超能力:用語
超能力:用語
- アンプサイ (Anpsi)
- 動物の超能力のことで、「Animal Psi」(アニマル・サイ)の略。クレバー・ハンスやレディ・ワンダーなどが有名。
- IONS (The Institute of Noetic Sciences、純粋理性研究所、知的科学研究所)
- 科学的に超常現象(テレパシー、クレアボヤンス、サイコキネシス、瞑想の健康的効果など)を究明しようとする団体であり、そのメンバーは約3万5千人である。その本部はカルフォルニア州ペタルマにある。アポロ14号計画の宇宙飛行士エドガー・ミッチェルが1973年に設立した。ディーン・ラディン博士が主任研究員を務めている。インチキ療法を監視する団体「Quackwatch」は信用できないウェブサイトのリストにIONS研究所を含めている。
参考文献
- IONS研究所:The Institute of Noetic Sciences (IONS)
- 英語版ウィキペディアのInstitute of Noetic Sciencesの項目
- Quackwatchの「Questionable Organizations: An Overview」
- ESP
- 「Extrasensory Perception」=超感覚的知覚。1934年に、デューク大学のJ・P・ラインが用いた言葉で、通常の情報や論理的推測によらずに外界の情報を得る能力のこと。テレパシーや透視などが含まれる。
- ESPカード
- ESPの実験に使用される特別デザインのカード。デューク大学のカール・ゼナーがデザインしたもので、星、波、十字、四角、丸の5種類の模様が入っているものが一般的。
- エスパー (ESPer)
- ESPが使える者のことで、いわゆる「超能力者」のこと
- エドガー・ミッチェル(Edgar Dean Mitchell)
- アポロ14号の乗組員にして月を歩いた6番目のアメリカ人。MITで博士号を取得しており、超常現象の研究に傾倒している。IONS(The Institute of Noetic Sciences、純粋理性研究所)の創設者でもある。1971年のアポロ14号の月への飛行中、非公式の超能力実験を行ったことで知られている。この様子は「フィールド 響きあう生命・意識・宇宙」の第一部で紹介されている。この実験は成功したそうで、その成果はJournal of Parapsychology(June 1971)で発表された。この文献を入手できていないが、ジェイムズ・ランディの「The Truth About Uri Geller」にこの件に関する記載がある。「アポロ14号のESP実験」の項目を参照。
- カラパイア
- 「政府が公表しないなら我々の手で!有識者が一堂に介し地球外生命体の存在を赤裸々にする「シチズンズ・ヒアリング ディスクロージャー会議」まもなく始まる」 2013年04月16日
- 「地球外生命体は存在する!!元NASA宇宙飛行士エドガーさん、さらに熱弁をふるう」 2009年04月23日
- 「NASAは宇宙人と接触していた事実を60年間隠蔽していた!?」 2008年07月27日
- 英語版ウィキペディアのEdgar Dean Mitchellの項目
- 「フィールド 響きあう生命・意識・宇宙」 リン マクタガート (著)、野中 浩一 (翻訳) 、河出書房新社
- エドガー・ミッチェル博士のホームページ:「Ed Mitchell Apollo 14.com」
- 「エドガー・ミッチェル健在」 ASIOS公式ブログ、2008年07月28日
- サイ (PSI)
- 「超能力」現象全般を指す言葉で、一般に「超能力」と呼ばれているものの専門的な言い方。大きく分類すると、テレパシーや透視、予知などの認知型の「ESP」と、スプーン曲げや物体移動など、物理的な「PK」の2つに分けられる。名称は、ギリシャ語の23番目のアルファベット「プシー」に由来。
- サイコキネシス (Psychokinesis)
- 超能力によって物体に影響を与えることで、いわゆる「念力」。スプーン曲げや物体移動など、物理的な超能力が含まれる。サイコキネシス(Psychokinesis)という言葉はデューク大学のJ・B・ラインが命名したが(ラテン語で「精神(念・魂)力」などの意味)、「PK」と略されることも多い。
- サイコメトリー (Psychometry)
- 物体などに触れることによって、それに関連する人物や出来事、由来などを読み取る能力のこと。ちなみにこの能力を有すると称する者のことを「サイコメトリスト」(Psychometrist)、または「サイコメトラー」(Psychometrer)と呼ぶ。
- サイ・ミッシング(PSI-missing)
- 確率で予想される結果よりも悪い結果が出てしまった時や、期待していた効果とは逆の効果があった時などに使われる用語。このような「負の超能力」も一部の超心理学研究者は重要性を主張している。異常にネガティブな結果も確率の法則を超越したものであり、サイの実在のよい証拠とみなされるのだ。
- 千里眼 (Clairvoyance)
- 超常的な力によって、遠く離れた場所の情報を得る能力のこと。また、その能力を持つと考えられている者。日本の千里眼では御船千鶴子が最も有名。英語では「千里眼」も「透視」も同じ「Clairvoyance」(クレアボヤンス)と呼ばれ、透視と同じ意味で使われることも多い。
- 超心理学 (Parapsychology)
- 超能力を科学的に研究する学問。「超心理学」(Parapsychology/パラサイコロジー)という名称は、1889年にドイツの心理学者マックス・デソアール(もしくはフランスの哲学者エミール・ポワラック)によって考え出されたと言われているが、一般に広く使われるようになったのは1927年にアメリカで研究を開始したJ・B・ラインの影響である。すでに100年以上研究が続けられているが、途中に何度か肯定的な実験結果を出すことはあっても、後に行われる追試では元の実験の不備が判明するなど、いまだに超能力の実証には至っていない。
- ディーン・ラディン(Dean Radin)
- イリノイ大学Urbana-Champaign校で教育心理学の博士号を取得している。超心理学の研究(テレパシー、クレアボヤンス、予知、死後の世界等)をしている。詳細はディーン・ラディン(Dean Radin)の項目を参照。
- テレパシー (Telepathy)
- 超常的な力によって、人や他の生物の考え、精神状態を知る能力のこと。ESPの一種。1882年にケンブリッジ大学のフレドリック・W・H・マイヤーズが命名した。日本語としては「精神感応」、「遠感」などと訳される。
- 透視 (Clairvoyance)
- 通常の手段によらず、外界の事件や状況を視覚的に認識する能力のこと。ESPの一種。日本語の「透視」として用いられる場合は、遮蔽物の中にあるものを読み取る能力として用いられることも多い。
- バチェルダー理論(Bachelder theory)
- ケネス・J・バチェルダーによる「超能力のとらえにくさ」を説明する理論。人間にはすべて超常現象を目撃したくないという心理(目撃抑制)、自分が超能力を保有していることを認めたくないという心理(保有抵抗)があり、それが「反超能力」として作用し、超常現象が起こることを妨げているとする理論。超能力はトリックの可能性がある時に発動しやすいので、超能力の実験を行う場合には、トリックや錯覚が発生する可能性を排除してはならない。つまりトリックの可能性によって目撃抑制を弱めないといけない。超能力の実在を確実に証明するような実験はやっても無駄であるとする理論。超心理学研究を行っている心理療法家の笠原敏雄氏はこの理論の信奉者であり、笠原氏のHP「心の研究室」内の「超常現象の“とらえにくさ”について」というページでその考えを読むことができる。
参考文献
- 別冊宝島334「トンデモさんの大逆襲」に掲載された「トンデモさんたちはどこで間違えたのか?」山本弘
- ハロルド・パソフ(Harold E. Puthoff)
- 本によっては、パトホフやプットオフとの記述もある。スタンフォード大学で博士号を取得したレーザー物理学者。ユリ・ゲラー氏らによる遠隔視の超能力実験に関する論文「感覚遮蔽された状況下での情報伝達」をNature誌に掲載したことで有名。(文献2) この論文にはゲラー氏が透視で描いた絵が掲載されているので、ゲラー氏の絵心を知ることのできる貴重な資料である。パソフらの論文は通称「SRIレポート」として知られているが、この件については別項目「リモート・ビューイング(遠隔視)」を参照のこと。パソフ博士はサイエントロジーの熱心な信者だったようで、結婚式もサイエントロジーの牧師の立会いで行ったが、その後サイエントロジーとは縁を切ったようだ。(文献3) 真空中からエネルギーを取り出すという、いわゆる「ゼロ・ポイント・エネルギー」(ZPE)もしくは「ゼロ・ポイント・フィールド」(ZPF)の研究者として知られており、「フィールド 響きあう生命・意識・宇宙」にも登場する。この本によると、「空中浮遊」といった超能力は何らかの方法によって重力が操作された場合に起こる現象で、それにZPFが関連しているとパソフは考えているようだ。(ゼロ点エネルギーは学術用語であるが、ZPFはそれほど一般的な言葉ではない)
参考文献
1. 英語版ウィキペディアのHarold E. Puthoffの項目
2. 「Information transmission under conditions of sensory shielding」RUSSELL TARG & HAROLD PUTHOFF, Nature 251, 602- 607(18 October 1974); doi:10.1038/251602a0
3. 「インチキ科学の解読法 ついつい信じてしまうトンデモ学説」 マーティン・ガードナー (著) 光文社
4. 「フィールド 響きあう生命・意識・宇宙」 リン マクタガート (著)、野中 浩一 (翻訳) 、河出書房新社
5. パソフ博士の所属する会社「Earthtech International」のサイト
- ヒツジ・ヤギ効果 (Sheep-Goat Effect)
- 別名「シュマイドラー効果」(Schmeidler Effects)。超能力を信じない者より、信じる者のほうが、超能力の実験で好成績を出すという現象。1942年に、アメリカの心理学者ガートルード・シュマイドラーが、超能力を信じる者をヒツジ(羊)、信じていない者をヤギ(山羊)と命名したため、この呼び名がついた。
- プリンストン変則工学研究所(PEAR, Princeton Engineering Anomalies Research)
- PEARはサイコキネシス等の超能力研究を行う研究所である。1979年、Robert G. Jahnによってプリンストン大学に設立された。主な研究は、機械の動作に人間の思考が与える影響を調べることである。しかし、2007年2月Jahn自身により閉鎖が決定され、28年間の歴史に幕を閉じた。PEARの主な研究成果は、様々なランダム事象発生装置(REG, random event generator)の動作に対し、人間の意志がおよぼす影響を調べたが、それは非常に小さく、1万回に2、3回程度であるというものである。詳細はプリンストン変則工学研究所 (PEAR)の項目を参照。
- プロジェクト・アルファ(Project Alpha)
- マジシャンのジェイムズ・ランディが仕掛けた、超能力研究者がいかにトリックを見抜けないか暴露する計画。この計画では、二人の若いマジシャン、Steve Shaw(芸名:Banachek)とMichael Edwardsがワシントン大学のマクドネル超能力研究所(McDonnell Laboratory for Psychical Research)に送り込まれた。航空機製造会社のマクドネル・ダグラスの取締役会会長のJames McDonnellによる50万ドルの出資によって1979年に設立された、おそらく世界で一番資金のある超能力研究所だった。ところが、ShawとEdwardsは自分達に超能力があると、研究所スタッフに思い込ませることに成功する。彼らがマジシャンであることが暴露されるまで、研究は3年間続いた。その間、彼らは、金属を曲げたり念写やテレパシーなどの実験をやってみせたが、研究スタッフは誰一人それが手品であることを見抜けなかった。この二人が送り込まれる以前に、研究所の所長であるPeter Phillips博士に、超能力実験において、いかにイカサマ師のトリックを見抜くか、ランディが助言を送り、要請があれば無償で実験に立ち会うことも申し出た。ところが、ランディの申し出は断られ、助言も無視された。(文献1) この暴露の2年後の1985年に、マクドネル研究所は閉鎖されることとなった。(文献2)
参考文献
- 「Pseudoscience and the Paranormal」 2nd edition, Terence Hines, Prometheus Books
- 「SCIENCE WATCH; PSYCHIC LAB TO CLOSE」 The New York Times, Published: August 27, 1985
- The Skeptic's Dictionaryの「Project Alpha」の項目
- 「James Randi 1980s」で、ジェイムズ・ランディとユリ・ゲラーに関する1980年代のテレビ番組の45分間の動画が見れるが、このビデオの最後のほうで、「プロジェクト・アルファ」が紹介されている。
- ペレット・リーディング (Pellet Reading)
- 小さな紙に文字や絵を描いて丸めた紙球(Pellet)を、そのまま広げることなく中に何が書いてあるか読み取る能力。超能力としての実験も行われているが、元々は、腕に血の文字を浮かび上がらせて霊界からのメッセージと称して人気を博したアメリカのイカサマ霊媒、チャールズ・フォスターが考案したイカサマ・テクニックである。
- マッスル・リーディング (Muscle Reading)
- 筋肉の微細な動きを読んで超常的な読心術を装うテクニック。日本では「読筋術」とも呼ばれるが、海外では「コンタクト・マインド・リーディング」(Contact Mind Reading)とも呼ばれる。数あるリーディング・テクニックの中でも高度な部類に属するもので、通常は手首や腕などを握って行われるが、場合によっては直接相手の身体に触れず棒のような器具を握らせたりすることもある。より高度なものになると、相手に何も握らせず、術者も何も触れない状態でも相手の動きを読むこともできる。アメリカのメンタリストであった(ビショップ)ワシントン・アービングや、インドネシアの自称予言者セルバイン・ボッケビンダーなどは、このテクニックを使った読心術を超能力と称して演じていた。しかし一方でハンガリーの心理学者だったフランツ・ポルガーや、日本の名マジシャンとして名高い石田天海、アマチュア奇術研究家で法術の権威でもあった秋山命澄などは、しっかりとマジックとして演じていた。
- メンタルマジック (Mental Magic)
- 超能力風の演出をしたマジックの総称。近代メンタルマジックは、アメリカの名奇術師で、マジック誌『JINX』の名編集長でもあったセオドア・アネマンが完成させたといわれる。意図的にマジックであることを隠して演じれば、観客に超能力を使っているかのように思わせることができるため、昔からこの分野のマジック(ワン・アヘッド・システム、スプーン曲げ、ブックテスト他多数)は自称超能力者が多用してきた。
- リン・マクタガート (Lynne McTaggart)
- 「フィールド 響きあう生命・意識・宇宙」の著者であるジャーナリスト。詳細はリン・マクタガート (Lynne McTaggart)の項目を参照。
- レトロフィッティング (Retrofitting)
- 後に判明した事実に合わせて当たりをこじつけるテクニックのこと。レトロフィット(retrofit)には、「改造」「改装」などといった意味がある。
- ワン・アヘッド・システム (One-Ahead System)
- メンタルマジックの手順の中で用いられる原理のひとつで、もともと秘かに封筒の中のメッセージを盗み見るために、イカサマ霊媒が編み出したテクニックだといわれている。基本的な手順は、複数の客に紙片を渡して何かを書かせたあと、封筒に入れてしっかりと封をさせる。そして演者は封を開けることなく封筒の中の紙片に何が書かれているかを当てる、というもの。本来はサクラ(協力者)を使わなければ演じられなかったが、後にセオドア・アネマンの改良により、サクラを使わなくても演じられるようになった。