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ピザゲート

ピザゲートPizzagate conspiracy theory)は、民主党のヒラリー・クリントン候補陣営の関係者が人身売買や児童の性的虐待に関与しているという陰謀論であり、2016年のアメリカ合衆国大統領選挙期間中に広まった。ピザゲートはQアノン陰謀論の前身と見なされており、2020年の選挙のときにも再流行した。初期のうち、児童への性的虐待はクリントン家が中心的に関わっているとされてきたが、その後、クリントン家の関わりは強調されなくなり、超エリートによる世界的な児童買春人身売買組織が存在するという陰謀論に変容していった。QAnon信者は、「#SaveTheChildren」というハッシュタグを使用してピザゲート陰謀論を拡散していたので、無関係の非政府組織「Save the Children」から抗議を受けたこともある。

2016年3月、クリントン陣営の選対責任者ジョン・ポデスタ(John Podesta)の個人的なメールがハッキングにより流出し、2016年11月に内部告発サイトのウィキリークスがこれらを公表した。陰謀論者は、児童への性的虐待の詳細を示す証拠がこれらのメールに暗号化されて含まれていると解釈した。このとき、民主党の高官が関わる人身売買と児童売春組織の拠点の1つとされたのが、熱心な民主党支持者であるジェイムズ・アレファンティス(James Alefantis)氏がオーナーのワシントンD. C.にあるピザ店「コメット・ピンポン」(Comet Ping Pong)であった。

2016年12月4日には、エドガー・ウェルチ(Edgar Maddison Welch)容疑者(28)が、家族連れで賑わっていた「コメット・ピンポン」に AR-15型ライフル銃を持って押し入り、店内で3発発砲して警察に逮捕された。弾丸はレストランの壁、机、扉に当たり、幸いにも負傷者は出なかった。なお、銃は他にも2丁所持していた(1丁は車の中)。ウェルチ容疑者は警察の調べに対し、ネットで広まっていた「ピザゲート」を自ら確かめるつもりだったと供述した。ウェルチ自身は誘拐された子供たちを救い出すヒーローになるつもりでいたようだ。