- UFO
- サタデー・イブニング・ポストのシドニー・シャレットが提案した造語。「Unidentified Flying Object」直訳が「未確認飛行物体」となる。エドワード・J・ルッペルト大尉が、空軍情報部長ジョン・A・サムフォード少将への状況報告(1951)で提案し、ブルーブックの公用語として用いられることで一般的になった。ルッペルトは「ユーフォーと読む」と書いているが、アメリカでは通常「ユー・エフ・オー」と読む。
- IFO (Identified Flying Objects)
- 確認済み飛行物体。UFOに対置する用語として、J・アレン・ハイネック博士が使用した言葉。調査の結果、既知の物体や現象であると判明した場合に用いられる。
- フライング・ソーサー (Flying Saucer)
- イースト・オレゴニアン紙のビル・ベケットが、ケネス・アーノルド事件(1947)を報道する際に作った造語。
- アダムスキー型円盤
- ドーム型の屋根と円形の窓をもち、底部には3個の球形着陸ギアがついた円盤。
- アブダクション
- UFOや宇宙人によって誘拐されること。
- アブダクティー
- UFOや宇宙人によって誘拐されたと称する人のこと。
- APRO
- 「アプロ」と読む。「Aerial Phenomena Research Organization」の略。日本語に訳すと「空中現象調査組織」。1952年1月にジム&コーラル・ローレンゼン夫妻によってアメリカで設立された、世界初の民間UFO研究団体。J・アレン・ハイネック博士からは、「NICAP」と共に、最も良い民間UFO研究団体としてその名が挙げられた。夫妻の相次ぐ死により、1988年に活動停止、解散。貴重な資料類はハイネックUFO研究センター(CUFOS)へ引き渡された。
- EM効果 (Electro Mgnetic effects)
- 電磁効果。UFOが接近したり通過したりした時などに、人間や動物、機械などが影響を受けること。
- ETH (Extraterrestrial Hypothesis)
- 地球外生命体仮説。UFOは宇宙人の乗り物だとする説。
- インプラント
- UFO内に誘拐された者が、搭乗員によって何らかの異物を体内に埋め込まれる行為。
- M I B (Men In Black)
- 黒服の男たち。FBIの諜報員や空軍の関係者などと身分を偽り、UFO目撃者の前に現れる。大抵は口封じや現場の証拠を持ち去ったりといった行動をとる。
- MJ-12
- 「エム・ジェイ・トゥエルブ」と読む。「Majestic 12」(マジェスティック・トゥエルブ)の略。軍人や科学者などの要人12名から成る、アメリカ大統領直属のUFO問題を専門に扱う秘密機関の名称(という触れ込みだった)。1987年5月29日に、ウィリアム(ビル)・ムーアらによって証拠書類と称するものと共に公表された。しかし、その証拠書類(MJ-12文書)は後に完全な偽物であることが判明しており、この秘密機関が存在したという客観的な証拠は何もない。
- CUFOS
- 「Center for UFO Studies」の略。「UFO研究センター」と訳される。プロジェクト・ブルーブック解散後の1974年に、同プロジェクトの顧問を長年に渡り務めていたJ・アレン・ハイネック博士によって創設された、民間のUFO研究団体。博士の死後は、「The J. Allen Hynek Center for UFO Studies」(J・アレン・ハイネックUFO研究センター)と名称が改められた。
- コンタクティー
- 異星人と会見、もしくはコンタクトしたと称する人のこと。
- 接近遭遇 (Close Encounter)
- J・アレン・ハイネック博士が1972年に出版した本の中で提唱したUFO報告の分類。目撃者から500フィート(約150メートル)以内という近距離でUFOを目撃した場合、以下の第一種から第三種に分類されるとした。
- 第一種接近遭遇 (Close Encounters of the First Kind)
- 物的証拠や接触を伴わない、単なる近距離(目安として約150メートル)からのUFOの目撃。
- 第二種接近遭遇 (Close Encounters of the Second Kind)
- 何らかの物的証拠の観測。
- 第三種接近遭遇 (Close Encounters of the Third Kind)
- UFO搭乗員の目撃。
- 第四種接近遭遇 (Close Encounters of the Forth Kind)
- UFO搭乗員による誘拐(アブダクション)。もともとハイネック博士の分類にはこの「第四種」はなかったが、後の研究者たちによって新たにつくられた。
- NICAP
- 「ナイキャップ」と読む。「National Investigations Committee on Aerial Phenomena」の略。日本語に訳すと「全米空中現象調査委員会」。1956年10月24日に、アメリカ海軍の物理学者トーマス・タウンゼント・ブラウンによって設立されたアメリカの民間UFO研究団体。長年ドナルド・キーホーが会長を務め、会員の中にはCIAの元職員や現役職員が在籍していたのが特徴のひとつだった。1973年に解散。その後、NICAPの調査報告書はCUFOSへ引き渡された。
- ナットとボルト (Nuts and Bolts)
- UFOは心霊的なものではなく、ナットとボルトとでできているような物理的な物体だという説。
- 飛行船効果(airship effect)
- 大気圏突入した物体(流星や人工衛星、ロケットの部品など)が、ばらばらになり発光している様を目撃した人が、そこに飛行船のようなものを見て、報告することがある。「楕円形の物体」で「光が漏れる窓」が付いているといった特徴を持ったものが、典型的なものである。最も有名な飛行船効果の例はゾンド4号(1968年)の大気圏再突入に端を発するUFO目撃である。ゾンド4号の大気圏再突入というイベントをそれとは知らずに目撃した者はその姿を窓の付いた楕円形の物体と表現した。他にも、流星の大気圏突入などでも同じような視覚効果が起こるといわれている。歴史的に有名なUFO事件としてはチルス=ホイッテッド(Chiles and Whitted)事件が飛行船効果の例と考えられている。
- 日本空飛ぶ円盤研究会 (JFSA)
- 1955年7月に、荒井欣一によって創設された日本初のUFO研究団体。同会には、糸川英夫、三島由紀夫、石原慎太郎、星新一らの著名人たちも多数参加。機関紙は「宇宙機」。現在は活動休止状態。
- プロジェクト・サイン (Project Sign)
- 1948年1月に、アメリカ・オハイオ州デイトンのライトフィールド空軍基地(後のライトパターソン空軍基地)に設置された空軍初のUFO調査研究機関の名称。一時期は「プロジェクト・ソーサー」(Project Saucer)とも呼ばれていた。48年の12月に解散。任務は後任の「プロジェクト・グラッジ」に引き継がれた。
- プロジェクト・グラッジ (Project Grudge)
- 1949年2月に、「プロジェクト・サイン」の任務を引き継いでアメリカのライトパターソン空軍基地に設置されたUFO調査研究機関の名称。49年12月に一度解散するが、2年後の51年10月には再編され、翌52年の3月まで続いた。その後の任務は後任の「プロジェクト・ブルーブック」に引き継がれた。
- プロジェクト・ブルーブック (Project Blue Book)
- 1952年3月に、「プロジェクト・グラッジ」の任務を引き継いでライトパターソン空軍基地に設置されたUFO調査研究機関の名称。最初のプロジェクト・サインの設置からブルーブックが1969年12月に解散するまでの22年間で、計1万2618件のUFO目撃報告を集めた(このうち、情報不足などにより未解明に終わったのは701件)。年毎の正体判明率でみると、94%は解明できたことになる(未解明率は6%)。その調査記録は当初は機密扱いだったが、現在は情報公開法により機密解除され、アメリカ公文書館、または「Project Blue Book Archive」で閲覧することができる。
- MUFON (Mutual UFO Network)
- 相互UFOネットワーク。1969年5月31日に設立されたアメリカの大手民間UFO研究団体。メンバーには海外の研究者も多数おり、UFOの研究団体としては世界最大の規模がある。
- 荒井欣一
- 日本のUFO研究家。1955年に、日本初のUFO研究団体「日本空飛ぶ円盤研究会」(JFSA)を創設。79年には国内外の貴重なUFO関連資料を展示した、私設の「UFOライブラリー」を東京・五反田に開設。「日本UFO研究界の父」とも呼ばれる。2002年に逝去。
- エドワード・J・ルッペルト (Edward J. Ruppelt)
- アメリカ空軍の大尉で、空軍公式のUFO調査機関「プロジェクト・ブルーブック」の初代機関長。「UFO」という言葉を軍で初めて公式に採用したことで知られる。1960年に37歳の若さで逝去。
- ジャック・ヴァレー (Jacques F. Vallee)
- フランス生まれ(現在はアメリカ・サンフランシスコ在住)の元コンピューター学者、天文学者で、現・UFO研究家。民間の妖精伝承、小人伝承などにはUFO現象と共通する部分がある、というユニークな説を唱えていることで知られる。また陰謀論などを唱えることもあるが、その一方で懐疑的なツッコミを入れることもあったりと、一筋縄ではいかないユニークな人物でもある。同じUFO研究家のJ・アレン・ハイネック博士とは親交があり、共同で本も執筆している。スティーブン・スピルバーグ監督の映画『未知との遭遇』では、フランソワーズ・トリュフォー演じるフランス人科学者、クロード・ラコームのモデルとなった。
- ジョーゼフ・アレン・ハイネック (Josef Allen Hynek)
- 空軍のUFO調査機関の顧問を20年以上務めたことでも知られる、アメリカの天文学者・UFO研究家。もともとUFO現象には懐疑的であったが、後年は肯定派に転向した(ただしETHには懐疑的だったらしい)。1974年にはUFO研究センター「CUFOS」を設立。「UFO界のガリレオ」とも呼ばれ、この業界での人気、知名度、業績のどれをとっても群を抜いている。スティーブン・スピルバーグ監督の映画『未知との遭遇』では、テクニカル・アドバイザーを務めた。
- ジョン・A・キール (John A. Keel)
- アメリカのジャーナリスト、UFO研究家。根っからの行動派で、若き日の1954年には銀行預金を全部おろして数年間の放浪の旅に出ると、エジプト、中東、チベット、東南アジアなどを踏破した。「ETH」や「ナットとボルト」説には批判的で、自ら「超地球」説を唱えたりしているため、「UFO=宇宙人の乗り物」だと信じたいビリーバーからは異端者扱いされ批判されることがある。しかし、そのオリジナリティ溢れる奇抜なアイデアにより、一部のUFOマニアや奇現象ファン、懐疑論者の間では人気が高い。1966年にアメリカのウェストバージニア州ポイントプレザントに出現したUMA(未確認動物)「モスマン」を現地調査して書いた著書『The Mothman Prophecies』』(84年に初邦訳された際の邦題は『モスマンの黙示』)は、2002年にリチャード・ギア主演で映画化された。
- ジョン・E・マック (John Edward Mack)
- アメリカ・ハーバード大学の精神医学者。アブダクションの肯定派として有名で、ピューリッツァー賞の受賞や本職の精神医学者としての実績などから、ビリーバーからはハク付けのための「権威」としてよく名前を出される。2004年にロンドンで、交通事故により亡くなった。
- スタントン・フリードマン (Stanton T. Friedman)
- おそらく、現在北米で最も有名なUFO研究家。これまでの本職は核物理学者だったが、あまり大した実績はないらしく、UFO研究家&ビリーバーとしての知名度のほうが遥かに上。有名な「MJ-12文書」や「ロズウェル事件」に深く関わっている人物で、講演会やテレビなどの出演も数多い。現在はカナダ在住。
- 高梨純一
- 日本のUFO研究家。1956年に「近代宇宙旅行協会」(MSFA)、後の「日本UFO科学協会」(JUFOSS)を設立。同会の会長を務めるかたわら、「APRO」や「MUFON」といったアメリカの大手UFO研究団体の日本代表を務め、晩年には「日本フォーティアン協会」の顧問も務めた。UFOに対しては肯定的であったが、矢追純一のデタラメぶりには、かなりの批判を行っていた。このことからもわかるように、決して盲信することなく地道な研究によって真偽を見定め、批判すべきは批判することのできる稀有なUFO研究家だった。
- ドナルド・キーホー (Donald Edward Keyhoe)
- 元アメリカ海軍少佐。UFO研究家。1949年に『TRUE』誌に寄稿した『Flying Saucers Are Real』(空飛ぶ円盤は実在する)という記事が話題になり、50年には同記事をもとにした著書『The Flying Saucers are Real』を出版。この本はベストセラーになり、以降50年以上後の現在でも絶版することなく入手可能なロングセラーともなっている(ちなみにUFOに関連した著書は他にも複数あるが、その多くがベストセラー)。この一連の著作や言動では、「ナットとボルト」説や「ETH」、「空軍とアメリカ政府はUFOに関する秘密を隠している」といった現代でも主流となっているUFO観を一般に広める大きな役割を果たした。1957年には設立されたばかりの「NICAP」の会長に就任。以降13年間に渡り同会の会長を務めた。1988年に逝去。
- ドナルド・メンゼル (Donald Howerd Menzel)
- アメリカの著名な天文学者であり、UFO懐疑派として有名なフィリップ・J・クラスでさえ、「メンゼルの前では筋金入りのビリーバーに見える」と言われるほどのUFO絶対否定派としても有名。その否定論には強引なこじつけもあり、自説に都合の悪いことは無視するなどの批判がある。「MJ-12文書」では、この文書を捏造した人物による嫌味だろうが、大統領直属のUFO問題を専門に扱う秘密機関「マジェスティック-12」の12人のメンバーの中の一人に名前が入っていた。1976年に逝去。
- ハイメ・マウサン (Jaime Maussan)
- メキシコで最も有名なUFOジャーナリスト。同国では全国的に名を知られたニュース・キャスターであり、自身が司会を務めるUFO番組もレギュラーとして持っている。2004年には、メキシコ空軍が撮影したUFOビデオとして話題となった事件で記者会見を開き、世界的にも名を知られるようになった。
- フィリップ・J・クラス (Philip J. Klass)
- アメリカ航空電子工学の専門雑誌『Aviation Week and Space Technology』の元編集長。1966年よりUFO現象の調査・解明に精力的に取り組む。「MJ-12文書」のトルーマン大統領のサインがコピーであることを見破ったり、プロジェクト・ブルーブックの未解明事件を解明してきたことでも有名な懐疑論者。「UFO界のシャーロック・ホームズ」とも評される。「The Klass Files」を参照。
- レイ・パーマー (Raymond Arthur Palmer)
- 雑誌編集者。世界初のSF雑誌として知られる『Amazing Stories』(アメージング・ストーリーズ)の編集長を務め、同誌に地底人の登場する地下王国の物語『シェイバー・ミステリー』を掲載。大反響となったが、フィクションではなく事実だと言い張ったことから批判を浴びた。1948にはオカルト雑誌『Fate』(フェイト)を創刊。有名なケネス・アーノルドのUFO目撃談を掲載し、その後もUFOに関する記事を数多く掲載した。(さらに57年には『Flying Saucers Magazine』(空飛ぶ円盤誌)を創刊)「UFOは異星人の乗り物である」(ETH)という考え方を一般に広める大きな役割を果たした。1977年に逝去。