風評被害2 (東日本大震災)
東日本大震災・デマ・風評被害・陰謀論
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- 風評被害 (東日本大震災)
ここでは2011年9月以降の「風評被害」に関する記事を集めています。
必ず記事の日付を確認してから読んでください。事態が変化している場合もあります。
- 「「原発風評影響ある」企業4割 ジェトロ調査」 2015年02月04日水曜日, 河北新報
海外ビジネスに実績や関心のある宮城県内の企業のうち約4割が、東京電力福島第1原発事故の風評被害の影響を感じていることが、日本貿易振興機構(ジェトロ)などによるアンケートで分かった。農林水産業や水産品製造業、食料品卸・小売業者などで特に高い割合を示している。
アンケートは昨年9月、県内の貿易関係企業名簿の作成作業に合わせて実施した。県内に事業所があり、海外ビジネスに実績や関心のある279社の回答をまとめた。
風評被害について、現在も影響があると回答した企業は20.1%。少しあるという企業と合わせると、41.6%が影響を感じている。震災直後は6割近くが影響を感じたと回答しており、震災から3年半を経た時点でも、影響はあまり薄れていないことがうかがえる。
- 「非科学的な「怖がり」が生む風評被害 ホントが知りたい食の安全」 有路昌彦、2013/1/25 6:30、日本経済新聞
近年、「風評被害」という言葉をよく耳にするようになりました。食品リスクの話題に必ずついてくるこの、風評被害。どのようなことか、みなさんはご存知ですか。
実は、学問領域によっても定義が違います。社会心理学では、全く関連のリスクがないのにかかわらず経済的な損失を受けることです。経済学では「いわゆる風評被害」とか「カッコ書きの風評被害」という言い方をし、小さなリスクを過大に感じることによって発生する経済的損失も含めます。なぜならば、どちらも経済的な損失があり、原因がリスク認知のゆがみによるからです。
「福島の農産物、続く「風評」…努力が報われない憤り」
産経新聞 2012年10月5日(金)9時30分配信
東京電力福島第1原発事故による食品の放射性物質(放射能)汚染への不安から、一時はスーパーの店頭から消えた福島産の農産物。東日本大震災から1年半が過ぎ、首都圏のスーパーでは福島産も震災前と同じように並ぶようになった。ただ、市場価格は震災前の7〜8割で、依然安く買いたたかれる状態が続いている。福島の農産物をめぐる現状を取材した。
◆2割安の価格
「どんなに良い桃を作っても福島産は震災前のような一番手にはなれない。放射性物質検査でも検出限界(1キロ当たり20ベクレル)以下で、安全性に問題ないのに」。福島市内で桃やサクランボなどの果樹栽培を手掛ける農家、樅山(もみやま)和一郎さん(62)は悔しがる。
「新ふくしま農協」(福島市)では、果物は全戸全品種について放射性物質のモニタリング検査を実施。これまでの検査では全て国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を下回り、99%は検出限界以下だった。樅山さんの桃も14品種検査し、全て検出限界以下だった。それでも8、9月に出荷した桃は、震災前には5キロ2000円の品質のものが同1600円と震災前の2割安の価格。検査で「安全」を確認しても県内の給食にも使ってもらえない。「良いものを作っても評価されない。この状態が続いて後継者の意欲が落ちるのが心配だ」と樅山さん。
◆廃業する農家も
良質の霜降りを持つことで知られる福島牛も震災前の7〜8割の価格が続いている。大玉村の肥育農家、鈴木広直さん(63)の場合、今年出荷した牛は1頭62万〜63万円。元牛(10カ月の子牛)の購入に56万円、肥育のための約20カ月分の餌代に40万円かかり、完全な赤字だ。
福島牛は昨夏、放射性セシウムで汚染された稲わらを食べた牛肉が流通し、出荷制限がかかった。現在は、出荷前に放射性物質の全頭検査を実施し、基準値を超えたものは市場に出回らない仕組みができている。それでも「まだ不安」と福島産を避ける消費者はいる。
鈴木さんは旧知の仲買人から「今は牛を持ってこないで」と言われている。どんなに品質が良い牛でも、「福島産」ということで安く買わざるを得ないためだ。ただ、出荷を遅らせれば余計に餌代がかかる。さらに、高齢の牛は病気になりやすい。たとえ赤字でも時期がきたら出荷せざるを得ない。こうした状況に耐えかね、同村の肥育農家5軒のうち年内に2軒が廃業する。
鈴木さんは不安な思いを打ち明ける。
「先が見えないこの状況がいつまで続くのか」
◆信頼回復、時間も必要
「食の安全・安心財団」理事長で、倉敷芸術科学大の唐木英明学長の話「検査で安全が確認されているといっても、一時期、基準値超えの食品が出回ったこともあり、消費者はまだ不安に思っている。信頼を回復させるにはある程度の時間が必要だろう。今は生産・販売する側は検査をきちんと行い、その結果を伝えていく。消費者も検査の意味を正しく理解することが大切だ」
「福島産花火:今年こそ大空へ 愛知・日進16日打ち上げ」
毎日新聞 2012年09月14日 14時12分(最終更新 09月14日 15時41分)
放射性物質拡散を不安視する声があったため昨年9月、福島県川俣町で作られた花火の打ち上げを中止した愛知県日進市で16日、花火大会が開かれ、保管していたこの花火80玉を打ち上げる。この問題では市に批判が集中。市はその反省から、職員を派遣したり双方の小学生が野球大会を開いたりするなど交流を進めてきた。一部が福島第1原発事故による計画的避難区域にある同町復興への協力を継続していくことが大切として、交流や支援を一層深める方針だ。【岡村恵子】
昨年、放射線量測定でこの花火の安全性は確認されていた。花火大会では点火式に古川道郎町長と萩野幸三市長が出席する予定で、古川町長は「うれしく思う。これからの相互交流につなげていきたい。今後も見守り、励ましてほしい」と話す。会場では、同町の特産品も販売する。
「東日本大震災:福島第1原発事故 風評被害、東電への賠償請求は牛肉関係5億円余 /山形」
毎日新聞 2012年08月31日 地方版
福島第1原発事故による風評被害を巡りJA山形中央会などは30日、東京電力に請求する第11次の農畜産物損害賠償額を発表した。請求額は販売価格下落による牛肉関係5億5683万円で、31日に請求する。
請求対象期間は、昨年7月8日から今年7月31日でJA13団体とJA以外3団体の計244人分。次回は昨年7月8日から今年8月31日までを対象とし、9月28日に請求する予定。これまで約72億円を請求し、約63億円が支払われている。31日に4億4827万円が支払われる予定。【浅妻博之】
給食の冷凍ミカン
- 「給食の冷凍ミカン 放射性物質が基準値以下でも使用中止」 MSN産経ニュース 2012.6.12 07:49
神奈川県の学校給食で使用予定だった同県産の冷凍ミカンから先月、国が決めた基準値以下の放射性セシウムが検出された。この影響で、横浜市は6、7の両月、鎌倉市は年度内の使用をそれぞれ取りやめた。検出された数値は基準値を大幅に下回るが、両市は「安心のため」と説明。しかし、「科学的根拠に基づかない独自の判断での使用中止は、子供たちが放射性物質について正しく理解することの妨げになる」との声も上がっている。(平沢裕子)
日本科学教育学会会長で愛知教育大学理科教育講座の吉田淳(あつし)教授の話
「専門家が決めた安全基準はかなり厳しい数値といえ、それを大幅に下回る食品を給食で使用しないのは過剰な対応だと思う。これによる野菜・果物不足の方が体への影響が大きいと考えるべきだ。ただ、放射線や放射性物質については、行政担当者、教員ともに正しく理解している人がそれほど多くないのが現状で、これまでの科学教育不足の弊害の大きさを痛感する。子供たちへの影響を考えれば、行政担当者や教員には放射線や放射性物質を正しく理解し判断できる科学的素養(リテラシー)を身に付けてもらいたい」
「福島・小名浜港に水揚げされた初ガツオ 築地市場で値段がつかない風評被害の深刻」
ダイヤモンド・オンライン (2012.06.01)
ものによっては最高値でカツオ1キログラム当たり2100円の値が付いたこの日、小名浜で水揚げされたものは同105円という“捨て値”しかつかなかった。
このカツオは、汚染が心配される福島沖で漁獲されたものではない。福島県から500キロ以上離れた八丈島沖で取れたものだ。静岡や千葉など他の漁港で水揚げされた、同じ水域で漁獲された同じカツオは、通常の価格で取引されている。まったくいわれのない、まさに風評による被害だ。
水産庁では、ガイドラインで全ての魚種について、実際に漁が行われた“水域”を表示して販売することを、小売業者に義務付けている。
だが、このガイドラインには「それが困難な場合は、水揚げ港を産地として表記することを認める」というただし書きがつく。結果として、「複数個所からの水揚げをした場合など、水域の特定が煩雑という理由で、一括して水揚げ港で記載している流通企業が多い」(水産庁)状態だ。
「福島県産の食品を扱わないということは決してない。安全性が確認できれば取り扱う」と大手流通は口をそろえる。だが、実際にはそうなっていない。その背景には、消費者の福島県産の食品に対する漠然とした不安がある。
「潮干狩り:木更津で今季も8割減 放射性セシウム風評で」
毎日新聞 2012年04月24日 10時23分(最終更新 04月24日 12時27分)
東日本大震災の影響で昨季は来場者が震災前の7割減となった東京湾の潮干狩り。復活が期待される今季も千葉県木更津市で8割減の状態だ。原発事故により、放射性セシウムが河川を通じて東京湾に流れ込んでいるとのイメージが持たれていることが原因とみられる。しかし、湾内で基準値を超えるセシウムを含んだ貝は見つかっておらず、専門家は「神経質になる必要はない」と話している。【田中裕之、荻野公一、久野華代】
「放射能が心配で、市のホームページ(HP)で検査結果を確認して来ました」。今月中旬、木更津市内の潮干狩り場に子供と訪れた埼玉県の会社員、正木晶さん(26)は話した。休日こそ家族連れの姿が目立つが、運営する木更津漁業協同組合の内田武雄組合長は「客の戻りはまだまだ」とみている。
「福島のコメ農家、風評被害の賠償申し立て 総額35億円」
朝日新聞デジタル, 2012年4月21日8時53分
東京電力福島第一原発事故に伴う農地の除染費用や風評被害による損害などの賠償を求めて、福島県のコメ農家3人が20日、原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)に申し立てをした。
3人は、大玉村の男性(62)=耕作面積約9ヘクタール=と二本松市の男性(62)=約13ヘクタール=、猪苗代町の男性(62)=約40ヘクタール。請求額は約7億〜19億円で、3人の総額は約35億円。
請求の多くは除染にかかる費用という。国が勧める、表土を削り取る除染方法や土を掘り返す反転耕といった方法では、「安全で消費者に求められるコメは作れない」と主張。汚染されていない土を新たに盛り土する「客土」という方法を求めている。1ヘクタールあたりの経費を約4700万円として算定したという。
「福島県郡山市、朝日新聞出版に文書で抗議」
(2012年4月12日12時31分 読売新聞)
福島県郡山市が、「週刊朝日臨時増刊 朝日ジャーナル」(3月9日発売)の記事について、「水道水から放射性セシウムが検出されたと誤解を与える恐れがある」などとして、週刊朝日を出版する朝日新聞出版(東京都)に文書で抗議していたことが12日わかった。
記事は同社独自の調査を基に、郡山市の水道水から1キロあたり95ベクレル、いわき市の水道水から同48ベクレルの放射性セシウムが検出されたなどとする内容だった。郡山市は、昨年3月の原発事故後に行った市の検査では、同3月28日を最後に検出されていないとしており、市水道局が「市民や県外へ避難した人々に不安を与え、風評被害を助長する。取材の意図と経緯を確認し、訂正を求める」として、今年3月29日、内容証明で抗議文を発送した。
いわき市も同16日、週刊朝日側に、水を採取した日時、場所などの説明を求める文書を送った。市水道局の検査では昨年4月4日以降は、セシウム以外の物質も含めて、放射性物質は不検出が続いているという。ただ、週刊朝日が後日、水道水について問題ないとの記事を続報の形で掲載したことから、「市民の誤解も起きないと判断した」として抗議などは行っていないという。
週刊朝日編集部の話「記事は簡易測定キットを使用して編集部が実際に測定した結果を報じたものだが、郡山市からの意見は真摯に受け止めたい」
「福島原発事故:風評被害適用を拡大し新基準…解決センター」
毎日新聞 2012年3月14日 22時43分(最終更新 3月14日 23時09分)
東京電力福島第1原発事故の損害賠償を巡り、東電と被災者間で合意できない場合に和解を仲介する文部科学省の「原子力損害賠償紛争解決センター」は14日、原発事故で訪日外国人が減る風評被害の適用範囲を拡大する新たな基準を公表した。従来の旅行の予約キャンセルに加え、土産店や通訳業の減収なども賠償対象にする。
文科省の原子力損害賠償紛争審査会が昨年8月に決定した中間指針では、風評被害の賠償対象は原則、事故前に宿泊や交通手段を予約し、同5月末までにキャンセルしたケースに限定していた。
これに対し、今回、関連事業の減収や同6月以降のキャンセルも加えた。風評被害は全国に適用される。【比嘉洋】
沖縄の雪遊び問題
- 「ようやく届いた青森の雪 那覇の児童ら「冷たいんだ」」 朝日新聞デジタル, 2012年2月29日1時25分
那覇市宇栄原(うえばる)の学童保育で放課後を過ごす小学生ら約60人に28日、青森から運ばれた約250キロの雪がプレゼントされた。生まれて初めて雪に触る子もいて、会場は歓声に包まれた。
海上自衛隊が17年前から沖縄県内各地に配っている。那覇市内では別の催しも予定されていたが、東日本大震災で避難して来た人たちから「被曝(ひばく)の不安がある」との声が上がり中止になった。
この学童保育施設にも「放射能をわかっているのか」といった苦情や無言電話が続いたという。子供に雪を触らせていいか、施設側は保護者に確認して実施に踏み切った。
この日の那覇市の最高気温は22.4度。雪の詰まった段ボールが開けられると、子供たちは目を丸くして真っ白な贈り物に見入った。小学2年の上地桃香ちゃん(8)は「雪って、こんなに冷たいとは思わなかった」と話した。児童代表は「もうすぐ春が来るので、青森のみなさんも頑張ってください」とあいさつした。(谷津憲郎)
- 「雪遊びイベント中止に=「放射性物質心配」の声−青森の630キロ無駄に・沖縄」 時事ドットコム, 2012/02/21-21:04
那覇市と海上自衛隊第5航空群(同市)は21日、23日に予定していた子ども向け雪遊びのイベントを中止すると発表した。雪は同航空群が青森県十和田市から搬送したが、沖縄県に自主避難している父母らから、「放射性物質が含まれているのでは」と懸念する声が相次いだためという。イベントは2004年度から続く恒例行事で、中止は初めてという。
イベント用の雪は約630キロ。八戸航空基地(青森県八戸市)の訓練に参加した隊員らが16日、十和田市内で集めてP3C哨戒機で運んだ。搬送時と到着時の2回、放射線量を計測した結果、過去の平常値と同じ水準だったという。
一方、那覇市には2月中旬ごろから、東日本大震災後に自主避難してきた人たちから、会場となる児童館や市に対し、中止を求める声が10件程度寄せられた。市は20日、児童館で説明会を開催。集まった約20人の父母らに対し、放射線量の測定結果を伝え、危険性はないとして開催への理解を求めた。
しかし、参加者からは「雪に含まれた放射能が溶けて空気中に拡散するのでは」「放射能汚染を避けるため沖縄に避難している。少しでも放射能が測定されているなら中止してほしい」などの声が上がった。
- 「放射能汚染懸念、雪のイベント中止要請」 沖縄タイムス, 2012年2月21日 09時16分
取りやめを要望した母親らは福島第1原発事故後、沖縄へ避難してきた人たちが中心で「いまだ放射性物質が漏れ続けている状況の中、東北の雪を運び、子どもたちに触らせたり、食べさせたりすることに不安が広がっている」などと訴えた。
- 「那覇市が雪遊びイベント中止 放射能不安で要請受け」 琉球新報, 2012年2月22日
横浜市から昨年10月に家族で避難してきたという久野綾子さん(34)は「他の児童館でもイベントが予定されているのなら、久茂地児童館だけでなく、他の児童館も同じように中止してほしい」と訴えた。
1995年から毎年、雪を輸送している海上自衛隊第5航空群は那覇市役所の要請で、取りやめを決定した。
- 「青森から沖縄に雪を運ぶイベント、放射能汚染を懸念した住民の要請で中止に」 Togetter, 2012/2/21
- 「那覇市長、雪遊び開催へ再考」 沖縄タイムス,2012年2月23日 09時43分
青森県から運んだ雪で子どもたちが遊ぶイベントについて、那覇市の翁長雄志市長は22日、前日の中止決定を覆し、開催する方向で検討する考えを示した。翁長市長は「好意の雪。難しい判断だが、被災者にも東北にも復興にエールを送る立場に立って考えたい」と述べた。
開催先だった久茂地児童館で、東日本大震災から避難してきた保護者らから反発が出たことを受けて中止を決めていた。ほかに開催を求める児童館や児童クラブがあるか調べて、近く結論を出すとしている。
那覇市によると、雪遊び行事の中止が報じられた22日午後1時時点で「青森県が安全と言っている」「風評被害につながる判断は残念」などと開催を望む電話などが26件あった。中止の支持は、日ごろ同館を利用しているとする人から1件だったという。
雪を提供している海上自衛隊第5航空群によると16日に運び込んだ雪は1箱25キロで25箱。病院などの希望で一部は配り、22日現在で15箱が残る。
那覇市が再びイベントを開催することになっても提供できるか尋ねたところ、可能との回答を得ているという。
石垣市長、海自に雪提供打診
那覇市の雪イベント中止を受け、石垣市の中山義隆市長は22日、宙に浮いた格好になった雪の提供が可能か、海上自衛隊第5航空群に打診したと述べた。同航空群は「ほかにも複数から同様の申し出があり、調整中」としている。
中山市長は「せっかく青森県から運んできた雪。検査で安全性に問題がないのも分かっている。市内の小学校や子ども会などから要望があれば、市で取りまとめて譲ってもらえるように交渉したい」と話した。
たかが雪遊びが中止になっただけじゃないかと考えるかもしれないが、この件で問題なのは、原発事故と関係のない地域から運ばれてきた雪、しかも放射線量は過去の平常値と変わらないにもかかわらず、ボイコットが起こってしまったことである。このような、「放射線量が高いと思われてる地域」が「低いと思っている地域」から根拠のない誹謗中傷や差別を受ける事例は今後も起こるだろう。
- 「那覇市で中止になった「雪遊びイベント」が開催か!? 一体どうなってるのか問い合わせてみた」 ロケットニュース24(β), 2012年2月23日
「春待つ蔵人:地酒探訪/1 郡山・渡辺酒造本店、渡辺康広さん /福島」
毎日新聞 2012年2月21日 地方版
悔しくて、涙がこみ上げてきた−−。昨年6月の東京都内。ある駅のゴミ箱に、売ったばかりの県産の酒と野菜が詰め込まれていた。見つけたのは、郡山市西田町の渡辺酒造本店社長、渡辺康広さん(46)。仲間と共に県産品の復興キャンペーンを終えた帰りのこと。義理で買った誰かが捨てたのだろうか……。
震災後、東京などで幾度も「復興キャンペーン」に参加。「こんなもの売るな」と直接怒鳴り込まれた経験もある。売っている酒は皆、放射性物質不検出とアピールしていたのに。風評被害の根深さを実感し、「来年こそは、放射性物質が一切出ないコメを作ってやる」と闘志がわいた。
渡辺さんは、新潟大農学部で、土壌学を専攻した。実験で放射性物質を扱った経験もあり、県内の酒蔵では随一の“専門家”だ。福島で今酒造りをしていることに運命的なものを感じ、「知識を伝えるのは自分の使命」と考えるようになった。
「【24年産米作付け】線引き難航必至 農家「科学的根拠を」」
福島民報,2012年1月30日
JA福島中央会は平成24年産米の作付け方針で、23年産米の放射性セシウムが100ベクレル超〜500ベクレル以下だった地域については、食品の新基準値100ベクレルを超える危険性が大きいか小さいかで作付けの可否を判断することにした。農林水産省はこの方針を参考に作付け制限について最終決定する考えだが、生産者が納得できる線引きができるのか、危険性の根拠をどう示すのかなど課題は多い。
■明確な基準なし
県の調査で1キロ当たり100ベクレル超〜500ベクレル以下のコメが複数検出された二本松市旧小浜町。「国には制限の考え方を明確に示してほしい。不安を抱えたままでは、コメを作る意欲が高まらない」。同地区で長年、農業を営む男性(57)は雪に覆われた水田を前に不満をあらわにした。
JA福島中央会の方針では、24年産米で食品の新基準値の100ベクレルを超える危険性が小さい地域は除染などを条件に作付けを進め、地理的な要因などで危険性が大きい地域は作付けを制限する。新基準値超えのコメの分布状況や数値の大小を基に総合的に判断するとした。農林水産省穀物課も「同様の考え方になるだろう」としているが、明確な基準はなく、可否を決めるには難航が予想される。
JA伊達みらい管内では、県の調査で多くの旧町村で100ベクレル超のコメが見つかった。しかし、担当者によると、あくまで旧町村内の一部で、100ベクレルを超えなかった水田も多い。「字単位の制限なのか、放射性セシウムが流れ込む水系で分けるのか。線引きは難しい」と指摘する。
同市保原町の農家佐藤九兵衛さん(89)の水田では、放射性セシウムがほとんど検出されなかったが、同じ旧町内には100ベクレル超の農家がある。「例年通り作付けできるのかどうか」と不安な表情を浮かべる。
■要因解析
作付け制限する場合、新基準値超のコメの分布など状況分析だけで生産者の理解を得られるのかという課題もある。
山間部に多かった500ベクレル超のコメと違い、100ベクレル超は平たん部でも検出されている。庄條徳一JA中央会長は「制限の必要性と根拠を国が明確に示すべき」と、100ベクレルを超えた土壌や環境の分析を急ぐよう国に訴える。
福島市の農家男性(70)は「科学的な根拠が示されなければ、仮に作付け制限と言われても簡単には納得できない」と憤る。だが、暫定基準値500ベクレル超の原因ですら、農水省と県は「カリウム不足など複数の要素が絡む」との中間報告にとどまっており、100ベクレルを超える原因を明示するのは容易ではない。
■割れる意見
伊達市は「原則作付け」の姿勢を崩さない。市担当者は「作付けを一度やめたら、土地を元に戻すのに時間が掛かる。生産者の意欲も減退してしまう」と懸念する。
JA福島中央会の方針決定過程では、組合によって意見が割れた。中通りのある組合長は全袋検査を前提に「コメ農家は作ってなんぼだ。できるだけ生産したい」と訴えた。一方で、放射性セシウムがほとんど検出されなかった地域の組合からは「今度こそ基準値を超えたら終わりだ。微量でも検出された地域は作付けを見送り除染や土壌改良に専念すべき」との声が上がった。生産意欲の維持とブランド回復との挟間での苦渋の決断だった。
農水省は市町村との協議を踏まえ、2月中に作付け制限の結論を出す。同省穀物課は「生産者や行政の願いがある一方、消費者や流通業者の立場もある。作ったコメが無事に売れるかどうか。そこを判断する必要がある」とし、一定の制限は必要との考えを示す。
【背景】
JA福島中央会は26日、生産者の意向として作付けの方針を示した。1キロ当たり500ベクレル超は国の方針通り作付けを制限するとしたが、100ベクレル超〜500ベクレル以下の地域については、県のコメの検査結果を基にした国と市町村の個別の協議に委ねた。制限範囲の判断、作付け条件とされる除染の実現には課題が多い。23年産米の県の全戸検査では、県が比較的放射線量が高い福島、伊達両市など6市22旧市町村で実施した結果、検体5291点のうち、100ベクレルを超えたのは5.5%(292点)だった。23年産米は国の暫定基準値(1キロ当たり500ベクレル)超えが相次いだ上、風評被害や県の全戸検査の影響もあり、出荷が滞っている。
「風評被害吹き飛ばせ!いわき産食材で千人鍋」 2012年1月24日07時23分 読売新聞
地元産の新鮮な野菜を使った1000人分の豚汁を無料でふるまうイベント「がんばろう勿来!千人鍋」が22日、福島県いわき市錦町のいわき南の森スポーツパークで開かれた。
東京電力福島第一原発事故後、風評被害にさらされているいわき産農産物の安全性をPRしようと、地元住民の有志が企画した。野菜や豚肉はすべてJAいわき市が提供し、放射性物質検査で安全性を確認した上で調理した。
この日は午前7時頃から約3時間かけて白菜約20玉、大根25本などの野菜を刻み、直径2・5メートルの大釜で調理した。湯気が立ち上ると、においに誘われて大勢の地元住民らが詰めかけた。
「原発事故風評被害 東電が賠償説明会 観光業者ら「長期の賠償確約して」「範囲拡大を」」
産経ニュース、2012.1.20 22:18
東京電力は20日、福島第1原発事故で風評被害を受けた観光事業者への賠償に関する説明会を、匝瑳市市民ふれあいセンターで開いた。東電は昨年末、外房地域16市町村の観光業者を賠償の対象に追加しており、県内での説明会開催はこれが初めて。この日、銚子市や旭市などのホテルや遊漁船(釣り船)事業主ら約250人が出席し、長期にわたる賠償の確約や対象地域の拡大を求めた。
「「リンゴつぶすしか…」 風評終わり見えず 新地の果樹農家」
河北新報、2011年12月29日木曜日
震災や原発事故に立ち向かう人を紹介する「ふんばる」。歩み続けながらも、壁の厚さに阻まれ、不安な年の瀬を迎える人もいる。福島県新地町で果樹園を経営する畠米七さん(49)は10月、直売所に自慢のリンゴを並べた(10月23日付)。「福島の農家は一番の被災者。なぜ悪者になり、出荷もできないのか」。原発事故による風評被害と闘い、販売のためのあらゆる努力を続けた。
21日、阿武隈山地のふもとのリンゴ畑に甘い香りが漂っていた。ジャムのようにつぶされたリンゴが畑を覆う。売れ残り、こうするしかなくなった。
「本当においしいリンゴなのに…。罪悪感とむなしさで吐き気がしてくる」。大切に育て立派に実ったリンゴを、畠さんは草刈り機でつぶす作業を続ける。処分量は約20トンにも上る。
「風評被害も時間がたてば収まると思っていたが、甘かった」
親子二代で築き上げたリンゴ園。「賠償してもらえるのかどうか。それを確認してから来年どうするか、家族と相談しないといけない」
畠さんは今、次の一歩を見いだせずにいる。
「放射線不安?仙台での国際会議・学会が4割減」
2011年12月26日07時31分 読売新聞
国際会議や学会の仙台市内での今年度の開催が、前年に比べて4割減る見通しであることが、財団法人・仙台観光コンベンション協会のまとめで分かった。
施設の被災そのものの影響だけでなく、福島第一原子力発電所の事故による放射線への不安が影響しているとみられる。
協会が10月までにホールを持つ市内の会議施設やホテルに実績や年度内の予約を聞き取ったところ、今年度の会議や学会の開催数は約360件。昨年度の630件から43%減となる見込みだ。特に、大人数が参加する全国規模の行事や国際的な催しは約80件で、前年(262件)の3割にまで落ち込む恐れがある。残り280件は県内か東北6県の参加者が中心となる行事で、前年(368件)の8割程度にとどまる。
震災の影響で、仙台国際センターや市民会館ではホールの天井が落ちるなどし、夏頃までは利用できなかった。その後も、海外の参加者からは原発事故の影響を心配する声が根強いほか、被災地での行事開催を自粛する動きがみられるという。
来年度は全国規模の学会がほぼ例年通りの水準で開かれる見込み。企業からは「被災地支援を兼ねて販売会議や表彰式を仙台市で開きたい」という問い合わせも協会に寄せられている。
参加者の県内での平均消費額は、国際会議で6〜7万円、全国規模の学会で4〜5万円という。同協会は「今は放射線量が下がり、集客・宿泊施設が復旧していることを積極的に情報発信していきたい」としている。
「福島からの会場変更に会員が抗議…経済学史学会」
2011年12月5日20時30分 読売新聞
経済学史学会(約750人、代表幹事・栗田啓子東京女子大教授)が福島市の福島大で開催を予定していた来年度の全国大会を、放射線量が高い地域があるなどの理由から北海道の大学に変更したのは、「福島への風評被害に加担したことになる」などとして、同学会の会員20人が5日、常任幹事6人の辞任を求める抗議声明を発表した。
声明の発起人の一人となった福島県いわき市にある東日本国際大の水田健教授らが県庁で記者会見した。水田教授らによると、東日本大震災により、福島大で今年度開催される予定だった全国大会が来年5月に延期となり、今年7月、常任幹事会が同大では開催しない方針を決定。その後、約30人の幹事のうち水田教授ら2人が異議を唱え、11月に幹事会と会員総会が開かれたが、多数決で北海道の小樽商科大での開催が決まった。
「「福島製は橋げたも嫌!」 大阪で架橋工事中断」
税金と保険の情報サイト、2011年10月7日 15:00
大阪府河内長野市街と和歌山県境を結ぶバイパス工事で、福島県の建設業者の作った橋げたの搬入について住民が反対、工事が中断している。
問題の橋げたは長さ55メートル、幅8メートルの鋼製。福島県の業者が郡山市の工場で2月に製造した。3月の震災以降、工場敷地内で保管されており、河内長野市の住民は放射能汚染を心配している。
「リカちゃん、群馬に行きたい…福島で来館者半減」
2011年10月4日09時57分 読売新聞
福島県小野町にあるリカちゃん人形のテーマパーク「リカちゃんキャッスル」が、群馬県内に第二の展示施設を探している。
原発事故の風評被害で来館者が半減しているといい、運営会社「リトルファクトリー」の近藤洋之社長(47)が3日、「風評が収まるまで、子どもたちがリカちゃんの世界を楽しめる場所を群馬につくりたい」と県庁を訪問。県も施設探しを仲介する支援に乗り出す。
土湯温泉ピンチ
- 「原発風評で土湯温泉ピンチ 一般客激減、5軒が廃業 福島」 河北新報、2011年09月26日月曜日
1000年以上の歴史を持つ福島市の土湯温泉は、福島第1原発事故の風評被害で一般客の入り込みが激減し、苦境に立たされている。9月に入ってからは旅館・ホテル3軒が相次いで営業を停止。地震被害で再開を断念した施設2軒と合わせ、22軒のうち5軒が廃業する非常事態となっている。即効性のある打開策が見えない中、街の再生へ知恵を寄せ合う動きも出始めている。
◎電話で「放射能は?」
3連休中日の24日。秋晴れにもかかわらず、温泉街は閑散としていた。廃業した老舗旅館の玄関には、自己破産の申し立てを告知する張り紙が出され、自動ドアの向こうには、枯れた鉢植えが並んでいた。
土湯温泉観光協会によると、23〜25日の3連休の人出は例年の4割程度。ことし4〜7月の宿泊者はさらに少なく、前年の約3割に当たる約2万7700人にとどまった。
土湯女将(おかみ)会副会長で、旅館「山根屋」おかみの渡辺啓子さん(56)は「問い合わせを頂くお客さまが皆、『放射能はどのくらいか』と聞いてくる」と嘆く。
福島市の計測によると土湯温泉地区の放射線量は市内有数の低さで、9月下旬は毎時0.15マイクロシーベルト程度で推移する。渡辺さんは「これまで通りのもてなしで、土湯は安全だと口コミで広げてもらうしかない」と望みをつなぐが、持久戦は必至だ。
観光協会によると、土湯の宿泊施設は2次避難所として、ピーク時で約1000人の被災者を収容。1泊3食で1人当たり5000円が県から支払われ、営業の継続を支える役割を果たした。
◎仮設入居で引き揚げ
しかし、8月中に仮設住宅などへの入居が一気に進んだことから、2次避難者は現在、温泉街全体で十数人に減少。被災者の生活再建と自立に向けた動きとはいえ、深刻な風評被害に苦しむ旅館・ホテルは、収入の見通しが立たなくなった。
自力で営業を続ける旅館・ホテルもツアー客が見込めず、苦境に立つ。約70室の山水荘は8月の売上高が前年の約6割にとどまった。紅葉が見ごろの10〜11月も「半分程度」と見込む。
原発事故が観光業に与えた風評被害に対し、東京電力は21日、損害賠償の算定基準を示したが、前年に比べた減収分の2割は賠償の対象外とされた上、支払いは10月以降。国の支援策の内容も依然不透明だ。
町内会などでつくる住民組織「自治振興協議会」は10月、「土湯温泉町復興再生協議会」を発足させる。廃業した旅館の従業員寮などを放射線量の高い地域の住民の避難先に活用するといったアイデアを練るという。自治振興協議会の委員でもある土湯温泉観光協会の渡辺和裕会長(61)=山水荘社長=は「地域再生を住民全体で考えたい」と話している。
(安達孝太郎)
福島産花火の打ち上げ中止
- 「福島産花火風評被害で打ち上げ中止」 nikkansports.com, 2011年9月20日8時42分 紙面から
放射能汚染の風評被害が、ついに花火にまで広がった。愛知県日進市で18日夜に行われた花火大会で、福島県川俣町で作られた花火の打ち上げを、放射性物質の拡散を心配する市民から苦情を受けた実行委員会が中止していたことが19日、分かった。「にっしん夢まつり・夢花火」というイベントで、川俣町の菅野煙火店製の花火80発を打ち上げ、東日本大震災の復興を支援する意向だった。日進市役所にはこの日、全国から苦情の電話が相次いだ。
日進市の花火大会では、東北被災3県の花火を含め、計2000発の打ち上げを予定していた。このうち菅野煙火店製の80発の花火を愛知県内で製造された花火に差し替えた。岩手、宮城両県の花火は予定通り打ち上げられた。日進市役所ではこの日午後、全国から約40件の電話を受け、約7割が「どうして福島産の花火を打ち上げなかったのか」などの苦情だったという。同市産業振興課の担当者は「今日(19日)は祭りの後片付けをする予定でしたが、午後は苦情の処理をしています」と話した。
16日の新聞紙上で福島県の花火の打ち上げ予定を知った市民から「汚染された花火を持ち込むのか」などと、電子メールや電話が市に寄せられた。市や商工会で構成する実行委員会が打ち上げ中止を決め、17日に萩野幸三市長(69)に伝えた。市は「苦渋の選択だったが、市民が不安を感じる状況で打ち上げは難しい」と判断。萩野市長は「抗議が相次ぎ打ち上げられなかったことは残念。福島の皆さんには深くおわび申し上げたい」と語った。
菅野煙火店がある川俣町の一部は原発事故による計画的避難区域に指定されているが、同店は区域外の低線量地域にある。菅野忠夫社長(77)は「悔しい思いでいっぱい。福島から愛知に避難されている人も多いと聞き、花火を見てもらって元気づけたかった」と無念そう。従業員の1人は「明治時代からやっている店ですけど、打ち上げ中止なんて初めて。今年の夏以降は、いつも通りに全国に出荷しているのに」と信じられない様子だった。花火は食品のように体内に入るものではないため、放射性物質の飛散を恐れて打ち上げをやめるのは、行き過ぎた反応という見方が強い。実行委員会はこの日の会合で、福島の花火80発を買い取ることを決定。今後の検査で放射性物質が検出されなければ来年の大会で打ち上げる意向を固めた。問題が1年も先送りされるところに風評被害の根深さを感じさせた。
- 「福島産花火の打ち上げ中止 「放射能の恐れ」愛知・日進」 asahi.com, 2011年9月19日17時48分
愛知県日進市の市役所周辺で18日夜あった花火大会で、福島県産の花火に対して市民らから「放射能をまき散らす恐れがある」などの声が寄せられたため、打ち上げを中止したことが19日わかった。
大会には11万人が来場し、約2千発が打ち上げられた。福島県川俣町の業者がつくったスターマイン1基(80発分)も打ち上げる予定だった。しかし、地元商工会や市職員有志らでつくる実行委員会によると、17日昼過ぎから電話やメールで市民らから「汚染された花火を使うな」など約20件の抗議や苦情が寄せられたという。実行委は放射能を測定する機器がないなど「大会までに安全性が確認できない」と中止を決め、愛知県内の業者の花火に替えた。
花火大会は昨年、7年ぶりに復活した。今年は東日本大震災の「復興支援」がテーマで、日進市に転居した被災者43人を特別席に招待し、18人が鑑賞した。実行委は「普通は花火の産地まで公表しないが、今回は東北3県の業者名をチラシに入れたことで注目を集めたのかもしれない」という。
市は花火を含む祭りに850万円を補助して、事務局を担当。萩野幸三市長は「市民の安全を守るのが市なので、実行委の判断を受け入れた。難しい決断だったと思う」と話した。
川俣町は一部が原発事故で計画的避難区域に指定されているが、花火を作った業者は区域外にあり、敷地内の放射線量は避難の目安となる基準を大きく下回っている。業者は「東海地方に避難している人もおり、福島の花火だと喜んでもらえると思い協力したのに残念」と話した。
- 「花火大会:福島産打ち上げ中止 愛知・日進市に抗議殺到」 毎日新聞 2011年9月20日 12時52分(最終更新 9月20日 13時40分)
愛知県日進市で18日にあった花火大会で、実行委員会が福島県産の花火の打ち上げを中止したことに対し、実行委事務局を務める同市に「なぜ中止にしたのか」という抗議電話やメールが殺到している。19日から20日にかけて電話約100件、メール約200件が寄せられ、ほとんどが批判という。実行委は、打ち上げなかった福島産の花火を来年の同じ花火大会で打ち上げる方向で検討を始めた。
実行委は「打ち上げで放射性物質が拡散するのでは」などと心配する市民の電話約20件があったため、福島産花火を別の花火に差し替えた。市によると、批判は「20件だけの意見にもかかわらず中止にして、より広い影響を与えたのは判断の誤りだ」「過敏に反応する人に配慮するのはいいが、差し替えの必要はない」などの内容が多いという。
担当の市産業振興課は「福島の花火を中止したのは、放射線量の確認が間に合わなかったためで、危険だからではない。だが、そういう受け止め方が広まってしまっており、中止は失敗だった」と話している。【岡村恵子】
- 「「何が正しいか分からない」日進市長謝罪、課題残した花火問題 福島」 産経ニュース、2011.9.23 02:08
愛知県日進市の花火大会で、川俣町製の花火の打ち上げが中止された問題は、目に見えない放射能への不安を打ち消すことの難しさを改めて知らしめた。
22日、川俣町を訪れた日進市の萩野幸三市長は、声をつまらせながら「心よりおわびしたい」と古川道郎町長と花火を製造した菅野煙火店、菅野忠夫代表に謝罪した。
会談後、インタビューで中止を判断した是非を繰り返し問われた萩野市長は、何度も答えに詰まり、最後に「正しい判断でなかった。放射能の問題をしっかり整理し、客観性をもって判断すべきだった」と対応の甘さを認めた。
ただ、市長は「正直何が正しかったのかいまだに分からない」とも述べ、「市民の不安」と「被災地の思い」の板ばさみで苦しい選択を迫られたつらさを漏らした。
花火大会は、市民有志や商工会でつくる実行委員会が主催し、市の権限で対応できない部分も多かったようだ。
会談で古川町長は「町には計画的避難区域の山木屋地区もあるが、菅野さんの工場はまったく別の場所だ。花火は昨年に製造されており工場の管理もしっかりしていた」と説明。
さらに、作業場の空間線量率が最高でも毎時0・45マイクロシーベルトにすぎず、花火表面の放射線量も微量だったデータを示して理解を求めた。
県内ではこうした放射線への知識はかなり定着している。しかし、愛知県では行政当局でも、安全性の判断ができず、結局、一部市民の強い声に押し流されたようだ。
市長は新たな風評被害を招いた責任を認め、町側が求めた市民への啓発などに努力する考えも示している。また「謝罪を寛容に受け入れてくれた町長や菅野さんに感動した。市のイベントで川俣の名産品を積極的に販売したい」と交流への意欲を訴えた。
だが、正しい理解を深め、しっかりした判断基準を持たなければ、同じ過ちを繰り返すおそれもある。復興支援に水を差さないためにも、全国の行政トップは放射線について学び、福島側も安全性を丁寧に説明する努力が求められる。(中川真)
- 「福島県内製造の花火の放射線量の測定結果及び放射能検査の分析結果等について」 (測定日 平成23年9月21日) 日進市
「にっしん夢花火実行委員会」より下記のとおり、調査依頼をした専門業者(名古屋市内)による花火の放射線量測定結果等の報告がありました。
市は、花火の安全性が確認できましたことを、皆様にお知らせするとともに、実行委員会とこの花火の打上げに向けた計画を進めてまいります。
福岡で「ふくしま応援ショップ」開店中止
- 「福岡の福島応援店、放射能心配と出店中止に」 2011年9月8日12時23分 読売新聞
東京電力福島第一原発事故の風評被害で苦しむ福島県の農家らを支援しようと、福岡市西区の商業施設「マリノアシティ福岡」で17日に予定されていた「ふくしま応援ショップ」の開店が、中止されることになった。
出店を計画していた同市の市民グループ「ふくしまショッププロジェクト」に、「福島からトラックが福岡に来るだけでも放射性物質を拡散する」といったメールや電話が相次いだためで、同団体は新たな出店先を探すという。
同団体によると、農産品の宅配を行う「九州産直クラブ」(福岡市南区)と連携し、マリノアシティ内の農産品直売所「九州のムラ市場」の一角で開業する予定だった。生鮮食料品の取り扱いをやめ、福島県の生産者から仕入れたジャムや梅干し、乾めんなどの加工品を販売する計画で、放射線量が国の暫定基準の10分の1以下であることが確認されたものに限る方針だった。
8月26日に出店を発表したところ、同団体などに「出店するなら不買運動を起こす」など、放射能に汚染された食品が福岡に持ち込まれることを不安視するメール十数件と電話が多数寄せられたという。今後、同団体は別の出店先を探し、通信販売を検討するという。
同団体の石井洋平事務局長(31)は「出店の契約を交わしていた九州のムラ市場側から、受け入れ断念を通告された」と説明。「安全が確認されたものだけを販売する予定だっただけに残念。何とか福島の生産者を支援する方法を探したい」と話した。
これに対し、同市場は「契約は成立しておらず、双方の話し合いで白紙に戻すことになった」と反論している。
- 「福島支援ショップ、開店中止 福岡、反対の声受け」 asahi.com, 2011年9月8日22時20分
東京電力福島第一原発事故で苦しむ福島の農家支援のため、福岡市内で17日に開店予定だった産地直送品の販売店「ふくしま応援ショップ」が、施設側の要請で出店を取りやめた。「福島からのトラックは放射能をばらまく」などと書かれたメールや出店に反対する電話が相次いだためという。運営側は8日、福岡市役所で記者会見し、「これが風評被害というものか」と悔しさを語った。
店を運営する市民グループ「ふくしまショッププロジェクト」によると、メールは出店を予定していた農産物直売所「九州のムラ市場」が入る商業施設「マリノアシティ福岡」(福岡市西区)と、プロジェクトに参加している食品宅配組織「九州産直クラブ」に届いた。「九州に福島の物を持ち込むな」「地域の汚染が広がる」などの内容で、出店発表後に計15通が届いたという。7日にムラ市場から「今回は出店を見送って欲しい」と連絡があり、出店を取りやめたという。
ムラ市場の担当者は「独立店舗ならまだしも、他店舗もあるので変なことになると困ると判断した。ショップ側とは話し合って出店を取りやめた。出店契約は成立していない」としている。一方、プロジェクトは会見で契約書を示し、「契約はしていた」と話した。
プロジェクト責任者の吉田登志夫さんは「商品は震災前の収穫物で作った梅干しやラーメンなどの加工品。それでもさらに放射線量を測って販売する計画だった」と話した。
JA福島中央会の担当者は、「放射線量が国の暫定基準を上回る農産物は流通させていないことを踏まえても、福島の農産物を『非』とする方もいる。ただ、消費者の方が買うか買わないかを判断する以前に、店頭に並べないとすると残念。応援して下さる団体には感謝しています」とコメントした。
福島からトラックが来たくらいでは、放射性物質は拡散しない。
筑波大の既婚女性アンケ
- 「放射性物質:コメ風評被害深刻 筑波大の既婚女性アンケ」 毎日jp, 2011年9月3日 15時1分 更新:9月3日 16時50分
東京電力福島第1原発に近い産地の今年の新米について、「放射性物質が検出されなくても買わない」という都市部の女性が関東で3割、関西では4割に上ることが専門家の調査で分かった。セシウム汚染拡大による主食への風評被害の深刻さが浮かび、専門家は「生産者の経済的被害を軽減するため、消費者意識を踏まえた対策を急ぐ必要がある」と提言している。
筑波大大学院の氏家清和助教(食料消費分析)が8月上旬、東京、大阪とその周辺で20〜69歳の既婚女性を抽出してアンケートを実施し、2089人から回答を得た。
質問は、5キロ2000円の汚染の恐れがないコメ(A)と、福島第1原発に比較的近い産地のコメ(B)の2種類が売られていた場合、Bがいくらならば買うかを尋ねた。Bについては放射性物質の検出値を(1)不検出(2)国の暫定規制値(1キロあたり500ベクレル)の100分の1以下(3)同10分の1(4)同2分の1(5)規制値以下−−の5パターンに分けた。
その結果、価格にかかわらず「不検出でも買わない」という人の割合は関東で34.9%、関西では44.7%。規制値の10分の1では「買わない」が関東で52.9%、関西では60.4%に上った。
一方、関東では「不検出ならAと同額以上でも買う」が28.9%おり、規制値の500ベクレルに近い値が検出されたとしても「Aより安ければ買う」も31.3%いた。
氏家助教は「国の暫定規制値が安全かどうかはともかく、消費者を安心させる指標にはなっておらず、特に被災地から遠い関西の風評被害が厳しい」と指摘。それでも検出値が低ければ買う人の割合が増えていくことに注目し、「適正な検査を行い結果を明記すれば、より高い価格で売れる可能性がある。当面は消費者に汚染の程度を細かく伝えることが、経済的被害の軽減につながる」と提言している。【井上英介】