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政府・関係機関の対応 3 (東日本大震災)

東日本大震災・デマ・風評被害・陰謀論


ここでは、2011年6月18日〜8月18日の記事について集めています。

福島原発は廃炉にできない」 

Newsweek, 2011年08月18日(木)13時08分, 千葉香代子(本誌記者)

 前例のない事故を起こした福島第一原発には、今から廃炉に至るまでの過程にどんな専門家も答えを知らない技術的難題が山積している。廃炉には、事故を起こさなかった普通の原子炉でも30年程度の時間がかかる。原子力委員会は福島の廃炉に要する時間を「数十年」と評しているが、この「数十年」は限りなく100年に近い、あるいは100年以上と考えたほうがいいかもしれない。

東日本大震災:福島第1原発事故 汚染水海洋放出で保安院、海外通報に思い至らず」 

毎日新聞 2011年8月18日 東京夕刊

 ◇会見見て気付く 事故調聴取で判明

 東京電力福島第1原発事故で、東電が今年4月に低濃度放射性汚染水を海へ放出した際、その手続きに関与した経済産業省原子力安全・保安院の職員の中に、近隣諸国に事前通報する必要性を認識し、指摘した人がいなかったことが、政府の「事故調査・検証委員会」(畑村洋太郎委員長)の調査で分かった。外務省も、偶然知った東電詰の職員からの連絡で初めて把握したという。事故調は、条約に基づく海外への通報義務について調べを続けているが、保安院の認識の甘さと共に、重要情報の連絡体制のあり方についての課題が浮かび上がった。

 

 事故調では、被害拡大防止対策等検証チームが、原発事故の拡大を防ぐ事前対策の適否などを調べるため、原子力安全委員会や保安院などを対象に聴取を続け、すでに約60人から話を聴いたという。

 

 関係者によると、3月下旬、同原発1〜3号機のタービン建屋の地下などに高濃度放射性汚染水があることが発覚。4月1日、東電などの対策チームの会議で、集中廃棄物処理施設にたまった低濃度汚染水を海に放出し、高濃度汚染水を移送する案が出されたが、強い消極意見が出ていったん消えた。しかし、低濃度汚染水を4号機のタービン建屋に移送したところ、4日朝になって3号機タービン建屋の水位の上昇が分かり、地下で通じているとみて移送を中止。東電や保安院、原子力安全委事務局が、低濃度汚染水を海に放出する準備を始めた。

 

 保安院は同日午後3時20分までに、菅直人首相の了解と、原子力安全委の助言をへて、東電に対して海への汚染水の放出は「やむを得ないと判断した」と伝達。これを受け、東電は同3時50分に広報し、同4時から官房長官が定例の記者会見で公表した。実際の放出は同7時3分だった。

 

 ところが、海外への事故情報の提供窓口となるはずの保安院では、汚染水の放出手続きに関与した職員で、近隣諸国への事前通報の必要性を認識し、指摘した人はなかったという。実際には、官房長官の会見を偶然見ていた保安院の国際室の職員が、放出開始の約1時間前に国際原子力機関(IAEA)に電子メールで連絡した。

 

 また外務省も、東電の対策本部に詰めていた若手職員が、偶然見た汚染水の放出に関する東電作成の広報書類をファクスで本省に送ったことで、放出を初めて知ったという。

 

 放出は、4月4〜10日に実施され、放出開始時に近隣諸国や地元自治体から「事前に連絡がなかった」などと批判が起きた。

福島第1原発:東電、水素爆発予測せず ベント手順書なし」 

毎日新聞 2011年8月17日 2時31分(最終更新 8月17日 11時53分)

 東京電力福島第1原発事故で、3月12日に起きた1号機の水素爆発について、政府の「事故調査・検証委員会」(畑村洋太郎委員長)の聴取に対し、東電側が爆発前に予測できていなかったと証言していることが分かった。長時間の全電源喪失時に格納容器を守るため実施するベント(排気)のマニュアル(手順書)がなかったことも判明。このため、作業に手間取るなど、初期対応で混乱した様子が浮かび上がった。

 

 関係者によると、政府事故調はこれまでに、同原発の吉田昌郎所長ら東電社員や政府関係者らから聴取を続けている。

 

 1号機の水素爆発は、東日本大震災の翌日の3月12日午後3時36分に発生。建屋の上部が吹き飛んだ。水素は、燃料棒に使用されるジルコニウムが高温になって水と反応し発生したとみられている。

 

 関係者によると、事故調に対し、東電側は原子炉や格納容器の状態に気を取られ、水素が原子炉建屋内に充満して爆発する危険性を考えなかったという趣旨の発言をし、「爆発前に予測できた人はいなかった」などと説明しているという。

 

 また、ベントについては、マニュアルがなかったため設計図などを参考にして作業手順などを検討。全電源が喪失していたため作業に必要なバッテリーなどの機材を調達し始めたが、型式などの連絡が不十分だったこともあり、多種多様な機材が運び込まれて、必要なものを選別する手間が生じた。

 

 さらに作業に追われる中、機材が約10キロ南の福島第2原発や作業員らが宿泊する約20キロ南のJヴィレッジに誤って配送され、取りに行かざるをえない状況になった。ある社員は「東電本店のサポートが不十分だった」と話しているという。

 

 一方、1号機の炉心を冷却するための非常用復水器(IC)が一時運転を中断していたものの、吉田所長ら幹部がそのことを把握せず、ICが稼働しているという前提で対策が検討されていたことも判明。事故調の聴取に吉田所長は「重要な情報を把握できず大きな失敗だった」などと話しているという。

 

 事故調は、東電側からの聴取内容と一連の事故に関するデータなどを精査した上で事故原因を解明していく方針だ。

 

 ◇震災翌日の首相視察「目的分からぬ」

 「目的が全く分からない」−−。菅直人首相が東日本大震災翌日の3月12日、東京電力福島第1原発を視察したことについて、現場のスタッフが政府の「事故調査・検証委員会」の調べに、懐疑的な感想を述べていることが明らかになった。

 

 菅首相からの「なぜこんなことになるのか」との質問には、「自由な発言が許され、十分な説明をできる状況ではなかった」と振り返る説明があった。また、海江田万里経済産業相が12日午前6時50分、1号機の原子炉格納容器の圧力を下げるベントの実施命令を出したことに、現場は「違和感が強く、意図的にぐずぐずしていると思われたら心外」と受け止めたという。

 

 陸上自衛隊のヘリコプターによる使用済み核燃料プールへの放水には、「ありがたかったが、作業効率が極めて低いと感じた。プールに入っていないと思われるケースが多かった」との感想があったという。

 

 ◇原発事故調査委・ヒアリング経過メモ(要旨)

 事故調査・検証委員会が、福島第1原発の吉田昌郎所長やスタッフ、関連企業の社員ら、学識経験者にヒアリングした経過を8月にまとめたメモの要旨は次の通り。

 

 <ベント>

 

・11日深夜から12日未明にかけ、炉心損傷を認識した吉田昌郎・福島第1原発所長がベント準備を指示

 

・マニュアルがなく、現場で設計図などを参照しながら必要な措置を検討し、弁操作に必要なバッテリー調達などから始めた。ストックを把握していなかったため、構内を探したり本店に調達要請したりと手間取った

 

・最終的にベントが成功したかは確認できていない。「成功した」とされているのは、格納容器の圧力低下や放射線量増加などの状況証拠からの推測。現在も確証を得られない

 

・ベントや注水に必要な資材が福島第2原発などに誤搬送され、第1原発から取りに行く人員を割かれるなど、本店のサポート体制は不十分

 

・海江田万里経済産業相のベント実施命令には違和感が強く、意図的にグズグズしていると思われたとしたら心外

 

 <水素爆発>

 

・1号機の水素爆発を予測できた者はいない。爆発後数時間以内に、炉心損傷で発生した水素が建屋に充満して爆発した可能性が高いと結論付けた

 

 <甘い認識>

 

・炉心の熱を海に逃がすための海水ポンプが津波で故障した場合、非常用復水器(IC)などで炉心冷却しながら復旧すればよいという程度の認識だった

 

 <4号機の損傷>

 

・3号機から排気ラインを通じて逆流した水素がたまって爆発した可能性が考えられるが、逆流させるだけの空気圧が発生していたか疑問はある

 

 <菅首相の福島原発視察>

 

・12日早朝の首相来訪は目的・趣旨がまったくわからない

 

 <海水注入>

 

・防火水槽の淡水貯水量には限界があり、いずれ海水注入が必須になるとの認識はあった

 

・12日夕に官邸、東電本店から海水注入中断の指示があったが、注水を続けないと大変なことになるので、従ったふりをして継続

 

 <1号機の非常用復水器停止把握せず>

 

・担当作業員がICを11日午後6時半から約3時間、停止させたが、吉田所長らは把握せず、動いていることを前提に対策を講じた

 

 <ヘリ、放水車などによる放・注水>

 

・電源復旧作業の中断を余儀なくされた

 

・散発的な放水は作業効率が低く、使用済み核燃料プールに入っていないと思われるケースが多かった

 

 <想定地震超える>

 

・福島第1原発2、3、5号機の東西方向で、想定していた揺れである基準地震動を超えたが、東電によると原子炉の安全上重要な設備に大きな損壊は確認されず

 

 <想定津波を再計算>

 

・09年2月、海底地形と平均潮位を見直して想定津波を再計算。その結果、想定津波の高さが上昇した5、6号機については、非常用海水ポンプの電動機の架台の浸水対策をした。

交付金で原発後押し レベル7翌日「新設は増額」」 

東京新聞, 2011年8月17日 07時01分

 原子力関係予算を握る経済産業省と文部科学省が福島第一原発事故の一カ月後、原発の立地自治体などに交付金を支給する規則を全面改正し、新増設時の交付額を増やす一方、既設の原発では発電実績に応じて交付額を決める方式に変更していたことが分かった。事故収束に向けた見通しが立たず、原因究明もままならない時期に、新増設や運転を後押しする改正をしていたことになる。

 改正したのは「電源立地地域対策交付金」の交付規則。四月十三日に改正され、海江田万里経産相と高木義明文科相の連名で、同日付の官報に告示した。経産省原子力安全・保安院が福島第一原発事故の国際評価尺度を、旧ソ連チェルノブイリ原発事故と同じレベル7に引き上げた翌日のことだった。

 改正規則では、原発を新設したり増設したりする際の交付金の単価を増額。発電能力(出力)百三十五万キロワットの原発を新設する場合だと、運転開始までの十年間に立地自治体へ支給する額は、四百四十九億円から四百八十一億円に三十二億円上積みした。

 一方、既設の原発では、発電実績を重視する仕組みに変わった。

 立地外の都道府県に電力を供給した際に交付する「電力移出県等交付金相当部分」は、たとえ発電量がゼロでも、原発の規模に応じた交付金が支払われてきた。二年間の経過措置はあるものの、今後は発電量だけが基準になる。

 運転開始の翌年から運転終了まで長期間にわたり支給する「長期発展対策交付金相当部分」や、使用済み核燃料再処理工場などの地元に交付する「核燃料サイクル施設交付金相当部分」も、発電量や稼働実績を重視して交付する。

 新増設に反対する市民団体からは実績主義への変更によって運転を停止すると交付金が減るため、地元自治体が停止を求めにくくなると指摘が出ている。

 資源エネルギー庁は今回の規則改正を記者発表せず、官報に告示しただけだった。説明用の冊子も二〇〇四年二月に規則を制定した際には、表紙に「大改正後の新たな交付金制度」と記し、「新たに地域活性化事業が交付対象事業に追加」などと、これまでの制度との違いが分かるようになっていた。だが、今回は新制度の内容しかなく、どこを変更したのか前の冊子と比べないと分からない。

 同庁電源地域整備室は「昨年六月にエネルギー基本計画が閣議決定され、これに基づき改正したが、地元からの要望もあった」と説明。官報の告示時期には「特段大きな意味はない」としている。

<エネルギー基本計画> 2002年に制定されたエネルギー政策基本法に基づき、エネルギーの需給に関する長期的、総合的な施策を進めるために政府が策定する。昨年6月に菅直人内閣が閣議決定した基本計画では、原子力について「安全の確保を大前提として、国民の理解と信頼を得つつ、新増設の推進、設備利用率の向上」などを図るとしている。30年までに14基以上の新増設を行う目標を掲げている。

米政府、在京米国人9万人の避難を一時検討」 

2011年8月17日22時30分 読売新聞

 東京電力福島第一原子力発電所の事故直後、米政府が、東京在住の米国人9万人全員を避難させる案を検討していたことが分かった。

 

 元米国務省日本部長のケビン・メア氏が、19日に出版する「決断できない日本」(文春新書)で明らかにした。9万人避難が実行されていれば、他国の政府対応はもとより、日本人にもパニックを引き起こしかねないところだった。

 

 メア氏は震災直後、国務省内の特別作業班で日本側との調整にあたり、著書にその内幕をつづった。

 

 米国人の避難が提起されたのは、3月16日未明(現地時間)の会議だった。米側は無人偵察機グローバルホークの情報から原子炉の温度が異常に高いことを把握し、「燃料が既に溶融している」と判断。菅政権が対応を東電任せにしているとみて、「不信感は強烈」な状況だったという。米国人の避難を求めた政府高官に対し、メア氏らは「日米同盟が大きく揺らぐ事態になる」と反論し、実行に移さなかったとしている。

不吉な放射能拡散予測―住民避難に生かせなかった日本政府」 

ウォール・ストリート・ジャーナル2011年 8月 17日 11:06 JST

 【福島県二本松市】福島第1原子力発電所を津波が襲ってから丸一日たった3月12日午後、同県沿岸部に位置する浪江町の住民約700人が、避難指示区域とされた半径10キロ圏内のすぐ外にある小学校に集まっていた。子どもたちは校庭で遊び、大人たちは犬の散歩をし、ボランティアの人々は屋外でおにぎりなどの食事を作っていた。携帯電話が使えず、テレビもなかったため、すぐ近くの原発で危機的事態が進行しつつあることを知る人はほとんどいなかった。

 この日の午後、SPEEDIが示した予測は、人口2万1000人の浪江町にとって不吉なものだった。仮に原発から放射性物質が放出された場合、風に運ばれて同町の上空に達した後、安全とされる10キロ圏内を通り越し、町民が避難している狩野地区にある小学校にまで到達すると予測されたのだ。しかし浪江町の馬場有(ばばたもつ)町長によると、この情報が町民に伝えられることはなかった。

 ウォール・ストリート・ジャーナルは、原発周辺住民を保護するために、日本政府が行った対応を詳しく取材した。これにより、放射能汚染の危険性を示す予測がなされていたにもかかわらず、政府当局者らが周辺住民への警告を怠っていた実態が明らかになった。こうした情報は数日後、あるいは数週間後まで公表されることはなかった。その上、政府と電力会社が多くの周辺住民に約束されていた避難支援を提供しなかったために、各自治体は放射性物質がどこへ向かっているのかよく分からないまま急場しのぎの対応を余儀なくされたのである。

東日本大震災:福島第1原発事故 土木学会の02年安全基準「想定外津波」反映されず」 

毎日新聞 2011年8月17日 東京夕刊

 ◇策定過程、再三指摘

 原発の安全性に関する国の耐震指針のもととなった土木学会策定の基準を議論する過程で、「想定を超える津波への備えも必要」との意見が再三出されたにもかかわらず、02年に策定された基準には反映されなかったことが、東京電力福島第1原発事故に伴う政府の「事故調査・検証委員会」(事故調)の調査で17日分かった。事故調は、想定外の津波への考慮が基準に反映されていれば「東日本大震災における原発の事故被害が防げた可能性は否定できない」と指摘している。

 

 ◇「電力業界関与も影響」−−事故調

 事故調は、事故以前の津波対策を検証するため、策定当時の関係者から事情を聴いた。

 

 毎日新聞が入手した内部文書によると、土木学会での議論は99年11月に「津波評価部会」でスタート。2年あまりの議論の中で「想定以上の規模の津波が来襲した場合、設計上クリティカル(危機的)な課題があるのか否か検討しておくべきだ」などの意見が一部の委員らからたびたび出された。しかしこうした指摘は、同部会が02年2月にまとめた基準「原子力発電所の津波評価技術」には盛り込まれなかった。

 

 基準は、津波高を想定する際参考にする過去の事例は、同じ場所で繰り返し発生し記録がはっきり残る地震のみとした。これにより、今回の地震との類似性が指摘される貞観地震(869年)のように、記録と証拠に乏しい地震は考慮されないことになった。事故調はこの点について「津波評価の方法として適切であったとまでは言い切れない」と指摘した。

 

 同部会の主査を務めた首藤伸夫・東北大名誉教授は当時から、想定を超える津波への備えを主張していた。事故調は「津波研究の大家であることを理由に主査を依頼したにもかかわらず、持論に沿った形でのとりまとめには至らなかった」とし、さらに「(電力)事業者が積極的に関与したのは責任の表れだが、事業者による自主保安の限界と考えられる」と、同部会の委員に多数いた電力業界関係者の影響も示唆している。

 

 土木学会のこの基準は、国の「耐震設計審査指針」の06年の改定作業の土台となったが、計48回の議論の中でも「津波は地震の随伴事象」としてほとんど議論されなかった。福島第1原発では、津波高を5・7メートル(1〜4号機)と想定したが、今回の事故では10メートルを超える津波に襲われた。

 

 事故調は、土木学会の基準が全国の原発の安全性の再評価につながったことを重視。「原発の施設設計のあり方を深く議論していれば、このような(適切な津波対策をとる)結論に至った可能性もある」と、作業部会での議論の不十分さを指摘している。

SPEEDI:予測非公表、「避難活用の発想なし」指摘」 

毎日jp, 2011年8月17日 15時0分 更新:8月17日 15時4分

 東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質の拡散を予測する「緊急時迅速放射能影響予測システム」(SPEEDI)の予測結果が、事故から約2週間公表されなかった背景が、政府の「事故調査・検証委員会」(事故調)の調査で17日分かった。SPEEDIを運用する文部科学省をはじめ、内閣府原子力安全委員会、経済産業省原子力安全・保安院も予測結果を避難に役立てようという発想がなかったと指摘している。

 

 SPEEDIは原発事故などの際、放射性物質の放出量などを入力すると、風向きなどの気象条件や地形をもとに拡散状況を予測するシステム。事故発生当初は放射性物質の放出量などが分からなかったため、3者は放出量を仮定し、予測結果を出した。

 

 事故調は当時の関係者らから事情を聴き、文科省と安全委については「避難に役立てようとする発想はなかった」、保安院については「データは不十分で公にするには適当でないという認識だった」としている。

 

 「公表すべきだ」との批判を受け、安全委は事故から12日たった3月23日、予測結果を初めて公表。水素爆発などが続発した発生当初、住民の被ばくを抑える避難などには生かされなかった。

メルトダウンの可能性、12日には認識…保安院長」 

2011年8月10日21時20分 読売新聞

東京電力福島第一原子力発電所の事故から5か月になるのを前に、経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長が10日、記者会見し、震災翌日の3月12日の段階で、メルトダウン(炉心溶融)に近い状況が起きている可能性を認識していたことを明らかにした。

 

 当時広報担当だった中村幸一郎審議官が、炉心溶融の可能性を示す発言の直後に広報担当を外された経緯があり、院長の当時の認識を問われた。

 

 寺坂院長は「(中村審議官は)発言そのもので担当を交代したのではない」と述べたうえで、炉心溶融に近い状況にあることを「可能性としては認識していた」と語った。

 12日付で辞任する寺坂院長は、「事故収束に至っていない。安全当局としておわび申し上げたい」と謝罪。事故後の対応については、「足りない部分はあったが、原因調査は、政府の事故調査・検証委員会で作業が進められる」と述べるにとどまった。

菅直人の珍発言

 菅直人首相は三十一日、長野県茅野市での民間主催の「みんなのエネルギー・環境会議」に出席した。首相は植物を活用した再生エネルギー技術を紹介した上で「この次(政党を)つくるとしたら、『植物党』をつくろうと思う」などと強調。続投支持をにらんで、脱原発依存、環境重視の姿勢をアピールした。

 

 首相は「二百年前、三百年前は薪や何かで全部やれていた。それを新しい技術に転換すればいいだけで、再生エネルギーで賄うことは十分に可能だ」と独自の考えを展開。「再生エネルギーこそ、日本の新しい産業革命に間違いなくつながる」と述べた。

「三百年前は薪や何かで全部やれていた」?! 3百年前と現代を比較する意味があるのか?まあ、植物党でも動物党でも好きなものを作ればいいさ。

 首相は「1億分の1でも1回で地球が崩壊するようなリスクは取れない」とも指摘。保安院による原子力に関するやらせ問題にも触れ「私が厚相のときに体験した薬害エイズの構造とそっくりだ」と指摘。「国民の立場で安全性をチェックしなければいけない保安院が、逆に推進する側のお手伝いをしている」と批判した。この日も「脱原発依存」を掲げる一方で、当面の電力需給安定策には言及しなかった。

「1億分の1でも1回で地球が崩壊する」? 意味不明。そもそも日本や人類が滅んだぐらいで、地球が「崩壊」したりしない。そんなことができると思うことこそ人類の驕り。

 「東京、神奈川から3000万人が移住するような事態も想定して決断しないといけない。だから『脱原発(依存)』なんだ」。菅直人首相は14日夜、都内の日本料理店で民主党の石井一選対委員長と当選1回の衆院議員約20人と会食。「脱原発依存」をめぐる政府・与党内の調整不足などへの批判を意識してか、福島第1原発事故の行方によっては、首都圏から避難させることも一時考慮したことなど、言い訳のような発言を繰り返した。

言っていることが意味不明。そもそもなぜ「東京、神奈川から3000万人が移住」なのか?いったいどういう事態を想定しているのだろうか?どこにどうやって3千万人も移住させるつもりなのだろう?妄想や思い付きを口走ることを「決断」とは言わない

福島第一原発の最高幹部が語った

平成23年度原子力安全規制情報広聴・広報事業(不正確情報対応)

経済産業省エネルギー庁, 平成23年6月24日, 入札公告

  • 仕様書」 件名: 平成23年度原子力安全規制情報広聴・広報事業(不正確情報対応)

遠い将来の希望

 枝野官房長官は14日午前の記者会見で、菅首相が13日に表明した将来的な「脱原発」方針について、「遠い将来の希望という首相の思いを語った」と述べ、内閣としての政策目標ではないとの認識を示した。

 

首相は記者会見で「将来は原発がなくてもきちんとやっていける社会を実現していく」と明言した。これについて枝野氏は「政府の見解というより、そういったことを視野に入れた議論を進めるというのが政府の立場だ」と説明。「原発をなくすことは内閣としての政策目標か」との質問に、「首相の記者会見ではそこまで言っていない」と指摘した。首相の発言内容について、政府内で事前調整を行ったかについても明言を避けた。

まあ、なんというか、呆れるほどの有言不実行。何度も言うが、思い付きでなにかをしゃべるのはもうやめてほしい。

個人の責任追及に偏らない調査を求める日本原子力学会

自分を「客」だと思っていた復興相

 松本龍復興担当相は3日、東日本大震災の被災地である岩手・宮城両県を訪ね、両県知事と会談した。前日の福島県に続く就任後初めての被災地訪問だが、被災者の感情を逆なでしかねない発言を連発した。週明けの国会で野党が追及する可能性もある。

 会談では、仮設住宅の要望をしようとする達増知事の言葉を遮り、「本当は仮設はあなた方の仕事だ」と指摘。仮設住宅での孤独死対策などの国の施策を挙げ、「国は進んだことをやっている。(被災自治体は)そこに追いついてこないといけない。知恵を出したところは助けるが、知恵を出さないやつは助けない。そのくらいの気持ちを持って」と述べた。また、「九州の人間だから、東北の何市がどこの県とか分からない」と冗談めかして話した。

 

 午後に訪問した宮城県庁では、応接室に後から入ってきた村井嘉浩知事に「お客さんが来る時は、自分が入ってから呼べ。しっかりやれよ」と語った。被災した漁港を集約するという県独自の計画に対しては「県でコンセンサスをとれよ。そうしないと、我々は何もしないぞ」などと厳しい口調で注文をつけた。

 村井嘉浩知事は4日の定例会見で、3日県庁を訪れた松本龍震災復興担当相と会談した際に、漁港集約構想について「県で意見集約をちゃんとやれ。やらなかったらこっちも何もしない」と命令口調で言われたことについて、「国と地方自治体は主従関係ではなく対等なパートナーだ。命令口調でなく、お互いの立場を尊重するような話し方の方がよかったのではないか。取り方によっては『国の方が偉いんだ』ととらえる人もいると思う」と疑義を呈した。発言内容については「何でも国まかせではだめだ。地方もしっかりと責任を果たしなさいと受け取った」と語った。

 

 松本氏が応接室で待たされたことに立腹し、「お客さんが来るときは、自分が入ってから呼べ。長幼の序は自衛隊(出身)だったらわかるだろう。言われなくてもしっかりやれよ」と叱責されたことには、「約束した時間に入り、遅れたわけではない。社会通念上、このような接遇が正しいと理解している。今後、松本大臣がおいでになったときは“松本大臣バージョン”を心がけたい」と皮肉を込めた。

 

 叱責の部分について松本氏が報道陣にオフレコを求め、「書いた社はこれで終わりだぞ」と言ったことには、「冗談で言ったのだろう。威圧したのではないと思う」と述べた。

 松本氏は、宮城県の村井嘉浩知事との3日の会談で、「お客さんが来るときは自分が入ってから呼べ」と発言したことについて、記者団に「呼ばれて入ったら(村井氏が)3、4分出てこなかった。九州の人間はお客さんが来るとき、本人はいますよ」などと強調。「行儀の悪さというか、長幼の序ということをしっかりわきまえた方がいい、という話をした」などと語った。

とうとう言い訳に血液型まで持ち出す始末。やれやれ…

「私はちょっと、B型で短絡的なところがあって、私の本意が伝わらないという部分があるということは、さっき女房からも電話がありましたし、反省しなければならないと思っています」

生まれたところのせいにもしているらしいぞ。

「えー、言葉足らずだったり、私は九州の人間ですけん、ちょっと語気が荒かったりして、結果として被災者の皆さんを傷つけたということがあれば、おわびを申し上げたいと思っております」と小声で謝罪した。

墓穴を掘り続け、あっという間に辞任。ほんとに復興させる気があったのかどうか… 血液型だとか出身地だとかを失敗の理由にするような差別意識のある人は大臣に相応しくない。

 松本龍・前復興担当相が辞任前に「私はちょっとB型で短絡的なところがある」と、血液型に触れて釈明したことが、海外で関心を呼んでいる。血液型による性格判断になじみがない欧州メディアは「失敗を血液型のせいにできるのか」と驚きを隠さない。

つまり、欧米には「血液型性格判断」という迷信が普及していないため、呆れられているということ。

東電、放射線量の変動報告せず…計測にもミス」 

2011年6月21日01時11分 読売新聞

 東電によると、2号機の扉は19日午後9時頃から開け始め、20日午前5時に全開状態にした。この時間帯に原発敷地内外で放射線量を計測したところ、双葉町山田では20日午前1時の毎時27・5マイクロ・シーベルトから午前8時には同45マイクロ・シーベルトに上昇していた。結果は同日昼前には東電本店に報告されていたが、同日午後6時20分に保安院に報告されるまで、本店内で放置されていた。

福島第1原発:欧州委員「やはり人災」と厳しい安全性検査」 

毎日jp, 2011年6月20日 2時30分

 【ブリュッセル斎藤義彦】欧州連合(EU)で原発を担当するエッティンガー欧州委員(閣僚)が毎日新聞と会見し、福島原発事故は「自然だけでなく人によっても起こされた人災」と強調した。同委員は事故直後に「原発は制御不能」と発言、欧米株式市場の急落を招いて批判を浴びたが、結果的に“正当性”が証明された格好。同委員は「事故の教訓を得ないのは誤り」とし、EUでは厳しい安全性検査を新設の原発にも適用する考えを示した。

福島第1原発:東電、遮蔽壁費用公表せず 債務超過懸念で」 

毎日新聞 2011年6月20日 11時58分(最終更新 6月20日 19時45分)

 東京電力が福島第1原発事故をめぐる地下水の汚染防止のための遮蔽(しゃへい)壁(地下ダム)の設置に関し、設置費用が1000億円レベルになるとの見通しを立てながら、公表しない意向を政府に伝えていたことが分かった。政府と東電の費用負担が明確でない中、東電が費用計上すれば債務超過に陥りかねないことを懸念したためだ。抜本的な汚染水対策の先送りとの批判の声も出てきそうだ。

福島第1原発、事故直後の新事実が明らかに―WSJ分析」 

ウォールストリートジャーナル、2011年 5月 18日 15:42 JST