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日御碕の海底遺跡

 神々の物語が語り伝えられてきた出雲には、海底にも不思議な世界が広がる。日本海に突き出した島根県出雲市の日御碕(ひのみさき)沖に「海底遺跡」が沈み、ダイバーたちの人気を集めている。

 

 「遺跡」を見つけたのは、日御碕のダイビングガイド・岡本哲夫さん(59)。1999年から周辺の海を調査してきた。地元の日御碕神社の聖域で、毎年8月に夕日の祭りがある経島(ふみしま)周辺の海底。岩を削ったように見える「祭壇」「階段」「参道」、玉砂利を敷き詰めた洞窟、大小の岩がウミガメの形に並ぶ「亀石」と水流に削られたような「曲水」などが、水深30メートルまでに点在する。

 

 地元にはかつて夕日の祭りを行っていた場所が海中に没したとの伝承がある。岡本さんは「海底遺跡」は古代の夕日信仰の痕跡だと信じている。

 

 ダイビング雑誌などで紹介されたこともあり、近畿や山陽地方から団体で訪れるダイバーも増えている。広島県福山市から毎月のように通う介護福祉士の小林睦子さん(53)は「本当に不思議な世界。ここに潜ると元気になる気がする」と言う。(岡田和彦)

 島根半島の西端、出雲市大社町の日御碕沖の日本海に「海底遺跡」とも呼ばれる不思議な地形がある。詳しいことはまだ分かっていないが、地域おこしに生かそうと地元のダイバーらが市民団体「マリンブルー」を設立し、15日に活動への理解や参加を促す住民説明会を開く。

 

 団体は昨年、日御碕漁港でダイビングショップを営む岡本哲夫さん(57)を中心に結成した。「日御碕海底遺跡調査と地域振興、環境保全」を活動目標に、考古学者や地質研究者、県内外のダイビング愛好家ら40人が参加して潜水による調査や清掃、海岸での美化などに取り組んでいる。

 

 岡本さんは新たなダイビングスポットを開発するため、1999年から周辺の海を調べてきた。「海底遺跡」は岬先端の日御碕灯台北や日御碕神社西の海底にあり、岩を削ったように見える「階段」や玉砂利を敷き詰めた洞窟、ウミガメにそっくりな「亀石」などが次々に見つかった。遺跡を裏付ける専門的な調査は今後進めるが、人工的に手を加えたようだという。

 

 日御碕神社の夕日の祭りがある経島(ふみしま)の西の「タイワ」と呼ばれる海底の丘には、頂上に通じる参道のような地形がある。神社には「かつてタイワは海面上に浮かび、この場所で夕日の祭りが行われていた。その後海底に没した」との言い伝えがあるという。

 

 説明会は15日午後7時から日御碕コミュニティセンターで。岡本さんは「素晴らしい財産があることを誇りに思ってもらい、一緒に情報を発信して多くの人が日御碕を訪ねるようにしていきたい」と意気込んでいる。

遺跡のダイブツアーをやっているダイビング・ショップ

こちらで、遺跡の「階段」を登る映像を見ることができる。