ニューエイジ:用語
用語
- IONS (The Institute of Noetic Sciences、純粋理性研究所、知的科学研究所)
- 科学的に超常現象(テレパシー、クレアボヤンス、サイコキネシス、瞑想の健康的効果など)を究明しようとする団体であり、そのメンバーは約3万5千人である。その本部はカルフォルニア州ペタルマにある。アポロ14号計画の宇宙飛行士エドガー・ミッチェルが1973年に設立した。ディーン・ラディン博士が主任研究員を務めている。インチキ療法を監視する団体「Quackwatch」は信用できないウェブサイトのリストにIONS研究所を含めている。
参考文献
- IONS研究所:The Institute of Noetic Sciences (IONS)
- 英語版ウィキペディアのInstitute of Noetic Sciencesの項目
- Quackwatchの「Questionable Organizations: An Overview」
人物
- ジョン・ハゲリン (John Hagelin)
- 本によってはヘーゲリンとの記述もある。超ひも理論を専門とする理論物理学者。マハリシ・マヘシ・ヨギの信者であり、ヨガ空中浮遊の実践者兼教師、「国際無敵防衛センター」の常任理事でもある。1992年、1996年、2000年にアメリカ大統領に立候補している。その時の選挙用看板の写真が画像投稿サイト「pya!」に投稿され、「名は体を表す」(2007-02-05)というタイトルで現在公開されている。また、1994年度イグ・ノーベル平和賞を受賞している。その受賞内容は、「深遠な瞑想とヨガの空中浮遊が発散するオーラで首都ワシントンDC全体を覆い、殺人、強姦、強盗などの凶悪犯罪の発生率を18%低下させた」という功績が認められたからだ。ハゲリン博士によると、博士の訓練を受けた人々が瞑想と空中浮遊をしている間、ワシントンDCの犯罪率は18%の低下を記録したことになっている。しかし、イグ・ノーベル賞委員会の見解はちょっと違っていて、「専門的な表現になってしまい恐縮だが、これはウソである。ワシントンDCの犯罪率は18%も低下しなかったし、それどころか実験期間中に殺人事件の発生率は過去最高を記録したほどだった」とのこと。
参考文献
- 「イグ・ノーベル賞」 マーク・エイブラハムズ著 阪急コミュニケーションズ
- 英語版ウィキペディアのJohn Hagelinの項目
- ハゲリン博士の公式サイト
- 医学都市伝説の「2007年10月15日 94年度イグ・ノーベル平和賞の実践的展開]」
- 国際無敵防衛センターにおけるハゲリン博士の1時間をこえる防衛理論講義
- ブライアン・ジョセフソン(Brian David Josephson)
- 「ジョセフソン効果」の発見により1973年度のノーベル物理学賞を受賞した物理学者であり、ケンブリッジ大学の教授。超常現象の信奉者でもあり、ケンブリッジ大学の凝縮系理論研究グループ(Theory of Condensed Matter research group)の精神-物質統合計画(Mind-Matter Unification Project)の長でもある。著書に「科学は心霊現象をいかにとらえるか」があるが、これはジョセフソン博士がウェブ上で公開していた文章の一部を、茂木健一郎氏と竹内薫氏が寄せ集めて翻訳して解説を加えたもの。書き下ろしではない。ジョゼフソン博士はどうやらマハリシ・マヘシ・ヨギに傾倒していて、超越瞑想を実践していたようだ。ジャック・ベンベニスト著の「真実の告白 水の記憶事件」にも序文を書いており、その中で『私はいつの日か、ベンベニスト博士が成し遂げた科学的貢献が、それにふさわしい栄誉を受けることを確信している』『ベンベニストが多くの称賛を得てきた従来の専門分野を離れ、身のほど知らずな危険を犯すことによって自らの地位も将来も台なしにしたと信じている人たちは、完全に間違っているのである』と述べている。
参考文献
- 英語版ウィキペディアのBrian David Josephsonの項目
- ケンブリッジ大学のジョセフソン博士のホームページ:「Mind-Matter Unification Project」
- 「ノーベル賞科学者ブライアン・ジョセフソンの科学は心霊現象をいかにとらえるか」 ブライアン・ジョセフソン著、茂木健一郎、竹内薫 訳・解説(徳間書店)
- リン・マクタガート (Lynne McTaggart)
- 「フィールド 響きあう生命・意識・宇宙」の著者であるジャーナリスト。詳細はリン・マクタガート (Lynne McTaggart)の項目を参照。
- エドガー・ミッチェル(Edgar Dean Mitchell)
- アポロ14号の乗組員にして月を歩いた6番目のアメリカ人。MITで博士号を取得しており、超常現象の研究に傾倒している。IONS(The Institute of Noetic Sciences、純粋理性研究所)の創設者でもある。1971年のアポロ14号の月への飛行中、非公式の超能力実験を行ったことで知られている。この様子は「フィールド 響きあう生命・意識・宇宙」の第一部で紹介されている。この実験は成功したそうで、その成果はJournal of Parapsychology(June 1971)で発表された。この文献を入手できていないが、ジェイムズ・ランディの「The Truth About Uri Geller」にこの件に関する記載がある。「アポロ14号のESP実験」の項目を参照。
参考文献
- 英語版ウィキペディアのEdgar Dean Mitchellの項目
- 「フィールド 響きあう生命・意識・宇宙」 リン マクタガート (著)、野中 浩一 (翻訳) 、河出書房新社
- エドガー・ミッチェル博士のホームページ:「Ed Mitchell Apollo 14.com」
- 「エドガー・ミッチェル健在」 ASIOS公式ブログ、2008年07月28日
- ハロルド・パソフ(Harold E. Puthoff)
- 本によっては、パトホフやプットオフとの記述もある。スタンフォード大学で博士号を取得したレーザー物理学者。ユリ・ゲラー氏らによる遠隔視の超能力実験に関する論文「感覚遮蔽された状況下での情報伝達」をNature誌に掲載したことで有名。(文献2) この論文にはゲラー氏が透視で描いた絵が掲載されているので、ゲラー氏の絵心を知ることのできる貴重な資料である。パソフらの論文は通称「SRIレポート」として知られているが、この件については別項目「リモート・ビューイング(遠隔視)」を参照のこと。パソフ博士はサイエントロジーの熱心な信者だったようで、結婚式もサイエントロジーの牧師の立会いで行ったが、その後サイエントロジーとは縁を切ったようだ。(文献3) 真空中からエネルギーを取り出すという、いわゆる「ゼロ・ポイント・エネルギー」(ZPE)もしくは「ゼロ・ポイント・フィールド」(ZPF)の研究者として知られており、「フィールド 響きあう生命・意識・宇宙」にも登場する。この本によると、「空中浮遊」といった超能力は何らかの方法によって重力が操作された場合に起こる現象で、それにZPFが関連しているとパソフは考えているようだ。(ゼロ点エネルギーは学術用語であるが、ZPFはそれほど一般的な言葉ではない)
参考文献
- 英語版ウィキペディアのHarold E. Puthoffの項目
- 「Information transmission under conditions of sensory shielding」RUSSELL TARG & HAROLD PUTHOFF, Nature 251, 602- 607(18 October 1974); doi:10.1038/251602a0
- 「インチキ科学の解読法 ついつい信じてしまうトンデモ学説」 マーティン・ガードナー (著) 光文社
- 「フィールド 響きあう生命・意識・宇宙」 リン マクタガート (著)、野中 浩一 (翻訳) 、河出書房新社
- パソフ博士の所属する会社「Earthtech International」のサイト
- ディーン・ラディン(Dean Radin)
- イリノイ大学Urbana-Champaign校で教育心理学の博士号を取得している。超心理学の研究(テレパシー、クレアボヤンス、予知、死後の世界等)をしている。詳細はディーン・ラディン(Dean Radin)の項目を参照。