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放射能2 (東日本大震災)

東日本大震災・デマ・風評被害・陰謀論






 震災と原発事故後の南相馬、相馬両市民への健康影響について、相馬中央病院などの研究チームが震災後5年間のがんによる死亡率を調査し、震災前と比べて増加傾向はみられなかったとする結果をまとめた。

 

 7日、相馬市で開幕した「こどもと震災復興国際シンポジウム」で、同病院の森田知宏医師が結果を示し「(原発事故の被災地では)放射性物質が降り注いでがん患者が増えたとの声もあるが、研究結果からはがんで亡くなった人は増えていない」と説明した。

 

 研究チームは厚生労働省の人口動態統計などを利用し、2006(平成18)〜14年の年ごとのがんによる死亡者数などを比較した。10万人当たりのがん死亡率は06年が男性184人、女性100人だったのに対し、14年は男性166人、女性86人と震災前より減少。がんを含む全ての死亡率では、06年は10万人当たり男性599人、女性329人なのに対し、14年は男性523人、女性302人だった。どちらも医療の発達などにより死亡率が低下したと分析している。



 経過観察を行った結果、5183人が病気により死亡した。

 

 生存している子どもの年齢の平均は経過観察終了時点で53.1歳であった。約1万6000人(23%)が60歳以上だった。両親の生殖系への放射線被ばく量の平均は264ミリグレイという水準だった。母親の生殖系の放射線被ばくと、子どものがんによる死亡リスク、がん以外の病気による死亡リスクとの関係は認められなかった。

 

 同様に、両親の放射線被ばくは、子どものがんによる死亡リスク、がん以外の病気による死亡リスクに影響を及ぼしていることを示すものもなかった。両親の放射線被ばくと出産までの期間は死亡リスクに影響を及ぼしていなかった。

 

 結論として、広島・長崎の原爆の被爆者の子どもについては、62年後に有害な健康被害を示すものはなかったとまとめている。放射線の影響については、研究を進める方針という。


 福島県平田村のひらた中央病院などのグループは9日までに、東京電力福島第1原子力発電所事故を受け、福島県を中心に子供2707人の内部被曝(ひばく)を調べた結果、体内から放射性セシウムが検出されたケースはなかったと発表した。事故後、子供を対象とした大規模な内部被曝の調査は初めて。


 東京電力福島第一原発事故を受けた県の「県民健康調査」で、平成23〜25年度の3年間で県内の新生児に先天奇形・異常が発生した割合は一般的な発生率と差がなかった。一般的発生率は3〜5%とされるが、県内は2%台だった。12日、福島市で開かれた同調査検討委員会で報告された。委員会関係者は「県内で放射線の妊産婦への影響は考えにくい」と指摘している。

 23年度からの3年間で、早産や低出生体重児が生まれる割合も全国的な傾向と差はなかった。

 県民健康調査の妊産婦調査室長を務める福島医大産科婦人科学講座の藤森敬也教授は「一般的に知られている数字と発生率は変わらず、放射線の影響は考えにくい。ただ、今後も調査を継続し、分析していく必要がある」と話している。

 放射線の妊産婦への影響は考えにくいとされたことを受け、県産婦人科医会の幡研一会長=福島市・明治病院理事長=は「調査結果を全国に発信していくのが重要」と指摘している。


 【ベルリン時事】東京電力福島第1原発の事故が住民の健康に及ぼす影響を調べていた国連放射線影響科学委員会は2日、事故によりがんの発生率が明確に高まることはないとの見通しを示した報告書を発表した。一方で、原発周辺にいた子供については、理論上は甲状腺がんの危険が高まる恐れがあり、今後も詳しく調査する必要があると強調した。

 報告書は「事故による被ばくが原因で、がんの発生率や遺伝性疾患に将来、明確な変化が起きるとは見込まれない」と指摘。先天性障害を持つ新生児の割合も増えないとの見解を明らかにした。

 報告書は、80人以上の専門家が日本政府や国際機関の観測データ、研究者の論文などを基にまとめた。福島県飯舘村などの避難指示区域では、事故後1年の大人の被ばく線量は最大9.3ミリシーベルト、1歳児は同13ミリシーベルトと推定。がんのリスクが高まるとされる100ミリシーベルトを下回った。同委は「事故後に住民を迅速に避難させたため、がん発生率への影響を抑えられた」と日本の対応を評価した。

 一方、報告書は事故の動植物への影響は原発周辺にとどまると分析。長期的な影響はほとんどないと結論付けた。

ウィーン、2014年4月2日(UN Information Service)− 本日新たに、2011年の福島第一原子力発電所事故が起こった後もがんの発生率は安定したレベルを保つ可能性が高いとする国連報告が発表された。

 

「2011年東日本大震災後の原子力事故による放射線被ばくのレベルとその影響」と題された当該報告書は、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)により作成された。

 

報告では、福島原発事故の結果として生じた放射線被ばくにより、今後がんや遺伝性疾患の発生率に識別できるような変化はなく、出生時異常の増加もないと予測している。

 

その一方、最も高い被ばく線量を受けた小児の集団においては、甲状腺がんのリスクが増加する可能性が理論的にあり得ると指摘し、今後、状況を綿密に追跡し、更に評価を行っていく必要があると結論付けている。甲状腺がんは低年齢の小児には稀な疾病であり、通常そのリスクは非常に低い。

 

「人々が自身や自分の子どもの健康への影響を懸念するのは当然のことである」とUNSCEARの議長、カール=マグナス・ラルソン氏は述べ、「しかし、本委員会は、今回の評価に基づき、今後のがん統計に事故に伴う放射線被ばくに起因する有意な変化が生じるとは予想していない」との見解を示している。

 

これらの解析結果は、様々な集団(小児を含む)の被ばく線量の慎重な推定と放射線被ばくを受けた後の健康影響に関する科学的知見に基づいている。

 

解析によれば、対象とした集団のがん発生率への影響は小さいと予想されるとし、これは日本の当局側が事故後に講じた迅速な防護措置に拠るところが大きいとしている。

 

委員会は、報告された作業者の被ばくについても解析を行い、また、一部の作業員の被ばくを独自に評価した。委員会の評価は、報告された線量と概ね一致したが、事故の初期段階での被ばくについては不確かさが残っている。「本委員会は、がんや他の疾病の識別できる増加は予想されないと結論を出している」と、本評価の議長であるウォルフガング・ワイス氏は述べている。

 

委員会は、また、陸上および海中の生態系への放射線被ばくの影響を評価し、影響があるとしても、いずれも一過性のもので終わるとみている。

 

海中の生態系については、植物相と動物相が影響を受ける可能性は、原子力発電所に隣接する海岸域に限定され、長期的に影響が及ぶ可能性はごく小さいと予想された。

 東京電力福島第1原発事故を受け、福島県が当時18歳以下だった子どもを対象に実施している甲状腺検査で、18人が甲状腺がんと確定したことが分かった。6月の発表から6人増えた。福島市で同日開かれた「県民健康管理調査」検討委員会で、県が明らかにした。検討委は「原発事故の影響があるとは思っていない」としている。

 県によると、2011年度の検査で2人、12年度に4人が新たに甲状腺がんと確認された。他に両年度で25人が「疑いがある」とされた。

 甲状腺検査の対象は約36万人。これまでに約21万7000人が受診した。

 一方、検討委は、県民の間で甲状腺がんへの不安が高いことを踏まえ、検査や治療に関わっていない第三者の専門家が検査結果を検証する部会を新設する方針を示した。

 東京電力福島第1原発事故当時18歳以下だった子どもの甲状腺検査で、新たに9人にがんが見つかったことが5日、福島市内で開かれた福島県の「県民健康管理調査」検討委員会で明らかになった。同委は「被ばく線量や潜伏期間など、どれを取っても事故の影響は当てはまらない」として事故との関連を否定している。

 新たに甲状腺がんが確認されたのは、2011、12両年度の検査を受けた9人。これまでの検査で判明した3人を含め、計12人になった。このほか、15人が疑いのあるケースとされた。

 この27人はいずれも当時9歳以上。福島県立医大の鈴木真一教授は、チェルノブイリ事故では事故時0〜3歳を中心に4年後から見つかったと指摘。「まだ(腫瘍は)できにくい時期。さらに、幼い層からまだ見つかっていない」と述べ、原発事故の影響に関し否定的な見方を示した。

東京電力福島第一原子力発電所の事故を調査している国連の科学委員会は、住民の甲状腺への被ばくは、最大でも旧ソビエトのチェルノブイリ原発事故の60分の1以下で、明らかな健康への影響は考えにくいとする報告書の案をまとめました。

 

世界の放射線医学などの専門家で作る国連の科学委員会は、福島第一原発の事故に関するさまざまなデータを集め、周辺の住民が被ばくした放射線量を推計しました。このうち、放射性ヨウ素による影響を最も受けやすい甲状腺の被ばくは、1歳の子どもで、原発から""30キロ圏内にいて事故後に避難した場合は、最大82ミリシーベルト、もともと30キロ圏の外側にいた場合は、最大66ミリシーベルトになるとしています。

この値はチェルノブイリ原発事故の60分の1以下で、健康への配慮が必要とされる国際的な目安の50ミリシーベルトを上回っていますが、甲状腺がんが増えるおそれがあるとされる100ミリシーベルトは下回っています。

国連科学委員会は、福島では放射性ヨウ素の放出量がチェルノブイリ原発事故の3分の1以下と推定されるうえ、事故発生直後からの避難や食品の規制が行われたため、被ばくが抑えられたとしています。こうしたことから、報告書の案では、全身の被ばくを考慮しても福島第一原発周辺の住民には、放射線による明らかな健康への影響が出るとは考えにくいと結論づけています。

国連科学委員会は、この報告書案にさらに検討を加え、ことし9月の国連総会に提出することにしています。

 【ジュネーブ時事】日本政府は27日、東京電力福島第1原発事故による住民らへの被ばく問題に関する国連人権理事会のアナンド・グローバー特別報告者の勧告に多くの誤解があるとして、文書で反論した。勧告の公表前に誤りを指摘したものの、一部しか修正されなかったという。

 特別報告者は、健康管理調査の対象者の拡大、低線量被ばくによる長期的影響などについて報告。この中で、「日本政府は年間被ばく線量が最大20ミリシーベルトまでなら居住しても安全と明言した」と主張した。しかし実際は、そうしたことは認めていない。

 また、特別報告者は日本政府の健康面への影響評価方法に疑問を呈した。しかし、日本政府は、国際的な安全基準を勧告する国際放射線防護委員会(ICRP)の見解に従っており、問題はないとの立場だ。岡田隆ジュネーブ国際機関代表部大使は人権理で「科学的、法的見地からの誤解を指摘したが、報告書には反映されていない」と遺憾の意を表明した。

 【ジュネーブ=石黒穣】東京電力福島第一原子力発電所事故で放出された放射性物質による住民らの被曝ひばくについて、「原子放射線の影響に関する国連科学委員会」(UNSCEAR)による評価の報告書案が27日判明した。

 

 福島県民の甲状腺の最大被曝線量は、旧ソ連・チェルノブイリ原発事故(1986年)の60分の1以下で、現在の調査で見つかっている甲状腺がんの患者数は「被曝と無関係に発生する割合」だとしている。27日からウィーンで始まった同委員会の総会で議論し、9月の国連総会に提出される見通しだ。

 

 各国の放射線医学の専門家ら約90人が参加して評価した。放射性物質の大気への放出量は、ヨウ素131がチェルノブイリ事故の3分の1未満、セシウム137が同4分の1未満と推計された。米スリーマイル島の原発事故(79年)と比べると「かなり深刻な事故」と指摘した。

 

 事故後1年間に1歳児(当時)が甲状腺に受けた被曝線量は、福島県内の避難区域外では1人あたり33〜66ミリ・シーベルト、区域内では20〜82ミリ・シーベルト。大人は区域外で8〜24ミリ・シーベルトとなった。いずれも、甲状腺がん発生のリスクが上がるとされる100ミリ・シーベルトより少なく、チェルノブイリ事故の一般的な避難者の最大値5000ミリ・シーベルトを大きく下回った。報告書案は、避難によって「最大500ミリ・シーベルトの被曝を避けることができた」とし、「被曝線量が低く、福島はチェルノブイリではない」と説明している。

福島の甲状腺がん50倍?

 ■過剰診断とみるのが合理的 津金昌一郎さん 国立がん研究センターがん予防・検診研究センター長

 

 日本全体の甲状腺がんの罹患(りかん)率(がんと診断される人の割合)から推計できる18歳以下の有病者数(がんの人の数)は福島県の場合、人口から見て2人程度。実際にがんと診断された子どもの数は、これと比べて「数十倍のオーダー(水準)で多い」とは言える。

 

 数年後に臨床症状をもたらすがんを前倒しで見つけているという「スクリーニング効果」だけでは、この多さを説明できない。現時点では放射線の影響で過剰にがんが発生しているのではなく、「過剰診断」による「多発」とみるのが合理的だ。

 

 過剰診断とは、将来的に症状が現れたり命を脅かしたりすることのないがんを診断で見つけてしまうこと。がんの中にはゆっくりと成長するもの、そのままの状態にとどまるもの、そのうち小さくなったり消えたりするものもある。

 

 大人の甲状腺がんについては韓国の報告などで、過剰診断による増加が明らか。精度の良い検査の普及などで韓国では1年間に甲状腺がんと診断された人は1993〜2011年の18年間で15倍に増えたが、亡くなる人の数はほとんど変わらない。

 

 子どもの甲状腺がんについてのデータは、これまでほとんどない。しかし、大人の甲状腺がんや子どもの他のがんの観察から、がんは成長するだけでなく、小さくなるものもあることがわかっている。

 

 一方、放射線の影響という主張に対し、私がそうではないと考える一番の理由は、地域ごとの放射線量とがんと診断された子どもの数が比例する「量―反応関係」が見られないと判断できるためだ。現時点では疫学的にはデータが少なすぎ、放射線量が高かった地域ほど、がんの子どもの割合が高いとは評価できない。

 

 そもそも「多発」の原因が被曝(ひばく)なら、数十倍というオーダーの増加は相当の大量被曝を意味する。しかし、福島県民の被曝線量はチェルノブイリ原発事故による住民の被曝線量と比べて低く、過去の経験や証拠からそうとは考えにくい。被曝から発症・多発までの期間も早すぎる。放射線が原因の可能性はゼロではないが、極めて低いと考えるのが自然だ。

 

 これらを明確にするためにも調査は続けるべきだ。ただ、過剰診断が強く疑われる現状では、調査を県外にまで広げるべきではない。たとえ1人が利益を受けたとしても、それよりはるかに多い人が本来診断されないがんを発見され、治療を受ければ、生活の変化を含めて様々な不利益を被ることになる。福島県の子どもたちの場合でも、がんが見つかってもすぐに治療せず、様子を見ることも検討すべきだ。福島県で甲状腺がんで亡くなる人は、死亡率からみて40歳まででも1人以下である。

 

 現行の検査を続けながら、放射線の影響の有無について冷静に分析する必要がある。これは、国の責任でやるべきことだ。

その上で、まずこの論文は、主に3つの点で克服できない問題を抱えています。1つは、放射性ヨードの被ばく量推定が難しいこと。2つめは、放射線の推定被ばく量類推値と甲状腺がんの発症率との間に相関がみられていないこと。3つめは、福島と比較するためのコントロール群が適切でないことです。

 

もちろん限られたリソースの中で最善の結果を得ようとされた研究者の努力は買われるべきでしょう。しかし、この論文をそのまま紹介して、報道関係者が

「福島でがんが何十倍も増えている」

と安易に報道し、住民の方々をいたずらに傷つけることだけは控えるべきだと思います。

内部被ばく2万人99%で不検出

発表のポイント

 

福島県内でホールボディーカウンター(以下WBC(注1))を用いて三万人以上の体内セシウム量を測定し、チェルノブイリ事故で得られた知見に基づく予想よりも、内部被ばくが遙かに低いことを明らかにした。

特に、2012年秋に三春町の小中学生全員を測定したところ、検出限界を超えた児童生徒は皆無であった。サンプリングバイアス(注2)が無い測定により福島の内部被ばくが低いことが示されたのは、これが初めてである。

現在の福島県内の日常生活において、食品からの慢性的な放射性セシウム摂取が非常に低く抑えられていることが示された。

 東京電力福島第1原発事故で土壌が汚染された福島県などで昨年、約2万2000人の内部被ばくを調べたところ、99%でセシウムが検出されなかったことが11日、分かった。早野龍五東京大教授らが日本学士院紀要に発表した。

 調査では、チェルノブイリ原発事故で土壌が同程度に汚染された地域に比べ、内部被ばくの度合いが100分の1程度と低いことが判明した。早野教授は、▽土質により農作物が放射性物質を取り込みにくい▽食品の検査が適切に行われている▽住民が食事に気を配っている−ことが要因と分析、「食品や内部被ばくの調査を続ける必要がある」としている。

 早野教授は福島県内の病院と共同で2012年3〜11月、検査機器「ホールボディーカウンター」を用い福島県や茨城県の住民を調査。99%で、セシウム137の値が検出限界(全身で300ベクレル)を下回った。残り約1%の212人は、平均で体重1キロ当たり約10ベクレルが検出された。15歳以下の子どもに限れば、検出率は0.09%だった。

 東京大の早野龍五教授らは10日、東京電力福島第1原発事故による住民の内部被曝(ひばく)の状況を調べた結果、2012年5月以降、15歳以下の1万人からは放射性セシウムが検出されなかったと発表した。

 

 成人を含めた約3万3千人では、検出された人の割合は同年3月以降で1%程度だった。食品の検査が適切に実施され、住民も食事に気を配っていることなどが要因とみている。

 

 早野教授らは11年10月〜12年11月、福島県平田村の病院に設置した「ホールボディーカウンター」と呼ぶ機器を使い、福島県や茨城県などの住民延べ3万2811人を調査した。

 

 11年11月と同12月は15%から放射性セシウム137が検出された。12年3月、衣服の汚れなどの影響を取り除くため、検査着に着替えて体内被曝量を測る方法に変更した後は平均で1%程度になった。15歳以下に限ると、12年3〜4月に計12人から検出されたが、5月以降は1人も検出されなかった。

 

 旧ソ連のチェルノブイリ原発事故による土壌汚染量に基づいた試算では、食品由来の内部被曝は年間5ミリシーベルト程度になると予想されていた。今回は高くても1ミリシーベルト程度で大幅に下回った。

 

 調査では、データが偏らないよう福島県三春町については小中学生のほぼ全員を測った。早野教授は「内部被曝が低い住民だけを抽出した結果ではないので、信頼できる数字だ」と話している。

リーフレット「きちんと知っておきたい放射線のこと」

 県は、放射性物質による環境への影響などを分かりやすく解説したリーフレット「きちんと知っておきたい放射線のこと」を作製した。三万一千部を県の施設や市役所、町役場などで配布する。

 東京電力福島第一原発事故から二年がすぎ落ち着きを取り戻してきたが、これまでの取り組みを総括し、あらためて現状を把握してもらうのが目的。「県内の環境モニタリング状況」「放射線や日常生活に関すること」に分け、Q&Aにまとめた。

 県内全ての二十六市町に二十九カ所の「モニタリングポスト」を設けており、三月末時点の空間放射線量は一時間当たり〇・〇四〜〇・一七マイクロシーベルトで推移。現在、雨やちりに放射性物質はほとんど含まれず、河川や地下水からも検出されていないとした。

 周囲で測定されている一時間当たりの空間放射線量を基に計算すると、おおよその一年間の外部被ばく線量を知ることができることも紹介。「環境中の放射性物質は時間経過とともに減少していくので、被ばく線量は年々少なくなる」と、健康への影響は少ないとも説明している。

 リーフレットの配布先などの問い合わせは県環境保全課=電028(623)3188=へ。(神田要一)

県外避難者が離婚を迫られる「過酷な現実」

 「帰って来ないなら離婚するといわれた」

 

 福島県から自主避難していた20代の妊婦が寄せた相談だ。同居を望む夫からの“通告”にどうしていいかわからないという。

 

 また、東京から母子避難している女性からの相談は、夫から突然、離婚調停の紙が届いたという内容だった。

 

 さらには、別の母子避難中の女性からは、夫から仕送りが止まったので仕事を見つけたいが、保育所になかなか入れないという相談もあった。

 

 震災による東京電力福島第1原発事故などを受け、西日本に避難している人らでつくる県外避難者連絡会「まるっと西日本」(大阪市)が昨年12月、約700人を対象にアンケートを実施した。回答者は、母子避難88人、家族避難80人、単身避難14人だった。

 離婚にまで関係が悪化した原因の多くは、子供の低線量被曝(ひばく)に対する夫婦間の考え方の違い。この意見の相違に溝ができ、なかなかその溝が埋まらない人が多い。「離婚するか。(地元に)帰るか」という選択を突きつけられ、葛藤(かっとう)している母親たちは少なくないという。

 母子避難の家庭だけでなく、家族で避難してきた場合でも、仕事がなかなか見つからないことから家庭内での夫婦のいさかいが絶えず、離婚を考えているケースがあるという。

 

 アンケート結果ではこのうち、「避難が離婚の原因になりますか」との質問に42人が「離婚の可能性がある」と回答、3人が「離婚した」と回答した。

子供甲状腺検査 福島と県外で大差なし

 環境省は8日、原発事故による放射線の影響を調べるため福島県が始めた子どもの甲状腺検査と比較するため、福島県以外で実施した同様の検査の結果(速報値)を公表した。福島では対象者の41%で甲状腺にしこりなどが見つかったのに対し、県外では57%。環境省は「放射線の影響により福島県内の子どもにしこりなどができる割合が特段高まったとは言えなさそうだ」と分析している。

 

 県外の検査は、事故による放射線の影響が少なく甲状腺の専門家がいる青森県弘前市、甲府市、長崎市で3〜18歳の4365人を対象に、昨年11月から今月まで超音波を使って実施。その結果、比較的小さな5ミリ以下のしこりや20ミリ以下の「のう胞」(液体がたまった袋)は57%に見つかった。しこりやのう胞は健康な人にもあるが、大きいしこりはがんの可能性がある。

 

 福島県では今年1月までに0〜18歳(震災時)の13万3089人が甲状腺検査を受け、小さなしこりなどが見つかった人は41%だった。県外での数値が大きかったことについて環境省は「(しこりが見つかりにくい)0〜2歳を対象にしていないことなどが原因」と説明した。【比嘉洋】

東日本大震災:福島第1原発事故 健康調査に不備 国連専門家「地域と項目が狭い」」 

毎日新聞 2012年11月27日 東京朝刊

 東京電力福島第1原発事故被災者の健康を巡る問題を来日調査していた国連の専門家「健康を享受する権利に関する特別報告者」アナンド・グローバー氏が26日、東京都内で記者会見し「福島県の健康管理調査は(対象地域や項目の)範囲が狭い。子どもの甲状腺検査の診断書を受け取れない親もいる」などと問題点を指摘した。日本政府の反論も踏まえ来年6月、国連人権理事会に報告書を出す。

 

 会見では同調査のうち、県民の外部被ばく量を推定する調査の回答率が「わずか23%」と批判。一方、内部被ばくについて研究者間でも評価が異なるとして「政府は用心深い姿勢に立ち、長期間の調査を行うべきだ」と注文を付けた。同調査検討委員会が秘密裏に開いていた準備会(秘密会)を巡っては「専門家だけではなく地域社会も関わらなければいけない」とプロセスの透明化を求めた。

 

 また、日本政府に対し、避難か帰宅か避難者が選べるような経済的支援や、高線量地域の除染計画の明確化などを要請するとした。

 

 インド出身弁護士のグローバー氏は15日来日。同県や、自主避難者が多い山形県などで被災者らに聞き取りをした。福島県郡山市の男性(54)は同氏に、市が進める除染作業で▽住民の被ばく対策が不十分▽汚染土類の保管場所がない−−と安全管理の不備を訴えた。取材に男性は「権利が侵害されている状態を第三者の立場から判断してほしい」と報告書への期待を語った。

3号機で4780ミリシーベルト=昨年11月より高く、福島第1−東電」 

jiji.com, (2012/11/28-20:08)

 東京電力は28日、福島第1原発3号機原子炉建屋1階の北東エリアにロボットを投入し、放射線量を測定したところ、床表面付近で毎時最高4780ミリシーベルトに上ったと発表した。昨年11月にほぼ同じ場所の線量を計測した際は同1300ミリシーベルトだった。

 東電によると、調査は27日に実施。ロボット2台を入れ、約1時間40分にわたり、線量の測定や状況確認を行った。東電社員や協力企業の作業員計12人で調査を行い、最大の被ばく線量だった人は0.52ミリシーベルトだったという。

福島原発事故 がん増加可能性低い WHOが影響予測」 

2012年11月26日月曜日, 河北新報

 東京電力福島第1原発事故による、周辺住民の健康への影響を検討している世界保健機関(WHO)の報告書素案が25日判明した。福島県浪江町と飯舘村の乳児が将来、がんや白血病などを発症する危険性が上昇するとのデータも得られたが、実際の発症数が統計学的にみて有意に増加する可能性は、乳児以外の子どもや大人を含めて低いとした。

 素案が基にした被ばく線量推計は、付近住民が事故後4カ月間現地に住み続け、地元産の食品のみを食べたと仮定。ほとんどの住民は避難しており「線量は過大評価だ」との指摘もある。専門家の中には「将来の危険性は大きめに見積もってあるととらえるべきだ」との声もある。危険性の上昇についてWHOは「子どもの健康状態を監視する上で有益な情報になる」としている。12月にも最終報告をまとめる。

 素案では、WHOの別のチームによる住民の被ばく線量推計を基に、事故当時1歳と10歳、20歳の男女で、生涯と事故後15年間で乳がんや大腸がんなどの固形がんや甲状腺がん、白血病を発症する危険性を予測した。

 危険性が顕著に増したのは、浪江町、飯舘村の1歳女児で、すべてのがんについて生涯での発症危険性が上昇した。1歳男児も白血病の危険性が増した。1歳女児が16歳までに甲状腺がんになる可能性は、浪江町と飯舘村に加え、福島、二本松、南相馬、伊達の各市と川俣、楢葉両町、川内、葛尾両村でも高まった。

放射線観測ポスト、相次ぎ5台壊される…福島」 

(2012年11月13日14時48分 読売新聞)

 福島県内で、原発事故による空間放射線量を測定するモニタリングポスト(放射線観測装置)が壊される被害が相次いでいる。

 

 文部科学省が確認しただけで、今年6月以降、計5台。検出器自体は無事で、測定に影響は出ていないが、県警は器物損壊事件としてパトロールを強化している。

 

 文科省によると、6月下旬〜10月中旬、郡山市で3台、本宮、いわきの両市で1台ずつが壊された。いずれも、公民館や公園の敷地内に設置されたものだった。

 

 被害が最初に見つかった郡山市の公園のポストは、検出器を入れたプラスチック製カバーの扉部分が壊された。また、本宮市の公民館に設置されたポストは、電源となるソーラーパネルに、投石によるとみられるひび割れが、いくつも入っていた。

福島の女性調査:流産や中絶の割合、震災前後で変わらず」 

毎日新聞 2012年06月18日 22時57分

 福島県の妊娠数に対する自然流産と人工中絶の割合が東日本大震災前後で大きな変化はみられないことが、福島県立医大の今年1月末までの調査で明らかになった。調査した藤森敬也教授は、数字上は原発事故の影響やストレスで流産が増えたり、中絶を選ぶ人が増えたりしたという状況は確認できないとしている。

 

 放射能の妊娠・出産への影響に関する懸念が県民に広がっているのを受け、県内の産婦人科医院など78施設にアンケートを実施。震災前(昨年1月〜3月11日)と、震災後(3月12日〜今年1月)を四つの期間に分けた計5期間の診療件数を比較した。

 

 その結果、妊娠100件当たりの流産数は、震災前の10.1件に対し震災後は9.6〜11件で推移し、統計的に意味のある差はなかった。藤森教授は「自然流産は通常、妊娠の10〜15%起こるとされるので、その範囲内にある」と評価。中絶数も震災前の妊娠100件当たり17.8件に対し、震災後は17.3〜19.1件と明確な変化はみられなかった。

被爆2世の白血病、「両親が被爆」高い発症率」 

(2012年6月5日 読売新聞)

 広島への原爆投下から10年以内に生まれた被爆2世のうち、白血病を発症した人の割合は、父母のどちらかが被爆した人よりも、両親とも被爆した人で高いことが、鎌田七男・広島大名誉教授(血液内科学)らの研究でわかった。

 

 親の被爆状況や生活環境なども含めてさらに分析し、放射線の遺伝的影響が考えられるかどうかを慎重に調べる。

 

 鎌田名誉教授らは広島県や広島市が1973、74年に実施した調査を基に、73年までに生まれた同県在住の被爆2世を約12万人とした。このうち、95年までに、広島大などで白血病と診断された2世を94人(男性54人、女性40人)と確認した。

 

 被爆後10年以内に生まれた6万3117人の中で、35歳までに白血病を発症した人は49人。親の被爆状況別にみると、▽父のみ被爆は1万8087人中6人▽母のみ被爆が3万577人中17人▽両親ともに被爆は1万4453人中26人――で、両親がともに被爆した人の発症率が高かった。

 

 鎌田名誉教授は「今後、親が受けた放射線量や生活習慣などの要因も考慮して、解析する必要がある。被爆2世への遺伝的影響の有無が明らかになる手がかりになれば」と話している。

被曝量「健康へ懸念不要」県有識者会議最終評価」 

(2012年6月3日 読売新聞)

 放射線による健康への影響を検討する有識者会議の4回目の会合が2日、県庁で開かれた。県が実施してきた外部・内部被曝(ひばく)調査の結果から、県民の被曝状況について「健康への影響を懸念する状況ではない」との最終評価をまとめた。月内に最終報告書をまとめ、県に提出する。

 

 会議では、国の汚染状況重点調査地域を中心に県内10市町で3〜15歳の子ども計3054人に2か月間、個人線量計を持たせて実施した外部被曝調査の結果が報告された。

 

 累積線量が最も高かったのは那須塩原市の3人の0・4ミリ・シーベルトで、年間被曝線量(自然放射線量を含む)に計算し直すと最大3・9ミリ・シーベルトだった。世界の自然放射線量の平均は2・4ミリ・シーベルトで、「健康障害が心配される範囲ではない」との結論が示された。全体の45%(1383人)は0・1ミリ・シーベルト未満で、年間被曝線量は最大でも2・1ミリ・シーベルト未満と推測される。

 

 空間放射線量から推計していた年間被曝線量は0・65〜2・02ミリ・シーベルトだった。自然放射線量(年間1・5ミリ・シーベルト程度)を加味すると、個人線量計の調査から判明した実際の年間被曝線量は数値が低く、委員らは、空間放射線量から外部被曝線量を推計しても問題はないと確認した。

 

 最終報告書には、県民の不安払拭のための取り組みや、空間放射線量の計測の継続などを盛り込む。

 

 7月1日には大田原市の那須野が原ハーモニーホールで委員と県民が意見交換するシンポジウムを開く。4日から申し込みを受け付ける。定員350人。問い合わせは県健康増進課(028・623・3096)へ。

福島原発事故の健康被害は最小限か?」 

Japan Real Time - jp.WSJ.com、2012/3/3 12:15

福島第一原発事故は1986年のチェルノブイリ事故以来最悪の事態となったが、専門家によると、人体への影響という面では福島とチェルノブイリとでは 大きな違いがある。福島原発事故の後、被ばく線量が最も高いとされる放射性の煙を浴びた最初の1万人のうち、10ミリシーベルトを超えたのは73人に過ぎなかった。事故が発生した施設内で処置にあたっていた作業員でも、平均9ミリシーベルトにとどまっている。

 

それとは対照的に、チェルノブイリで石棺による封印作業を行った50万人の作業員の平均被ばく線量はその10倍以上だ。

 

調査団では、事故後に放出された放射能のレベルは発癌リスクを計測可能なほど高めるものではないことで概ね意見が一致しており、放射能を浴びた人が癌を発病するリスクは約0.002%、癌で死亡するリスクは0.001%高まると推定している。

この記事には3人の専門家、オレゴン州立大学のキャスリン・ヒグリー(Kathryn Higley)原子力工学教授、米放射線防護測定審議会の次期会長で、バンダービルト大学のジョン・ボイス(John D. Boice Jr.)教授、インペリアル・カレッジ・ロンドン客員教授のロバート・ピーター・ゲール(Robert Peter Gale)氏が登場する。

ゲール博士はチェルノブイリ原発事故でも、福島原発事故でも医療コンサルタントを務めている。同氏はインタビューで、福島原発事故に関して騒ぎ過ぎることがかえって周辺住民が元の生活や仕事に戻ることを難しくする可能性があると考えており、原発周辺地域出身者や生産品などが既に風評被害を受け、状況がますます困難になっているのは残念なことだと述べた。

 

日本政府は、福島県の子どもが20歳になるまで2年に1回超音波検査を行うプログラムを開始したが、ゲール博士はそれが果たしてよいことかどうか疑問視している。超音波を行えば何か異常が見つかかってそれが不要な生体検査やその他の検査につながる可能性がある。同氏は、政治的配慮が雪崩現象を引き起こし、よかれと思ってしたことがかえって害になる可能性があると懸念を表明した。

ゲール(ゲイル)氏は以下の記事にも登場する。

こうした主張に対して批判しているのは、元放射線医学総合研究所・主任研究官で反原発活動家の崎山比早子氏。

日本の専門家の間では、放射能の人体への影響についてはまだ多くが知られていないとして、この結論を疑問視する声も出ている。福島県民の多くは非常に長期にわたって低線量の放射能を浴びることになるが、元放射線医学総合研究所・主任研究官で反原発活動家の崎山比早子氏は、それがどの程度健康に被害を与えるのかは不明だとしている。

 

崎山氏によれば、安全な放射線量の基準を決めるモデルは、同じ放射線量でも長い時間をかけて被ばくする方が短期間に集中して被ばくするよりも健康被害は少ないといった、かなりあいまいな仮説に基づいているが、この仮説に疑問を呈する学術研究結果もあるという。

 

崎山氏は、こうした放射線の標準値が本当に正しいのかどうかわからないにもかかわらず、それがあたかも絶対であるかのように扱われていると述べた。

黒い雨:「区域外」の証言/1 宮本正司さん /広」 

毎日新聞 2011年11月9日 地方版

国は76年、広島の黒い雨の被害について、終戦直後の気象台技師の調査などを基に、爆心から北西に長さ19キロ、幅11キロに延びる楕円(だえん)を「第1種健康診断特例区域」に指定した。区域内にいた人は健康診断が受けられ、一定の障害があると診断されれば被爆者健康手帳が交付され、被爆者援護法に基づく援護が受けられるようになる。

 

 しかし、区域外にいた人からも黒い雨による健康被害を訴える声が相次いだ。区域外の住民たちは各地で被害者の会を設立し、区域拡大を訴え続けてきたが、国は「科学的・合理的根拠が必要」との姿勢で、実現していない。

「爆心から北西に長さ19キロ、幅11キロに延びる楕円」というような「線引き」をしたのはあくまで政治的判断。「科学的・合理的根拠が必要」というのであれば、それをやるべきなのは国。

被曝は嫌

おかしな理由で正規の医療を忌避する人はけっこういるので、笑える話ではないが、このコラムに関しては、どれだけ事実に基づいているのかわからず、以下のように「患者を馬鹿にしすぎ」という批判もある。

低線量被曝で鼻血は出ない

放射能はうつらない

 −−被ばくは人にうつるのでしょうか?

 

 ◆被ばく自体はうつりません。放射性物質をチリのようなものと考え、きちんと衣類などから払い落とせば、うつることはありません。 

放射性物質ではない、花粉だ。

asahi.com, 2011年3月24日16時34分

 福島第一原子力発電所からの放射性物質が各地で見つかる中、首都圏では24日朝、建物の屋上などに付着した黄色い粉が放射性物質ではないかとの問い合わせが保健所や消防に相次いだ。環境省は「花粉や黄砂の可能性が高い。心配はいらない」としている。

 「黄色いものがたまっている」「放射性物質が降ったのでは」。気象庁の天気相談所に24日午前、関東地方周辺から、こうした問い合わせが1時間に100件を超えるほど相次いだ。

 同庁などによると、関東地方は23日に多くのスギ花粉が舞い、同日夕から24日未明にかけて降った雨に混ざって降下。地面に黄色い塊を作ったとみられる。

産経新聞のヘンな「それほど危なくない」記事

この記事の3ページ目につぎのような記述がある。

「危ない危ないと言われるが、実際そんなに福島の放射線は危なくない。原発の上を飛ぶカラスが落ちましたか。原発近くの海で魚がどんどん浮きましたか。危なくないということがだんだん実証されてきている」と一気にまくしたてると、会場は爆笑の渦に。

こう発言したのは、あの田母神俊雄元航空幕僚長。「放射線の専門家」でもなんでもない。そもそも今現在一番心配されているのは、長期間の低線量被曝の影響であって、カラスが落ちたり魚が浮いたりするような即効性の影響ではない。田母神氏が頓珍漢なことを言うので、会場が爆笑したのであろうか?

産経は以前にも、放射線ホルミシスの項目で紹介したように、元駐タイ大使の岡崎久彦なる人物がホルミシスについて論じていたりなんかしており、妙に「それほど危なくない」を強調する傾向にあるようだ。

影響がはっきりわからないものを、はっきり安全とか言わないでください。」 

2012年1月17日, 暮らしの放射能Q&A, 日本保険物理学会

 ICRPの原則はご存じのようにしきい値のない直線仮説です。低線量領域では線量に比例して影響があるとしておこうというものです。一方、疫学調査等からは100ミリシーベルト以下では、発がんに関して放射線の影響だと特定することはできない、つまり、明確に危険であると言えないと、言われています。われわれ放射線を研究などで取り扱っているものは、自然線量程度のレベル、年間10ミリシーベルト程度で健康に影響が出るとはとうてい思えない、という感覚があります。それくらいのところに住んでいる方の影響調査からそのように感じています(「感じている」は学問的でなく、いいかげんだと言われればそれまでですが)。

確かに「感じている」は科学的根拠にはならないので、こういう言い方は避けたほうがいいかもしれない。