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放射能3 (東日本大震災)

東日本大震災・デマ・風評被害・陰謀論


 報告書は、学術会議の臨床医学委員会放射線防護・リスクマネジメント分科会がまとめた。福島第1原発事故による放射性物質の総放出量(ヨウ素換算)は、チェルノブイリ事故の約7分の1で「ベラルーシやウクライナの避難者集団の平均被ばく線量と比べると、はるかに低い」とした。

 その上で胎児への放射線影響について、死産、早産、低出生時体重、先天性異常の発生率に事故の影響が見られないことが証明されていることを指摘した。

 福島県が行っている県民への甲状腺検査を巡る議論についても整理、分析した。

 過去に韓国で超音波による大規模な検診を行った際、甲状腺がんの発見率が英国の15倍、米国の5〜6倍と大幅に上昇したことに言及。甲状腺検査で見つかったがんについても、地域差や外部被ばく線量の違いによる発見頻度に異常な差はなく、精度の高い集団検査が初めて実施された「スクリーニング効果」の影響を指摘している。

 国の地域がん登録で把握されているがんと比べ「数十倍」が発見されているという指摘については、甲状腺検査という集団検査の結果と、病気の兆しがあって診断を受けたがん登録とは方法の異なる結果だとして「本来、比較されるべき数字ではない」とした。


 東京電力福島第1原発事故に伴う南相馬市民の内部被ばく量と、市民の居住地の放射性物質による土壌汚染のレベルを比較した結果、両者はほとんど関係していなかったとする研究成果を、南相馬市立総合病院などに勤務する坪倉正治医師らの研究チームがまとめた。30日、英国医学雑誌のオンライン版に発表した。

 

 旧ソ連チェルノブイリ原発事故では、周辺の汚染地帯で内部被ばく量は土壌汚染レベルに強く相関すると報告されているが、研究チームは「食品の検査体制が整備された日本では、土壌汚染があっても高い内部被ばくを生む状況にはないことが示された。チェルノブイリとの決定的な差の一つだ」と指摘している。

 

 研究では2013(平成25)年3月〜14年3月にホールボディーカウンターで内部被ばく検査を受けた市民7987人のセシウム137の内部被ばくデータと、当時の居住地の土壌汚染のデータを比較した。多くの人は検出限界以下だったため、特別なモデルを用いて分析した。

 

 結果、土壌汚染が1平方メートル当たり1万ベクレル上昇すると、内部被ばく量が1.03倍になるなどの解析結果が得られた。内部被ばく量を踏まえれば非常に小さなレベルの相関関係であり、研究チームは「内部被ばく量と土壌汚染はほとんど関係しないと言うことができる」としている。


改めて申し上げるまでもないかもしれませんが、これらのデータをもってして「福島の魚はすべて安全だから食え」と言いたいわけではありません。食う食わないは個人の自由ですし、安全な魚が増えたからと言って政府や東電が免責されるわけでもありません。政府・東電への責任追及と、これからのエネルギー問題と、現在の福島の海の状況は分けて考えたいものです。