Qアノン(QAnon)
QAnon
- QAnon: What is it and where did it come from? By Mike Wendling、BBC News、Published 6 January
In October 2017, an anonymous user put a series of posts on the message board 4chan. The user signed off as "Q" and claimed to have a level of US security approval known as "Q clearance".
These messages became known as "Q drops" or "breadcrumbs", often written in cryptic language peppered with slogans, pledges and pro-Trump themes.
- Qアノンと日本発の匿名掲示板カルチャー【1】 清義明 ルポライター、2021年03月25日、論座
今世界を騒がせる「Qアノン」も、議事堂襲撃にまで及んだ白人至上主義やネオナチが跋扈する情況も、それを目覚めさせしてしまったのは、実は日本発のある文化が密接に関与している。
それは日本の匿名掲示板カルチャーである。アメリカではそれを「CHANカルチャー」と呼ぶものもいる。
これより、日本の匿名掲示板カルチャーがアメリカにわたり、連邦襲撃事件に至るアメリカの過激主義を培養し、アメリカのパンドラの箱を開いてしまった姿を追って行こうと思う。そしてそれは、言論の自由をめぐる社会実験の失敗の記録でもある。
このアメリカのパンドラの箱の物語の主要な登場人物は2人いる。まずは、元2ちゃんねる管理人の「ひろゆき」こと西村博之氏。現在アメリカ最大の匿名掲示板のひとつである「4chan」のオーナーである。西村氏が管理する4chanはオルタナ右翼の発祥の地と目されるばかりか、Qアノンが最初に現れた掲示板である。
2人目は、ジム・ワトキンス氏。西村氏とともに2ちゃんねるを運営し、現在はその2ちゃんねる(現「5ちゃんねる」)を乗っ取りオーナーになった男である。いや、それだけではない、アメリカのもっともダークな匿名掲示板「8kun」のオーナーにして、Qアノンの「Q」はこの男ではないかと嫌疑をかけられている男。現在、世界中のジャーナリストと陰謀論研究家は彼の行方を追っている。
なおアメリカで、連邦議事堂襲撃事件のきっかけのひとつとなった「ドミニオン疑惑」といわれる選挙集計機に不正があったとする荒唐無稽に近い陰謀論が最初にメディアに出たのは、ジム氏の息子、札幌在住のロン・ワトキンス氏から始まっている。彼が極右のテレビ番組で、ベネズエラのウーゴ・チャベスなどの共産主義者がかかわっていたドミニオン投票システムにより、不正が行われたともっともらしく主張した。彼はもちろん日本にいるためにドミニオン投票システムの実際の集計機を見たこともない。ネットにあるユーザーガイドを見ただけである。そんなまったく空想の域をでないドミニオン疑惑の陰謀説が広まったのは、ロンが日本からテレビ番組にリモートで出演したのがきっかけなのである。つまりドミニオン疑惑が世に流布されたのは日本からなのである。
- Qアノンと日本発の匿名掲示板カルチャー【2】 2021年03月26日、清義明、論座
- Qアノンと日本発の匿名掲示板カルチャー【3】 2021年03月29日、清義明、論座
- Qアノンと日本発の匿名掲示板カルチャー【4】 2021年03月30日、清義明、論座
- QAnon, false flags and baby-eating liberals: How Arizona Patriots build community around conspiracy theories Rob O'Dell and Richard Ruelas, Arizona Republic、Published 10:13 PM JST Oct. 1, 2020 Updated 9:28 AM JST Oct. 9, 2020、azcentral
- Former QAnon Followers Explain What Drew Them In − And Got Them Out By EJ DICKSON、SEPTEMBER 23, 2020 9:00AM ET、RollingStone
【連載】Qを追う 陰謀論集団の正体(全19回)朝日新聞デジタル
藤原学思
- 第1回 あなたが「Q」?疑惑の人物にぶつけた質問 陰謀論集団の黒幕を追う 2022年3月24日 12時00分
- 第2回 「私は覚醒しています」 ハーバード卒の彼女が「Q」信者になるまで 2022年3月25日 12時00分
- 第3回 ピザ屋で銃乱射、作り話を信じた男 あるはずの「悪魔の拠点」探した 2022年3月26日 12時00分
- 第4回 日本発「ちゃんカルチャー」がQのゆりかご ウソ見抜けなかった人々 2022年3月27日 12時00分
- 第5回 「元祖Q」は南アフリカ在住の男? 突然4→8移動、栄光からの転落 2022年3月28日 12時00分
- 第6回 黒幕は一人ではない? Qアノンたちの「原典」を分析して見えた事実 2022年3月29日 12時00分
- 第7回 Qの正体に最も近づいた男 撮影3年、ついに「彼」が口を滑らした? 2022年3月30日 12時00分
- 第8回 「気が狂いそう」「とても暗くて憂鬱」だけど…Qを追い続ける人々 2022年3月31日 12時00分
- 第9回 8ちゃん作った僕は「間違っていた」 ネットの群衆が生んだQアノン 2022年4月1日 12時00分
- 第10回 親子が望んだのは権力、そしてQは降臨した…8ちゃん作った僕の後悔 2022年4月2日 12時00分
- 第11回 目新しくないQアノンの陰謀論、なぜ拡大?「天敵」が語る三つの理由 2022年4月3日 12時00分
- 第12回 Qの正体はトランプ?信じるQアノンも…陰謀論を拡散した大統領 2022年4月4日 11時00分
- 第13回 まるで別の惑星にいるみたい…「大嫌い」なQアノンに潜入してみた私 2022年4月5日 11時00分
- 第14回 旅客機でマスク拒否、プーチンは「善」…市議、あなたはQアノン? 2022年4月6日 11時00分
- 第15回 米国発のQアノン、日本でも急拡大 垣間見える独自の「カルト性」 2022年4月7日 11時00分
- 第16回 Qの投稿をたった1人で翻訳? 日本のQアノン運動を導いた「エリ」 2022年4月8日 11時00分
- 第17回 人生に迷い、カンフー学ぶ? Qかもしれないロン・ワトキンスの半生 2022年4月9日 11時00分
- 第18回 ウソをついた男と「Q」を結ぶソクラテス 問いを重ねた記者の確信 2022年4月10日 11時00分
- 第19回 13秒の沈黙の後、彼は突然「告白」した 追いかけ続けたQの正体は 2022年4月11日 12時00分
ニュース
アドレノクロム
QAnonの陰謀論において、アドレノクロム(Adrenochrome)とは、子供を虐待することで松果体から分泌される脳内麻薬様物質で、それを摂取すると若返り効果や不老不死になれるとされる。世界を支配するスーパーエリート層は、組織的に子供を誘拐・虐待した上でアドレノクロムを抽出しているというわけである。
- The Dark Virality of a Hollywood Blood-Harvesting Conspiracy BRIAN FRIEDBERG、07.31.2020 09:00 AM、Wired
アドレノクロムは生化学的にそれほど注目を集めている物質ではなかったが、作家Aldous Huxleyの幻覚剤によるサイケデリック体験についての手記「知覚の扉」(Doors of Perception、1954年発行)の中に登場する。そのほぼ20年後、Hunter S. Thompsonの小説「Fear and Loathing in Las Vegas」( 1971年)にも登場し、この本はテリー・ギリアム監督、ジョニー・デップとベニチオ・デル・トロ主演で映画化(邦題「ラスベガスをやっつけろ」、1998年)もされた。巨大掲示板「4Chan」のスレッド「/x/」と「/pol/」において、アドレノクロムに関するもっとも初期の書込み(2013年と2014年)にThompson が登場している。反ユダヤ系の「/pol/」スレッドでは「Jew Ritual BLOOD LIBEL Sacrifice is #ADRENOCHROME Harvesting」というタイトルの動画にリンクされていた。Pizzagate conspiracy theory(ピザゲート)も2015〜2016年にかけてここで形成され成長し、その後、より主流のソーシャルメディアに広がっていった。この動画が2016年には、アーティストのMarina Abramovicと彼女の「spirit cooking」セレモニーについてのピザゲートスレッドで共有された。 次の数ヶ月間にはオンラインで、ますます奇妙な主張が増え続け、その中には、ピクサー映画の「モンスターズ・インク」(Monsters, Inc)は「アドレノクロム収穫」について暗号化されたものであるというものまであった。2017年、急成長するQAnonコミュニティに一部のピザゲート支持者が参加し、アドレノクロムに関する陰謀論をもたらした。
これらの陰謀論は2018年にさらに拡大し、暗号通貨と引き換えにアドレノクロムを販売しているウェブサイトがあるという噂が広まった。 陰謀論動画製作者のJay Myersは、「Adrenochrome The Elite's Secret Super Drug!」という動画を公開し、これがネット上で広がっていった。 2019年2月にアメリカ極右のフェイクニュースサイト「Infowars」がアドレノクロムに関する特集を組み、クリントン財団や「若者の血」を輸血するというスタートアップ企業「Ambrosia」に関連付けた。 その1か月後、アドレノクロムの「ドキュメンタリー」がYouTubeに登場し始めるようになる。2020年の3月頃から、コロナ禍の影響で自宅待機中、あまり写真写りのよくない(メークアップしてない)素顔の写真をSNSに多くの有名人達が投稿したため、それはアドレノクロムの禁断症状が出ているのだというデマが広まった。QAnonの陰謀論では、コロナ禍のシャットダウンで、原料となる子供の人身売買ができなくなり、アドレノクロムの供給が止まったということになっている。
- 「米軍による富士フイルム地下秘密工場破壊作戦」陰謀論について解説してみる dragoner、2021/02/14 22:32
Jアノンの間では、富士フイルムはディープステイト企業とされている。富士フイルムが扱っている薬品、「アドレノクロム」がその理由だ。
このアドレノクロム、薬品としては実在するのだが、Qアノンの間ではハリウッドスターといったセレブたちが使う若返り薬とされている。その原料は誘拐されてきた子供たちの脳から採取するのだと主張している。おやおや。
Qアノンにおける敵は、児童性愛者、悪魔崇拝者、人肉嗜好者とされている。トランプ大統領在任時、「アメリカで誘拐された児童がトランプ大統領のイニシアティブで救出された」という趣旨の日本語ツイートが回ってきたことがあるが、かなりQアノンの臭いがした。大統領が警察の個別の捜査案件に介入するとは考えにくく、こういう一見良いニュースも陰謀論が背後にあって注意を要する。
そして、実際に日本でアドレノクロムを扱っている企業のひとつが富士フイルムであり、Jアノンの標的となっている。富士フイルムもとんだとばっちりである。
Jアノン
- 大解明!日本のQアノン、QAJFとは みつを、2020/11/19 00:40、2020/11/18 最新追記2021/03/24
- トランプ応援団のデマとファクトチェックを集めてみた 2021年01月25日、脱「愛国カルト」のススメ