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ビタミンK不投与事件

ホメオパシー


 K2シロップのガイドラインが2010年に改訂されたきっかけは、前年に山口県で生後2カ月の女の子がビタミンK欠乏症による出血から硬膜下血腫を発症し、死亡したという事故があったからでした。

 

 担当した助産師が「ホメオパシー」を信奉していて、ビタミンKと同程度の効果を持つとされる「レメディ」を新生児に与え母子手帳に「ビタミンK投与」と記載し、実際にはシロップを投与しなかったことがわかっています。

 

 K2シロップを与えないことは確実にリスクを高めますので注意してください。

2010年7月9日

初期の報道とホメオパシー団体の反応

社団法人日本助産師会の見解

この件に関する社団法人日本助産師会の見解は「日本助産師会とホメオパシー」を参照。

7月13日

「ロイヤル・アカデミー・オブ・ホメオパシー」の「ホメオパシー体験談紹介」の掲示板における書き込みが原因で、ネット上で医療ネグレクト騒動が起こる。

7月20日

この問題を早くから取り上げていたブログ「助産院は安全?」が移転することになった。その理由を引用しておく。

お世話になったFC2ブログでしたが、今回、このブログに関してブログ運営会社の方に批判を受けている助産師の知人と名乗る人物から、

『名誉棄損や営業妨害で訴えるかもしれませんから、そちらの方で先になんとかしてください』

との要請が入ったそうです。

そこでブログ会社より、どうしましょうかと連絡を頂きました。

まあ、圧力ですよね。

 

加圧者には「子供の命より大事なのは名誉とお金だ」と言われたようなもので、このまま馴染んだブログで更に問題の根をみたことからの警鐘を鳴らしたいと思ったのですが、様々な点を考慮し、社会的な問題提起をしているブロガーの方の利用も多い別のブログ運営会社に引っ越すことにしました。

移転先はこちら→「助産院は安全?

なお、apj氏はブログ「Archives」で今回の件について、以下のような見解を表明している。

ところで、名誉毀損されたと主張する本人であれば削除要求を出すなり訴えるといったことができるが、ただの知人には何の権利もない。従って、言うことをきく必要はない(∵知人では当事者になれないから、まちがって訴状が来たところで当事者ではないという理由で訴訟にならない)。従って、要求を出したのが知人であるかぎりそれは「脅し」でしかない。

移転理由については以下のエントリも参照。

7月31日

読売・朝日新聞の報道とホメオパシー団体の反応

東京都助産師会の「緊急連絡」

2010年7月31日、(社)東京都助産師会が以下のような「緊急連絡」を発表している

8月1日

(社)日本助産師会の機関誌「助産師」の64巻3号(2010年8月1日発行)に、「産科における代替医療を考える」という特集が組まれ、「ホメオパシー」(渡辺愛、渡辺助産所)というタイトルの記事が掲載された。日本助産師会とホメオパシーを参照。

8月5日

朝日新聞の記事とホメオパシー団体の反応

助産師側が請求棄却

 助産師がビタミンKを与えなかったのが原因で生後2カ月の長女が出血症で死亡したとして、山口市の母親(33)が同市の助産師に約5640万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が4日、山口地裁であった。助産師側は請求棄却を求め答弁書を提出した。

 

 訴状によると、母親は09年8月女児を出産。生後1カ月ごろ発熱や嘔吐(おうと)などを起こし急性硬膜下血腫(けっしゅ)が見つかった。入院先の病院はビタミンK欠乏性出血症と診断、呼吸不全による心機能停止のため、10月に亡くなった。

 

 厚生労働省の研究班は新生児の血液を固まりやすくするためビタミンKの投与を促している。

 

〔下関版〕

8月6日

周産期・新生児医学会が緊急声明を発表した。

 日本周産期・新生児医学会(理事長=田村正徳・埼玉医科大総合医療センター教授)は5日、新生児の頭蓋(ずがい)内出血を防ぐため、ビタミンK2シロップ投与の重要性を再確認するよう、会員の産婦人科医や小児科医、助産師らに求める緊急声明を出した。代替療法「ホメオパシー」を実践する一部の助産師が、シロップの代わりに「レメディー」と呼ばれる砂糖玉を渡し、新生児が死亡し訴訟になったことを受けた。緊急声明は長妻昭・厚生労働相にも提出、厚労省として積極的に指導するよう求めた。

以下がその声明。

8月10日

助産師会の見解「ビタミンK2投与に関する日本助産師会の見解」(pdfファイル)が公開された。

8月11日

朝日新聞の記事については、「その他の被害例(VK事件)」を参照。

8月19日

8月24日

日本学術会議会長の談話発表については、「日本学術会議とホメオパシー」を参照。

9月2日

一部の生徒は、レメディを「思いこみ薬」と呼んでいたそうだ。なかなか的を得たネーミングである。

 記事引用部分の最後の一文が最高です。とても賢い生徒さんです。その保健室の養護教諭が、生徒からバカにされていた様子がうかがえます。中学生でもわかるようなことがわからないのが、ホメオパシー信者ということですね。

この件と関連ありそうなリンク。

その他。

週刊新潮が朝日新聞を批判?

  • 『「ホメオパシー」を持ち上げていた「朝日新聞」舌の数』 p.52-53, 週刊新潮 9月9日号

この記事によると、「朝日新聞はホメオパシー利用者に死者が出たのが判明してから、この療法を厳しく批判する姿勢に転じた」とのことだが、それのどこがいけないのか、よくわからない。「死者が出たのが判明」したあとでも、もし、まだ「持ち上げていた」としたら、そっちのほうがよっぽど問題だろう。

おそらくこの記事のネタ元の1つは以下のリンク。

ホメオパシー国際評議会(ICH)の国際電話会議

2010年9月2日(木)に、ホメオパシー国際評議会(ICH)の国際電話会議による定期ミーティング(JPHMA)が行われたらしい。

ホメオパシーバッシングが広がったと言えども、これを有効利用することができ、また、これを有効利用したいと思っています。

 

今回のことは、ホメオパシーが広がっていくにあたり非常によいチャンスになったと思っています。そして全世界のホメオパスの皆さんからのエールとサポートは大変有り難く、とても感謝していますと由井会長は伝えました。

これに対して各国理事より、さらに、みなでエールを送りましょう!という返答がありました。

幼児が死亡した事件が発生したというのに、「これを有効利用したい」とか、「非常によいチャンスになった」とか、「みなでエールを送りましょう」などと言うのは、いったいなにを考えているのだろう?

9月4日

残念なことに日本では、「医師しかホメオパシーをしてはならない」と表明している団体がありますが、最も大切なことは、日本国民からホメオパシーを取り上げることではなく、自己治癒力を触発し、自らの力で治していくホメオパシーを国民の皆さまが誰でも自由に使えるようになることであります。

この『「医師しかホメオパシーをしてはならない」と表明している団体』とは、「日本ホメオパシー医学協会」(JPHMA)とよく似た名称の「日本ホメオパシー医学会」のことであろう。これらは異なる団体であり、ホメオパシーに関する意見も食い違っている。

日本ホメオパシー医学会も署名活動を行っているが、その請願内容はJPHMAとは対立するものとなっており、団体間で意見の統一ができていないことがわかる。

【請願項目】

1.日本に於いて患者様が、経験を積んだ医師、歯科医師、獣医師の監督指導の下、ホメオパシーを受ける権利が保障されることを請願いたします。

9月7日

助産所の1割でホメオパシー

 山口県で昨年10月、助産師から頭蓋(ずがい)内出血を予防するビタミンK2の代わりにホメオパシー療法の特殊な錠剤を投与された乳児がビタミンK欠乏性出血症で死亡した問題で、日本助産師会(加藤尚美会長)は7日、分娩(ぶんべん)を扱う会員の全開業助産所414カ所のうち、約9%の36カ所で過去2年以内に同様の行為があったことを明らかにした。乳児に被害が出た例は山口県のケース以外にはなかったという。

 

 ホメオパシー療法では一般に、通常の薬の代わりに有効成分を含まない「レメディー」と呼ばれる錠剤を服用させる。同会によると、新生児にビタミンK2を与えなかった助産院は「ビタミンK2とレメディーの両方を説明し、妊婦が選択した」「薬剤を拒否する妊婦にどうしてもと頼まれた」などと説明したという。36カ所の中には同会の理事が開業する助産所も含まれていたが、理事が「今後は一切ホメオパシーを使用しない」と話したため、処分などは検討していないという。

 

 岡本喜代子専務理事は「36という数を深刻に受け止めている。一人一人の助産師に指導を徹底したい」と話している。【斎藤広子】

助産師会が「「ホメオパシー」に関する調査結果の公表について」(pdfファイル)を公表した。しかし、その内容はちょっと物議をかもしそうだ。

なお、厚生労働省より日本助産師会宛てに「助産所における乳児に対するビタミンK2シロップの投与について」(pdfファイル)という通知がきている。

「女性自身」の記事

9月7日発売の「女性自身」(9月21日号)に『日本学術会の「ホメオパシー効果否定」は患者を苦しめるだけ!』(p.66-67)という記事で、日本ホメオパシー医学会理事で東京女子医大の川島朗准教授の、ホメオパシーを擁護するコメントが掲載された。

しかし、こうした女性誌には、非科学的でオカルトチックな記事や広告が、昔から満載されているので、特に驚くことではない。

東京都の立ち入り検査

この報道に対して、JPHMAは即座に反応している。

「ホメオパシー体験談紹介」は医師法抵触?

9月15日

 ◆新生児のホメオパシー ビタミンK2を与えず、独自の療法を施していた助産所が1割近くあることがわかりました。

 

 ◇脳出血起こす恐れ 死亡で訴訟も/「科学的根拠、重視して」

 助産師の間で「ホメオパシー」という独自の思想に基づき、新生児の頭蓋(ずがい)内出血を予防するビタミンK2(VK2)シロップを与えないケースが広まっていたことが、日本助産師会の調査で分かった。産科医らは医学的根拠のない療法がお産の現場に広まる現状を懸念、改めてVK2投与の必要性を訴えている。

 

 山口市の女性(33)は今年5月、「VK2を与えなかったのが原因で生後2カ月の長女が死亡した」として助産師を相手取り約5640万円の損害賠償を求めて山口地裁に提訴した。

 

 厚生労働省の指針では、VK2シロップは1カ月健診までに3回投与することになっているが、訴状によると、助産師はVK2ではなく、ホメオパシーに基づき薬効のない砂糖粒(レメディー)を与え、母子手帳には虚偽の記載をした。長女は脳出血を起こし、昨年10月に死亡した。

 

 母親は陳述書に「1、2回目は何の説明もなく、3回目は『VK2シロップの代わりのレメディーをあげたら大丈夫』と言われた。お産のプロの言葉なので間違いないだろうと信じてしまった」と記した。助産師は毎日新聞の取材に「レメディーにはVK2と同じ効用があると思っていた」と語り、請求棄却を求めて争っている。

 

 この訴訟などを受け、日本助産師会は加盟助産所のうち分娩(ぶんべん)を扱っている施設414カ所にアンケート調査を実施。理事の所属する助産所を含め36カ所が「VK2シロップを与えず、代わりにレメディーを与えたことがある」と回答した。

 

 「まさか1割近くもあったとは。VK2の必要性は、産科の医療関係者なら誰でも知っていることなのに」。東京都練馬区の「桜台マタニティクリニック」の伊藤茂院長は調査結果に驚く。同クリニックでは、生後2日目、4日目と1カ月健診で、注射器のような器具でVK2シロップ1ミリリットルを乳児全員に飲ませている。

 

 VK2は血液を固まりやすくするが、新生児は自分では作り出せない。母乳にはVK2が少なく、母乳だけで育てられている乳児は欠乏しやすい。80年代前半は新生児の数千人に1人がVK欠乏性出血症を発症していたが、今ではVK2シロップでほぼ防げる。

 

 助産師にホメオパシーが広がっている背景について、代替医療に詳しい大野智・埼玉医科大講師は「医学の進歩で周産期の死亡率が下がる中、助産師には安全な出産だけでないプラスアルファの価値を求める心理が働く一方、妊婦には『自然なお産』に対するファッションに近い願望が広がっているためではないか」と指摘する。

 

 伊藤院長は「『自然なお産』を求める気持ちも分かるが、科学的な根拠がまずベースにあるべきだ。これまで積み上げられた医学を無視し、赤ちゃんを死なせるようなことがあってはならない」と強調した。【斎藤広子、西川拓、井川加菜美】

 

 ◇善意の「砂糖玉」に思い複雑

 約2年前に長女を出産後、助産院に入院していたときのことだ。疲労困憊(こんぱい)していた私に、助産師が「ホメオパシーって知っていますか?」と話しかけた。「あまり詳しくは」と答えると、彼女は「砂糖玉です」とほほ笑み、丸い粒を私の口に入れた。粒は舌の上ですぐに溶けた。善意でしてくれたと分かっていても、ホメオパシーを信じていない私は複雑な気持ちになった。

 

 助産師は妊産婦にとって、心身の状態を把握し、ケアをしてくれる心強い存在だ。信頼する助産師にホメオパシーを勧められたら、興味を持つ人も多いだろう。その結果、VK2に限らず、子どもが長期的に必要な医療から遠ざけられてしまう事態も起こりかねない。日本助産師会がこれまで、一部の助産師による業務中の使用を放置してきた責任は大きい。【須田桃子】

 

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 ◇ホメオパシー

 「ある病気を引き起こす物質にはその病気を治す働きがある」と考え、動植物や鉱物などの抽出物を水で極端に希釈し、砂糖粒にしみ込ませた「レメディー」を飲むことで人間の持つ治癒力を高めると主張する。日本学術会議は8月、「科学的根拠は明確に否定されており、医療関係者が治療に用いることは厳に慎むべき行為」と批判した。

 新生児の脳出血などを予防するためのビタミンK投与について、日本小児科学会は、投与期間の延長と回数を増やすため、「生後1カ月までに3回」とする現在の指針を「生後3カ月まで週1回」と改定した。新投与法では発症例がないことが分かったためで、助産院や自宅で出産した場合でも適用するよう求めている。

 

 ビタミンKは母乳にはあまり含まれず、乳児は不足しがちだ。学会によると、80年ごろには主に母乳で育つ乳児1700人に1人が脳や消化管から出血するビタミンK欠乏性出血症を発症し、死亡することもあった。

 

 ビタミンK2シロップ(2ミリグラム)を1カ月検診までに3回投与する予防法が普及し、発症率が10分の1以下に減った今でも年に少なくとも十数人が発症しているとみられる。だが、欧州の研究で、毎日か週1回投与している場合、発症例がないことが分かった。

 

 新指針では、生後すぐと退院前に1回ずつシロップを飲ませ、その後は3カ月まで毎週1回投与することを推奨。粉ミルクなど人工栄養の場合は、1カ月以降は与えなくてもよいとした。ただし、シロップ投与のために通院しなければならず、自宅に持ち帰れる製剤が認可されるまでは旧指針を適用する。指針改定にかかわった白幡聡・北九州八幡東病院長は「この病気はほぼ完全に防げる」と話す。

 

 ビタミンKを巡っては今年5月、「ホメオパシー」という独自の思想に基づき、シロップを与えず乳児を死なせたとして、山口市の助産師が遺族から損害賠償を求められる訴訟が起きた。その後の日本助産師会の調査で、加盟助産所の1割弱に当たる36カ所で、ビタミンKを投与しないケースがあったことも判明した。【西川拓】

9月17日

これについては、以下のリンクも参照。

10月25日

上記のエントリによると、ホメオパシージャパン株式会社系の一部サイトで、はてなブックマークからのアクセスがリファラにより制限されていたが、 2010/10/26 19:35の時点で制限は解除されたとのこと。しかし、その後も大阪大学内からのアクセスはブロックされているようだ。外部からであってもkikulogからのリンクはブロックされており、リファラを送信しない設定でないとアクセスできない。(2010年12月現在)

12月21日 和解が成立

生後2カ月の長女が死亡したのは、ホメオパシーという民間療法をする助産師が適切な助産業務を怠ったためだとして、山口市の女性(33)が助産師を相手取り、約5600万円の損害賠償を求めた訴訟で、助産師側が女性に和解金を支払うことで合意したことが21日、分かった。和解金は数千万円とみられる。

 

 同日、山口地裁で双方の代理人弁護士と裁判官が話し合い、和解が決まった。関係者によると、和解には「内容を口外しない」との条件が含まれており、和解の理由や金額について、双方の代理人は「話すことはできない」と答えた。

 

 訴状によると、女性は2009年8月、この助産師の指導のもと自宅で長女を出産した。しかし助産師は長女に、出血症を予防するためのビタミンK2シロップを投与せず、長女は同年10月、ビタミンK欠乏性出血症による硬膜下血腫を発症して死亡した。

 

 女性は、助産師が、母子手帳にあるK2シロップの投与欄に「投与した」とうその記録をしていたことや、K2シロップを投与しない場合の危険性を説明しなかったとし、「助産師の過失により長女は死亡した」と主張した。助産師側は、K2シロップの代わりに、ホメオパシーで飲み薬のように使われている特殊な砂糖玉「レメディー」を与えていたと説明していた。(伊藤和行)

 山口市で生後2か月の女児が死亡したのは、代替療法ホメオパシーをする助産師(43)がビタミンK欠乏性出血症の予防を怠ったためとして、女児の母親(33)が助産師に約5640万円の損害賠償を求めた訴訟は、助産師側が女性に和解金を支払うことで和解に合意した。

 

 山口地裁などによると、21日、双方の代理人弁護士と母親、裁判官による話し合いで和解が決まった。「内容を口外しない」という条項があり、母親の弁護士は「内容はコメントできない」としている。和解金は数千万円とみられる。

 

 訴状などによると、女性は2009年8月、助産師の介助によって自宅で女児を出産した。助産師は同出血症を予防するビタミンK2シロップを与えず、代わりにホメオパシーの錠剤を投与。女児はその後、意識不明となって同出血症と診断され、同年10月に呼吸不全で死亡した。

 

 ホメオパシー療法を巡っては、日本学術会議(会長=金沢一郎・東京大学名誉教授)が8月、「科学的根拠がなく、治療に用いることは認められない」との会長談話を発表した。

 山口市で昨年10月、頭蓋(ずがい)内出血を予防するビタミンK2の代わりにホメオパシーと呼ばれる民間療法の特殊な錠剤を投与された乳児がビタミンK欠乏性出血症で死亡した問題で、同市の母親(33)が市内の助産師を相手取り、約5600万円の損害賠償を求めていた訴訟が21日、山口地裁であり、助産師側が女性に和解金を支払うことで合意した。和解には「内容を口外しない」との条件があり、母親の弁護士は「コメントしない」としている。

 「ホメオパシー」と呼ばれる民間療法を信じる助産師がビタミンを投与しなかったために、生後2カ月の長女が死亡したとして、山口市の女性(33)が助産師を相手に約5600万円の損害賠償を求めた訴訟で、女性と助産師が和解したことが22日、訴訟関係者の話で分かった。

 訴訟関係者によると、助産師側が21日、女性に和解金を支払うことで合意した。和解金は数千万円とみられる。

 生後約2カ月の女児が死んだのは「ホメオパシー」という代替療法を使い、ビタミンKを与えなかったためだとして、山口市の母親(33)が同市の助産師に約5600万円の損害賠償を求めた訴訟は、22日までに山口地裁(飯田恭示裁判長)で和解が成立した。

 

 和解は21日付。和解の報告を受けた日本助産師会によると、助産師側が女性に和解金を支払うことで合意。内容について口外しないとの条件が含まれている。

 

 訴状などによると、母親は助産師の立ち会いで2009年8月に出産。助産師がビタミンKを与えず、女児はビタミン欠乏性出血症と診断され10月に死亡した。助産師はホメオパシーで使う錠剤を投与していた。

ブログ「助産院は安全?」には、この裁判の当事者であるお母さんからの挨拶文が掲載されている。

以下のエントリも参照。

JPHMAの反応

上記のように、JPHMAは、大手新聞社が捏造記事を配信しているという陰謀論を展開している。

これについては以下のエントリも参照。

「NATROMの日記」のエントリ(2010-12-23)はasahi.comの「こちらアピタルです」でも取り上げられている。

上述のエントリでもさんざん指摘されているが、ホメオパシー新聞14で「ホメオパシーのレメディーは、ビタミンK2のシロップの代用にはなりません」としているJPHMAは、この事件以前には明らかに、レメディはビタミンKの代わりになると主張していた。ホメオパシー新聞14が公開された時点でも、ホメオパシージャパン等ではビタミンKのレメディとおぼしきものが依然として売られている。

レメディーはテンサイ糖でできた砂糖玉です。

植物、動物、鉱物などの原物質を実質的に存在しないほどに薄め、その情報パターンを砂糖玉の中に閉じ込めたものです。

数千種類に及ぶさまざまなレディーが知られていますが、いずれも原物質の情報パターンだけを封じ込めたものなので、赤ちゃんや妊婦さんをはじめ、どなたにでも安心してお使いいただけます。

これらのレメディの使用目的はいったいなんなのだろう?

12月28日

上記の記事によると、薬事法等による摘発を避けるため、ホメオパシー団体は様々な工作を行っている模様。

普及団体の日本ホメオパシー医学協会は10月から、使うべき砂糖玉を利用者に伝える療法家が、利用者に直接販売できないようにした。

薬事法では、医薬品ではないものの効果を宣伝することを禁止しているが、利用者が療法家の「顧客」でなければ法には触れない。療法家が砂糖玉の種類を伝えるのにとどめ、利用者が販売業者から直接買うようにすれば、「利用者が療法家の顧客だと証明するのは困難」(厚労省)だそうな。

また、利用者に「私自身の判断と選択により、現代医学の治療を受けません」と記した確認書に署名させることを徹底し、なにかトラブルが発生した場合もすべて利用者の自己責任であり、ホメオパシー団体の責任ではないということを強調しようとしているようだ。

この記事に対するJPHMAの反論は以下のリンクを参照。相変わらず、新聞の報道を「情報操作」だとしている。

一年後

毒と私-由井寅子」(由井寅子 著、幻冬舎 2011/7/26)なる本が出版された。裁判の和解条件で遺族側の口封じをしておいて、JPHMA側は言いたい放題といった感じになってきた。この件については以下のエントリも参照。

アマゾンで情報操作が行われている!?

話は変わりますが、Amazonの『毒と私』のレビューに不可思議な現象が起こっています。『毒と私』のAmazonのレビューをみると、肯定的なレビューが多いのにもかかわらず、一昨日くらいから急に(評価☆1つの)否定的なレビューが、上位1、2、3を独占し、(評価☆5つの)肯定的なレビューにここ1〜2日で、多くの否定的なコメントが書きこまれました。

 

否定的なレビューは、本のレビューというよりもホメオパシーや著者に対する批判、非難をあからさまに書いたものであり本のこと以外も含めて記載してあり、なぜ記載したのか意図が見え隠れします。

 

Amazonのレビューはレビューごとに「参考になったか、ならないか」の投票ができるようになっており、「参考になった」の比率が高いほど、上位に掲載されるというしくみになっています。

 

この否定的なレビューに ここ1、2日で一日に50件もの参考になったという投票がなされ常識では考えられない稀有な状況となっており今も続いております。

 

このことから、意図的にチームを組んで行っているように思われます。

 

『毒と私』が多くの世の中の方に読まれるのを脅威に感じているのかもしれません。それほど、『毒と私』を読んで事実、真実を知ってほしくないということでしょうか。

アマゾンにおいて、「毒と私」について星一つの否定的なレビューが上位に来ており、この本を問題視している人が多いことがわかる。ところが、上記エントリのように一部のホメオパスは、これが集団による情報操作だと思っているようだ。GoogleやYahooなどで『毒と私』を検索すると、否定的なブログがずらっと並ぶのも、情報操作だそうな。

JCBによる加盟店契約解除

平素よりホメオパシージャパン商品をご愛顧賜りまして、 誠に有難うございます。

このたび、クレジットカード決済中止に至りました経緯と、 今後のお買物についてご連絡させていただきます。

「クレジットカード決済についてのお知らせ その2」の一部を引用しておく

インターネットの一部の人たちはこの文章自体がホメオパシージャパン側の創作であるということを言われてますが、決して創作などではなく、お伝えしました情報は全て事実です。

 

しかしながら、カード使用審査において、十数社のカード会社のうち、弊社との取引を認めなかった某メガバンク系および某GMS系カード会社2社は、“自己治癒力を触発し健康になるための療法である”ことが問題であると明確に発言しており、自己治癒力を触発する療法であることが、医療ネグレクトを引き起こし、人を死なせるという発言があったそうです。これは事実を歪曲して一部マスコミが報道した誹謗・中傷情報を、調査もせずに鵜呑みにし、それを理由にして、クレジットカード決済サービスを一方的に中止したものであり、全く不当なものと考えており、断固抗議します。

 

また、科学的有用性が証明されていないという理由で、当社商材を取り扱わないようにしたという点も、たとえば、科学的有用性が未確定な他の健康食品の扱いは容認しているという点で全く不当なものです。

 

なお、ブログ、Twitterなどインターネット上で、弊社が掲載した文章自体がホメオパシージャパン側の創作であるという事実・無根な誹謗・中傷が行われていますが、お伝えしました情報は全て事実です(更なる詳細情報もいつでも掲載できるようにやりとりの詳細は保管しております)。

 

私たちはこれからも真実、事実を伝えてまいります。そして、みなさまの健康生活により良い商品を引き続きご提供していけるよう努めてまいります。

ただし、ホメオパシーの場合は「科学的有用性が証明されていない」ではなくて、ほぼ確実に「おまじない程度の効果しかない」ということなのだが。

Jcastニュースの質問に対し、以下のページでホメオパシージャパンが回答している。

J-CASTニュース様より、平成24年1月21日に新着情報として紹介した記事についての取材依頼の電話があり、その後メールで以下の質問をいただきました。

その質問と回答の一部を引用しておく。

Q4 また、「ネットでの誹謗中傷」とありますが、これはどのようなことなのでしょうか。

 

A4 2010年夏にマスコミから発せられたホメオパシーバッシング(その詳細は『ホメオパシー新聞』にあります)、その後続く唯物思想にとりつかれた自称科学者や医師、さらには権益団体からの命を受けた一般人による、200年の歴史と膨大な治癒実績、世界中で多くの人々や動物、植物に使われ多大な恩恵を与えていることのすべてを無視するという非科学的態度で、「効くわけがない」という非科学的理由とごく一部のホメオパシーに否定的な論文をたてに、ごく一部の人々(書いているのはいつもだいたい同じ人たちです)が扇動しばらまいている、ホメオパシーに関する嘘や否定的書き込みのことです。

ホメオパシージャパンはレメディを「食品」として販売しているはずなので、「効く効かない」の議論になること自体おかしい。食品がいったいなにに「効く」というのだろう?

Q8 なぜ、このような事態になったのか、どのように考えていらっしゃいますか。

 

A8 ホメオパシーのような安価で効果の高い療法が広まっては困る人々、日本国民が目覚めては困る人々によるホメオパシーつぶしの一環と考えます。日本には、日本人か海外の人かわかりませんが、本当によいものをつぶそうとする多くの人々がいます。しかし、ホメオパシーバッシングを扇動している一部のマスメディア、そしてネット上でホメオパシーバッシングを扇動している自称科学者、医師、一般人の皆様も、私たちが自然治癒力を否定することの愚かしさ、嘘の情報にだまされていることの愚かさに気づくために、私たち自身を映し出す鏡の役目をしてくれているものと考えています。ですから、私たちがしなければならないことは、彼らの使命に報いるためにも、彼らを見て、彼らの発信する情報を鵜呑みにしない、そして彼らのようにならないよう、一人ひとりが自然治癒力の大切さに気づき、虚偽の情報にだまされることなく、自分で何が真実かを調べることが大切と考えます。もちろん、彼らが発信する情報のすべてが虚偽であると言っているのではありません。真実ももちろんあるでしょう。意図的に真実の中に嘘を混ぜて発信している人もいれば、意図せず嘘の情報を信じ発信してしまっている人もいるでしょう。それらを含めて、私たち一人ひとりが嘘と真実を見極める目をもつことが大切ということです。

ここでは「安価で効果の高い療法」と言っている。ただの「食品」がどのような「療法」に使えるのか、是非知りたい。

そもそもホメオパシージャパンの「安価で効果の高い療法」という説明はウソです。本記事冒頭の写真にある砂糖玉「RA Fukushima」は30粒(1.5g)入り464円。1kgあたり約30万円です。これに対してスプーン印の上白糖はAmazonで1kg・230円。ホメオパシーの砂糖玉は全く安価ではありません。

 

ホメオパシージャパンが言う「私たち一人ひとりが嘘と真実を見極める目をもつことが大切」という主張だけは、ある意味正しいと言えます。

なお、ホメオパシー側の反応としては以下のようなものがある。

2015年

発言者は豊受クリニックですのでこれらを書いておられるのは豊受クリニック高野弘之院長ではないかと推察します。

クリニックはビタミンK2シロップ不投与に関係する助産師が所属していた(る)日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)と住所が同じです。

高野医師は日本ホメオパシー医学協会会長の由井寅子氏が学長のCHhom(カレッジ・オブ・ホリスティック・ホメオパシー)で「救急医学」を受け持つ講師でもいらっしゃいます(ちなみに東京校の住所も一緒)。

新生児のビタミン K 欠乏性出血症は1700〜2000例に1例発症し頭蓋内出血のために半数が死亡、後遺症を残すものです。これを予防するためにビタミンK製剤が新生児に投与されます。

日本おまたぢから協会

そしてまたビタミン K投与を否定する別の団体が出現…

「あいかのブログ」が一個人のブログであれば、わざわざエントリーを立ててまで言及しません。しかし、そうもいかない事情がありました。「あいかのブログ」には、「日本おまたぢから協会」へのリンクが張ってあります。ケイツーシロップ投与をデメリットとしたエントリーが放置されるのは望ましくないと考えた私は、「日本おまたぢから協会」に対して、「あなたのところの協会員がケイツーシロップに否定的なブログを書いているが、それは協会の見解なのか?放置すると協会の信頼が落ちるのでは?」と注意を促そうと思いました。日本おまたぢから協会のページには、いろいろと医学的な根拠に乏しいことが書いてありましたが、さすがにケイツーシロップの有用性ぐらいは理解できるだろうと期待したのです。当初私は、立花杏衣加氏は、日本おまたぢから協会の会員の一人に過ぎないと思っていました。

 

違いました。立花杏衣加氏は日本おまたぢから協会の代表でした。日本おまたぢから協会は、代表がケイツーシロップの有用性について、また新生児が亡くなるかもしれないほどの危険な誤解をしているような団体です。「生理トレーニング」やら「冷えのメカニズム」やらに、まともな医学的根拠があるとは思えませんが、まあ勝手にやっていいと思います。しかし、ケイツーシロップについての誤解を拡散するのはダメです。断固、批判いたします。

この団体は2014年ごろから話題になっていた。

 元看護士である立花杏衣加(たちばな あいか、旧名ふゆ)さんは、経血コントロールを〈おまたぢから〉と命名。注目を集めるにはインパクトのあるネーミングが重要なので、思わずのけぞるこの名称は、ある意味正解でしょう。少し話がそれますが、ネーミングといえばジェムリンガの方たちは膣を〈ホト〉と呼び、子宮にフォーカスした活動をする方々の肩書は〈エナビューティスト〉……何となく上品に聞こえる言葉を使って(この場合は古語ですね)、下ネタをオブラートに包む作戦でしょうか。透けてるけど。

困ったことに、ビタミンK投与だけでなく、マンモグラフィによる乳癌検査も否定している。

マンモグラフィーはやるな!

まずは毎日乳をもんでください!

おっぱいがあったかふわふわになるようにね

マンモグラフィについては以下のリンクを参照。

40歳以上の女性に対してマンモグラフィ検診を行うことにより,乳がんによる死亡の危険性を減らすことが証明されています。このため,現在,40歳以上の女性に集団検診としてマンモグラフィによる乳がん検診(マンモグラフィ検診)が行われています。しかし,一部の乳がんではマンモグラフィで写し出せない場合があることも知られており,マンモグラフィ検診を受けていれば万全ということではありません。マンモグラフィ検診を受けて「異常なし」と判定されていても,自己検診などでご自分の乳房に何か気になることがあれば医療機関を受診してください。

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