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東日本大震災に便乗するホメオパシー

東日本大震災・デマ・風評被害・陰謀論

ホメオパシーの項目も参照。


 福島第1原発事故の放射線による健康被害への不安は、宮崎でも多くの家族が避難生活を送るように、特に小さな子供がいる保護者にとって深刻だ。

 

 ホメオパシーと呼ばれる民間療法がある。病気の原因物質を水で極度に希釈して服用すれば、自然治癒力が高まり病気が治るという理論に基づく。欧州発祥で約200年の歴史が強調されるが、医学の進歩でその有効性はほぼ否定され、治ったという体験談は暗示によるプラシーボ(偽薬)効果、自然軽快と一般的に評価される。

 

 しかし、この療法の推進団体「日本ホメオパシー医学協会」(東京都)は、東日本大震災の被災地で放射能を除去できるとPR。さらに、この団体代表が創業した健康食品会社「ホメオパシージャパン」(同)は昨年7月、フクシマの名前を冠した商品を発売。福島の土を水に溶かして染みこませたレメディーと呼ぶ砂糖玉だ。

 

 福島県放射線健康リスク管理アドバイザーの高村昇・長崎大教授(被ばく医療学)は「子供を持つ母親らの不安は切実だが、ホメオパシーの効果は医学的、科学的に証明されていない」と指摘。薬事法の承認を得た医薬品でもなく、都薬事監視課はこの団体と食品会社に、放射線への効能効果をうたわないよう警告した。

 

 両者は取材に、自らに好都合な論文を引き合いに「正しい理解を」というが、不安に便乗し、批判には「バッシングだ」と開き直る姿勢に、その本質が透けて見える。【石田宗久】

 チェルノブイリ事故(86年)の際、放射線による急性中毒を防いだとされる砂糖玉を紹介するサイトも登場した。直径数ミリでボトルに入っており、約30粒で580円。原材料名は「砂糖」とだけ記載され、サイトを運営する民間団体は「意図の分からぬ取材には答えられない」と話した。

との記述があり、『放射能の急性中毒に効くとして販売されている砂糖玉=2011年5月19日、小関勉撮影』という脚注のついた写真も掲載されている。「砂糖玉」の入ったビンのラベルには「Rad-br 12C」という記述が見えるので、これはおそらく「Radium Bromide」のレメディであろう。

新商品発売!!

この春より皆さまにご活用いただいております「RX RA」「サポートAAA」に加え、このたび「RA Fukushima 1-S-2」(福島で採取した土を希釈振とうして出来たレメディー)を

7月23日(土)に新発売いたします。

なんでも商売に結び付けるなぁ。なんに効くのだろう? この件については以下のエントリも参照。

なお、このレメディは「癒しフェア2011 in TOKYO」で販売されており、その様子をカルト新聞が取材している。

上記のエントリによると、ホメオパシー・ジャパンのブースでレメディが販売され、「たまたま隣のブース」のJPHMAがその用法の説明をする、という分業体制をとることにより薬事法違反を回避していたようだ。

上記のブログで福島県内の土から作ったというレメディを使用した人の感想を読むことができる。

結果は、強烈でした。何度か試したのですが、

 

 次の日の朝は起きられない

 

というほどのヒット(好転反応)です。レメディーをとった日の翌朝は、体がだるくて起き上がることができません。

… 朝起きられなくなったら、かえって困らないのか? どうもレメディ使用の感想にはこのように「すごい好転反応があった!」というものが多いのだが、好転反応は副作用みたいなものなので、そんなものを自慢されても、実際になにに効いたのか素人にはさっぱりわからない。

「プルトニウム」と書いた紙を貼るだけ

ホメオパシーの非科学性」(へんてこレメディ)の項目で「プルトニウムのレメディ」について述べたが、予想通り、このレメディは入手が難しいようだ。そんなときはどうしたらいいのだろう?以下のサイトに究極的な回答がある。

いざとなったら、水を入れたびんに、

「プルトニウム」「ウラニウム」と書いた紙を貼って、

その水をとる、という手もあります。

やっぱ、原料が入ってる必要ないんだな… 4月25日に、上記の記述が該当エントリから削除されていることを確認した。やはり、いくらなんでもラベルを貼るだけではまずいと思ったのだろう。

由井寅子氏の言動

また、由井氏はCHhomの癒しフェアOSAKAで、「「緊急災害におけるホメオパシー対処法」&「よりよく生きるための愛と魂の教育」」なる特別講演(3/26(土))を行ったらしい。このページの「講義の感想」を見てみると以下のようなものがあった。

レメディーとってたら、被曝も大丈夫!!と明るく言い放つ由井さんにとても元気をもらいました。ありがとうございました。

いや、そんなアホな話はない。砂糖玉なんかで被曝が大丈夫になるはずがない。放射能に関しては、正しい知識を身につけ、不必要な被曝はできるだけ避けるべきである。

まあ、なんというか、日本ホメオパシー医学協会会長の由井寅子氏が被災地をまわって、怪しいペットボトル入りの水(レメディ)をまいているようだ。まさに呪術師としか言いようがない。また、被災地をバックに変なポエムを詠んで御自身に陶酔なさっておられるかのように見えるが、不謹慎極まりない。

病気の原因物質を、分子が一つも残らないほど希釈して作られた「レメディ」なるもので病気が治ると主張する“ホメオパシー”。昨年、日本学術学会議などから「科学的根拠はなし」と全否定されたばかりだ。

 

ところが現在、日本ホメオパシー医学協会は、放射能汚染された河川の浄化に有効であるかのようなキャンペーンを展開。代表の由井寅子氏は福島県を訪れ、県内で採取した土を希釈したレメディをペットボトルに入れ、河川に投入するパフォーマンスも見せている。

 

だが、その程度の量で川に溜まった放射性物質が除去され、浄化できるとは思えないのだが……

その他

ホメオパシーがらみでは、以下のような意味不明なスパムメールも出回っているらしい。