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生体内原子変換

東日本大震災・デマ・風評被害・陰謀論

生体内原子変換と言えば、ルイ・ケルブラン(Corentin Louis Kervran)の「生物学的元素転換」(Biological Transmutations)が有名である。ケルブランの主張については「Frittage (フリタージュ)」等が詳しいが、本流科学ではまったくコンセンサスが取れておらず、イグノーベル賞を受賞するなど、物笑いの種にされてしまっている。受賞したのは1993年度物理学賞で、ニワトリの卵の殻のカルシウムは、生体内の常温核融合によって作られるという彼の主張に対して贈られた。つまり、現時点で地球上の生物が原子変換を行うことは不可能だと考えられている。

なお、ウィキペディアの「生物学的元素転換」と「ルイ・ケルブラン」の項目は、かなり肯定的な視点から書かれているので要注意である。(2012年5月の時点)

生体内原子変換は近年それほど注目されていなかったが、東日本大震災福島第一原発事故にともない、放射能除去を謳い再び台頭してきており、とくに微生物で原子変換が起こるという主張が目立つ。

 結論を先に書くと、微生物で放射性物質を消滅させることはできない。もしできたら、それはノーベル賞もののとてつもない大発見であり、その微生物を応用すれば現在の原子力発電所よりも遙かに安全で強力な発電所だって造ることができるはずなのだ。そうせずに、単に「放射性セシウムを消去することができる」という売り文句で、微生物を売っていたら、それはまず間違いなく詐欺である。

高嶋開発工学総合研究所

読売新聞の記事によると、『微生物が触媒となり、土壌中にある科学合成細菌が活性化することで、放射性物質を分解、消失できる技術を実証するのが目的』とのことだが、この文章は意味がよくわからない。触媒となる「微生物」と活性化される「科学合成細菌」は別のものなのか?「科学合成」ってなんだろう?ふつうは「化学合成」だ。「放射性物質を分解、消失」とはどういう意味なのだろう?

放射線を出すのは原子核そのものなので、原子そのものを「分解、消失」でもしない限り放射能はなくならない。これはいわゆる「核反応」に相当するが、ふつうは細菌にそのような能力はない。

これに関する議論は「水商売ウォッチング」の「掲示板兼ゲストブック」の以下の書き込みから始まるツリーを参照。

こなみ氏の批判に対する「高嶋開発工学総合研究所」の反論をつぎのエントリで読むことができる。

これに対するこなみ氏の再反論は以下の水商売ウォッチング「掲示板兼ゲストブック」のエントリを参照。

以下のブログエントリも参照

工場排水不法投棄で高嶋康豪容疑者逮捕

 環境ビジネスを手がける「地球環境秀明(ひでみつ)」(本社・沼津市)の社員ら3人が油を含んだ汚泥を下水道に不法投棄していたとして廃棄物処理法違反容疑で逮捕された事件で、沼津署などは2月11日、沼津市原、同社社長、高嶋康豪(やすひで)容疑者を同容疑で逮捕した。同署などは、汚泥の不法投棄は高嶋容疑者の指示とみて逮捕状を取り行方を追っていたが、同日正午ごろ、弁護士に付き添われ同署に出頭した。

油を含んだ工場排水を不法に下水道に捨てたとして、静岡県警沼津署は11日、廃棄物処理法違反容疑で、産廃処理会社「地球環境秀明」の社長、高嶋康豪容疑者(58)=同県沼津市=を逮捕した。

 

同署の調べによると、高嶋容疑者は同社社員ら3人と共謀し、昨年5月28日から6月25日の間、3回にわたり、 岐阜市内の工業用ふきん洗浄工場から出た排水を、公共汚水槽に捨てた疑いが持たれている。

 

同署は今月8日、同社社員ら3人を逮捕。高嶋容疑者は11日朝、同署へ出頭した。

会社ぐるみで不法投棄を繰り返していたとみて詳しく調べる。

 本日、2010年2月11日、産廃処理会社「地球環境秀明」社長 高嶋康豪容疑者(58)が廃棄物処理法違反容疑で逮捕された。

●1951年、静岡県沼津市に生まれる。74年、東京農業大学醸造学科卒業。銘酒「白隠正宗」で知られる高嶋酒造当主。87年、高嶋情報開発工学研究所設立。95年、環境微生物学博士。96年、FIAE(国際学士院)より終身名誉博士号フェローを授与される

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4916037464.html

 

 上記、1995年に取得したとされる環境微生物学博士号は、アガペー大学およびケンシントン大学から認定されたものだという。

ケンシントン大学はハワイ州政府に起訴され、2003年、裁判所から閉鎖命令を受けた。

 2010年2月9日(火)付の毎日新聞は、下水道に油を含んだ汚泥を流したとして、県警生活環境課と沼津署は8日、微生物を使ったバイオトイレなど環境ビジネスを手がける「地球環境秀明(ひでみつ)」(本社・沼津市)の社員ら3人を廃棄物処理法違反容疑で逮捕した、と伝えた。

 同社の社長(58)についても同容疑で逮捕状を取り、行方を追っているという。

 逮捕容疑は、2009年5月28日〜6月25日にかけ計3回、清水町八幡にある秀明の営業所内にあるマンホールから汚泥を下水道に流したとしている。

 県警によると、3人のうち2人の容疑者は容疑を認めているという。

 同課によると、秀明は浄化設備を岐阜県内の工場に納入したが、うまく機能せず、引き取った汚泥の処理に困り、下水道に流したとみている。

 この工場を経営する会社は「5年前に浄化設備の設置を依頼したが、契約通りの処理能力がなかった。裁判で損害賠償を求めている」と話したという。

 静岡県によると、県東部の生活排水を処理する沼津市の「狩野川西部浄化センター」に昨年5月末〜6月末に汚泥が計6回流れ込み、通常なら半日から1日の処理時間が3〜4日に延びたという。

 ホームページなどによると、秀明は1999年12月に設立。微生物を使った排水処理など環境ビジネスを手がけ、県のホームページでも紹介している。販売するバイオトイレは富士山にも設置されているという。

 秀明は社員の逮捕について「事実だったとしたら残念だ」と話しているとのこと。

 

ニュース資料:2010年(平成22年)2月9日(火)毎日新聞

誹謗中傷に対する取下げ要求と警告

平成24年5月15日、高嶋開発総合研究所のサイトトップになんだか変な警告文がアップされた。この警告文は現在以下のエントリに移されている。

この警告文がどのようにおかしいのかは、以下のArchivesブログエントリで解説されている。

なお、警告を受けているのは、上述の「学歴汚染」の記事のほか、以下のリンク先である。(わかる範囲で集めてみた)

この変な警告に対するLuminescence側の反応については以下のエントリを参照。

核種と化合物を混同している?

ウクライナアカデミーと原子力中央研究所において実証した時に、それらの学者達の前で複合微生物の複合発酵により耐放射性細菌の複合酵素及び生理活性物質に放射線エネルギー、放射性物質が吸着し、放射性物質を微生物触媒により安定物質に軽減し、放射性物質が微生物触媒によりC13C14からC33~C36、さらにC60〜C70からナノカーボンを経てフラーレン構造化し、除染浄化分解が起きることを説明しました。その後、ウクライナキエフシェフチェンコ大学のV.I.ヴィソツキー教授も私の言ったことと同じ論文を追試の結果、同様な放射性物質が安定物質に変わる、微生物触媒によりフラーレン構造になることを言っております。

もうだいぶ混乱しているようで、いったいなにが言いたいのかわからない。「C13」や「C14」は炭素の同位体のことを言っているのだろうか?「C60〜C70」というのは、フラーレンのことを言っているのだろうか?だとすると、炭素の同位体と化合物を混同している。そもそも炭素と除染といったいなんの関係があるのか? 「ヴィソツキー教授」というのもネタかと思ってしまうレベルだ。

 ダークエネルギーの証明により、無始無終及び無辺無相の世界の元極と多次元の証明、色即是空、空即是色が科学として台頭し始めるでしょう。その事実が人類の進化を成し遂げる大転換期と思います。

この最後の文章もなかなか味がある。たしかに色即是空とか空即是色が科学として台頭したら、すごいんだろうが、意味がわからない。

なお、ヴィソツキー教授というのは、「ケルヴラン的な生物学的な観点から元素転換を研究している」人物らしい。以下のリンクを参照。

  • <ヴィソツキー博士>」 2008/3/24, 常温核融合は本当だった! その11, 21世紀物理学の新しい公理の提案

「低レベルなひまわり、EM菌などとはレベルが違う」

 そこで、複合的な微生物解媒で「放射性物質を安定物質に転換する」実証実験を行い、ネット上で話題になっている高嶋開発工学総合研究所に問い合わせてみた。

 

「われわれの研究は無機物、エネルギーを培地・媒体とする化学合成細菌類・光合成細菌類の現生と発現の科学です。マスコミが取り上げる低レベルなひまわり、EM菌、ゼオライト(多孔質)などとはレベルが違う。一緒にされるのは科学への冒瀆です。ある大学教授から『夜中にトラックで汚染土壌を持っていくことも可能』と批判されたが、今回50坪の実験場で除染効果を確認できた。今後は、5000坪の用地で実証実験を行う予定でいます」(同研究所担当者)

『低レベルなひまわり、EM菌、ゼオライト(多孔質)などとはレベルが違う。一緒にされるのは科学への冒瀆です』とは、なかなか鼻息が荒い。

特許出願

高嶋康豪氏は、以下のような特許を出願している。

公開特許公報(A)

公開番号 特開2005−321365(P2005−321365A)

公開日 平成17年11月17日(2005.11.17)

出願番号 特願2004−163870(P2004−163870)

出願日 平成16年5月3日(2004.5.3)

課題

放射性廃棄物は、従来の科学技術では処理することが不可能であり、危険性を回避した状態で保存して、放射性廃棄物が放射線を放出して自己崩壊するのを待つものに過ぎない。

 

解決手段

本発明は、複合微生物体系の複合微生物動態系解析における複合発酵技術を用いて、処理槽内の酸化・変敗・腐敗を止め、すべての好気性および嫌気性フザリウム属菌群(酸化性細菌群)を抑制し、沈澱槽において固形発酵を起こさせることで、複合微生物の循環サイクルを起させ、難分解性の放射能・放射性物質に対する分解菌、分解酵素を現生、発現させ、分解消失する方法を提供するものである。

これは「公開特許公報」なので、特許が成立しないまま出願後1年6ヶ月で出願内容が公開されたことがわかる。経過情報を検索してみると、「拒絶査定」となっていた。

韓国の科学館長が推奨

「福島原子力発電所事故で放射能に汚染された水を微生物で浄化してから一緒に飲んでみましょう」。

 

日本の高嶋開発工学研究所の高嶋康豪博士(60)が4日に訪韓し、国立果川(クァチョン)科学館の李祥羲(イ・サンヒ)館長、韓国科学技術団体総連合会の朴相大(パク・サンデ)会長と韓日共同研究を議論しながら出た言葉だ。高嶋博士は李館長が福島原発事故後、日本の菅直人首相に手紙を送り、微生物で放射能汚染物質を浄化する技術を持つ科学者だと推薦した人だ。

福島第一原子力発電所をめぐる問題が半月以上続き、日本国内と海外の専門家らが放射性物質漏出を防ぐための多様なアイデアを出している。

 

 国立果川(クァチョン)科学館の李祥羲(イ・サンヒ)館長(73)もその1人だ。李館長は22日、ソウルの駐韓日本大使館を通じ菅直人首相に手紙を送った。「微生物を利用して福島第一原発の放射性物質を浄化させよう」という内容だった。日本の高嶋開発工学総合研究所の高嶋康豪博士が開発した複合発酵法(EMBC−FT)を推薦した。28日に李館長と電話インタビューした。

――微生物で放射性物質も分解できるのか。

「高嶋博士が2001年に台湾原子能委員会核能研究所で発表した実験結果によると、低レベル放射性廃棄物に含まれたセシウムが40%以上消滅した。当時現場を訪問し台湾の専門家とともに高嶋博士が浄化させた水を直接飲んでみたりもした」

――福島原発でははるかに高い水準の放射性物質が出てきている。

「理論的には高レベル放射性物質も処理が可能だ。低レベル廃棄物を対象にした実験結果しかないのは高嶋博士が個人レベルで研究をしてきたためだ。高レベル放射性物質を扱う機会を得られなかったのだ。日本政府が支援をするならば良い成果を出せると思う。この機会に高嶋博士の創造的方法を果敢に適用してみる必要があると考える」

なんで李館長が微生物で放射性物質を分解できると考えているのかはわからない。常識的に考えてそういうことは起こらない。記事によると、李館長は薬学博士で、科学技術処長官と国会議員(4選)を経て、現在は果川科学館長兼大韓弁理士会長として在職中とのこと。

李祥羲(イ・サンヒ)元科学技術処長官来日

“微生物伝導師”と呼ばれる李祥羲(イ・サンヒ)元科学技術処長官(75、緑色生活知識経済研究院理事長)は「福島県の土壌の放射能汚染問題は微生物で解決できる」とし「すでに実験で立証された」と述べた。関連発表会に出席するため日本を訪問した李氏は23日、東京で中央日報のインタビューに応じ、このように明らかにした。

 

李氏が共同研究者として参加している「福島放射能除染推進委員会」は先月25日から今月19日まで「土壌発酵による放射能除去」実験を行い、22日に福島現地でその結果を発表した。福島第1原発から20キロ離れた浪江町の100坪規模の土地が実験現場だった。李氏は「わずか3週間の実験だったが、放射能物質が70%以上減ったことが確認された」と伝えた。

 

李氏は1カ月前、『病気になった地球と人間を救う名医、微生物を知っていますか』という本を出すほど微生物マニアだ。

 

−−実験はどのように行われたのか。

 

「放射能汚染地に培養した微生物菌や液体肥料をまいて発酵させた後、放射能数値を実験前と比較した。9月25日に採取した土壌と10月14日に採取した土壌を比較したところ、放射性セシウム134とセシウム137がともに70%以上も減った。平均的には73%減った」

 

−−まだ日本であまり知られていない。

 

「今回の実験を主導した高嶋康豪博士は醸造場の6代目で、微生物と友人のように付き合うほどの専門家だ。日本の雰囲気は(新しいものを受け入れるのに)あまりにも保守的ではないか。私は彼に『反応が良くなければ韓国で実験をし、成功した後にまた日本で錦を飾ればいい』と話した。韓国にも微生物を利用してすることが多い」

 

−−いつから微生物を利用した放射能除去に関心を持ったのか。

 

「2011年の原発事故直後、菅直人元首相に手紙を送り、この方法を提案した。微生物が放射能を食べて清掃する。原爆にあった広島や長崎が人が暮らせるところに速やかに回復したのも微生物の役割が大きかった。今回は土壌に対する実験だったが、海水汚染問題にも適用が可能だ」

日本のアホな政治家やジャーナリストがこういうホラ話に騙されないことを切に願う。

その他・参考リンク

放射線を食べる菌?

「放射線を食べる」というのも変な表現で違和感があるが、「放射性物質を食べる」ではないことに注目。この記事は、「菌類は放射性物質を分解できる」といった類の与太話の根拠とされることがあるが、もともとそういう話ではなくて、これがもし本当だったとしても「放射線を吸収できる」という程度の話なのである。

この菌は、「チェルノブイリ原子炉の壁に育っているのを、ロボットによって回収された」そうで、「豊富にメラニン色素を含んでおり、その表面を紫外線から守っていた」とのこと。この表現だと単に放射線耐性のある菌のことのようにも聞こえる。この菌が本当に放射線をエネルギー源にしているかというと、相当怪しい。そういうぶっ飛んだ主張を裏付けるには、相当な根拠が必要である。

 この発見は宇宙技術の前進に大いに役立つことになるだろう。宇宙は有害な放射線で溢れているため、メカニズムさえ解明できれば菌を無尽蔵の食料として食べることができ、そして他の惑星に移住する際にも頼ることができる。

いや、「無尽蔵の食料」というのは論理に飛躍がありすぎ。放射線だけを「食べて」生きていけるなどということはまずあり得ない。原料となる物質を食べなくては、成長することも増殖することもできない。放射線だけではどうにもならない。 植物の光合成の場合も、基本的に水と二酸化炭素が必要だし、それ以外の元素も土壌から吸収する必要がある。

 チェルノブイリ原子力発電所事故は人類にとって深刻な被害をもたらしたが、有益な一面も見つけることができた。

史上最悪の原発事故に対して、この程度の発見で「有益な一面も見つけることができた」などと言っていいのだろうか。

元ネタのFox Newsにも「Eats Harmful Radiation」と書いてあり、「食べる」という表現が使われている。宇宙飛行に役立つという主張をしているのは、核医学の専門家であるAlbert Einstein College of Medicine(アルベルト・アインシュタイン医学校)のEkaterina Dadachova氏である。

ただし、この記事には「The researchers stressed these findings do not mean fungi can eat radioactive matter and somehow cleanse it.」(これらの発見は、菌が放射性物質を食べて、どういうわけかそれを浄化してしまうというようなことを意味しているわけではないと、研究者らは強調する)と書いてあり、菌による原子核変換みたいな現象は否定している。

さらに、以下のように書いてある。

"It's pure speculation ― but not outside the realm of possibility ― that melanin could be providing energy to skin cells," he said. "While it wouldn't be enough energy to fuel a run on the beach, maybe it could help you to open an eyelid."

(「これは純粋な憶測である--しかし、可能性の範疇外にあるわけではない--メラニンが皮膚細胞にエネルギーを供給しているかもしれないということは」と彼は言う。「それは砂浜を走るほどのエネルギーを供給するわけではないが、まぶたを開ける程度の助けにはなるかもしれない」)

つまり、「菌が放射線をエネルギー源にしている可能性はゼロではない」程度の話にいろいろ尾鰭が付いて大げさになっているということである。

これらの記事のネタ元になった論文のタイトルは「電離放射線はメラニンの電子的性質を変え、メラニン化した(メラニンにより黒くなった)菌類の成長を促進する」というものであり、その結論は以下のとおりである。

メラニンを電離放射線や、おそらくその他の電磁放射にさらすと、その電子的性質が変化する。メラニン化した菌類の細胞は、メラニン化されてない細胞に比べて、電離放射線にさらされると成長が促進され、 エネルギーの補足と利用におけるメラニンの役割の可能性について驚くべき疑問を提起する。

つまり、これもメラニンによるエネルギー補足の可能性を示唆するだけの論文であり、実際にそういったことが起こっているという確証はまだないのである。「電離放射線は菌類の成長を促進する」という話は、なんか菌に対する「ホルミシス効果」みたいな感じもする。

Desulfovibrio vulgaris

この菌も放射性物質を消滅させてるわけではない。

その他・参考リンク

田崎和江金沢大名誉教授

この2つの記事にとくにおかしな点はない。ところが…

 南相馬市、飯舘村で微生物を活用した除染実験に取り組んでいる田崎和江金沢大名誉教授(67)は2日、放射性物質を取り込む糸状菌のバクテリアを発見した同村長泥の水田の放射線量が大幅に下がったと発表した。南相馬市役所を訪問し、桜井勝延市長に報告した。

 水田の表面は毎時30マイクロシーベルトの高い放射線量だったが、7月28日には1桁台に下がっていた。水田では無害のバリウムが確認されており、田崎名誉教授はバクテリアの代謝によって放射性セシウムがバリウムに変わったとみている。

「放射性セシウムがバリウムに変わった」? 生物に原子変換ができるとは考えられないので、これはおかしな記述。なお、1938年に核分裂を発見したオットー・ハーン(Otto Hahn)は、ウランに中性子を照射するとバリウムが生じることを見出している。

こちらでは『物理学の常識を覆すような実証結果が公表された』としている。

 南相馬市原町区で微生物やコケ類など活用した除染実験に取り組んでいる田崎和江・金沢大学名誉教授の研究結果だ。田崎教授は、水田を2m四方に区切って約30区画のミニ水田を作り、様々な条件下で微生物を繁殖させ、1カ月後の放射線量の変化を調べた。

 

 ミニ水田に入れたのは、ゼオライトやケイソウ土など微生物が好みそうな素材だ。その結果、能登で採取したケイソウ土を入れたミニ水田が100cpm(シーピーエム:1分間の放射線を示す単位)近くに下がった。1カ月前(200〜300cpm)に比べ半減している。

 

 この土壌を顕微鏡で調べたところ、糸状菌と呼ぶ細長い微生物が繁殖し、生体膜の内側に多量の鉱物粒子が付着していた。同じ現象は原発事故後のチェルノブイリ周辺でも確認された報告がある。

 

 微生物が代謝によって鉱物で覆われていく現象を生体鉱物化作用という。田崎教授はこの作用でできた鉱物塊を「ミクロの石棺」と呼ぶ。「放射性セシウムがミクロの石棺に取り込まれることで、何らかの作用で放射線量が下がったのではないか」と考えている。

 

 この水田の土壌に含む微量元素を分析したところ、通常の値を超える1kg当たり447mgの大量のバリウムを検出した。放射性セシウムが放射線を出し続けると最終的にバリウムになる。実験結果からは、微生物の代謝が放射性セシウムからバリウムへの転換を早めたとも推論できる。こうした見方を「生体内核変換」と呼び、少数ながら報告例がある。だが、現在の物理学ではあり得ないため、議論の対象にさえなっていない。

 

 田崎教授は、「メカニズムは不明だが、ケイソウ土に線量を下げる効果があることは分かった。今後の除染に応用できる」と話す。

メカニズムは不明だが効果はあるというのが田崎教授の主張のようだ。いづれにせよ、物理的にありえない結論に安直に飛びつくよりも、「土を掘り返すことによって汚染物質が薄まって線量が落ちた」等といったごく平凡なつまらない可能性についてまず検討すべきだろう。

その他

核崩壊速度の変化

C60中のベリリウム7

実際に核崩壊速度を速める方法としては、C60等のフラーレンに放射性核種を内包させるなどの研究が行われている。(ベリリウム7の半減期が約0.8%短くなった)

核崩壊速度の季節変動?

また、核崩壊速度が季節的に変動する(太陽・地球間の距離に依存する?)という奇妙な現象が報告されている。(検出器感度の季節依存性ではないかという話もあるようだ)