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ホットスポット (東日本大震災)

東日本大震災・デマ・風評被害・陰謀論

ホットスポットは原発由来のものとそうでないものがあることに注意。ここでは主に原発由来でないものについてまとめてある。

ラジウム

ラジウムは原発由来ではない。

世田谷の民家床下のラジウム

 東京都世田谷区の住宅街の区道で高い放射線量が検出された問題で、文部科学省は13日、区道に隣接する民家の床下にあった瓶の中の放射性物質が原因だったと発表した。

 

 がん治療などに使われるラジウム226と推定され、鉛容器などに封入して安全対策を取った。

 

 同省では「セシウムは検出されておらず、原発事故の影響ではない」としている。同省や警視庁世田谷署は適切な届け出がされていなかった可能性があるとみており、保管状況の調査を急いでいる。

 

 同省や区によると、民家の床下から見つかったのは、木箱の中に入った数十本の試験管のような瓶など。茶色に変色しており、中に白い粉状の物質が見えたという。瓶の上で放射線量を調べると、胃のX線検診の1回分に相当する毎時600マイクロ・シーベルトだったという。

 

 同省職員が鉛容器に入れて金属管で封入し、民家の敷地境界から離れた場所に置いた。

 

 放射線量はこの日午前、敷地内の木の根元付近では同約8・40マイクロ・シーベルト、建物の壁面で同約18・6マイクロ・シーベルトが検出されたが、応急措置により、敷地と道路の境界付近の放射線量は同0・1〜0・35マイクロ・シーベルトにまで下がったという。

 

 同省の簡易検査の結果、ラジウム226とみられることが判明。一般的に時計の文字盤などに塗る蛍光塗料や医療器具などに使われるという。

 

 半減期は1620年。同省では「民家付近を歩いて通過する程度では、年間の被曝(ひばく)線量は1ミリ・シーベルト以下にとどまり、健康への影響を心配する状況にはない」とした。

ワイドショーも金曜の放送は「なぜあんなところに長年放置?」(朝ズバッ!)、「夜光塗料工場で使われたラジウム従業員のガン発生で使用禁止」(スッキリ!!)、「発見の民家は築50年以上、最近まで90歳の老婆居住」(テレビ朝日系モーニングバード)と、前日の「福島がらみ」をすっかり忘れて「謎解き」に話題をスライドさせたが、さすがにきまりが悪かったのか、「スッキリ!!」の司会・加藤浩次は「原発からだと思ってしまいましたよね」と言い訳し、キャスターのテリー伊藤も「みんな思ってましたよね。でも、原因が分かってよかった」と弁解しきりだった。金曜日に放送では「謎」はさっぱり解かれなかったが…。(テレビウォッチ編集部)

マイクロ・ホットスポット

「路面付近よりも50センチから1メートル離れた場所の方が高い数値が検出されたところもある」とNHK報道がありました。そうすると、土壌のみならず、その空間周りにあるものに、放射性物質が付着している状態です。非常に狭い範囲の、マイクロ・ホットスポットともいう状態がおきていると言う事です。ここの道が通学路として使われていたことが、何にもなかったと考えるほうがおめでたいです。この学校の全生徒の身体状況を調査確認すべきです。血液検査、リンパ、甲状腺の確認もしたほうがよいです。彼らが、思わぬ核種での被曝をしている疑いがあります。4.6μsvほどもあったのです。間違いなく危険な核種はある。この学校の子供たちの状態を確認し、問診し、カルテも作成しておいたほうがよい。放射線の判断のみでも危険ですが、これだけの状況は大量の放射性物質の存在しか原因は考えられません。雨で溜まったというような生易しいレベルではない。思わぬことがおきている。子供たちのために確認を進めてほしい。

 

このマイクロ・ホットスポットとも言うべき現象は、他にも世田谷区内にもありえますし、都内西部や神奈川にもあると類推できます。これは、怖い現象です。ものすごい小さいホットスポットは見つけにくいですが、そこにいる人には致命傷となるのです。首都圏の危険のイメージが、また一つ増えたと考えています。

上記のように、 この件について、木下黄太氏は「マイクロ・ホットスポット」という説を唱えていた。しかし、原因の判明後は以下のように釈明しなくてはならなくなった。

 世田谷の話は、民家の軒下にあるビンに高線量の線源があったことが事実なら、この国は放射性物質の管理はきわめてずさんであることが、さらにわかったという話になります。線量が高いが、放射性物質が、周辺の汚染レベルと変化なければ。土壌などを検証で確認すべきとは思います。

 

 通常おき得ないはずの、ずさんな放射性物質の取り扱いにより、こういう高い線量のポイントがあったことは、どちらにしても許せない話ですが、子供への悪影響もあります。しかし、本筋ではなかったと思います。

 

 ぼくが疑っていたマイクロ・ホットスポット事象では、該当箇所はなかったです。

 

 ただし、お伝えしているように疑わしい状況が、このエリアにあることは変わりありません。健康被害であれば深刻な事例の報告が、このエリアからきていることから、僕は何かこのエリア一帯に疑いを持っています。土壌汚染も、ふつうにあります。引き続き、調べていくしかありません。

ラジウムの上で50年

騒動の舞台となった民家は、築60年ほどの木造平屋建て。現在は空き家になっているが、今年2月まで、92才の女性・A子さんがひとりで住んでいた。

「A子さんが引っ越してきたのは、50年ほど前の、昭和35年ごろのことです。瓶自体も同じくらい古いものなので、当時からあったとみられています」(全国紙記者)

ということは、この「放射能おばあさん」、ラジウムの上で50年も生きてきたことになるのだが、放射能の影響は受けなかったのだろうか。

A子さんは、証券会社に勤める夫とともに、この家に引っ越してきたという。現在、彼女は介護老人保健施設に入所しているが、特に病気ということはなく、夫も10年ほど前に亡くなったが、放射能を受けた人がなりやすい白血病やがんが死因ではなかった。夫妻には、2男1女がいるが、その子供たちもここで育った。次男の妻・B子さんがいう。

「お義父さんは、82才のときに老衰で亡くなりました。義母も耳は遠いし、記憶もぼやけていますが、重い病気にはかかっていません」

子供たちがこの世田谷の家を出て久しいが、ときには、庭の手入れや掃除などに来ることもあったという。現在、子供たちは3人とも50〜60代だが、「みんな健康体」だという。

この家に50年間住んでいたということは、単純計算すると、これまでに浴びた総被曝量は1500ミリシーベルトにもなる。放射性物質に詳しい中部大学教授の武田邦彦氏によると、実際にこれだけの量を被曝しているならば、「白血病になってもおかしくない」という。だが、それでもA子さんは90才を超えたいまも健康体。

武田邦彦氏については、武田邦彦 (東日本大震災)も参照。

ラジウム瓶の処分費用

 区などが調べた結果、先月14日には民家の床下から夜光塗料用とみられるラジウム入りの瓶を発見。今月1日と15日にはスーパー駐車場などの地面から相次いで瓶を回収した。いずれも地権者には心当たりがなく、瓶は社団法人「日本アイソトープ協会」が一時的に預かっているという。

 

 同協会によると、国内には最終処分場がないため、瓶は鉛製の容器やドラム缶に入れて密閉、コンクリートで囲まれた施設で長期保管する必要がある。

 

 問題になってくるのはその費用だ。保管料の規定はないが、同協会は「おそらく数百万円程度にはなる」と推計。また、最終処分場ができ、埋め立て処分をする際には「比べものにならないぐらい高額な費用がかかる恐れがある」とし、最終費用が数千万円に及ぶ可能性を示した。

 

 しかもその費用は、「ごみの不法投棄と同じ扱いになる」(文部科学省)ため、瓶が見つかった場所の地権者が全額負担しなければならない。瓶の所有者に支払いを求めることもできるが、その特定はほぼ不可能とみられる。

 これだけではない。スーパーのように地中に埋もれている場合は掘り出しにかかる費用も高額だ。専門業者は「3人で作業をしたとして1週間。安く見積もっても100万円を下回ることはない」。また、埋没場所が建物の直下であれば床をはがし、放射性物質が土地全体に流れ出ていれば土壌を入れ替える必要もあり、「一体いくらになるか想像ができない」と話す。

その他

世田谷第2のホットスポット

 東京都世田谷区八幡山のスーパー敷地内で放射性物質「ラジウム226」の入ったガラス瓶が見つかってから間もなく3カ月となる。高放射線量が測定された現場では今も除染が続き、費用は億単位になる見通しだ。瓶の持ち主は判明せず、地権者として除染などの費用を負担することになった全国農業協同組合中央会(JA全中)は困惑している。

 

 昨年10月28日、周辺を調べていた区民が、スーパーの敷地内で高い線量の場所を見つけた。文部科学省などが調べたところ、敷地内2カ所から最大で毎時170マイクロシーベルトの高線量が測定され、アスファルトの下からラジウムの入ったガラス瓶が見つかった。専門業者が瓶を2週間ほどで撤去したが、他にも毎時0.2マイクロシーベルトを超える地点が十数カ所あることが分かり、現在はそれらを掘り起こし、ガラス片などに付着した放射性物質を取り除いて土を入れ替える作業が続いている。終了のめどは立っていないという。

 

 業者に作業を依頼したJA全中は1973年、廃校した協同組合短大から敷地を譲り受けて職員寮や駐車場として使い、現在はスーパーに貸している。JA全中は「ラジウムを所持したことはなく、なぜ埋まっていたか分からない」と話す。

 

 文科省放射線規制室によると、放射線障害防止法で所持が制限されているラジウムなどの放射性物質が違法状態で見つかるのは、58年の同法施行前に個人で自宅などに保管していたケースが多いという。所有者不明の状態で見つかった例はこのスーパーが初めて。

 

 今回は地権者のJA全中が除染の責任を持つことになったが、JA全中広報課は「今後も同じようなことは起こりうる。行政は費用負担などの対応策を考えてほしい」と切実だ。同規制室も、簡易放射線測定器が一般に普及したことで、所有者不明の放射性物質がさらに見つかる可能性を懸念。「対応策について省内で検討中」としている。【黒田阿紗子】

 東京都世田谷区八幡山のスーパーで高い放射線量が検出された問題で、文部科学省は15日、敷地内で毎時170マイクロシーベルトの線量が検出された場所を75センチ掘ったところ、放射性物質ラジウム226入りのガラス瓶1本が見つかったと発表した。

 

 瓶の表面は同約8ミリシーベルトで、撤去後、土の線量は200分の1の同約40マイクロシーベルトに激減した。敷地内では他に同様の瓶1本が見つかっており、2日に撤去されている。 

 

[時事通信社]

 東京都世田谷区八幡山のスーパーマーケット敷地内と隣接する都道歩道で、最大毎時一七〇マイクロシーベルトの放射線量が測定された問題で、文部科学省は一日、敷地内を調査した結果、放射線の原因が放射性物質のラジウム226であるとほぼ断定した。土中からは試薬瓶が確認された。放射性物質が土壌の一部に拡散している可能性もあり、二日以降、撤去作業が本格化する。

 東京都世田谷区八幡山のスーパー周辺で最大毎時170マイクロシーベルトの高い放射線量が測定された問題で、文部科学省は1日、現場周辺の地面を掘り起こして調査をした結果、放射性物質のラジウム226が高線量の原因である可能性が高いことを明らかにした。

 

 線源となる物質はまだ見つかっていないが、同省は高線量について「福島第1原発の事故は関係ない」としている。

 

 同省によると調査により、ラジウム226が壊れることで発生する元素を検出した。試薬瓶とみられるものも見つかったが、今回の高線量と関係があるかは分からないという。

この記事は平日午前8時から放送されているテレビ朝日「モーニングバード!」の内容を紹介したもの。

またも東京世田谷区にホットスポットが出現した。高濃度の放射線が検出されたのは世田谷区八幡山のスーパー周辺の2地点。所太郎リポーターによると、「歩道すぐ横の場所からは最大毎時170マイクロシーベルトが、さらにスーパーの駐車場からは最大毎時110マイクロシーベルトの放射線量が検出されたとのことです」という。

首都大学東京の福士政弘教授は「地中に放射性物質のユウロピウム125が埋まっている可能性が高い」と話す。

司会の羽鳥慎一は「このスーパーが開店したのは1999年で、それ以前は農業学専門の協同組合短大が73年まで授業を行い、近隣には別に農業研究所がありました」と伝え、農薬が何らかの形で地中に捨てられ、高放射線量の原因になった可能性を指摘した。

首都大学東京の大谷浩樹准教授は、人体への影響について「毎日1回その場所の近くを通っていたとしても、年間換算で1ミリシーベルトにも達しません。今すぐどうこうという影響はないと思います」と解説した。

コメンテーターの青木理(ジャーナリスト)は「31日午後に現場を掘り返して、何が埋まっているのかを調べるということだが、掘り返したとき線量が増える可能性はないのですか」と聞く。

大谷「たとえば、厚さ5センチのコンクリートやアスファルトの下に埋められているとしたら、地表に放出されていた線量は実際の10分の1になります。ですから、掘り返せば検出された線量の10倍。1700マイクロシーベルトになる可能性はあります」

その他

 文部科学省は16日、東京都世田谷区上馬の住居からラジウム226が見つかったと発表した。「発光塗料」と書かれた紙箱に入っており、住人が5年ほど前にフリーマーケットで購入した。箱から1メートル離れるとラジウムによる放射線は認められず、押し入れにずっと置かれていたため、住人への放射線障害の恐れはないという。

文部科学省は10日、東京都目黒区の個人宅から、放射性物質ラジウム226が入った棒(直径約3ミリ、長さ約2センチ)が見つかり、撤去したと発表した。

トリウム

本年1月16日(月曜日)、墨田区より文部科学省に、墨田区緑二丁目こども広場(防災広場)に隣接する個人宅付近において、高い放射線量を放出する物質が発見されたとの連絡がありました。

 これを受け、文部科学省が現地に職員を派遣したところ、当該物質が放射性トリウムを含むことを確認し、当該物質を敷地境界から遠ざけるなどの安全確保措置を実施しました。

トリウムも原発由来ではない。

海外のホットスポット

ソウルのホットスポット

 【ソウル=辻渕智之】ソウル北東部の住宅街の道路から放射線量の高い数値が検出され、住民の不安を招いている。路面のアスファルトが原因とみられ、韓国政府の傘下機関である韓国原子力安全技術院が調査を始めた。

 周辺住民が携帯用測定器で測り、届け出た値は毎時三マイクロシーベルト。技術院の精密測定で同一・四マイクロシーベルトだった。どちらも、日本で文部科学省が学校校庭の除染目安で示した同一マイクロシーベルトを上回る。

 問題となったアスファルトは二〇〇〇年に舗装された。高い数値が検出された後、ソウル市が六日までに周辺のアスファルトとともに撤去した。朴元淳(パクウォンスン)ソウル市長は同日、周辺住民の健康調査を指示した。技術院は、放射性物質の混入ルートなど汚染原因を追及する一方、「路上に毎日一時間ずつ一年間立っても、国際放射線防護委員会が平常時の一般人の年間被ばく限度の指標値として示す線量一ミリシーベルトの半分」と説明。人体に影響を及ぼす水準ではないとしている。

 環境団体は「政府の対策や説明が不十分」と反発、韓国紙・東亜日報は七日、「恐怖で道路で遊ぶ子どもがいなくなった」と報じた。

花崗岩による「ホットスポット」

花崗岩が大量に使われている建物として日本で最も有名なのは国会議事堂だろう。あの白亜の外壁は、総花崗岩造りである。

建物から約120m離れた正門前の地上1mで、0.18マイクロシーベルト/時だった(以下、ことわりがない場合、すべて単位は同じ)。

さらに建物に近づき、花崗岩の外壁付近の位置だと、0.29にハネ上がった。これが議事堂内部に入ると0.1に下がる。内装や構造材に使われているコンクリートなどが放射線を遮るからだろう。

東京近辺で各行政機関が公表している空間線量は、地上1mでおよそ0.05〜0.06程度である。これが地上5cmだと0.1程度に上がるというデータもあるが、議事堂の例でもわかるように、地面に近いと岩盤や地中の物質の影響を受けやすく、場所によって大きなバラつきがある。

いずれにせよ、一般的な線量の3〜5倍で、“高放射線土壌”の周辺並みだから、国会議事堂は立派な“ホットスポット”ということになる。福島県いわき市の市庁舎前が地上1mで0.17程度だから、それより高いわけである。

続いて花崗岩の敷石が美しい銀座のメーンストリート「並木通り」を訪れた。地上1mで0.2前後の場所がいくつもあり、周辺より明らかに高い。近くにある赤御影石のビル壁の前では0.25を検出した。

墓地も調べた。都内最大級の青山霊園では、通路の地上1mで0.1、墓石の近くでは0.13だった。さらに、赤御影石の手洗い場付近では0.2を記録。予想通り、ここも“ホットスポット”だった。

念のためにもう1か所、雑司ヶ谷霊園を調べた。文豪・夏目漱石の墓石近くで0.17と、青山霊園と大きな差はなかった。

やはり花崗岩の影響は大きいようだ。東京での計測結果が花崗岩の影響であることを確認するため、日本有数の御影石産地である愛知県岡崎市に向かった。

採石場に入ることはできなかったが、採石場に面した場所(地上1m)で0.12を計測した。場内はかなり高いことが予想される。比較するため、そこから約2km離れた公園で測ると0.1とわずかに下がった。さらに2kmほど離れた岡崎インターチェンジ近くの駐車場では0.09だった。

天然石による「ホットスポット」の放射線量はそれほど高くないようだ。

原発由来のホットスポット

東京都

 東京都は9日、葛飾区の都立水元公園で周辺より高い放射性セシウムが検出されたことを受け、都内で初めて除染作業を行った。

 

 国は地上1メートルの空間放射線量が、周辺より毎時1マイクロ・シーベルト以上高い場所を除染対象にしている。同公園の周辺は0・16マイクロ・シーベルトのため除染の基準は1・16マイクロ・シーベルトになるが、6月末の都の調査では最高1・22マイクロ・シーベルトを記録した。この日の作業では、作業員約10人がスコップで2か所の計15平方メートルを深さ5センチまで掘り、土や落ち葉を土のうに詰めた。線量は0・35〜0・37マイクロ・シーベルトに下がった。

 

 都建設局は「除染した場所は引き続き立ち入り禁止にし、しばらく放射線量の変化を見る」としている。

沖縄

 県は7日、福島県産のまきを本島内の4飲食店がすでに使用し、うち1店舗では未使用のまきからは最大で、国の指標値40ベクレル(1キログラム当たり)の約11倍に当たる468ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。別の店では、使用後の灰からも最大で指標値8000ベクレルの約5倍に当たる3万9960ベクレルを検出。県は「消費者、従業員とも健康に影響が出る量ではない」としている。

 

 一方、まきを県内に出荷した岐阜県の流通業者代表は「高圧洗浄し、本巣市の検査も通っているので、大丈夫だと思った」と話し、問題を指摘されたまきは早急に回収するという。

 

 福島県産まきを取り扱っていた飲食店は窯焼きピザを提供するレストラン3店舗と沖縄そば店。レストラン2店舗のまきと使用後の灰から指標値を超えるセシウムが検出された。

 

 一方、沖縄そば店は、セシウムが検出されたレストランから、使用後の灰を譲り受け、麺を製造。一部はすでに客へ提供していた。県の検査では、客へ提供する前の麺から258ベクレル(指標値500ベクレル)、灰1260〜8060ベクレルが検出された。灰を調べた3検体のうち、一つで指標値を超えた。

 

 残りのレストラン1店舗と配送業者は測定中で、2〜3日後に検査結果を公表する。

 

 県は、まきを使用して調理した場合、放射性セシウムが食品に付着する量は2%以下との国の指針を示し、「(まきから検出された)最大値の468ベクレルでも、食品には9ベクレル程度しか付着せず、この食品を摂取しても健康被害は出ない」と強調。調理する従業員についても常にまきの側にいるわけでなく、放射線を浴びる時間が短いことなどから影響はないとしている。

 

 福島県産のまきは、岐阜県の流通業者が昨年11月に15・7トンを県内に出荷。8・4トンをレストランに販売した。残り7・3トンは那覇港近くのコンテナに保管している。レストランで保管している未使用のまきは0・7トンで、県内の配送業者が回収し、コンテナで保管している分と合わせて、8日に大阪経由で福島に送り返す。

横浜市

 横浜市の小学校の敷地のそばにある水路の跡地で、高い放射線量が測定されました。市は周辺を立ち入り禁止にしています。

 

 横浜市によりますと、瀬谷区の二つ橋小学校のそばにある使われていない水路で、地表1センチの高さで1時間あたり6.85マイクロシーベルトの高い放射線量が測定されました。市が安全の目安としてる0.59マイクロシーベルトの12倍近いことから、水路周辺と隣の小学校の敷地の一部を立ち入り禁止にしています。福島第一原発から飛散した放射性物質が傾斜のある水路に蓄積したとみられます。市は立ち入り禁止を徹底するとともに、近いうちに土壌の除去を行うことにしています。

柏のセシウム

世田谷のラジウムが原発由来のものではなかったのに対し、柏市のセシウムは原発由来のものであるようだ。もし、道路の側溝の破損により、放射性物質の濃縮が簡単に起こるようであれば、あちこちで同様な場所が見つかる可能性がある。同様に、原発由来ではない、放射性物質の管理が緩かった時代に放棄された放射性物質があちこちで見つかる可能性もある。

 千葉県柏市根戸(ねど)の市有地で採取した土壌から1キロ当たり最大で27万6000ベクレルの放射性セシウムが検出された問題で文部科学省は23日、現地調査を行い、東京電力福島第1原発事故で放出された放射性セシウムを含む雨水が現場の側溝から外に漏れ出し、土壌に染み込んで蓄積された可能性が高いとの調査結果を明らかにした。汚染土壌の投棄といった人為的な要因は否定され、原発事故そのものの影響の広がりが示された形だ。柏市は文科省と協議し、除染の方法を検討する。【早川健人】

 

 文科省放射線規制室によると、最も空間線量が高かった地点のすぐ横で、深さ30センチ、幅30センチのコンクリート製側溝の壁が幅0・5〜1メートル程度にわたって破損・欠落していた。側溝は雨水を流すために設けられ、現場から下流部分は市道に沿って掘られている。普段、どの程度の流量があったか不明だが、上流部分に降った雨が集まって側溝を流れる際、破損部分から漏れ出たとみられる。

 

 この日の文科省の測定では、高線量の場所を覆っている防水シートをはがした際の地表部の空間線量は、最大で毎時14・6マイクロシーベルト、地上1メートルでは同約2マイクロシーベルトだった。防水シート周辺部の最大線量は同0・6マイクロシーベルトで、その外側よりやや高かった。

 

 調査結果について、中矢隆夫・同室長は「一般的に、雨どいの下の線量が高くなるように、雨水が集まる場所では線量が高くなる傾向がある。似たような状況の場所は(首都圏で)他にもあると思う」と述べた。また、放射性物質で汚染された土壌や焼却灰の投棄の可能性については「少ない」と話した。

 

 市有地は、戸建ての市営住宅が95年に取り壊され、地元町会が広場として利用していた。今回の問題は、散策中の市民が持っていた測定器の高線量に気付いて市に通報したのが発端。21日の市の測定では毎時57・5マイクロシーベルトの異常に高い空間放射線量を記録した。政府の除染についての基本方針は、放射線量が毎時0・23マイクロシーベルト以上の場合は年間被ばく量が1ミリシーベルトを上回る可能性があるとして除染対象になっている。

 

 文科省の調査は当初24日を予定していたが、柏市が前倒しを要請し、23日に繰り上がった。

 

 ◇専門家「健康に影響少ない」

 

 千葉県柏市で、非常に高い濃度の放射性物質を含む土壌が確認されたことについて、専門家は同様の現象が発生しうるとした上で、現状の水準ならば健康への影響はほとんどないとしている。

 

 松本義久・東京工業大准教授(放射線生物学)は「柏市は街全体がホットスポットのようになっているため、今回のような非常に高濃度の土壌が生じたのだろう」と分析。「ただし、内部被ばくの線量などを試算しても健康への影響はほとんどないと思われる」と語った。

 

 また、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(86年)を現地調査した笠井篤・元日本原子力研究所研究室長(環境放射能)は「チェルノブイリ原発事故に比べると1〜2ケタ低く、汚染範囲もごく狭い場所に限られている。冷静に対応してほしい」と呼び掛ける。一方で、「今後も同じような事象が各地で起きる可能性がある。文部科学省は放射性物質の濃度だけではなく、健康影響の指標となる放射線量も一緒に発表すべきだ」と述べた。【奥山智己、永山悦子】

 千葉県柏市の空き地から毎時57.5マイクロシーベルトの高い空間放射線量が測定された問題で、近くの側溝が破損し、そこから漏れ出た雨水が地中に浸透しているとみられることが文部科学省の23日の現地調査で分かった。雨水に含まれた放射性物質が地中に蓄積された可能性があり、同省の担当者は「東京電力福島第一原発事故の影響の可能性が強い」との見方を示した。

 

 柏市は22日、地中30センチの土壌から1キロあたり27万6千ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。文科省によると、側溝はコンクリート製で、破損部分の周辺の土壌から高い線量が測定された。採取された土壌の中のセシウム134と137の比率が福島第一原発事故で汚染された土壌のものと似ているという。

 千葉県柏市は21日、同市根戸の市有地で毎時57.5マイクロシーベルトの高い放射線量を計測したと発表した。原因は不明だが計測値が極端に高いため「福島第1原子力発電所事故の影響とは考えにくい」(総務部)としている。

 

 現場は更地で、57.5マイクロシーベルトは地表から30センチ程度掘ったところで計測。10メートル離れると毎時0.3マイクロシーベルトまで低下した。市は半径3メートル以内を立ち入り禁止にし、24日以降に土の除去などを進める方針。

 

 18日に市民から高い放射線量を計測したとの連絡を受け調査した。

千葉

 東京電力福島第1原発事故の影響による河川や湖沼の放射性物質による汚染問題で県は3日、手賀沼流域の水質や土壌を県独自に調査した結果、手賀沼の西側を中心に沼底や川底の泥から最大1キロ当たり1万2200ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。県は「水で遮断されているので生活圏への影響はない」と説明している。

 

 県によると、手賀沼周辺の19地点で調査した結果、水からセシウムは検出されなかったが、柏市や我孫子市などにまたがる手賀沼の西側、大津川河口付近の沼底の泥から同1万2200ベクレル、近くの大堀川河口付近で同1万1000ベクレルを検出した。

 

 また、手賀沼に流れ込む柏市の大堀川新駒木橋付近の川底からも同1万1900ベクレルを検出したが、2月の環境省調査で同9000ベクレルを検出した柏市の大津川上沼橋付近は同4400ベクレルでほぼ半減した。県水質保全課は「セシウムは流れの緩やかな場所などに堆積(たいせき)している」として調査を継続する。【斎川瞳】

汚染コンクリ

 福島県二本松市の新築マンションに放射性物質に汚染されたコンクリートが使われていた問題で、原料になった同じ砕石が、県内の生コン会社2社を通じ、建設会社など100社以上にコンクリートとして出荷された疑いのあることが、経済産業省の聞き取り調査で分かった。

 

 同省が出荷先の特定を進めている。

 

 砕石は、富岡町の採掘会社が浪江町の阿武隈事業所の採石場で採ったもので、採掘会社の社長(50)は16日朝、郡山市内の事業所で記者会見し、生コン会社以外にも、建設会社など17社に出荷していたことを明らかにした。一部は、県内の農場やゴルフ場などで土木工事に使用されているという。昨年4月11日に計画的避難区域の設定が政府から発表された後も砕石の出荷を続けたことについて、社長は「放射能に関する知識がなく、正直『何で住んじゃいけないの』という程度の感覚だった」と釈明した。

 ●公共工事224カ所測定

 二本松市の三保恵一市長は19日夜、記者会見を開き、震災後に発注したすべての公共工事224カ所で放射線量を測定したところ、問題となっている双葉砕石工業の石を使ったのは108カ所、高い線量が計測されたのは、岡ノ内地内の排水路工事だけだったと明らかにした。

 この工事現場では、放射線量が毎時1.12〜1.32マイクロシーベルトと、空間線量の毎時0.72〜0.86マイクロシーベルトより高かった。市は今後、新築住宅など民間工事についても調べることを決めており、安達太良建設協会と二本松管工事組合に調査協力を依頼。加盟する二本松市内の計45社に放射線量を測定してもらい、来週中をめどに結果をまとめたいとしている。

 また同市教委は20日、市内のすべての学校(小学校16校、中学校7校)の校長を集めて、臨時の校長会を開いた。教育長は「学校の工事箇所の線量を計ったが、いずれも毎時0.1〜0.2マイクロシーベルトと非常に低い数値だった」と話した。