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疑似科学を見分けるチェックリスト

アーヴィング・ラングミュアによる「病的科学の症状」

  • 検出される最大の効果は、ほとんど検出されないくらいの強さの原因から生じ、その効果の大きさは本質的に原因の強度に依存しない。
  • その効果の大きさは検出限界ぎりぎりのところにとどまる。あるいは、得られた結果が統計的にほとんど無意味なため、数多くの測定が必要となる。
  • きわめて精度が高いと主張する。
  • 経験と矛盾する夢のような理論である。
  • 批判すると、とっさに思いついたその場限りの(アドホックな)言い逃れをする。
  • 反対者に対する支持者の割合は最初のうちは半数近くまで上がるが、その後は次第に下がっていき、やがて忘れられてしまう。

アーヴィング・ラングミュアIrving Langmuir)はアメリカの科学者で、1932年にノーベル化学賞を受賞している。ラングミュアは1953年12月18日、彼の有名な「病的科学:科学でないものについての科学」(事実でないことについての科学)というタイトルの講演をジェネラル・エレクトリック社のKnolls研究所で行なった。このリストはその講演で述べられたものである。プリンストン大学コンピュータ学科のKenneth Steiglitz教授の「PATHOLOGICAL SCIENCE」(文献3)で、その講演内容を見ることができる。このうち、「病的科学の症状」について述べている箇所は「Characteristic Symptoms of Pathological Science」である。

マリオ・ブンゲによる疑似科学のチェックリスト

(マイケル・フリードランダーにより言い換えられた部分もある)

  • その理論は融通性に乏しく、一般的に新たな研究の妨げとなる。
  • 一般に支持者は研究していない信奉者からなる。
  • 場合によっては、商業的な関心から支持を得ていることもある。
  • 疑似科学の現象のほとんどは信奉者にしか証明できず、その多くが超自然的な効果をほのめかす。
  • 拠りどころとする議論の多くは時代遅れだったり、信頼できない文献から引用されるか、証明不可能である。そうした立論には明確さと首尾一貫性が欠けている。
  • 数学が使われることはめったになく、論理的な議論も欠けている場合が多い。
  • 主張される現象の多くは非常に古くからあるものだが、そのアイディアにはほとんど、あるいはまったく進展が見られない。(これとは対照的に、科学の本流では知識が累積されていく)
  • 好ましくないデータはその方が数の上でははるかに勝っている場合でも、隠蔽したり歪曲してしまう。

マーティン・ガードナーによる疑似科学者の偏執的特徴

  • 自分を天才だと考えている。
  • 周りの連中は例外なく大馬鹿者ばかりだと考えている。
  • 自分は不当にも迫害され差別されていると考えている。
  • もっとも偉大な科学者や理論を特に攻撃したいという強迫観念がある。
  • 複雑な専門用語を使う傾向があるが、多くの場合、自分が勝手に創作した用語や表現を多用する。

なお、マイケル・フリードランダーによると、これらのリストから抜け落ちているものとして、「反証可能性に関するテスト」がある。

その他


参考文献

  1. きわどい科学 ウソとマコトの境域を探る」 マイケル・W・フリードランダー著、白揚社
  2. 同様なリストは「水商売ウォッチング」の「疑似科学の見分け方」のページにもある。
  3. PATHOLOGICAL SCIENCE」 I. Langmuir (Colloquium at The Knolls Research Laboratory, December 18, 1953) Transcribed and edited by R. N. Hall
  4. 英語版Wikipediaの「Pathological science
  5. Skeptic's Dictionaryの「pathological science