トップ 差分 一覧 ソース 検索 ヘルプ PDF RSS ログイン

ムーンホークス(Moon Hoax)説

アポロ計画はすべてアメリカのでっち上げであり、人類は月に行ってないという「アポロ計画陰謀論」。
映画「カプリコン1」はこの陰謀論をネタにして作られた。(ただし月ではなくて火星が舞台) 評論家の副島隆彦氏の著書「人類の月面着陸は無かったろう論」(徳間書店)はこの陰謀論を元に書かれており、2005年に「と学会」の「第14回日本トンデモ本大賞」を受賞している。

JAXA(宇宙航空研究開発機構)の月探査情報ステーションの「月の雑学 第3話 人類は月に行っていない!?」で、この説の詳細な検証を見ることができる。このページはPhil Plait氏によるサイト「Bad Astronomy」内にある「Fox TV and the Apollo Moon Hoax」の内容を元に書かれた。

英語版Wikipediaでは「Moon landing conspiracy theories」となっている。

デバンキングサイト

書籍

デバンキング本としては以下を参照。

その他のアポロ関係の書籍は以下を参照。

アポロ関連サイト

その他

エンジニアチームは、月面における物体の明るさに関する公開データをもとに、月面や着陸船に光がどのように反射するか、また撮影した写真には星が写るかどうかを、VXGIを使って検証した。再現の結果、星は写真に写らないことがわかった。月面の光に消されてしまうのだ。

月探査機LROによる着陸地点の撮影

2009年7月

アメリカ航空宇宙局(NASA)の月探査機「ルナー・リコナイサンス・オービター」(Lunar Reconnaissance Orbiter, LRO)はアポロ11号、14号、15号、16号、17号の着陸地点を撮影した。(アポロ12号の着陸地点も撮影予定) 月面に残された着陸船の下部が写っており、特にアポロ14号の着陸地点では、月面に置かれた実験装置や宇宙飛行士の歩いたあとも見える。(文献23)

以下のリンクでその画像が見れる。

2009年9月

アポロ12号着陸地点の写真も公開された。以下のリンクを参照。

2009年10月

再度アポロ11号と17号の着陸地点が撮影された。今回は、月面に残されたTVカメラ、実験器具、アームストロング宇宙飛行士がリトルウェストクレーターまで歩いた跡なども見える。

2009年11月

アポロ11号と12号の着陸地点。

「かぐや」によるアポロ15号噴射跡の確認

JAXAのプレスリリース「月周回衛星「かぐや(SELENE)」の地形カメラによるアポロ15号の噴射跡の確認について」(平成20年5月20日)によると、「かぐや」が搭載している地形カメラが撮影した立体視画像から、アポロ15号のエンジン噴射によって生じた「ハロー」(噴射跡)と考えられるものを確認した。

この画像は、平成20年2月24日、アポロ15号の着陸地点(ハドレー谷付近)を観測したデータを研究チームが画像処理して作成したもの。アポロ15号の噴射跡とみられるものが確認されたのは、アポロ計画終了後世界初。

また、アポロ15号飛行士が撮影した写真と同じ風景を「かぐや」の地形カメラの立体視画像から作成し、ハドレー谷上部の30数億年前に噴出した溶岩流の積み重なる様子も再確認した。

「かぐや」の撮影した画像については、以下のリンクも参照。

大槻教授と月の石

大槻教授(大槻義彦)は日本におけるオカルト批判の先駆者であり、人魂(火の玉)の研究ではNature誌に論文(文献15)を発表するほどの物理学者でもあった。ところが、だんだん何でもプラズマのせいにするようになり、おかしな発言が目立つようになる。最初のうちは単に勉強不足で世間知らずなだけかと思われていたが、ついには「と学会」の本「トンデモ本の世界」(洋泉社)でも取り上げられてしまうほどになった。

なかでもひどいのは「アポロの月の石はニセモノ」発言であり、以下のブログなどで批判されている。

2008年末のテレビ番組『ビートたけしの禁断のスクープ大暴露!!超常現象マル秘Xファイル』でも同様の発言を行っている。(文献16) しかし、「(アポロ計画の)唯一の証拠とされる月の石が信じるに足りない」と主張しているものの、「(月に)行ってないとは言ってない」とか「社会的責任とか、立場上言えないこともある」と、なんだか妙なスタンスである。「そういう矛盾をつかれれば、そのとおりなんですよ」と、ちょっと自分がトンデモさんであることの自覚とも思える発言もあった。

2008年末の番組での発言には、大槻教授自身のところに直接メールで批判が届いているようで、ブログで反論「1月 第5回 【読者の方からのメール】」(2009年1月15日)を書いていたりなんかする。

さて、アポロ計画で持ち帰られた月の石だが、大槻教授は「重大な研究結果がほとんど発表されなかった」としている。しかし実際は、月の石やその他のサンプルについて多数の論文が発表されている。Google Scholarで「apollo rock」や「apollo sample」で検索してみれば、このことはすぐにわかる。

日本人でも月の石の分析をした人がおり、その体験談を「アポロ月試料の化学分析(<特集>アポロ月着陸30周年)」(文献14)で読むことができる。(文献12も参照)

大槻教授は「月の石は地球上の石となんら変わらない」と述べている。ところがそんなことはない。日本が南極で採取した隕石は世界最多を誇る1万6200個あるが、そのうち9個が月から来たものだということがわかっている。なぜ、月から来たとわかるのか?というと、アポロが持ち帰った石と化学組成などの特徴を比較することで判断できるのである。(文献11)

オランダの月の石は本当にニセモノだった!

オルドリンのパンチ

2002年9月9日、アポロ計画陰謀論者のバート・シブレル(Bart Sibrel)は、アポロ11号の宇宙飛行士バズ・オルドリンBuzz Aldrin)に向かって、「おまえはウソつきで臆病者の泥棒だ!」と暴言を吐いた。そして、怒ったオルドリン(当時72歳)はシブレルの顔面に見事なパンチを放つという「アポロ・パンチ事件」が起こった。

その時の動画をYouTubeの「Buzz Aldrin punch」で見ることができる。また、Skeptical Inquirerの「Buzz Aldrin Punches Moon-landing Conspiracy Theorist」でも、オルドリンのパンチを別の角度から見ることができる。

BBC Newsの記事「Ex-astronaut escapes assault charge」(文献22)によると、ビバリーヒルズのホテルの外で、シブレル氏は聖書に誓って月面着陸はウソではなかったと言えるか?!とオルドリンに迫った。

オルドリンはシブレル氏にパンチをお見舞いしたが、それは彼自身と彼の継娘を守るためだったと証言している。さらに目撃者によると、シブレル氏はオルドリンを聖書で激しく突いたとのこと。また、シブレル氏はオルドリンをウソの口実でホテルの外におびき出しインタビューしようとしたらしい。

シブレル氏は外見上傷害はなく治療も受けておらず、オルドリンには前科もなかったので、罪には問われなかった。

 また、一夜にして世界のヒーローとなったオルドリンさんは、称賛を浴びる一方で、こんな心ない誹謗中傷にさらされることになる。「あなたは本当に月にたどり着き、月面に降り立ったのか?」と。

 

 オルドリンさんは一笑しながらこう答えた。

 

 「たった2人きりの秘密でさえ米国では公に知れます。大勢の人間が関わったアポロ計画で、そんな壮大な嘘を隠し通せると思いますか?」

星条旗

 【ワシントン時事】1960〜70年代の米国の有人月探査プロジェクト、アポロ計画で宇宙飛行士らが月面に立てた計6本の星条旗のうち、5本が約40年たった現在も同じ場所に残っていることが30日、分かった。航空宇宙局(NASA)の研究者がブログで明らかにした。

 それによれば、NASAの月周回探査機「ルナ・リコネサンス・オービター」(LRO)が星条旗の立てられた場所を撮影。これだけでは不鮮明なため、画像に写り込んだ星条旗のものとみられる影を分析し、5本が健在だと断定した。

 一方、所在を確認できなかったのは、69年に人類初の月面着陸を成し遂げたアポロ11号のアームストロング船長らが立てた旗。11号の乗員は、月面を離れる着陸船のロケット噴射で旗が飛ばされてしまったと回顧しており、その通りの事態が起きた可能性が高い。

  • Question Answered!」  by Mark Robinson, The Lunar Reconnaissance Orbiter Camera (LROC), 2012年 7月 27(金曜日)

オリジナルテープの紛失


参考文献とリンク

  1. フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
  2. Apollo Moon Landing hoax conspiracy theories」 Wikipedia
  3. アポロマニアックス」 Aircrafts and Travel
  4. 人類の月面着陸はあったんだ論―と学会レポート」 山本 弘 江藤 巌, 皆神 龍太郎, 植木 不等式, 志水 一夫、楽工社 (2005/11)
  5. 月周回衛星「かぐや(SELENE)」関連リンク
  6. Moon Landing Hoax - Wires Footage - InfoDebug.com」 YouTube
  7. Proof of moon hoax!」 YouTube
  8. アメリカのFoxテレビが、2001年に放映した「Conspiracy Theory: Did We Land on the Moon?」は以前Google Videoで見れたのだが、今は削除されてしまったようだ。代わりにYouTubeで5分割されたものが見れる。
  9. 【アポロ】 ハンマーと羽の実験」 YouTube、アポロ15号が月面で行った、真空中でハンマーと羽が同時に落ちる実験のデモンストレーション。
  10. APOLLO」 APOLLO (the Apache Point Observatory Lunar Laser-ranging Operation)のサイト。アポロ計画で月におかれた反射鏡にレーザー光をあて、反射して戻ってくる時間を正確に測って、地球と月の距離を計測するという研究。
  11. 隕石が語る「生い立ち」 月へ〜「かぐや」探査計画・2』 asahi.com、2007年08月21日13時50分、この記事によると、日本が南極で採取した隕石1万6200個のうち、9個が月から来た隕石だとのこと。なぜそれがわかるかというと、「アポロが持ち帰った石と化学組成などの特徴を比較することで判断できるのです。」
  12. Major Element Variation and Possible Source Materials of Apollo 12 Crystalline Rocks」 Ikuo Kushiro and Hiroshi Haramura, Science 26 March 1971: Vol. 171. no. 3977, pp. 1235 - 1237, 日本で行われた月の石の分析研究論文。
  13. Lunar and Planetary Institute」 月・惑星研究所(LPI)のサイト。
  14. アポロ月試料の化学分析(<特集>アポロ月着陸30周年)」 脇田 宏、遊・星・人(日本惑星科学会誌)Vol.8, No.2(19990625) pp. 105-110
  15. Plasma fireballs formed by microwave interference in air」 Y. H. Ohtsuki & H. Ofuruton, Nature 350, 139 - 141 (14 March 1991)
  16. 大槻教授、ピンチ??」 YouTube
  17. 人類の月面着陸はあったんだ論」 山本 弘 (著), 江藤 巌 (著), 皆神 龍太郎 (著), 植木 不等式 (著), 志水 一夫 (著) , 楽工社 (2005/11)
  18. 「月には水分子が存在」:超高感度の分析法で月の石を分析』 Wired Vision, 2008年7月10日
  19. Volatile content of lunar volcanic glasses and the presence of water in the Moon's interior」 Alberto E. Saal, Erik H. Hauri, Mauro L. Cascio, James A. Van Orman, Malcolm C. Rutherford & Reid F. Cooper, Nature 454, 192-195 (10 July 2008) doi:10.1038
  20. アポロ疑惑に終止符? 日本の人工衛星、大活躍!」 小黒直昭、2008年05月26日 13時49分更新、ASCII.jp
  21. ザ・ムーン」 アポロ計画に関するドキュメンタリー映画のサイト
  22. Ex-astronaut escapes assault charge」 BBC News, Saturday, 21 September, 2002, 07:01 GMT 08:01 UK
  23. LRO、アポロ計画の着陸地点を撮影」 July 18 - 2009 - 月、sorae.jp