岡山大学医学部不正問題
時系列
- warbler's diary
- 岡山大学の不正告発者解雇問題: 大学内の教職員の意見 2016/10/28
- 続: 岡山大学で不正告発をした教授らの解雇無効申立仮処分決定について 2016/10/20
- 岡山大学の不正告発者解雇問題: 大学内の教職員の意見 2016/10/28
- 岡山大学事件〜教授の解雇無効仮処分に対する異議申し立て棄却 榎木英介、病理専門医かつ科学・技術政策ウォッチャー、2016年10月19日 17時15分配信
- 記者が会見資料、原告側に提供か 2016/10/18 21:30、共同通信
岡山大の准教授がアカデミックハラスメントを巡って前薬学部長ら2人を提訴した訴訟に絡み、前学部長側の代理人弁護士が18日、記者会見などで報道機関に提供した資料を、記者が原告の准教授側に渡していた疑いがあると明らかにした。報道機関名は判明していないとしている。
- 「論文改竄告発で解雇、岡山大元学部長らへの処分は「無効」 地裁、大学側に給与支払い命令」 2016.6.6 23:48, 産経ニュース
岡山大の複数の博士論文について「データ改竄(かいざん)の疑いがある」との内部告発を行い、解雇された岡山大薬学部の元学部長と元副学部長が処分の無効を求めた仮処分申請で、岡山地裁(池上尚子裁判長)は6日、「解雇は無効」として、大学側に2人の給与の一部を支払うよう命じる決定をした。
池上裁判長は決定で、内部告発の公益性を認定。処分について「合理的な理由を欠き、(大学側が)解雇権を濫用(らんよう)した」とした。同大の森田潔学長は「今後の不服申し立て手続きと訴訟で本学の正当性を主張していく」とコメントした。
- 「元教員に関する裁判について」 岡山大学 法務・コンプライアンス対策室 (16.06.06)
この決定に対する学長からのコメントは以下のとおりです。
仮の地位が認められなかったことは正当ですが,仮払い請求が一部認められたことは誠に遺憾に思います。今後の不服申立手続きや地位確認訴訟において,引き続き本学の正当性を主張していきます。
- 「岡山地裁、「研究不正告発で解雇」無効の仮決定〜岡山大学事件続報」 榎木英介,病理専門医かつ科学・技術政策ウォッチャー、2016年6月7日 17時0分配信、Y!ニュース
研究不正を告発したことが、大学の名誉を害する行為であり、教員としての適性を欠くことになるというのは、岡山地裁ならずとも、理解しがたいことだ。
もしも、研究不正を告発する行為が、名誉を害する行為となるとの先例ができるならば、これが抑止力になり、今後研究不正を告発するという行為が行いにくくなってしまう。これでは日本が「研究不正大国」として不名誉な評判を得てしまうことにもつながりかねない。地位確認訴訟の動向を注視していきたい。
こうした事態が発生するのは、制度の不備が原因でもある。文部科学省や研究資金助成機関(ファンディングエージェーンシー)は、こうしたことがないよう、制度を改善してほしい。
苦しい状況におかれた森山先生たちの精神的な負担を思うと、心が痛む。一刻も早く研究現場に戻ることができることを心より願う。
- 「岡山大学の研究不正と解雇無効決定 −不正な科学者は誰だ?−」 2016年06月10日 06:00,筒井 冨美、アゴラ
この記事については以下のツイートも参照。
- 「7:44 - 2016年6月10日」 Twitter, 片瀬久美子
これは虚偽です。→「第三者委員会による調査が行われた」
私のブログを引用して、こうした間違った情報を流すのは止めて欲しいです。
- 「13:49 - 2016年6月10日」 Twitter, 片瀬久美子
アゴラの記事、私のブログへのリンクを外して、「第三者委員会による調査が行われた」 という誤りは削除して頂けました。しかしながら、まだ誤認されてしまうものとして、解雇事由はパワハラではありません。これについてもコメントしました。
- 「大学内部の不祥事対応は、なぜ、不可解な結果になってしまうのか?」 みわよしこ, 2016年1月13日 20時52分配信, Y!ニュース
- 「なぜ?! 岡山大学の教授2人解雇」 高橋真理子, 2016年01月28日, WEBRONZA - 朝日新聞社
- 「岡山大 2教授を解雇…論文「不正」を告発」 毎日新聞2016年1月12日 21時39分(最終更新 1月12日 22時18分)
岡山大は12日、大学教授の適性を欠くなどとして前薬学部長の森山芳則教授(62)と前副学部長の榎本秀一教授(52)の2人を解雇したと発表した。2人はこれを不服とし、大学を相手に処分無効や慰謝料2000万円などを求める訴訟を同日、岡山地裁に起こした。
解雇は昨年12月28日付。大学側の説明では、2人は大学に無断で学内で記者会見を開き、学長や理事が不正行為をしているかのような印象を外部に与えたり、出席を求めた会合を欠席したりするなど職務命令に違反したとしている。
2人は学内の複数の論文で不正があったとして大学に告発し、学内の調査委員会が昨年3月、「不正なし」の結論を出した。12日に記者会見した森山元教授は告発が解雇の大きな理由だと訴え、「大学側は、解雇することで不正追及を終わらせたいのではないか」と主張した。提訴について大学側は「把握していないのでコメントできない」としている。【平川義之】
- 「これは言論封殺だ!不正告発教授のクビを切った岡山大学の愚挙」 2016年01月14日(木) 伊藤 博敏、現代ビジネス
- 告発に生データ見ず「適正」 岡山大調査委 毎日新聞2016年1月3日 08時30分(最終更新 1月3日 08時39分)
同大医歯薬学総合研究科の教授2人が複数の論文について告発し、調査委が昨年3月に結論を出した。研究不正についての国のガイドラインは、不正なしと判断された場合は調査結果を公表しないと定め、大学も公表しなかった。
切り張りがあったのは、2006年に米国の内分泌学専門誌に掲載されたステロイドホルモンに関する論文。濃さが異なる横長の棒(バンド)が横に12個並び、実験条件を変えると特定のたんぱく質の量が変化することを示した。バンドの濃さを読み取ったグラフが下にあり、濃さを比較して結論を導くデータの一つとしている。告発は「同一条件で比較すべきデータが合成されている」と指摘した。
大学によると、病院幹部から「1枚の連続的な写真ではない。代表的なバンドの写真を参考として添付した」と説明があったが、切り張り前の生データは「8年以上経過し、残っていない」として提出されなかった。
切り張りは、別の画像の使用や画像処理が判明した場合、捏造(ねつぞう)や改ざんに当たる。元は連続した写真であると生データで確認できれば、不正とはならない。
大学は「学外の委員も加え、きちんと検証した」と説明し、切り張りの事実や生データなどについて報告書で触れていないことに対しては「早く報告する必要があり、報告書を簡潔にしようともしたため、言葉足らずな点があったかもしれない」としている。
一方、画像説明の食い違いは、08年に循環器関連の米医学誌で発表した論文と、10年に岡山医学会雑誌で発表した日本語の論文との間で生じている。高血圧に関係するたんぱく質の研究で、それぞれ複数の細胞の画像が示され、同一の画像の実験条件の説明が両論文で「Na+/K+ATPase」と「H+−ATPase」となり食い違う。
調査委員長を務めた同大学の山本進一理事は「国のガイドラインや大学の規定で定める研究不正(捏造、改ざん、盗用)には当たらない。だから本調査はしなかった」と説明している。
病院幹部は取材に「日本語の論文は岡山医学会賞の受賞紹介記事。掲載にあたり、一部のパネル(画像)を削除し、説明文を修正する際に誤りが生じた」と回答した。【根本毅】
- 「岡山大論文 「シロ」判定 文科省指針では公表不要」 毎日新聞2016年1月3日 08時39分(最終更新 1月3日 08時39分)
研究不正への対応を示した文部科学省のガイドラインは、研究者の所属機関が調査し、不正がないと判断された場合は公表しないと定める。このため、調査が所属機関に有利に進められたり、ずさんな調査で疑惑が見逃されたりしても、外部からの検証は難しい。
岡山大の調査は、ガイドライン通りに行われた。告発した教授は昨年6月、文科省の研究公正推進室に調査報告書の問題点を訴えたが、文科省の担当者は「不正については文科省が判断する仕組みではない」として、大学に「誠実な対応」を求めただけだった。
調査報告書が公表されていれば、生データを確認したのかどうかなど、いくつもの疑問点が外部から指摘されただろう。調査の信頼性を高めるためにも、第三者による調査や調査結果の公表など透明性を保つ工夫が必要だ。文科省にはガイドラインの改定が求められる。【根本毅】
- 「やっぱり小保方さんなんてかわいいほうだった〜2015年も多発した研究不正事件」 榎木英介, 2016年1月1日 7時39分配信, Y!ニュース
なかでも悪質だと思われるのが、岡山大学の事件だ。片瀬久美子氏が詳細に報告しているように、研究不正の告発に対して、かなり問題のある内部調査を行い、その結果を外部に公表していない。しかも、不正の告発をした教授たちが、パワハラをしたとして解雇されたという。
- 「また論文不正か?…今度はみんなの党衆院議員に「改竄の疑い」 岡山大が内部告発で調査」 2014.11.6 08:14, 産経ニュース
元岡山大医学部特任准教授で、みんなの党所属の男性衆院議員(45)が筆頭著者として平成20年に発表した医学論文をめぐり、昨年12月に「改竄(かいざん)の疑いがある」との内部告発があり、岡山大が本格調査していることが5日、分かった。産経新聞の依頼で論文を鑑定した民間調査機関は「複数の画像が切り張りされた可能性がある」と指摘。議員は取材に「不正は断じてない」と否定した。
「森山先生を支援する会」
この会は,国立大学法人岡山大学医歯薬学総合研究科(薬学系)教授の地位を奪われて,2015年12月28日付で不当に解雇された森山芳則先生の解雇撤回と研究の場への復帰のために協働する人々の会です。
真摯な学問追求によってすぐれた成果を達成してこられた森山先生が,不条理な形で職を追われる事態に立ち至ったことは,我が国の大学における学問研究の自由を根底から脅す事態が起きてしまったものであるともいえます。言い換えるならば,日本のすべての大学や研究機関にも関わる重大な事態ともいえるでしょう。森山先生を支援して,研究の場への復帰を果たしていただくことは,日本の大学における教育・研究の環境を健全なものとして機能させ,発展させるためにも重要な意義を持つものと考えます。
会の活動は,裁判の費用を募って経済面で先生を支援することと,この問題について正確な情報を発信することの両面で進めていくこととしています。運営に当たっては,森山先生と弁護団の了解と助言を得ています。募金については,ゆうちょ銀行に本会の口座を開設いたしましたので,ぜひともご協力をお願いいたします。
2016年3月8日
森山先生を支援する会代表 小波秀雄
京都女子大学現代社会学部教授
「今、岡山大学で何が起きているのか?」
このサイトについて、サイエンスライターの片瀬久美子は以下のように述べている。
- 「13:21 - 2015年12月11日」 Twitter
【重要】私は『今、岡山大学で何が起きているのか?』というサイトとは無関係です。そのサイトで書き直された「片瀬久美子氏が呼びかけたツイッターは、1日で15000件のアクセスがあった」というのも間違いで、何を呼びかけたツイートなのか不明ですが岡大関連ツイートのアクセス数は全く違います
世界変動展望
- 「岡山大学、研究不正の告発者を解雇へ!」 2015-12-08 21:50:01
warblerの日記
- 「研究不正を内部告発した教授らに大学が解雇処分の判断」 2015-12-08
- 「岡山大学医学部不正調査の問題点」 2015-09-01
- 「岡山大学医学部不正調査の問題点2」 2015-09-26
- 「岡山大学医学部不正調査の問題点3」 2015-10-30
「岡山大学による報告「研究活動に係る不正行為に関する調査結果について」に関する意見」
平成27年3月28日
平成27年3月27日に「研究活動に係る不正行為に関する調査結果について」 という記事が岡山大学公式webサイトに掲載された。告発者、および披告発論文についてはこの記事からは不明であるが、時期的に見て本学薬学部の森山、榎 本両教授(現在、停職中)による医学部論文の不正告発であることが推察される。告発書の内容、調査報告書がともに公開されていない現状において今回の調査 結果を評価することは困難であるが、これまでに他大学で実施されてきた研究不正の調査報告と比較すると以下の点で異例である。
・本発表の主体が不明で、問合せ先として研究交流部の課長が指定されているのみである。調査委員長および学長の名前すら本文には付記されておらず、責任をもった調査結果の公開とは言いがたい形式である。
・調査報告書が公開されておらず、調査委員会の構成、画像解析の専門業者の公表が行われていない。そのため、調査委員会が開催された回数や、調査がどのように実施されたかという肝腎の情報が不明である。
・判断の根拠となる情報が提供されていないために、第三者が公正に判断の妥当性を評価することができない。大学側が調査し不正がないと判断したから、不正はないという回答は、一種の同義反復であり論理的ではない。
国立大学は社会から支援される研究教育機関として、学術的な問題に対しては最大限の誠実さと透明性をもってこれに応える必要がある。不正がない研究成果を 不正として告発することは重大な瑕疵であり、告発者にはそれ相応の責任が生じることは言うまでもない。一方で、不正がある論文に対してこれを看過し、逆に 告発者に対して懲戒処分を科すことは、研究機関としての自殺行為である。両者を峻別するためには、科学者コミュニティ、あるいは社会に対して調査結果を公 表し、岡山大学が妥当な判断を下したことを証明する必要がある。研究領域の自浄作用を否定するような懲戒は厳にこれを慎むべきである。
私 たちは両教授が係争中であるハラスメント問題とは一線を画しており、研究不正調査の適切な取り扱いを求めるものである。なお、実名での意見書の送付が適切 であることは承知しているが、大学側の姿勢として、事実をもって議論するのではなく、権力をもって懲戒することが専らであることから、匿名による指摘に留 める。指摘する内容はいずれも公開された事実であり、匿名か実名かによる影響を受けないことは言うまでもない。
匿名一教員
緊急の追記(平成27年5月26日)
平成27年5月20日に岡山大学森田潔学長により、森山、榎本両教授に対して5月26日以降の自宅待機命令が発せられたようである。命令書には追加懲戒の意向が示されているが、懲戒事由が何であるかは明らかにされていない。岡山大学は研究不正の告発に対する調査報告は完了したという認識であることから、「真正な」研究成果を不正として告発した両教授に対しては懲戒処分が行われる可能性がある。今回の懲戒事由は異なるものである可能性もあるが、そもそも何の根拠も示さずに研究不正がないとしている岡山大学の独善的な調査報告が修正されない限りは、研究不正の虚偽の告発を事由とした懲戒処分の懸念は解消しない。
緊急の追記として、岡山大学における研究不正告発の経緯、およびその主体であった薬学部に対する大学執行部の対応を公開(岡山大学における研究不正の告発(時系列))する。両教授を継続して支援する必要性から、今回も匿名教員として記録を行う。何故、匿名とせざるを得ないかについては、これまでの大学執行部の対応からご理解いただきたい。
(平成27年5月27日現在)森山、榎本両教授に対する自宅待機命令は、懲戒処分の対象となる疑義については一切説明されることなく、その期限も設定されていないことが明らかとなった。薬学部長、医歯薬学総合研究科長も理事からのメール以外の経緯は知らないという。既に係争対象となっている疑義では8ヶ月の停職処分が執行され、引き続き自宅待機が命じられている。研究室に所属する学生、院生が喪失した教育指導を受ける機会を取り戻すことが不可能であることを考慮すると、教育機関としての責任を果たしているとは到底言いがたい状況である。
(平成27年6月12日現在)自宅待機命令にかかる疑義の開示、今後の展望について薬学部長に複数の教員が問い合わせを行っているようであるが、今もって事情は明らかにされていない。疑義不詳のまま、自宅待機状態は既に2週間を越えている。復職を期待していた学生、スタッフはそれぞれ抗議の声をあげているが、今のところこれらは適切に取り扱われていない。一部の学生はこのような状況の中、就職活動を継続している。両教授の復帰の目処は立たず、一方では懲戒予告は解雇であるという噂が流れており、強いストレスがかかる状況が続いている。国立大学の教職員は見なし公務員であるが、上司の命令より法律遵守を優先させるような動きは皆無である。
匿名一教員