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理研:STAP細胞事件

STAP細胞事件


 STAP細胞論文問題で、理化学研究所が論文不正の調査や検証にかけた一連の経費が総額8360万円に上ったことが分かった。降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験疑惑など他の研究不正と比べても、単独の組織がかけた費用としては突出した額となっていた。STAP論文不正は、研究への信頼を揺るがしただけではなく、金銭的にも大きな代償を払う結果となった。

 

 理研によると、疑惑が発覚してから約1年間にかかった主な経費の内訳は、STAP細胞の有無を調べる検証実験1560万円▽研究室に残った試料の分析1410万円▽二つの調査委員会940万円▽記者会見場費など広報経費770万円など。弁護士経費など2820万円、精神科医の来所など関係者のメンタルケアに200万円を支出していた。

 

 毎日新聞が過去3年の主な研究不正調査に携わった大学や学会に取材したところ、バルサルタン疑惑の舞台となった京都府立医大の調査費は約1200万円だった。期間は約4カ月で、費用の大半がカルテや患者データなどの解析を第三者機関に業務委託した分という。東京慈恵会医大は約1500万円で、やはりカルテなどの解析を業務委託した費用が大半だった。

 

 東京大分子細胞生物学研究所で起きた33本の論文不正では、東大は調査費に約230万円をかけた。元東邦大准教授の麻酔科医による172本の論文不正を認定した日本麻酔科学会は、事務局の人件費を含めて524万円を支払ったという。人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使い世界初の臨床応用に成功したとの虚偽発表に伴う東大の論文調査費は約26万円だった。

事実を隠蔽しようとする理研

 STAP細胞論文の画像の誤りを理化学研究所が調査しない方針を決めたことに、外部有識者でつくる理研の改革委員会委員の中村征樹・大阪大准教授(科学史)が27日、東京都内の講演で「理研の自浄作用に期待したいが、機能しているように見えない」と厳しく批判した。

 

 改革委はこの誤りを調査委員会で調べるよう求めており、理研が調査不要としたことへの対応を協議しているという。

 

 中村氏は「個人的な見解」として講演。誤りが発覚した論文には、笹井芳樹氏ら理研の研究者が責任著者に加わっていることから「理研への批判を小さくするためではないかとの疑念が出るのも当然だ」と指摘した。

取り下げの意向が示されたのは、ネイチャーに発表された2本の論文のうち、STAP細胞がこれまでにない万能性を持つことを示したとしていた「letter」(レター)と呼ばれる論文です。

関係者によりますと、この論文で責任著者となっていた理化学研究所の小保方リーダーと笹井芳樹副センター長、それに山梨大学の若山照彦教授の3人が取り下げに合意し、ネイチャーに対して取り下げの意向が伝えられたということです。

この論文を巡っては、複数の写真に事実と異なる点があるのではないかという新たな疑義が指摘されていましたが、理化学研究所は一部の著者が取り下げの意向を示していることを理由に調査は行わない方針を示していました。

理研が調査したアーティクルの責任著者はHaruko ObokataとCharles A. Vacanti、理研が調査しないと決めたレターの責任著者はHaruko Obokata、Yoshiki Sasai、Teruhiko Wakayama。つまり、レターの不正が詳しく調べられると、理研の笹井芳樹副センター長の責任問題になりかねない。理研は真相を闇に葬り去ろうとしていると疑われても仕方ない。

 STAP(スタップ)細胞の論文に新たに指摘された疑義を理化学研究所が調査しないと決めたことについて、外部有識者による理研改革委員会は2日、調査するよう改めて要請した。

 

 改革委の岸輝雄委員長(東京大名誉教授)が同日、記者会見で明らかにした。

 

 岸委員長は「不正防止のために、どこに不正があったのか知った方がいい。調査しないと、トカゲがしっぽを切って逃げたようになる。理研が一番損をする」と話し、第三者による調査を行うよう理研に求めた。

 

 要請を受けた後、報道陣の取材に応じた理研の坪井裕理事は「持ち帰って対応を検討する」と話した。

 

 STAP論文は英科学誌ネイチャーに2本掲載され、うち1本について、理研調査委員会が捏造(ねつぞう)や改ざんがあったと認定し、調査を終えた。その後にもう1本の論文の画像に新たに操作した跡が見つかったが、理研は、3人の責任著者が論文の撤回に同意し、ネイチャー側と手続きを進めているため、調査はしないことを明らかにしている。

再発防止のためには徹底的な原因究明が必要である。「論文が撤回されるから調査しない」というのは幼稚な隠ぺい工作、子供じみた言い訳でしかない。

「調査しない」と決定した理研幹部は処分されるべき。彼らに科学を指導する資格はない

責任を取らない理研のトップ

 STAP細胞の論文不正問題で、理化学研究所は23日、不正を防げなかったことなどの責任を取り、野依良治理事長が給与10分の1を3カ月自主返納すると発表した。また理事5人を厳重注意とし、全員が給与10分の1を1〜2カ月返納する。

はあ?日本の科学の信用を著しく傷つけ、出す必要のない死者まで出したのに、給与10分の1を1〜2カ月返納するだけ?

川合真紀理事に反省の色なし

事件の過小評価と自己弁護に徹する川合理事。論文発表後数週間でばれるような幼稚な捏造を見抜けなかった現場の研究者の責任は重い。しかし、問題発覚後、組織防衛を優先し、真相を有耶無耶にしようとした責任は理研のトップにある。

 STAP細胞をめぐる研究不正で、理化学研究所の一連の対応を主導してきた川合真紀理事が朝日新聞のインタビューに応じた。不正の調査を終わらせ、関係者の処分を発表するなど、区切りをつける動きが目立つなか、「初動のところは、今思うと悔しい。(小保方晴子氏の)研究室を封鎖するなど大きなアクションをとれば、社会が受け取るメッセージは違っただろう」などと振り返った。

 理研の対応は批判を浴び続けた。論文に多くの疑義が発覚するなか、昨年3月末、調査委員会は6項目中2項目を小保方氏の不正行為と認定しただけで調査を終了。調査不足を指摘する声に押され、9月には2回目の調査委を立ち上げた。

 

 「当時は、(実験に使った)マウスの起源ぐらいは分かるだろうが、正体はES細胞ではないかという疑問には答えられないと判断していた。今振り返ると、きちっと調べて1回で答えを出すことはあったかもしれない」

誰が『正体はES細胞ではないかという疑問には答えられないと判断』と判断したのだろう?河合真紀氏は物理化学系の研究者で生物の専門家ではない。そもそも当時から「理研は組織防衛のために事の真相を有耶無耶にしようとしてるのではないか?」と疑われていたわけで、こういう言い訳をしても納得する人は少ないだろう。

 一方、調査とは別にSTAP細胞の存否を確かめる検証実験を進め、昨年7月からは小保方氏本人も参加させた。「不正な論文を検証させる必要はない」などと異論が相次いだ。

 

 「彼女はすごく実験がうまい『ゴッドハンド』と言われていたので、その点も検証した方がよいと思った。研究不正に詳しい米専門家の助言も参考にした。本人の納得の問題もある。文部科学相が参加を求めたことは関係ない。本人は喜んで、実験させて下さってありがとう、という感じだった。(不正の)行為者なら普通はやらない。積極的に参加したのが不思議だった」

驚くべきことに、河合氏は「ゴッドハンド」を肯定的にとらえているようだ。ヘンドリック・シェーンの事件や旧石器捏造事件の後では、「ゴッドハンド」というのはどちらかというとネガティブなイメージになると思うのだが? 第3者による再現性がないということは実験科学的には要注意信号である。『正体はES細胞ではないかという疑問には答えられないと判断』したのに、ゴッドハンドの実験はやってみると判断した理由も不明である。「行為者なら普通はやらない」というのも主観による勝手な思い込み。

 手順が拙速だと批判された小保方氏の採用過程も「異様とは思っていない」と話す。「審査はフェアにやられたと思う。それより、(論文共著者の若山照彦氏の研究室で)客員研究員だった時になぜ(不正に)気がつかなかったのかという悔しさはある」

これだけ大きな不祥事になった後も「異様とは思っていない」と話す危機管理能力のなさ。

 STAP論文は理研の大々的な広報で注目を集めたとの指摘もあるなか、「あの論文がこんなにもてはやされたのは、今でも不思議な気持ちだ」と言う。研究不正では、同じ研究室が長年にわたり数十本も不正論文を出し続けた例もある。「世界中の不正のなかでどれくらいたちが悪いかと考えると、『どうなの?』と思うところもある。どういう基準で世の中の声が形成されたのか。理研の対応を整理してみると、割とすっきり対処していた気もする」と主張している。(合田禄、野瀬輝彦)

あれだけ割烹着だとかムーミンだとかピンクの研究室とかで必要以上に盛り上げておいて、「あの論文がこんなにもてはやされたのは、今でも不思議な気持ちだ」?なにをおっしゃいますやら。

これだけ大きな不祥事になった後も、「世界中の不正のなかでどれくらいたちが悪いかと考えると、『どうなの?』と思うところもある」と言ってしまうふてぶてしさ。

「理研の対応を整理してみると、割とすっきり対処していた気もする」と思ってるのは、あんたらだけなんとちゃうん?まさに自画自賛。

――一連のSTAP問題の対応で反省すべきことはあるか。

 

 正直に言って、初動のところは今から思うと悔しいです。オーバーアクションでもいいから、(小保方晴子氏の研究室の)封鎖をして縄でも張ってみたら、違ったんだろうかという悩みはあります。ただ、それをしたからといって、試料の分析が変わったわけでもないと思います。

 

 ――何が伝わっていないと思うのか。

 

 不正調査も終わり、懲戒処分の結果も出て、我々としてはSTAP細胞の問題についてやらなければいけない行動はだいたい終わっていると思っています。この時点で、改めてどういう姿勢で臨んでいたのかを聞いていただきたい。

 

 不満もあります。確かに不正です。だけど、たくさんある論文のうちの一つだと思ってとらえていたので、こんなにもてはやしていただくテーマだとは思ってなかった。今でも不思議な気持ちですね。

 

 色んな不正問題がいま、日本だけじゃなくて世界中にある。その中でどれくらいたちが悪いかと考えると、「どうなの?」って思うところもなきにしもあらずです。どういう基準で世の中の声が形成されていったのか。時系列を整理してみると、割とすっきり物事に対処していた気もする。その辺りを聞いていただいて、総括したいなという気持ちです。

 

 ――問題の舞台となった発生・再生科学総合研究センター(CDB)のセンター長だった竹市雅俊氏が特別顧問として残ったことに批判がある。

 

 竹市さんを科学者として生き残れないようにすべきだと思いますか。(組織の)管理関係は一切やってもらわない。研究者として決まった範囲で研究をやってもらうだけです。私たちはパニッシュメント(罰)で交代させてるわけではもちろんない。あれは降格人事ではなくて、センターを変えたことによるセンター長の交代です。

 

■信頼感を感じるしゃべり方をする

 

 ――この論文がここまで「もてはやされた」のは、小保方晴子氏のキャラクターによるものなのか。

 

 小保方さんは直接話すとすごく魅力的な人です。言葉に迷いがないんです。ストレートに物事を伝えることができる。そういう持って生まれたものがある人ですね。普通に話していても「それはこうです」と、ピシッとよどみない文でパシッと締まるんです。ちゃんと考えて話す。言葉遣いも丁寧です。信頼感を感じるしゃべり方をする人です。小保方さんと発表の1週間前に会って、これはもてはやされるなと思いました。危ないという気がした。だからあんまり表に出さない方がよいんじゃないかと発言しています。

 

 (論文発表時の)記者発表が(大きな社会的関心を集めた)原因とも言われるが、いつもああいう形でやっている。プロジェクターを用意して説明し、ラボの現場で研究者が白衣を着て、顕微鏡をのぞき込む姿や説明している姿がある。私にはいつものパターンだとしか思えなかったんです。(小保方さんが着ていた)割烹着(かっぽうぎ)は賢いなと思いました。白衣は前にボタンあるので実験をするには合理的でない。私も逆向きに着てる方がよいなと思ったことがあるくらいです。

 

 ――小保方氏をユニットリーダーに採用した過程に問題はなかったか。

 

 わたしは異様だとは思っていない。それよりも、(採用される前に、論文共著者の若山照彦氏の研究室で)客員(研究員)として研究していたときになぜ気がつかなかったのかなという悔しさはあります。若山さんも研究室のスタッフも近くにいた。普通だったら、本気で再現させるんじゃないかと思う。採用過程では、おそらく発表とかが上手だったんじゃないかと思う。採用を決めたグループリーダー全員が同意したらしいので、審査はフェアにやられていると思う。

 

 ――「リケジョ」のブームも起きた。女性研究者としてどう思っていたか。

 

 (女性が)実力相当じゃない役割につくと、後々のネガティブな効果が大きいので、ありとあらゆるところで(女性を優遇する)施策に反対してきた。だから本当のところリケジョという言葉はあまり好きじゃない。でも、やっぱり応援するのは大事だし、ブームが起きているなら、それに乗って入ってきてもらえるのは悪くないかと思っていました。

――理研の調査委員会は昨年3月末、2カ月間で6項目中2項目について小保方氏の不正行為を認定していったん調査を終えた。結論を出すのは早すぎたのではないか。

 

 全部が分かった今、振り返ると、きちっと調べて最後に1回で答えを出すということはあったかもしれない。大事なポイントがあって、実は(昨年12月に発表した)2回目の調査のようにあそこまで科学的に隙がなく結論を決められるとは予想できなかったんです。マウスの起源くらいは分かるだろうと思っていたが、マウスが分かっても、ES細胞ではないかという疑義に答えられるとは思えないという判断だった。

 

 ――東京大などの論文不正の調査では、もっと時間をかけている。早すぎるという意識はなかったのか。

 

 あまり早いとか、遅いとかは(当時)分からなかった。理研の規定は、調査委が結論を出す期限を150日と定めている。昨年3月10日ごろに(ネイチャーに掲載された)論文(の画像)が早稲田大の博士論文と同じと分かり、単なるお作法(の問題)じゃないぞとみんなが思った。それが調査を始めて1カ月ごろ。150日は5カ月なので、夏くらいまでに調査を終えられるか判断しないといけない。試料は集めていたが、実験ノートがちゃんと書かれていないので、あの時点ではあまり希望がもてなかった。ここで出来ることを認定しましょう、という委員会の判断だった。私も妥当だと判断しました。マウスの起源を明らかにする作業は別途にやろうと。

 

 そうこうしている間に、若山さんが著者に論文撤回を呼びかけた。撤回に向けた動きをまず正常に動かしていくのが我々の考え方だったが、うまく伝えられなかったのだと思う。「取り下げる論文は調査しなくてよい」という表現が(昨年6月末の)改革委員会の提言に入ったが、私は委員会に1回も呼んでいただいてない。弁明、説明する機会がなかったことは悔しいです。残念でならないです。

 

 ――理研は昨年9月に改めて調査委を設置した。一つの論文を2回も調査するのは普通でないのでは。

 

 普通だったら、調査の途中も発表しない。(昨年3月に調査委が)中間報告したのは、うわさがうわさを呼び、情報がわっーと広がって、どうにかしないといけないという危機感のようなものが理研の内部にあったから。どうやって収めていくのか。間違っている論文はいっぱいある。間違っている論文には、明確にならないものもある。間違っていると、再現性がないので忘れ去られていくわけです。変な論文だといううわさとともに。だから活用される可能性がないんですね。だけど、そういう判断では今回はだめだった。だから撤回もちゃんとやろうと。社会に発信してしまったものを、なきものと位置づけないかぎり、明確なメッセージにならないだろうということで、撤回を迅速にやることの優先順位が高かった。

 

 同時に、みんながSTAP細胞はあるのか、ないのかという大きな疑問を持っていたので、科学的に分かるところまで残っている試料の検討、解析をする。とてもまじめにやってきたつもりなんですが、あまりスマートでなかったのかもしれない。

 

■小保方氏、検証実験に積極的に参加

 

 ――STAP細胞の存在を確かめる検証実験になぜ小保方氏本人を参加させたのか。

 

 竹市さんと話して、できることはすべてやっていくのがいいんじゃないかと。そこには二つの意味があった。我々が(検証結果を)見るという意味と、「これだけの条件でここまでね」というのを(小保方氏)本人に体感してもらう意味。

 

 彼女はすごく実験がうまい「ゴッドハンド」と言われていた。いくらすごい技量があっても、どれくらいなのよ、というのはちゃんとしておきたいと思った。ずるいけれど(STAP細胞が)できなかった時のメリットもあるだろうと思っていた。「あの人ならできたんじゃないか」という心残りみたいなものを払拭(ふっしょく)できたかな、と思う。文部科学相が本人の実験を求めたこととは関係ない。

 

 ――検証実験で小保方氏はどんな様子だったのか。

 

 嫌がる可能性もあると思ったけど、本人は喜んで。「実験させて下さってありがとう」という感じだった。(不正の)行為者だったら普通はやらない。実験に積極的に参加したということが結構不思議だった。

 

 ――STAP細胞は存在しない、と思ったのはいつか。

 

 昨年8月の終わりごろ。(STAP細胞と言われていたものに)ES細胞がかなりの確率で混入しているという結論にいきそうだな、と。それまではどっちだかわからなかった。今回特定に至ったのは、(残っていた細胞の遺伝子に)特徴的な目印があったから。ふつうはないと思われていた。

 

 ――懲戒処分が決まる前に小保方氏の退職を認めたことに批判がある。

 

 常勤職員だと懲戒に意味があるけど、(小保方氏は)任期制の研究者で年度契約だから、(懲戒処分をすることに)大きな意味がなかった。

 

■倫理教育でも再発は防げない

 

 ――研究不正の再発をどう防いでいくのか。

 

 問題が出るところは、たいていコミュニケーションが不足している。竹市さんが悔しがったのは、笹井(芳樹)さんの所で(小保方氏らを指導してSTAP論文を科学誌に載せるために)色んな作業をしていた時、CDBのほかの人が議論に加われなかった、ということ。研究所の中ではそういうことがないように、自由な議論をできるようにして、その代わり秘密はちゃんと守るようにする、と。それ以外に(今回のような不正を)見つける手段はないと思う。

 

 あと、今回は(小保方氏が)外部の研究室からきれいなデータを持ってきて、しかもシャキッとしゃべってくれた。だから、そこを疑わなかった。もう一歩踏み込んで議論する、という習性をつくるのが基本なので、それを言い続けようと思います。

 

 ――倫理教育で再発は防げるのか。

 

 やっぱりなくならないですよ。でも、出現確率が少しでも減らせれば意味があると思う。「科学者として」という前に、良識の範囲がある。それはすごく大きいです。

 

 もし次に不正の可能性が出てきたら、どんなに言われても立ち入り禁止の縄を張って回ります。オーバーアクションとみられても(事態を大きく受け止めていると)表現することも大事だった、と思ってます。

 

 ――今の若手研究者は任期付きが多く、プレッシャーがかかりすぎているのではないか。

 

 研究者の雇用システムは(若手研究者に)そういうプレッシャーをかけていると思う。かけない状態で研究することがよいのかはよく分からない。研究しようとする人はそれなりのプレッシャーの中で動いてます。ただ、職がなくなるのはきついですね。

 

 ――最近も多くの不正論文がネットで指摘されている。どう感じているか。

 

 最初、ビックリしたんです。(野依良治)理事長がビックリしちゃって。「そんないい加減な論文が論文誌に載ってるのか」と。私も(自分の)300ぐらいある論文を確認した。

 

 ネットで調べる人は何が目的でやってるんだろう。世直し?、警告?(研究者には)十分に注意してやっていただくしかない。(合田禄、野瀬輝彦、高橋真理子)

川合氏は、よっぽどネットの集合知による疑惑追及が腹にすえかねるようだ。しかし、正直者がバカを見る世の中であっていいわけがない。研究不正は白日のもとにさらされるべきである。ネット上の匿名者による疑惑追及は、これからも衰えることはないだろう。

なお、川合氏の夫である川合知二氏(大阪大学産業科学研究所特任教授)も黒い噂とは無縁ではない。

このサイトは10年以上前に話題になっていたが、今回の件で、まだ実在していることを知った。

野依良治引退

 (冒頭に野依理事長からあいさつ)

 

 (STAP論文)研究不正についての第1次、第2次の調査委員会でSTAP研究における数多くの不誠実な行為、実験記録の不在が認定された。論文に書かれていたSTAP細胞の現象はES細胞(胚性幹細胞)の混入、もしくはそれで説明できることが分かった。著者の説明したSTAP現象はなかったと言いたい。今回の問題は共著者間の相互チェックが不十分だったことに起因するが、さらに倫理教育の不徹底など理研が組織としても未然に防げなかったことは誠に遺憾で、心からおわび申し上げたい。

 

 Q・理事長退任の理由は?

 

 A・人事に関わることで任命権者は大臣ですので今の時点では申し上げることができません。

 

 Q・辞める意向は固めている?

 

 A・それは今時点、申し上げるわけにはいかない。(理研理事長の人事については、24日の閣議に提出される予定)

 

 Q・このタイミングで記者会見する理由は?

 

 A・3月20日に野間口(のまくち)有(たもつ)委員長(理研運営・改革モニタリング委員会)から評価書の報告をいただいた。それを踏まえて下村博文・文部科学相が私どもから対応状況を聴取され、今日また実情を視察され、コメントをいただいた。それを踏まえて今日ここにいます。

 

 Q・改革を達成した?

 

 A・大臣がおっしゃったが、8月に作った理研改革のアクションプランについて現場をご覧になり、理研改革の道筋がついたと。一層のガバナンスを強化して我が国の中核的研究機関だと世に示すようにと激励をいただいた。ありがたい言葉だと受け止めている。

 

 Q・STAP細胞問題の対応について反省は?

 

 A・STAP問題の疑義が顕在した当初は、不注意な図版の取り違えに過ぎないと認識していて、科学的成果は揺るぎないと対応したが、調査が進行中で予断による見解を述べたことは反省している。理研としては研究不正調査の秘匿性を厳正に確保しつつ対応せざるを得なかった。インターネットで新しい疑義が流布されたが、私たちが考える水準で高い科学的確度があるということで対応していて、対応が遅いという批判をいただいた。一般社会が持つ関心事、スピード感と私たちが「良し」とする合理的なやり方、価値観の間に乖離(かいり)があった。

 

 Q・理事長として十分社会に発信していたか?

 

 A・適切にその時その時に対応していた。

 

 Q・ES細胞混入という結論について、どう受け止めた?

 

 A・専門家がそう判断されるわけですから、そうだろうと思っている。全体が虚構だったことは大変遺憾に思っている。原因としては、現場でたくさんの人がかかわり、分担者の相互検証がなかったということが最大の原因と思っている。一方、理研全体としてはさまざまな規定策定、倫理教育をしながら徹底していなかったことに内心忸怩(じくじ)たるものがある。

 

 Q・理事長、理事の責任は?

 

 A・組織的に責任が十分果たせなかったということから理事たちに厳重注意をし、反省して私も給料の自主返納をした。私に対しても理事に対しても新たな処分は検討していない。理事の方々も真摯(しんし)に改革について実行、責任を果たしていただいた。

 

 Q・厳重注意は何に対して?

 

 A・全体的に組織としてSTAP事案を防ぐことができなかったと。事後対応についても若干の瑕疵(かし)があったと。そういうことを全般的に合わせてのことと判断している。

 

 Q・STAP問題での責任は?

 

 A・一般に、大学でも公的研究機関でも自律的な研究をやるようなところでは、組織の長が(研究不正で)引責辞任するような例は皆無だと思っている。

 

 Q・STAPは虚構だった。最大の責任は誰に?

 

 A・自律的な発想に基づく研究ですから一つには研究者たちに責任があると思う。小保方(おぼかた)(晴子)さんはもちろん責任重大ですが、それを防ぐことができなかったチーム、検証ができなかったことにも大きな問題があろうと思う。小保方さんが理研のユニットリーダーに着任されてから投稿された論文ですが、それ以前に作成された図版がたくさんあると聞いている。立案はハーバード大学でされている。それを手伝うはずの若山(照彦)さんが虚構を拡大したというところがある。それを笹井(芳樹)さんが、腕の立つライターですから社会に出してしまった。問題は役割分担がいろいろあるが、チームとしてテーブルについて議論すれば防げたんじゃないかと思う。

自分で「組織の長が(研究不正で)引責辞任するような例は皆無だ」等と言ってしまうところがこの老人のダメなところ。幼稚な捏造を見抜けなかった現場の研究者の責任は重大だが、問題発覚後、危機管理能力のなさを露呈し、組織防衛を優先し、真相を有耶無耶にしようとした責任は組織のトップにあることは明白。

 理化学研究所の野依良治理事長(76)が、今月末で辞任する意向を固めたことがわかった。理研を所管する文部科学省も了承し、後任人事の調整に入っている。野依氏は在任期間の長さや自らの年齢の高さを理由にあげているという。文科省関係者は「STAP細胞論文問題の引責ではない」としている。

どっちにしろそろそろ潮時だろう。

野依良治批判

登場人物はみな匿名だが、以下のように野依良治氏を名指しで批判する記事も出た。

「理研の体質と今回の問題は無関係ではない。現在の体質は、十一年間トップに座っている野依良治氏が作ったものだ」

 六月五日、論文共著者の若山照彦山梨大学教授は埼玉県和光市の理研本部にいた。若山氏は翌日に会見を予定しており、小保方氏から渡されたSTAP細胞とされる細胞の解析結果を公表するつもりだった。それを察知した理研から呼び出されたのだ。その場で若山氏は野依理事長から詰問された。会議室には理事全員と若山氏の元上司、竹市雅俊CDBセンター長もネットを通じて参加していた。

「記者会見でなにを発表しようというのか」

 野依氏は決して内容を知りたいわけではなかったのだろう。若山氏は解析結果を詳しく説明したが、最終的には会見を延期するように伝えられただけだった。要は「理研の前で余計なことをするな」と恫喝したのだ。

 前出全国紙記者はこう語る。結局、四月一日に「最終報告」なるものが発表されたにもかかわらず、いまだSTAP細胞についての検証が行われている上、笹井氏の自殺をも招いた。不祥事が起きた組織のトップとして考え得る限りで最悪の対応をしたのである。

 野依氏が理事長になって以降、理研では「成果」を強く求められるようになった。発足直後から実社会への還元は理研のテーマではあるが、野依体制下でそれは強化された。冒頭の理研職員は「笹井氏は典型的な野依チルドレンだった」と振り返る。笹井氏は研究者としても、理研の営業マンとしてもすぐれていた。それが暴走した結果、小保方氏の嘘を見抜けなかったばかりか必要以上に誇大に宣伝するという愚行に走ったのだ。

「野依氏は晩節を汚した」

 前出研究者はこう語る。野依体制は「STAP細胞騒動の収束まで」との噂は出ているが、それとて若い世代に任せるべきだろう。これ以上醜態を晒すべきではない。

 メディアによる大々的な翼賛報道の直後に、ネット集合知がネイチャー論文に内在する矛盾や画像改ざん、文章や画像の盗用疑惑をつきつけると、理研は調査委を結成し「真相を解明するふり」をして、延々と調査を引き延ばした。論文そのものはあくまで正しいと主張して、実験手順の詳細を書いた、プロトコルなるものをネイチャーに追加発表すらした。

 

 しかし、小保方から渡された幹細胞でキメラマウスを作成した、山梨大若山教授が「STAP幹細胞」なるものはES細胞ではないかと疑い、生物遺伝子情報を専門とする理研の遠藤研究員が公開されたSTAP細胞に見られる染色体異常とそのゲノム配列をES細胞のゲノム塩基配列と比較し、若山疑惑を支持し、若山教授が論文撤回を呼びかけた3月の時点で、「分裂能力がないSTAP細胞が、胎児形成と胎盤形成能力を持ったSTAP幹細胞になったのは、細胞のすり替えが行われたためだ」ということは、幹細胞の専門家でなくても、現代生物学を根本のところできちんと理解している科学者たちには、ちゃんと分かっていた。

 3月末には物的証拠から、すでに「STAP幹細胞はES細胞」という結論は出ていた。

 

 それに気づいた(本来、竹市後任のCDCセンター長が内定していた)笹井芳樹は理研に対して、3月末に辞意を表明したが、竹市センター長を始め理研首脳部はそれを受け容れず、「再現実験」という政治的思惑がらみの「結論先送り」政策を続行し、笹井を自殺に追いこんだ。2013年度末に理研を離れた若山教授と死んだ笹井副センター長は、いまや理研外部調査委によって「STAP捏造事件」の責任者にされようとしている。

 眼を再生医療が政策に取り込まれた背景に転じれば、アベノミクスと第三の矢と再生医療の産業化を目論むベンチャー企業と理研の利害関係はまったく一致しており、調査委、外部調査委の調査発表時期が、安倍内閣の政治日程と見事に連動しているのは、明白ではないか。

 

 12/26の理研外部調査委の発表は、3月に分かっていたことの追認にすぎないが、「誰が細胞をすり替えたかわからない」という「曖昧決着」をはかろうとしている。そもそも「第三者委員会」なるものは、朝日の慰安婦問題検証の「外部委員会」がそうであるように、組織が自己防衛のために発足させるもので、航空機事故の調査委のような客観的で人命の安全のための調査を行う組織ではない。辞め判事の弁護士を委員長にしたのは権威付けのためで、判事にSTAP問題が理解できるはずがないのは常識ではないか。

 

 日本のメディは当初の無批判な「翼賛報道」で大いに信用を落とした。その後の報道で失われた名誉を回復するものと期待した。

 だが12/20〜12/28にかけての各紙の社説には一紙を除いて、まったく失望した。

 

 理研の最高責任者である野依理事長は、医学・生物学の素人であるにもかかわらず、STAP細胞が上手く時流に乗り、理研が特権的機関として政治的に位置づけられそうな間は、表にしゃしゃり出て自分の手柄のように振る舞っていた。だが、STAP細胞が虚構であることが明らかになり、戦局が敗色を濃くすると、前線に出なくなった。まるで比島の戦いで、「小官も必ず諸君の後に続くから」と督戦して、多くの特攻隊員を送り出しながら、自分は特別機に乗って台湾に無断脱出し、戦後もおめおめと生きのびた、陸軍の第四航空軍司令官冨永恭次(中将)と同じではないか。(冨永恭次は『コンサイス日本人名辞典』のような小さな人名辞典にも卑怯者として載っている。)

 

 野依良治もノーベル賞受賞者としてではなく、11年間も理研の独裁者として君臨したあげく、スキャンダルの決着を先送りすることで、理研と日本の科学に対する信用をがたがたに失墜させた人物として、語り継がれるだろう。

 国際的な科学社会において、日本が失った信用は「和田心臓移植」事件に匹敵する。あの後遺症で日本の移植医療は「失われた50年」が持続している。国際移植学会の指導者からは「日本は最初の心臓移植が殺人だったから、臓器移植が進まないのだ」と今でもいわれる。

理研の「再現実験」は似非科学

真相解明の調査には消極的なのに、なぜか再現実験にはこだわり続けている理研。これは極めて不自然な態度である。そもそも「初現がないのに再現をする」というのは矛盾した行為。いったい何を再現するつもりなのか?
理研がまずやらなきゃいけないのは、STAP論文でなされた不正の全容解明であって、存在する証拠のない細胞の再現実験ではない。順番がおかしい。

もしこれが前例となるならば、今後、論文捏造事件があるたびに被疑者が「再現実験をやらせろ」と言い出す危惧がある。それは資金と時間の浪費でしかない。

本人が「200回以上成功している」と言っているのだから、今までに作ったSTAP細胞を持ってきて「これがSTAP細胞でござい」と見せればいいだけの話なのに、なぜ今から再現実験しなくちゃいけないのか?STAP細胞はどこへ消えていったのか??

 実験の結果はデータがまとまり次第公表する方針。しかし実験データの解釈に時間を要する可能性があり、公表時期は未定としている。

STAP細胞があるかないか判断するだけなのに、「実験データの解釈に時間を要する可能性があり、公表時期は未定」とは、随分と小難しい「実験データの解釈」をするつもりのようだ。この期に及んでいまだに引き延ばし作戦とは恐れ入る。このことから、「簡単に200回できる」というのはウソだったらしいということだけはわかる。

 STAP細胞論文の問題で、小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダーが所属する理化学研究所の発生・再生科学総合研究センター(CDB)の竹市雅俊センター長が16日、朝日新聞社の取材に応じた。STAP細胞の存在を揺るがす指摘が相次いでいるが、「結論を出すのはまだ早い」と述べた。提言されたCDBの解体については「解体ではなく、執行部を一新してやり直した方が、建設的な改革ができる」と訴えた。

事件の当事者のバイアスのかかった意見はなんの参考にもならない。むしろ結論を出すのが遅すぎるぐらいだろう。不正を見抜けずSTAP細胞があると思ったのだから、今でもあると思い込んでるだけかもしれない。再現実験をやってもはっきり白黒付かない可能性もある。なぜなら、一般に存在を否定することは存在を証明することよりも難しいからだ。常温核融合のように否定的な実験結果がたくさんあっても、肯定派がいつまでもあきらめない場合もある。はっきり「ある」ということが証明できなければ、それは「ない」ということだが、小保方氏やその周辺は色々な言い訳でごまかそうとするだろう。

 まだ公表できるようなデータが出たとは聞いていないが、7月か8月には中間報告をする。小保方さんとは連絡を取り合って進めており、いずれ検証実験にも参加してもらう。もちろん、不正が絶対に起きないような環境の中で行う。

今までちっとも不正を見抜けなかった組織がどうやって「不正が絶対に起きないような環境」を担保するのだろう?

わかりきったことだが、小保方氏以外の第3者による再現実験が成功しなければ、本当に再現実験が成功したことにはならない。この再現実験は単なる茶番である。

STAP細胞が本当に存在するのかを確かめる再現実験について、理化学研究所の野依良治理事長は、19日、報道関係者に対し、小保方晴子研究ユニットリーダーが参加すべきだとしたうえで、「懲戒解雇になれば参加できない」と述べ、解雇を伴う処分には、当面、慎重な考えを示しました。

 

STAP細胞が本当に存在するのかを確かめる再現実験を巡っては、理化学研究所の、外部の有識者で作る改革委員会が、熟練した研究者の監視の下で、小保方リーダーに行わせるよう求めています。

この再現実験について、理化学研究所の野依理事長も、19日、報道関係者に対し、「小保方さんがやらないと決着がつかない」と述べ、STAP細胞の存在を主張している小保方リーダーが参加すべきだという考えを示しました。

そのうえで、野依理事長は、「懲戒解雇になれば実験に参加できない」と話し、小保方リーダーに対する解雇を伴う処分には、当面、慎重な考えを示しました。

STAP細胞には、存在が疑われる不自然な点が相次いで指摘されていますが、小保方リーダーは、18日、「STAP細胞の存在を証明することで、論文の著者としての説明責任を果たすことを切望している」というコメントを発表しています。

野依良治までこんなことを言い出す始末。どうやら小保方氏をすぐに処分できない理由が理研にはありそうだ。

 もう1人、STAP研究の利用をもくろんだのがCDB副センター長の笹井芳樹(52)。ES細胞研究の第一人者で、論文が載ったネイチャー誌とも関係が深い。「論文を書かせたら右に出る者はいない」といわれ、STAP研究を「世紀の大発見」にした。

 

 CDBで国から研究費を集める担当もしている。論文掲載が内定していた1月下旬には、早速、小保方を引き連れ、医療戦略を練る内閣官房を訪れた。「すごい研究成果をもうすぐ発表します」と興奮気味だった。

 

 翌月のバレンタインデーには、首相官邸での総合科学技術会議の会合に小保方が出席することまで決まっていた。普通はノーベル賞受賞者級しか呼ばれない。論文の画像に不自然な点があるとの指摘が出て、会合当日にキャンセルになった。

この話が本当だとすると、小娘一人のホラ話にその分野の世界的権威が騙された揚句、そのホラ話を国の行政機関のトップにまで持ちこんだということである。理研はそんな喜劇のような大失態があったとは絶対に認めないだろう。どうりで隠蔽しようとしたり再現実験にこだわったりするわけだ。

理研が再現実験にこだわる理由を以下のTJO氏のツイートが端的に表していると思う。

@TJO_datasci 13:08 - 2014年6月25日

STAPの当事者たちはもはや再現性を持つ結果を出そうなんてこれっぽっちも思ってないはず。彼らの狙いは「故意の不正ではなかった」と言い張れる証拠を出すことであり、それこそが再現検証実験とやらの目的だと考えるのが自然だし辻褄も合う

 STAP細胞の検証実験について、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)の竹市雅俊センター長は25日、小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー自身の手による実験が実現した場合、ビデオでの監視など厳格な管理下で実施するとの計画の概要を、毎日新聞の取材に明らかにした。竹市氏は「疑惑は決定打にはなっていない。STAP細胞があったかどうか、小保方さん自身の実験で見極めたい」と本人参加の意義を述べた。

この期に及んで『疑惑は決定打にはなっていない』と思ってるのは、竹市氏ぐらいなもんだろう。

 正式に参加が決定し、小保方氏によってSTAP細胞とみられる細胞ができた場合、(1)竹市氏らの立ち会いや実験全体をビデオで監視、部屋の出入りや細胞培養装置も鍵で管理するなどの条件で再度実験内容を確認(2)小保方氏に習った理研スタッフが独自に再現(3)理研外部の研究グループにも参加を求める−−などの手順を明らかにした。一方、小保方氏が1年以内に作製できなければ、プロジェクトを終了するという。現在の検証実験では、STAP細胞は弱酸性の液体にマウスのリンパ球を浸して作り、マウス実験でさまざまな組織になる万能性を確認することを成功の条件としている。

ずいぶん大がかりな再現実験をやるようだが、その費用はすべて国民の税金で賄われることをお忘れなく。

なんで簡単に200回以上できるはずだったものを1年かけなくちゃいけないのか?普通なら再現できない時点で終了だろう。小保方氏に再現できなければ、(2)と(3)のプロセスは必要なくなる。

どうせなら、竹市氏らだけではなくマジシャンにも立ち会わせたらどうか?事件の当事者が立ち会っていても公正さに欠ける。ビデオ監視するのなら、ネット配信したらどうか?

 日本分子生物学会理事の篠原彰・大阪大教授は「既に立ち会っているとは驚きだ。未公表での立ち会いは公正さを損なう。まず検証実験の進捗(しんちょく)状況や立ち会う理由を公表すべきだ。小保方氏も、論文の疑義への説明を果たさないまま、実験参加など次のステップに進むべきではない」と話す。【須田桃子】

まったくそのとおりだ。

 小保方氏は理研を通じ、「心より感謝し、誰もが納得がいく形で存在を実証するために最大限の努力をする」とのコメントを発表した。

それは最初の論文発表のときにすべきことだった。今更言うことではない。

 理研は懲戒委員会で小保方氏や論文共著者の笹井芳樹CDB副センター長、竹市雅俊同センター長の処分を検討していたが、調査開始に伴い審査をいったん停止する。

おそらくこの話のミソはここ。小保方氏の処分が保留されれば、笹井CDB副センター長や竹市同センター長の処分も保留される。時間稼ぎをして、そのあいだにつぎの言い逃れのための絵図を描くのだろう。

この日、小保方氏はどんな作業をしたのだろう。実証実験の統括責任者・CDBの相澤慎一特別顧問は「実験の準備ができていないので、実験ノートを揃えるとか、お茶の道具を揃えるとか、そういうたぐいのことに時間を使うことになる」と話す。前代未聞の騒動の割にはのんびりしているが、それやこれやの準備で本格的な実証実験に入るのは2か月後の9月ごろになるという。

ずいぶんのんびりした話だ。普段ならこんな実験計画、野依良治に怒られるのではないか?「200回以上成功している」というのだから、9月までにはもう何回か成功していてもいいような話だと思うが?

司会の小倉智昭は出勤してきた小保方氏の横顔を見て、「頬がやせたねえ」といらぬ心配をしていたが、その小保方氏にこれまで噴出した数々の矛盾点を問いただせば、1週間ほどで真実はわかるのではないか。ずさんな研究体制を指摘された理研が、長い日にちをかけて保身のための落としどころを模索するつもりなのではと疑いたくなる。

これはまったくそのとおりで、素人が見ても「理研のやっていることはおかしい」ということがわかるということである。

再現実験終了

 「STAP細胞は再現できない」と結論づけた理化学研究所の19日の記者会見終了直後、検証実験の責任者である相沢慎一チームリーダーが突然、謝罪する一幕があった。

 

 2時間あまりに及ぶ記者会見が終了し、報道陣が退室を始めた午後0時45分ごろ、相沢氏がマイクを握って再登壇。「検証実験は、(小保方晴子研究員を監視するための)モニターや立会人を置いて行われた。そういう検証実験を行ったことは、責任者としてものすごく責任を感じている。研究者を犯罪人扱いしての検証は、科学の検証としてあってはならないこと。この場でおわびをさせていただく」と述べ、頭を下げた。【デジタル報道センター】

謝罪するのであれば、「研究者を犯罪人扱い」したことではなくて、無駄な再現実験をしてしまったことを国民に謝罪すべき

理研の「再現実験」に反発する科学者たち

4.現在、研究不正に最も深く関わったとされる小保方氏が参加する STAP 現象の再現実験が始められ、関係者の懲戒については結論が先送りされると伝えられています。しかし、この再現実験の帰趨にかかわらず、理研は保存されている関係試料を速やかに調査し、取り下げられた2つの論文にどれだけの不正が含まれていたかを明らかにするべきです。また、そこで認定された研究不正に応じて、関係者に対する処分を下すことは、この事案における関係者の責任を曖昧にしないという意味で重要です。関係試料の速やかな調査による不正の解明と、関係者の責任を明確にすることを要望します。

 英科学誌ネイチャーがSTAP細胞の論文を撤回して科学的根拠がなくなり、1月末の発表から5カ月余りで騒動に一定の区切りがついた。しかし研究室で何が行われたかの解明や関係者の責任問題は宙に浮いたまま。理化学研究所は 小保方晴子研究ユニットリーダーを検証実験に参加させて最終決着を図るが、一連の対応に内外から反発の声が上がるなど、信頼回復への道のりは遠い。

 「理研の倫理観にもう耐えられない」。理研が小保方氏をSTAP細胞の検証実験に参加させる方針を明らかにした直後、理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の高橋政代プロジェクトリーダーが短文投稿サイト「ツイッター」につぶやくと、関係者に大きな衝撃が走った。

 高橋氏は、山中伸弥京都大教授が開発した人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った世界初の臨床研究を進める理研の看板研究者。つぶやきの真意について「もっと早く問題を収束できたのに引きずってしまい、事を大きくした」と話した。懲戒処分の手続きを中止して小保方氏を検証に参加させた理研上層部の対応に、不信感が頂点に達したことをうかがわせた。

 ある文部科学省幹部は「疑義を調査すると懲戒がいったん停止になり、小保方氏が動けるようになる。いい解決方法じゃないか」としたり顔で言う。「懲戒解雇に一部の国会議員が反対している」(別の関係者)との声があり、小保方氏に同情する立場にも応えた形だ。

その国会議員の名前を公開するように。こうして御用学者が作られていくのだろう。これは政治による科学への介入である。

 −−1日付のツイッターで「理研の倫理観にもう耐えられない」とつぶやいた真意は? 「倫理観」とは何を指すのか?

 

 ◆理化学研究所が「何が良くて何が悪いのか」を態度で示せていない。理研がどう考えているのかが一貫して分からない状態ですよね。恐らく、外から見えているものと実際とがずれていると思う。それも恐らく「倫理観をきちんと示せていない」ことから、理研も誤解を受けていると思う。そういう意味でした。それを発信できていないと思う。CDBでお世話になり、この(iPS細胞の臨床研究の)プロジェクトを育ててくれた。私の場合は愛情があり、批判をしたくないから抑えていた部分なのですが、ツイッターで書いたように(iPS細胞を使った世界初の)臨床研究を落ち着いてできる環境ではなくなってきた。白黒はっきりというか、何が悪いかがまだ数カ月は出ないことがはっきりした。処分などが片がつかず落ち着かない。まだまだ事態の収束がずれこむことが分かったので、このまま臨床研究に突入するのは危ないと思ったわけです。

  • iken.pdf」 2014年7月13日 京都大学理学研究科教授 佐々真一

理研の決定には驚きました。小保方氏の処分を保留し、再現実験に参加することを発表し、理研のページには小保方氏の意気込みが掲載されています。およそ考えられない展開に唖然としています。「試験で不正行為があったとき、校長や教育委員会が再試験を促すのはおかしいでしょ」というたとえ話を twitter に書きましたが、「誰もがうける試験とは違い、特例の適用が検討される場合もあるだろう」という意見があることを知りました。一般論としてはそうでしょうが、今回の場合については、「特例が適用される」状況ではないと考えています。特例の適用を考える理由はおそらく二つあると思います。第1に、「もし実験が本当なら偉大な結果なのだから、その可能性を追求すべきである」という意見。第2に、「事態がこんがらがってしまったので、明晰にするためにそうせざるを得ない」という意見。私はどちらの意見にも賛成しません。その理由を述べます。

 

まず、私は、http://d.hatena.ne.jp/sasa3341/20140311 に書いたときから変わりなく、小保方氏には研究者としての資格も資質もないと考えています。博士論文が書けていないどころか、実験ノートもない、科学的な説明もできない。非常に残念で不幸なことですが、おそらく、誰からもまともな指導を受けていないと思います。これが間違っているなら、指導した人は名乗り出て説明してください。特に、「小保方は俺が育てた」と言っていた大和氏は、どのような指導をしたのでしょうか。ぜひ、説明して欲しいです。(2月上旬以来公には姿を消しましたが、5月には twins センター長には着任していました。全く不思議です。)

 アンケートは理研の研究者らでつくる「研究員会議」が8〜14日にウェブ上で実施。966人が回答した。STAP細胞問題をめぐる理研の対応で何を優先すべきか尋ねたところ、「論文の疑義の調査」は41・9%、「検証実験の実施」は12・8%、「疑義の調査と検証実験を同時並行する」は35・4%、「どちらも必要ない」は5・6%だった。

 

 「疑義の調査」と答えた人は特に研究者に多く、事務系職員(185人)に限ると「疑義の調査と検証実験を同時並行する」と答えた人の方が上回った。

反発する日本分子生物学会

7月2日付けで理化学研究所より STAP 細胞に関する2報の Nature 論文が撤回されたとの発表がありました。日本分子生物学会は当該論文について当初から同研究所の適切な対応や早期の論文撤回を求めておりましたので、約半年もかかったものの、事態が一歩進んだことについては評価致します。

 

一方で、多くの論文不正についての疑義がきちんと分析されず、それに関わった著者らが再現実験に参加することについては、当分子生物学会会員を含め科学者コミュニティーの中から疑問視する声が多数挙がっております。このように当該機関が論文不正に対して適切な対応をしないことは、科学の健全性を大きく損なうものとして、次世代の研究者育成の観点からも非常に憂慮すべき問題であるとともに、税金という形で間接的に生命科学研究を支えて頂いている国民に対する背信行為です。

上記のような現状を早期に解決して頂くために、ここに改めて日本分子生物学会理事長として以下の点を理化学研究所に対して希望致します。

・ Nature 撤回論文作成において生じた研究不正の実態解明

・ 上記が済むまでの間、STAP 細胞再現実験の凍結

 STAP細胞の論文問題で、理化学研究所による不正調査や検証実験などに対して、約1万5000人の基礎生物学者を抱える日本分子生物学会が、異例の集中批判を展開している。

 その後、同学会の幹部ら9人も相次いで見解を公表し、学会あげて問題視する姿勢を鮮明にした。「科学的真実そのものの論文が撤回された以上、検証実験は無意味」(町田泰則・名古屋大名誉教授)。「STAP細胞は今や(未確認生物の)ネッシーみたいなもの」(近藤滋・大阪大教授)と、厳しい言葉が並んだ。

 

 強い批判は、理研が外部にほとんど情報を公開せず内向きの対応に終始することへの反発だ。学術界には、研究者が互いに論文の議論や批判を重ねることで、科学の健全な発展を保ってきたとの共通認識がある。