigative Intuition: Do psychics ever solve crimes? Why do police consult them?」 By Brian Palmer, Posted Thursday, May 9, 2013, at 12:54 PM, Slate
- 「Another Sylvia Browne Failure」 May 9, 2013, Center for Inquiry
- 「Backlash against psychic Sylvia Browne: USA NOW video」 Hadley Malcolm hosts USA NOW for May 10, 2013, USA Today
- 「Sylvia Browne on Amanda Berry: "She's not alive, honey."」 Friday, May 10, 2013, cbcradio
- 「Amanda Berry is dead, psychic tells her mother on Montel Williams' show (republished)」 By Plain Dealer staff on May 01, 2013 at 8:05 PM, updated May 07, 2013 at 12:55 AM, This story was originally published in The Plain Dealer on Nov. 18, 2004. It was written by Stephen Hudak, cleveland.com
- 「Yet Another Sylvia Browne Fiasco」 Swift, Written by James Randi, Tuesday, 07 May 2013 15:29
- 「Sylvia Browne predicted Amanda Berry was DEAD | Lying False Psychic Montel Williams Show prophet」 公開日: 2013/05/07, YouTube, newswatchstation
- 「Psychic Who Said Amanda Berry Was Dead Silent After Berry Is Found Alive」 By COLLEEN CURRY, May 7, 2013, ABCNews
- 「Sylvia Browne: fans lash out at 'psychic' over false Ohio abduction prediction」 Katie Rogers in New York, guardian.co.uk, Wednesday 8 May 2013 08.40 BST
シルビア・ブラウンは2004年にアマンダ・ベリーの母親に、アマンダは既に死んでいると告げていた。ジェイムズ・ランディの記事によると、アマンダさんの母親は2006年3月に失意のまま亡くなっており、ブラウンの透視が彼女の死期を早めたのではないか?と友人らは疑っているらしい。
Skeptical Inquirerの以下の記事にブラウンの間違った透視事例が列挙されているが、これにまた新たに1つ間違いが加わったことになる。
- 「Psychic Defective: Sylvia Browne’s History of Failure」 Ryan Shaffer and Agatha Jadwiszczok, Skeptical Inquirer, Volume 34.2, March / April 2010
シルビア・ブラウン死去
- 「Renowned psychic, bestselling author Sylvia Browne dies at 77」 By Greg Botelho, CNN, November 21, 2013 -- Updated 0329 GMT (1129 HKT)
(CNN) -- Renowned psychic Sylvia Browne -- a leader in the paranormal world who appeared regularly on television and radio and also wrote dozens of top-selling books -- died Wednesday in a northern California hospital, according to her website.
享年77歳。
- 「Sylvia Browne: Dead Psychic's Legacy Riddled With Failed Predictions, Fraud」 The Huffington Post | By David Moye, Posted: 11/21/2013 2:14 pm EST | Updated: 11/21/2013 3:51 pm EST
この記事によると、2003年5月、ブラウンはラリー・キングに自分は88歳で死ぬと予言していた。実際は11年ずれていたことになる。
- 「Rest in Peace, Sylvia」 Bryan Farha, November 25, 2013, CSI
ジェイムズ・ランディ vs シルビア・ブラウン
この件に関しては、大量のビデオクリップがあるので、ここにまとめておく。
Sylvia Browne debunked on CNN
これはCNNのアンダーソン・クーパー(Anderson Cooper)の番組からのビデオクリップ。2007年1月19日放送のもので、おそらく今回の騒動の発端となった報道。(文献3)
シルビア・ブラウン(Sylvia Browne)とは、アメリカで有名な「超能力捜査官」の一人である。2002年に11歳のショーン・ホーンベック(Shawn Hornbeck)という少年が誘拐される事件が起こった。2007年になって彼は奇跡的に無事保護され、大々的に報道された。その際問題になったのが、シルビア・ブラウンは彼が行方不明になった4ヵ月後、モンテル・ウィリアムズ(Montel Williams)のテレビ番組で、彼の両親に彼は死んだと透視していたことである。ホーンベックの死体は2つの尖った岩の近くで見つかるとも予知していた。
ブラウンは「犯人は濃い肌の色をしており、多分ヒスパニック系、黒い髪を長く伸ばしてドレッドヘアを編んでいる」などとも言っているが、ちっとも当たっていない。犯人のMichael John Devlinは白人であったが、ブラウンは犯人の名前(マイケル、Michael)だけはちゃんと言い当てていた!ただし、アメリカで「Michael」は過去50年間で男の赤ちゃんに付けられるもっとも一般的な名前だ。(文献5)
たま、ホーンベックの両親はブラウンとさらに話すには、通常料金である1時間につき$700を要求されたとしている。ランディによると、20分程度の電話を通じたリーディングで$700を要求されることもあるらしい。これに対して、ブラウンのビジネス・マネージャーは、ブラウンは金銭の要求をしたことはなく、数百件の行方不明者について、よい結果を出しているという意見書を番組に送っている。(なお、ホーンベックの両親の名前は、Craig AkersとPam Akersであり、ホーンベックとは名字が異なる。 どうもここに登場する父親は継父であり、ホーンベックは母親の連れ子だったようだ)
このビデオクリップにはシルビア・ブラウンの行為を問題視するサイト「StopSylvia.com」の創設者であるRobert Lancasterも登場し、「行方不明者に関してブラウンが言ったことは、しばしばまったく間違っていた」「彼女は切実な問題を抱えている人々を食い物にしている。サイキックだと信じさせてお金を巻き上げている。これは非難されるべき悪質なことだ」などと証言している。
ブラウンのマネージャーから番組に送られてきた意見書には「ブラウンはすべての予知について100%正しいということはないが、彼女は50年間以上の経歴の中で、数万人の人々を救ってきた」と書かれていた。しかし、この番組ではブラウンがデタラメを言って人々を傷つけいている例が紹介されている。
1999年にモンテル・ウィリアムズの番組で、Opal Jo Jenningsという名の行方不明の少女の祖母に対して「彼女は奴隷制度のようなものに巻き込まれて、日本に連れて行かれた」とブラウンは透視したことがある。「Opal Jo Jennings: Reading on the Montel Williams Show」(文献6)を見てみると、より詳細な透視の内容がわかるが、Jenningsはアジアの奴隷市場で「白人奴隷」として売られて、強制的な売春行為をさせられているというニュアンスのことを言っている。
残念ながら、4年後にこの子の遺体は(日本ではなく)テキサスで発見され、検死の結果、行方不明になった直後に殺されたことがわかっている。Richard Lee Franksなる人物が犯人として逮捕され、終身刑になった。これはいろいろな意味でひどい話である。
ここで、Baylor Institute For Studies of Religionという研究所が行った、アメリカ人はどれだけサイキックを信じているかという統計が紹介されている。これによると、調査された人のうち、13%がサイキックを信じていると言った。このうち女性は18%、男性は8%であった。地域によっても差があり、サイキックや占い師に相談した事のある人は、南部の人で8%、中西部では11%、西部は13%、東部では19%であった。
このあと、ランディが登場する。
ランディの意見は次のようなものだ。
「シルビア・ブラウンを含めて、死者と話ができると主張する人々はハゲワシみたいなものだ。彼らは木の上に止まり、嘆き悲しむ者がやって来るのを待ちかまえている。そういった人たちは、切実に助けを必要としているので、つけ込まれやすい。モンテル・ウィリアムズの番組に出ているのなら、ウィリアムズがウソをつくはずがなく、彼女は本物であろうと単純に信じ込んでしまうのだ」
ランディはブラウンの20分$700の電話相談を録音したテープを被害者から集めているようだ。その多くのテープの内容は、相談者のガーディアン・エンジェルの名前を教えるといったようなものだ。しかし、相談者はそんな得体の知れないものの名前が知りたいわけではなく、切実に答えのほしい質問をしているのだ。ランディのところにテープを送ってくる被害者は、ブラウンの答えにまったく満足しておらず、お金を返してほしいと思っている。
この後、ランディはコールド・リーディングや超常現象100万ドルチャレンジの説明をしている。
「James Randi on Larry King Live 1/26/07 Pt 1」
CNNの「ラリー・キング・ライブ」(Larry King Live)でもシルビア・ブラウンの問題が取り上げられた。このビデオは3分割されたクリップの最初のものである。
この番組にはジェイムズ・ランディが登場するが、ローズマリー・アルティア(Rosemary Altea)というサイキック(霊媒)も登場する。アルティアは「中途半端な知識は危険なものだ。我々は誰でもいくらかのサイキック能力を持っているが、無責任な人が多すぎる。私に似たような人のところに行って、真実を知ろうとした少年の御両親には、たいへん申し訳なく思っている」みたいなことを言っている。さらに「インチキ療法を行うヤブ医者が一人いるからといって、すべての医者がインチキだと非難されることはない」とも言っている。つまりブラウンはインチキでも自分は違うと言いたいのだろう。
アルティアは超能力のことを「美しい贈り物(ギフト)」などと呼んで、「非常に稀であるが、この特別な贈り物を与えられた人たちは実在する」と言っている。(ここには「神からの贈り物」というニュアンスがあるのだろう) ランディはとうとう半切れになって「じゃあ、その人たちはどこにいるんだ?」と問いただしている。そして「百万ドルチャレンジに挑戦したらどうだ?」という話になり、二人の間で激しい口論が始まる。「$百万なんてほんとはないんでしょ!」とアルティアは言っている。
「James Randi on Larry King Live 1/26/07 Pt 2」
CNNのアンダーソン・クーパー(Anderson Cooper)の番組にホーンベックの両親が登場した様子が伝えられており、ブラウンと直接話すには1時間につき$700払うように要求されたと証言している。1時間につき$700というのはブラウンの通常の料金だそうだが、ブラウンのマネージャーは金銭の要求をしたことはないと意見書を番組に送っている。ランディは「ブラウンは電話による20分程度のリーディングで、$700を要求する」としている。
キングはアルティアにブラウンの透視のやり方を聞いているが、アルティアは「彼女が何を見るかはわからない」としている。代わりにアルティア自身はどのように透視をするのかキングは聞いている。彼女はまずスピリチュアル・ワールド(死者の世界?)の誰かと連絡をとるそうだ。その誰かは透視する人物の家族(たとえば母親)でなくてはならない。そしてその人に情報や証拠の提供をお願いするそうだ。
キングはランディに「この話はhogwash(豚のエサにする残飯)か?」と聞くと、ランディは「まさにそのとおり」と答えている。
「James Randi on Larry King Live 1/26/07 Pt 3」
キングが視聴者からの電話による質問を受け付けている。最初の質問は「私もシルビア・ブラウンに電話をしたことがあるが、30分間のリーディングに$700を要求されるのは本当のことである。もし、ブラウンの能力が本当に神からの贈り物なら、なんでこんなに高額なの?」というものだ。これに対してランディは「誰だって生活を立てなきゃいけない。誰だって仕事に対する報酬を要求する権利がある。ただし、その仕事が何かをもたらした場合に限ってだ。ブラウンの仕事には満足していない客が大勢いる」と答えている。
アルティアは「これに関しては完全にランディに同意する」と言っており、さらに「人々はもっと責任を感じるべきだ。私のような人にすべてを任せてはいけない。我々は赤の他人に過ぎないのだから。我々の言うことをむやみに信じてはいけない。証拠を提示するまで待つべきだ。我々が本当にお亡くなりになった家族の一員と話している証拠を見せるまで待つべきだ」となんだか矛盾したことを言っている。そして、ランディが「じゃあ、百万ドルチャレンジに挑戦してみたら?」と言い出して、また口論が始まる。
2番目の視聴者の質問は「ブラウンは、自分の子供や孫にその能力を教えたと言っているが、本当にこういう能力を次の世代に伝えることができるのか、それとも単にインチキのやりかたを教えているだけか」というものであった。ランディは「本当のことを私も知りたい。ただ、こういった能力が本当だと証明されたことはない」と答えている。で、また百万ドルチャレンジの話になり、アルティアが耳障りな甲高い笑い声をあげて「まただ!」と叫んでいる。何を言われてもブラウンとアルティアは百万ドルチャレンジに挑戦する気はないようだ。アルティア自身は質問に対して「私には娘がいるが、超能力を教えてはいない。誰にも教えたことはない。それは不可能だからだ」と答えている。
Anderson Cooper takes on Sylvia Browne pt 1
このビデオはアンダーソン・クーパーの2007年1月30日放送の番組のようだ。(文献4)
番組の批判に答えて、ブラウンは何千人もの人たちを救ってきたと反論し、証拠を番組に送りつけてきた。このビデオではその検証をしている。
その最初のものは、「スキーマスクのレイプ犯」に関するケースだ。
ブラウンの著書「Insight」によると、彼女は「容疑者の姓はSで始まり、市のために働いている。道に関連した仕事だ。実際には道の下の仕事だ」と警察に告げた。George Anthony Sanchez という名の男が26人の女性を強姦した容疑で逮捕され、彼は市の下水道の修理工として働いていたことがわかった。警察はブラウンが捜査に関与していたことは認めたが、事件が起こったのは1980年代なので、どの程度ブラウンがこの件に関わったか詳しいことはわからなかった。
2001年に警察がある公園で、Chandra Levyという女性の行方を捜索しているとき、ブラウンは彼女の死体がその公園で見つかると予知した。実際、彼女の死体はその公園で見つかった。
1993年の国際貿易センター爆破テロの際に、ブラウンはFBIにインタビューされ、容疑者の一人について次のように述べた。「背丈は低いが、たくましい、黒髪で眉毛も黒い。名前にはMが含まれる。確かではないが、S、A、L、Z、E、M、なにか… Saleman。 Salzeman。M、O、N、そう、Salzemonね」ブラウンによると、彼女はテロリストとして逮捕されたMohammed Salamaのことを話していたと主張している。FBIのインタビューは1993年の3月16日に行われたと主張しているが、Salamaが逮捕されたのはその12日前の3月4日であった。
ブラウンは自分に宛てた感謝状を2通証拠として番組に提示しているが、そのうちの1通の送り主は特定できなかった。もう1通はSharon Jamesという女性からのものであり、彼女の35歳の息子が行方不明になった2年後の2003年に、電話を通じてブラウンにリーディングをしてもらった人である。Jamesはブラウンに「彼はテネシーにいる」と言われ、その2ヵ月後にテネシーから手紙を受け取ったので、ブラウンの言ってることは完全に当たっていると思った。ところが、その手紙は彼女の息子を探している保険会社からのものであり、彼はテネシーに住んではいなかったことが判明した。
また、ブラウンは彼女の息子があちこちを徘徊するのは統合失調症が原因だとも告げた。彼は一度もなんらかの神経症であるという診断を医者に受けたことはなかったが、このお告げは彼女を不安にさせた。
幸いなことに彼女は息子と2005年に再開することができた。ブラウンとの半時間のリーディングに$700払うことによって、彼女はある程度の慰めを当時得ることができたが、もう二度とやらないと証言している。
こういった批判に対してブラウンは彼女のウェブサイトに以下のような文章を掲載している。
我々の哲学を信じることを選ぶ者は、自身の確信に基づいて信じ続けるだろう。たった一回の人間の間違いにより、それを否定するような者は、我々の哲学を真に奉ずることは決してないので、それはそれでオッケーだ。
Those who choose to believe in our philosophy will continue to do so because of their own convictions. Those who negate if after one human error never truly embraced our philosophy anyway, and that's OK.
Anderson Cooper takes on Sylvia Browne pt 2
1月30日放送のクーパーの番組の続き。
ここでついにランディとブラウンのビジネス・マネージャーのリンダ・ロッシ(Linda Rossi)が登場し、バトルが展開される。
(ブラウン本人が出てこないのは、なんかズルイ気がする)
まず、クーパーは、
Chandra Levyの件では、ブラウンが透視した時には既に警察がその公園で捜査をしていたこと、貿易センタービルの爆破の件では、ブラウンがFBIのインタビューに答えたのは、テロリストが捕まって2週間近くあとだったことを挙げ、最後にSharon Jamesの件もまだ成功例だと思っているのか?とロッシを追求している。
ロッシはクーパーの発言をさえぎって
「ここでまず付け加えたいのは、シルビアはスピリチュアル・ティーチャーであること、人道主義者であること、そして…」などと言い出す。ここからブラウンはスピリチュアル・ティーチャーなのかサイキックなのか?という議論が始まるが、なぜこれがそれほど重要なことなのかよくわからない。(おそらくサイキックよりスピリチュアル・ティーチャーの方が神聖なイメージがあるのだろう)
次にクーパーは、
シルビア・ブラウンといっしょに仕事をしたことのある引退したFBI特別捜査官Ted Gundersonの「私は過去に多くのサイキックと仕事をしたが、犯人にせまれる者はほんの一握りである。しかし、シルビア・ブラウンは多分、この国でもっとも正確なサイキックの一人である」という証言を引用して、あなたは彼がウソを付いていると言うのか?とランディを問い詰める。
これにランディは答えて
「彼はもっと注意深く判断すべきだ」として、成功した例だけを選択してはいけないと述べている。これは競馬で勝ち馬に賭けたことを自慢しているようなもので、結局、長い目で見れば決して勝つことはない、と反論している。(つまり、確率で当たる以上の結果は出ないということ)
次にクーパーはロッシに、
ブラウン自身も自分はいつも100%正しいわけではないと認めているが、困り果てているホーンベックの両親に彼は死んだと告げ、死体をどこで捜したらいいかを伝えた時は、確信しているように聞こえたが、それはどうしてか?と追求している。
これに対してロッシは、
「この件についてはまだ死体は出てきていない」とちょっと意味不明なことを言い、クーパーに「ショーンが死んでいるかもしれないと思っているのか?」と問われると、「いや、ブラウンは他の人物を見ていたのかもしれない」と非常に苦しい言い訳をしている。クーパーがこれに対して「彼女は誰か他の人かも知れないなんて言わなかった。彼女は彼は死んだと言い、彼の死体があるのはここだ、と断言した」と突っ込んでいる。
するとロッシは「彼女は単に神の入れ物(vessel)に過ぎない」などと言い出し、「ランディは無神論者を公言しており、彼がスピリチュアリティ(Spirituality、霊性)を判定するなんてジョークに過ぎない」といきなりランディを批判し始める。ブラウンについては「彼女がなすことはすべて神を通じ、神とともに行われる。彼女にとって、すべては神のおかげだ」などと言っている。(こっちのほうがよっぽどジョークだろう)
クーパーは、
「これはまるで高校生のディベート戦術みたいだ。実際の質問に答える代わりに、質問をしている人物を攻撃している」と批判している。しかし、ロッシも「彼(ランディ)がしていることは判定だ。マジシャンの彼に誰かに判定を下す資格などない。いかなるサイキック能力も判定できない」となかなか引き下がらない。
ここでコマーシャルが入り、その後の話題は、ホーンベックの両親がウィリアムズの番組外でブラウンに話すことを頼んだら、30分間で$700を要求されたということだ。ロッシはブラウンは行方不明者のリーディングの見返りとして、金銭を要求することは絶対にないと主張している。しかし、実際は$700を受け取っているようだ。ただし、あくまで要求はせず、自発的なものだということだ。
ロッシはよっぽどランディが嫌いなようで、ここでまたランディを「シルビアに対して意地の悪い迫害を続けるのはなぜか。なぜ野放しにされているペテン師、人々から何千ドルもの金を騙し取っている本当のペテン師を追及しないのか。」と攻撃する。ランディの答えは明快で、ブラウンがテレビ番組などによく登場するこの業界の大物だからだ。
次に話題は「超常現象100万ドルチャレンジ」に移る。ブラウンは何年も前にこのチャレンジに挑戦することを約束しているが、いまだに約束を果たしていない。ランディがしごく簡単にブラウンが何をすればいいかを説明している。その内容は次の通り。
- ブラウンは10人の人物についてリーディングをするだけでよい。
- その10人は、シルビア・ブラウンやそのサイキック能力を信じている者から選ばれる。
- リーディングが終了したあと、そのリーディングをシャッフルして混ぜ合わせ、リーディングされた10人にどれが自分のリーディングか当てさせる。
という実に簡単で、フェアに聞こえるテストだ。(なぜブラウンは挑戦しないのだろう?) ここでロッシはブラウンは絶対にテストを受けないと言い出し、また怒鳴り合いが始まる。クーパーは「怒鳴らないで。まずは落ち着いて」と呼びかけている。ロッシは「彼女(ブラウン)はジェイムズ・ランディに証明しなくちゃいけないことなんてない。彼女のスピリチュアルな仕事自体がそれ(その正しさ)を示している。50年以上の仕事が(証明している)」と言い、またランディを無神論者だと非難している。
クーパーは「この件は視聴者に判断してもらおう」として、最後に「You can decide for yourselves.」と言っている。(文献4)
Sylvia Brown Agrees to the JREF Challenge
これは2001年にラリー・キング・ライブで、シルビア・ブラウンがランディの百万ドルチャレンジに挑戦することに同意したときのビデオクリップ。残念ながら、2007年現在、ブラウンはまだ100万ドルチャレンジに挑戦していない。
その他
- 「Sylvia Browne Fraud Montage - World's Worst Psychic」 ShadowCoffee, 2007/01/22、YouTube
参考文献
- 「Sylvia Browne's Clock - Update」 ジェイムズ・ランディ教育基金のサイトのページ
- 「StopSylvia.com」 反シルビア・ブラウン(?)なサイト
- CNN.com Transcripts:「ANDERSON COOPER 360 DEGREES」(Aired January 19, 2007)
- CNN.com Transcripts:「ANDERSON COOPER 360 DEGREES」(Aired January 30, 2007)
- 「Follow-up to "Montel: Shawn Hornbeck Reading"」 「StopSylviaBrowne.com」内のショーン・ホーンベックに関するページ
- 「Opal Jo Jennings: Reading on the Montel Williams Show」 「StopSylviaBrowne.com」内のOpal Jo Jenningsに関するページ
- hasukami氏のブログ「問はず独り語り」でもCNNのアンダーソン・クーパーのシルビア・ブラウンに関する番組の要約と解説を見ることができる。2007/05/31から06/06にかけてのエントリ「生きていた死者 その1〜その5」を参照のこと。