Roswell
ロズウェル事件
1947年7月8日のロズウェル・デイリー・レコード紙 夕刊に、ニューメキシコ州ロズウェル北西約120kmにあるJ・B・フォスター牧場に「空飛ぶ円盤」が墜落し、その残骸を軍が回収したという話が載った。
残骸を見つけたのは、W・W・ブレーゼル。フォスター牧場の管理を任されていた者である。彼は物体の発見をジョージ・ウィルコックス保安官に連絡した。保安官はロズウェル陸軍飛行場へ電話をした。ウィリアム・H・ブランチャード大佐の指示により、情報将校のジェシー・A・マーセル少佐、対敵情報部隊(CIC)のシェリダン・キャビット大尉、キャビット大尉の部下であるウィリアム・リケット軍曹が送られ、残骸を回収した。
ウォルター・G・ハウト中尉は、マーセル少佐の承認のもと公式報告をリリースし、各紙がこの事件を取り上げることとなる。マーセル少佐は残骸と共にフォートワース第8航空軍司令部へ飛んだ。
第8空軍司令官のロジャー・M・レイミー准将に届けられた残骸は、フォートワース基地の気象官アーヴィング・ニュートン准尉により識別された。「空飛ぶ円盤墜落」というプレスリリースは、レイミー准将のラジオ報告により、その日のうちに「気象観測用の気球だった」と訂正されることとなる。墜落した残骸はフォートワース基地での検分を終えると、ライト・フィールド基地へ運ばれた。
次の日のロズウェル・デイリー・レコード紙には「謎の物体の正体は、ただの高高度気象観測用気球であり、墜落した空飛ぶ円盤ではなかった」との記事が載り、熱狂は一夜のうちに収まった。
事件は1978年にスタントン・T・フリードマンに発掘され、1989年の「未解決の謎」によってUFO界のメジャーになる。既にUFO界に存在した伝説を大いに取り込み巨大な伝説として成立したのは1990年代である。
事件の真相は「プロジェクト・モーガル」の気球が墜落したものであった。
参考
- 「Spファイル」
- 「Myth of Roswell Incident」- ロズウェル事件の神話を追う -
- 「ロズウェル事件」 UFO事件簿
- 「ロズウェル事件」 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
- 「Roswell UFO incident」 Wikipedia, the free encyclopedia
- 「Roswell」 The Skeptic's Dictionary
- 「The Roswell Incident and Project Mogul」 Dave Thomas, Skeptical Inquirer magazine : July/August 1995
- 「What Really Happened at Roswell」 Kal K. Korff, Skeptical Inquirer magazine : July/August 1997
- 「Demolishing the Roswell `Alien' Myth」 David E. Thomas, Skeptical Inquirer magazine : May/June 1998
- 「The Roswell Legacy」 Joe Nickell, Investigative Files, Skeptical Briefs newsletter : June 1997
- 「Return to Roswell」 JOE NICKELL, Skeptical Inquirer magazine (2007) January/February