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静岡県 (がれき問題)

東日本大震災・デマ・風評被害・陰謀論


静岡新聞 検索結果:「がれき」 

 岩手県山田町の震災がれき(木くず)の最終便約六・五トンが十八日午前、島田市伊太のごみ処理施設「田代環境プラザ」に運び込まれた。被災地の復興を後押しするがれき広域処理の静岡県内での受け入れは、今回ですべて終わった。

 最終便は午前八時半ごろ、トラック二台に積まれた二基のコンテナで到着した。地元の伊太区自治会役員らが放射能濃度を測るためサンプルを採取。木くずの空間線量率を測定した後、自治会役員、市、県の担当者らが見守る中、桜井勝郎市長の合図でごみピットに投入された。

 伊太区自治会の佐藤博海会長(74)は「感無量。皆さんの協力があって無事に終了することができた」と安堵(あんど)の表情。桜井市長は「一年間いろいろあったが満足している。少しでも東北の皆さんのお役に立つことができてうれしい」と感慨深げに話した。

 同市は、国や県が進める広域処理に呼応して昨年五月、県内の自治体の先頭を切って本格受け入れをスタート。受け入れ日数は六十九日で、試験焼却の約十トン分を含めた最終的な受け入れ量は約六百二十八トンとなった。

 県内のがれき処理の割当量は計三千五百トンで、島田、静岡、浜松、裾野、富士の五市で受け入れた。

 震災がれきの焼却灰受け入れに反対し、島田市阪本の最終処分場の一部地権者が正面入り口をロープで封鎖している問題で、同市は20日、別の場所に暫定的に設置した入り口から約40日ぶりに焼却灰の搬入を再開。がれきの焼却灰を初めて処分場に埋め立てた。

 

 同市では、市と処分場の地権者の一部が処分場の契約の解釈を巡って主張が平行線をたどっており、がれきだけでなく家庭ごみを含むすべての焼却灰の搬入が止まっていた。

 

 同市は先月、受け入れに賛成する地権者の土地に新たな搬入路を設置する作業に着手。今月12日、正面入り口から西側に約200メートル離れた場所に入り口と搬入路が完成した。

 

 20日は、震災がれきと家庭ごみの焼却灰計約3・4トンが処分場に運び込まれ、埋め立てられた。【山本佳孝】

 浜松市の鈴木康友市長は26日の定例記者会見で、岩手県大槌町、山田町の震災がれき(木くず)について「広域処理に協力し、本格受け入れを実施することにした」と表明した。県内自治体の本格受け入れ表明は島田市、静岡市、裾野市に次いで4番目。

 

 浜松市は焼却処理の量や日程について、県と調整の上で公表するとしているが、同市がスタートラインにつくことで、県内のがれき処理は大きく進展するものとみられる。

 

 同市はこれまで、年間の焼却量について、2清掃工場合計で最大約1万トンまで可能と表明してきた。しかし環境省が県に処理要請しているがれきの量が、当初の7万7000トンから2万3500トンに大幅減少していることもあり、鈴木市長はこの日、年間処理量は1万トンには達しない見通しを明らかにした。そのうえで「(浜松市は)十分な処理能力をもっているので、処理期間が短くなることで復興への取り組みも早まる」と述べた。

東日本大震災で発生したがれきの受け入れを始めた静岡県島田市は28日、「首を洗って待っていろよ」などと書かれたメール8通が、市の代表アドレスに届いたと発表した。

 

 受け入れに反発する内容が記載されており、市は、脅迫とも受け取れるとして、県警への被害届提出を検討している。

 

 市によると、メールは5月20〜25日、同じアドレスから届き、「がれき焼却を続けるだと!」「地獄に堕ちろ」などと書かれていた。

 

 島田市を巡っては昨年12月にも、インターネットの掲示板に、がれきの受け入れ方針を示した桜井勝郎市長を脅す内容の書き込みがあり、静岡簡裁が今年2月、脅迫罪で略式起訴された男に罰金30万円の略式命令を出している。

 「やっとここまで来た」――。今年2月の試験焼却から3か月。島田市は24日から、岩手県山田町で生じた震災がれきの本格的な受け入れを始める。震災がれきの本格受け入れは、東京都と東北以外では初めてとなる。

 

 静岡県と島田市は16日付で、災害廃棄物の処分業務委託契約を結ぶことで合意した。今回、島田市が受け入れるがれきは木材チップ約10トン。静岡市が試験焼却に用いるがれきとともに、山田町から輸送される。

 

 がれき処理の安全性を確認するため、がれきを焼却する島田市の田代環境プラザ周辺の空間線量や焼却灰の放射能濃度などの測定が行われる。記者会見した桜井勝郎市長は「やっとここまで来た。被災地のお役に立ててうれしい。みんなで協力すれば処理は早くなる」とほっとした様子だった。

 

 ただ、今月から来月にかけて、田代環境プラザにある溶融炉が順次定期清掃に入るため、今後の受け入れについて、桜井市長は「静岡県や岩手県と相談したい」と述べるにとどめた。

 

 焼却灰は25日以降、市内の最終処分場に埋め立てる方針。桜井市長は「埋め立ては法的に問題なく、粛々とやりたい」と話した。試験焼却で生じた焼却灰(約4・5トン)も同日以降に搬入される見通しだ。

 

     ◇

 

 島田市は16日、市災害廃棄物受け入れ処理方針を明文化し、告示した。

 

 受け入れ目標量を「年間5000トン」としたほか、異常が認められた際は「問題が解決するまでの間、処理を停止する」とした。放射能による健康被害、または風評被害が立証された場合は「市の責任において、国及び県に対し厳格な対応を要請する」としている。

 静岡県島田市の桜井勝郎市長は15日、東日本大震災で発生した岩手県大槌、山田両町のがれき受け入れを正式表明した。政府が広域処理への取り組みを本格化させる中、実際に始まれば、東北地方と東京都以外で初の受け入れとなる。年間5千トンの焼却を目指す。

 

 がれき受け入れに対しては、放射性物質の影響を懸念する各地の住民が反発。島田市が先行することで、がれき処理の広域化に弾みが付く可能性がある。

 

 市は国や県と輸送態勢などを協議し、受け入れ時期を詰める。市内のごみ焼却施設で燃やし、最終処分場

 岩手県山田、大槌両町の被災がれき(災害廃棄物)の受け入れ方針を示している島田市は12日、試験焼却(溶融)で発生した排ガスから放射性セシウムが検出されなかったとする最終的な測定結果を市議会議員連絡会で報告した。これまで公表しているデータを含め、全ての検査で「問題ない」とし、桜井勝郎市長は15日午後に受け入れを正式表明する方針。

 同市は2月16〜17日、山田町の木材チップ約10トンを家庭ごみ約56トンと混ぜて試験溶融。排ガスの放射性セシウム濃度は、集じん器(バグフィルター)の手前が1立方メートル当たり最大0・7ベクレルで、煙突からの排出分は検出限界を下回る「不検出」だった。ダイオキシン類も法定基準値以下という。

 焼却灰(飛灰)のセシウム濃度は1キログラム当たり64ベクレルと国の基準(同8千ベクレル)を大きく下回り、川に流れ出ることを不安視する声を受けて実施した水への溶出量も不検出となった。

 焼却施設近くの側溝の土壌から溶融前に同740ベクレルが検出されたが、「谷や水路には(線量が高い)ホットスポットがあるといわれる。健康に影響のある値ではない」とした。

 中野浩二議長は「一般ごみと変わらない数値。本格的な溶融(の判断)は議員の方々と検討しながら結果を出したい」と述べた。

 この日の議会運営委員会では議員5人から災害廃棄物の受け入れを進めるよう求める決議案が提出され、15日の本会議で採決される予定。

 市は測定結果を焼却施設、最終処分場がある伊太、初倉地区の自治会役員らに送るとともに、ホームページや広報紙で公開する。

 東日本大震災で発生したがれきの広域処理問題で、静岡県島田市は12日、2月に行った試験焼却の放射性物質濃度などが「問題ない」とする検査結果を公表した。桜井勝郎市長が15日にも、本格受け入れを表明する見通し。

 同市は岩手県山田町の災害廃棄物約10トンを試験焼却し、発生した焼却灰や排ガスなどについて専門機関に委託して分析した。その結果、焼却灰の放射性セシウム濃度は、1キロ当たり64ベクレルで、同市が受け入れの基準としていた500ベクレルを下回った。排ガスや周辺地域の空間線量などの検査でも、問題は見つからなかった。

 岩手県山田、大槌両町の被災がれき(災害廃棄物)の広域処理をめぐり、静岡新聞社が総局、支局を通じて県内全35市町に試験焼却の実施意向をアンケート調査したところ、既に実施済みの島田市以外に、静岡、浜松の両政令市と富士、伊東、裾野、西伊豆の計5市1町が試験焼却を実施する意向が「ある」と答えた。

 島田市を含めた6市1町はいずれも、地元に焼却灰の最終処分場がある。ほとんどが県市長会、県町村会が県に策定を求めた試験焼却の処理計画を基に、具体的作業の検討に入る考えを示している。

 本格的な受け入れについて、市長会長の鈴木尚富士市長は「データを基に、市民や議会の理解が得られれば計画に基づき受け入れる」と回答。裾野市は「住民の理解を得てから実施する予定」とし、西伊豆町も風評被害の他市町への懸念などの諸課題が解決されれば「踏み切る」とした。県内の複数市町で、がれき広域処理の本格的な受け入れまで進む可能性が出てきた。

 一方、「ない」としたのは無回答の3町を含めれば11市町。焼却施設の規模が小さく、自前の最終処分場を持たない町を中心に小規模自治体での広域処理の実施は困難な現状がうかがえる。無回答の清水町と川根本町はそれぞれ、沼津市と島田市に処理を委託。森町は袋井市との広域処理組合で処理していることなどを理由に挙げた。

 

被災がれきの広域処理

 環境省によると、岩手、宮城、福島3県の沿岸37市町村で発生したがれきは推計2252万8千トン。同省は岩手、宮城両県分のがれきを全国の自治体で広域処理するよう呼び掛けているが、放射能汚染への懸念などから受け入れ支援は進んでいない。焼却や埋め立てなどでの処理が済んだのは、2月20日現在、全体の5%の117万6千トン。

 東日本大震災で発生した大槌町と山田町のがれき受け入れを検討している静岡県島田市の自治会長らが25日、両町のがれき仮置き場を視察し、放射線量の安全性を確認した。

 

 視察は被災地のがれき処理の現状を直接確認しようと、同市の自治会長連合会(大須賀隆会長)が企画。約40人のメンバーのほか、桜井勝郎市長や市議らも同行した。

 

 大槌町大槌の仮置き場の事務所では、県の担当者らから処理状況の説明を受けた後、破砕処理が施された木質がれき置き場を視察。空間線量率の測定を行った。

 

 金谷天王・二軒家自治会の原晴男会長(67)は「空間線量率は島田市とほとんど変わらない。地元に戻りしっかり住民に説明したい」と語った。桜井市長は「東北の皆さんの力になれるよう、強い意志を持って進めたい」と受け入れ準備を進める考えを示した。

 島田市で16日に始まった岩手県山田町の被災がれき(災害廃棄物)の試験焼却(溶融)は17日未明に溶融を終え、飛灰の放射能濃度を測定するためのサンプリング作業に入る。桜井勝郎市長は20日に予定する飛灰の公開や放射性物質に関する市民向けの説明会の開催など懸念の払拭(ふっしょく)に努め、安全性が十分確認されれば、3月中にも同県山田、大槌両町のがれき受け入れを正式表明する考えを示した。

 「これから新茶シーズンに入る。茶農家の皆さんの不安を解消しなければ」と実際の受け入れ時期については明言を避けた。

 測定は飛灰や排ガスの放射能濃度に、住民の意見などを踏まえて国に要請した市独自の内容を加えた。川に流れ出ることを不安視する声を受け、水への溶出量を盛り込んだ。ごみ処理施設「田代環境プラザ」周辺の小学校の空間線量率は、溶融開始した16日の伊太小が毎時0・06〜0・08マイクロシーベルト、前日の15日0・07マイクロシーベルト、大津小が16日0・07マイクロシーベルト、15日0・07〜0・08マイクロシーベルトで、ほとんど変わらなかった。

 飛灰の公開は市役所や支所、同プラザで実施。家庭ごみだけを溶融した灰も並べるとともに、市役所などでは線量計を置き、自由に計測できるようにする。検査結果は3月24日までに出そろう見通し。

 島田市のごみ処理施設「田代環境プラザ」で17日、岩手県山田町の被災がれき(災害廃棄物)を混ぜたごみの試験溶融(焼却)が終了した。市の委託を受けた検査機関が放射性セシウム濃度を測定するため、焼却で生じた飛灰(ひばい)とメタル(金属)、スラグ(かす)からサンプルを採取して持ち帰った。飛灰は20日以降にプラザや島田市役所などで公開される。

 試験は17日午前2時ごろ終了。薬剤処理でこぶし大に固めた飛灰と砂状のスラグがそれぞれ3〜4トン、粒状のメタルが約700キロ生じた。検査機関の作業員はそれらを約2キロずつ集めてビニール袋に入れた。残りはプラザ内で保管される。

 プラザの地元、伊太区自治会の役員も立ち会い、飛灰近くの空間放射線量率を測った。平均値は毎時0・09マイクロシーベルト。飛灰公開前の測定値は同0・08マイクロシーベルト程度だった。

 静岡・島田市が試験的に受け入れた、東日本大震災による岩手・山田町のがれきは、16日朝から焼却が行われている。現地や周辺では、放射線量を測定したり、受け入れに反対する住民が集まって抗議活動を行ったりした。

 

 がれきの搬入2日目を迎えた島田市伊太の焼却施設「田代環境プラザ」の周辺には、がれき受け入れに反対する住民たちが集まり、プラカードを掲げて反対の姿勢を示した。

 

 反対派の女性「何が何だかわからないうちに進むので、その前に意思表示をしなければと思った」

 

 反対派の女性「市長のやり方に意見がある。(市長は)独断専行」

 

 山田町のがれき10トンは16日朝までに全て搬入され、地元自治会による空間放射線量率の測定が行われた。現地に駆けつけた細野環境相は空間放射線量率の計測などに立ち会って、自らも計測、安全性をアピールした。

 

 細野環境相「0.07。その数値は全く動いていない。山田町の廃棄物は、通常の廃棄物です」

 

 その後、16日午前8時46分に試験焼却が始まった。がれきは、一般ごみと混ぜた状態で焼却されることになる。

 

 島田市・桜井勝郎市長「できるだけ多くの市民に、がれきや放射能など、どういう心配・懸念があるのか、地道に説明して、安全性が確認されれば本格導入したい」

 

 がれきを送り出した岩手県の資源循環推進課・吉田篤総括課長も現地を訪れ、「復興に向かって、一番の障害はがれき。岩手県内で処理しているが、とても処理しきれない。静岡県、島田市民の皆様には、心より感謝します」と述べた。

 

 また、現地では、がれき受け入れに反対する住民と細野環境相が話し合う場面も見られた。

 

 施設近くの住民からは「早く検査の結果がわかればいい」「実際、目に見えないので、不安要素は残る。焼却しないと前に進まないので、それはそれでいいと思う」といった声が聞かれた。

 

 島田市では、子供への影響を懸念する親の不安を解消するため、地元の小学校でも、試験焼却の前後で空間線量率の変化を調べることにしている。焼却施設から約2キロ離れた伊太小学校では、16日午後に空間放射線量率の測定が行われたが、数値に変化は見られなかった。

 

 試験焼却は17日未明まで続けられることになっている。

 島田市伊太のごみ処理施設「田代環境プラザ」に15日に運び込まれた岩手県山田町の震災がれき。静岡市の静岡貨物駅と同施設で測定された空間線量率では周囲への影響は確認されず、市は16日朝から試験焼却を実施する。一方、受け入れに反対する住民ら百数十人は15日、市役所に詰めかけ、中止を強く迫った。

 がれき(木材チップ)は14日夜、静岡貨物駅に到着。県職員や業者らが15日未明に五つのコンテナの両側面で空間線量率を測ると、線量率はいずれも1時間あたり0.04〜0.05マイクロシーベルトだった。コンテナ到着前は同0.06マイクロシーベルトで、「周辺の線量率の3倍を超えない」という県の基準を満たした。

 田代環境プラザには15日朝から、トラックでコンテナ4台分(約8トン)のがれきを搬入。ここでは伊太地区自治会役員らが空間線量率を測り、周辺環境への影響はなかった。同自治会の佐藤博海会長(73)は「がれきが搬入されても線量率が変わらず、安心といえば安心」と話した。

 島田市は希望する市民にも測定を呼び掛け、8人が応じた。このうち同市旭町の建設会社員鈴木克和さん(29)は「被災地は大変なので受け入れに賛成だったが、実際に測ってみて安心した」と話していた。

 がれきは16日朝に残りの約2トンが運び込まれ、一般ごみに約15%の割合で混ぜられて焼却される。市は、焼却灰や排ガスなどの放射能濃度や近隣の空間線量率を測り、数値を公表する。

 ◇市役所に大挙

 受け入れに反対する住民らは15日昼過ぎ、同市役所に約百数十人が集まり、「がれき受け入れ やめて」と書かれたカードや横断幕を掲げた。幼い子どもを連れ、マスクで顔を覆う母親らも多かった。

 「安心して暮らせる島田をつくる親の会」が、反対署名や市への中止要請をインターネットなどで呼びかけ、市外や県外からも集まった。同会代表の天野枝里子さん(37)は市の幹部に「最初に影響を受けるのは子どもたち。国が絶対安全と言っていた原発で大事故が起きた。その国ががれきは安全と言っても信用できない」などと、涙ながらに訴えた。反対署名は9532筆にのぼったという。

 反対住民らは、市役所の玄関前や1階ロビーを埋め、市の幹部に試験焼却の中止を繰り返し迫った。「ふるさと」を合唱したり、「市長を出せ」「リコール」などと連呼。一部の人が市幹部に詰め寄る場面もあった。市役所から退去するよう求められても応じず、県警の警察官約20人が駆け付けた。全員が市役所を出るまで3時間余かかった。

 ◇「実施」を要望

 一方、がれき受け入れに賛成する島田市の有志も15日、「東北地域の復興を島田市が支えるために」と、受け入れ実施の要望書を桜井勝郎市長宛てに提出した。市によると、受け入れ賛成の要望書は初めて。提出したのは、園隆志さん(62)ら3人。最終処分場のある同市阪本、ごみ処理施設のある同市伊太の住民ら市内全域からの1122人分の署名を添えたという。

「がれきの放射線量は島田市の家庭ごみと同程度。政治家として、どんな反対があってもやらなければならない。反対されるほどファイトがわいてきた」

 

 岩手県山田町のがれきの試験焼却を16日から実施する静岡県島田市の桜井勝郎市長(67)は、“火中のクリを拾う”心境をこう語った。

 

 昨年5月、被災者に特産の島田の温かいお茶を味わってもらおうと被災3県を訪問した。「行く所すべて、見るものすべてがすごい光景で…。本当に何もない。がれきを被災地で処理したら10年以上かかり、がれきが片付かなければ復興に手が付けられない、と聞いた」

 「反対派は私の独断と言うが、地元説明会を開き、自ら足を運んで、国や県も呼んで、順序と手続きを踏んだ。最初は、賛成のメールは全体の2%くらいだったけど、今では4対1くらいの割合で賛成や激励が多い」と話す。

 ただ、気になるのは特産品のお茶に対する風評被害だ。茶所として知られる島田市は、最終処分場の周囲に一面の茶畑が広がる。

 

 「風評被害はどうしようもない。試験焼却でがれきの安全性が確認されたら、関東から東北までお茶のキャンペーンをする」と話すが、「島田市だけでは限界がある。予算規模が大きい県にも何とかしてほしい」と本音も漏れる。

 

 「被災者の苦境を思えば、援助できる者が援助するのは当たり前。自治体のトップは余裕があるなら腹をくくって、がれきを受け入れるべきだ。最終処分場がないというのは言い訳。必要なのは気持ちだ。この際、首長の独断でがれき処理をやるべきだ」

 

 「島田は実験台」と公言する桜井市長は、がれき受け入れに躊躇(ちゅうちょ)する自治体を強く批判した。(田中万紀)